跳side〜
(はあ、予想はしてたけど…面倒なことになりましたね)
どうも、開始から出てくるのは初めてですね。草下 跳です。ただ今現在、僕が何をしているかと言うと、
「逃すな!裏切り者を捕縛しろ!」
絶賛追われてます。何故かって?前回のデータベース侵入がバレました。と言っても、バレること前提でやりましたし、今の状況は結構好都合なんですよね。抜けるの楽だし。
「大人しく投降しろ!」
「殺されると分かってて止まるバカが何処にいますかねぇ!」
いい加減、鬼ごっこにも飽きてきました。なので、
「ポチッとな」
最新型個人用次元転移装置、通称「お一人様ポータル改良版」のスイッチを押して足元に設置します。作動から転送までの時間は0.1秒。追手は銃を持っていますが、人間の反応速度と同等の速さで転移されては何も出来ないでしょう。
「では、さようなら(笑)」
「クソがぁッ!」
ポータルの転移が始まった証である青い閃光に視界が塗りつぶされる中、悔しがる追手のリーダーにむけてとびっきりの腹が立つ笑みを向けてやりました。
〜青年転移中〜
「見覚えのある天井…いや、青空だ」
視界が晴れると、そこに広がっていたのは森でした。一面見渡す限りの木、木、木。鬱蒼、と言うほどではありませんが、かなり先まで木で埋め尽くされています。
「さて、幻想郷に逃げたのはいいんですが…どうしましょう?」
僕が転移した先は幻想郷、僕も参加していた作戦の侵攻先です。幸い、今まで僕の姿はあの機竜の戦士以外には見られていませんし、とりあえずは迷い込んだ一般人のふりをしt
「おいお前、何やってんだここで」
…気のせいでしょうか、今すっごく聞き覚えのある声が聞こえたような気がしたのですが…
「おい聞いてんのか、ここで何をやってるんだ?」
「「………」」
「アイエェェェェェェ⁈ドラゴンライダー=サン⁈ドラゴンライダー=サンナンデ⁈」
「…なんでニンジャリアリティショック発症してるんですかねえ…つか、懐かしい呼び名だなオイ。ここが俺の家の近くだからだよ」
「嘘でしょ…」
最悪だぁ…今この場で最も会いたくない人物にエンカウントしてますよ…しかも大まかにセットした座標が家の近くとかどんな偶然ですか。あ、一応補足すると、ドラゴンライダーってのはメタル・ドラゴンの搭乗者のことです。
「とりあえずもっかい聞くぞ?お前はここで何をしてた?」
「……戦闘準備、と言ったら?(震え声)」
「いいだろう、その喧嘩買ってやる」
「じ、冗談です‼︎貴方ってそういうの通じないタイプですか⁈」
こっち今ホントに余裕ないのに!下手な冗談言ったの僕ですけど!
「わーってるよ」
「あーもーヒヤヒヤさせないでください…もう冗談は抜きです。僕がここへ来た目的は…」
ブゥゥゥゥゥゥン……!
突如背後から鈍い振動音、空間が歪む音が鳴り響く。嫌な予感とともに振り返ると、見慣れた門のような機械、次元転移装置「ポータルver.4」が鎮座しており、そこから
「見つけたぜぇ、裏切り者」
つい先程撒いたばかりの追手が、下品な笑みを浮かべ、立っていました。
錬side〜
ドーモ、皆さん。輝晶 錬です。なんか忍殺風に挨拶しちゃったけど、さっきの跳に引っ張られたかな?
まあそれは置いといて、今俺の目の前には見覚えのある(本当なら見たくもない)ポータルと雑魚ソルジャーども、そして人間の兵士が数人立っていた。
「見つけたぜぇ、裏切り者」
裏切り者だとぉ?俺はそもそもお前らの味方だったつもりはない!と言おうとして、男達が俺を見ていないことに気づいた。その目線を追ってみると、苦々しげな表情を浮かべた跳の姿が。
(なるほど。アイツが何かやってこっちに逃げてきた、と)
具体的に何をしたのかはわからない。が、今跳が奴らと敵対しているのは事実だ。
(さて、どうしたもんかねぇ…)
正直、まだ跳を信用しきれてはいない。この全てが壮大な演技…というのは飛躍しすぎかもしれないが、可能性が無いわけじゃあない。だが、
(今回は、コイツ側に着いてみるか)
俺はズボンのポケットの中でDフォンを操作する。選んだアプリは武器。そのメニューの中から一丁の拳銃を選択、後ろに回した手に転送する。ズシリとした重みと共に俺の手に収まる銃は、人に向けるには大きい口径を持つ、マグナムと呼ばれるものだ。元は熊狩りに使われたというそれを体で隠しつつ、目の前の敵に話しかける。
「おいおい、俺を無視して話進めんなよ。寂しいじゃねーか」
「ああいたのか、例のお邪魔虫。ちょうどいい、ついでにテメェの首も貰っておいてやるよ。俺達の昇進の土産としてな!」
リーダー格と思しき男は勝ち誇った笑みを浮かべながら、俺の首を取ると宣言してきた。いいのかな〜そんなこと言っちゃって。
「ほ〜、お前らは俺の首が取れる程の実力があるんだな?そいつは楽しみ…だ!」
ダァンダァン!
隠していたマグナム…俺が初めて幻想郷に来たときに使っていたデザートイーグルによく似た銃だ…を構え、銃口を男…の両隣で武装を構えようとした複数のソルジャーに向け連続で全弾発砲する。転送された時点で弾は込められているので引き金を引くだけで弾が飛び出るって寸法だ。よく暴発しないよな。ヘッドショットをかまされたソルジャーどもがのけ反りながら後ろに倒れていく。男は驚愕していた。
「これすら見切れないのに、俺を倒すって…ビッグマウスも程々にしといた方がいいぜ?」
「テメェ…まあいい。俺たちにはこれがあるからな!来い!」
男が呼びかけると同時に、ポータルから身長2メートル半はありそうな巨漢が現れた。いや、巨漢というのは間違いだろう。正しくは2メートル半の巨躯を持った、リクガメのような人型ロボットだ。
「行け、トータスソルジャー!ソイツらをグシャグシャに叩き潰せ!」
ロボット、トータスソルジャーは命令を受けるとともに、その巨体からは考えられない俊敏さで俺に近づき、両手を組んで振り下ろしてきた。
「て、危ねぇッ!」
咄嗟に後ろに跳んでアームハンマーを回避するが、直撃した地面に小さなクレーターができていた。
(あんなのが直撃してみろ、ミンチよりヒデェ目に会うのが容易に想像できるっての!)
すぐにデザートイーグルに次弾を装填し、トータスソルジャーに発砲する。しかし、撃ち出された弾丸はトータスソルジャーの合わせた両腕に防がれる。腕についた甲羅が盾の役割を果たしているようだ。
「チッ、かってー野郎だな。オイ跳、アイツスクラップにするの手伝ってくれ」
「…人にものを頼む態度じゃないですよね、それ。分かりました、一応は協力しますけど、僕の優先事項はあっちなので」
そう言って男達を指差す跳。
「別にいいぜ、そっちを片付けてからでもさ」
「ありがとうございます」
俺はポケットからDフォンを取り出し、変身用のコードを打ち込む。隣では跳がグリップに黒緑のカプセルを装填している。
『0・0・2』『Code heat stand by, ready?』
『Grasshopper!』
「イクスパンデッド・アームド・オン!」
「融合」
準備が整ったことを示す音声とともに、俺たちは各自の変身プロセスを完了させる。
『Dragon warrior expanded』
『Injectioooon!』
俺の体に粒子変換されてきたフォトン(家で留守番している)の装甲が取り付き、スーツが生成される。跳の方は、相変わらずバッタに潰されてた。
「だから潰されてませんよ⁈」
「的確なツッコミありがとさん」
そして、竜の鎧の戦士と飛蝗の鎧の戦士が並び立つ。
「さっきも言った通りに、俺はあのデカブツを、お前は追手を片付ける。それでいいな?」
「もちろん。一番苦戦しそうな相手を引き付けてくれるんですから、むしろ感謝したいくらいですよ」
「はっ、そうかい。そうだ、折角だからなんか決めゼリフみたいなの言わね?」
「別にいいですけど…僕は言いませんよ」
まあそれならそれでいいさ。さて何にしようか…決めた、コレにしよう。
「ドラゴン・ウォリアー02・Heat、
What the next episode…?
次回は錬と跳の強化回です。