東方機械竜 〜孤独な戦士たち〜   作:(自称)ライダーオタク

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遅くなってすみません!
次回からはもっと早く投稿します!具体的には2週間以内に。

本編どうぞ!


Ep.4 「宴会」

錬side〜

妖怪の山。この幻想郷にある山の中で最も標高が高いのだそうだ。そしてその正体は、富士山に壊される前の八ヶ岳なんだとか。富士山がどうやって八ヶ岳を壊したのか、長野県から山梨県にまたがる火山群である八ヶ岳が全部壊されたとしたらどれだけの被害が出たのか疑問は尽きないが、今はそれらを全て忘却の彼方へとぶん投げる。

「いつまで登りゃいいんだよ。もう飽きたんだが」

俺は今、その妖怪の山を登っている。この山の八合目にある神社、『守矢神社』で開かれる宴会に参加するために。ちなみに、紫(呼び捨てでいいと言われたのでこうしてる)はスキマから上半身を出している。便利だなソレ。

「いや、この急な坂を汗どころか息ひとつ切らさず登っている貴方の方に驚いてるわよ、私」

つってもなー、前世で(むかし)受けてた地獄の戦闘訓練及び実験に比べたら、こんなの蚊に刺されるようなモンだよ。…本格的な山登りなんてしたことないけど。あと、もうすでに日が沈んでいるので周りは真っ暗だが、俺自身夜目がきく方だから足元にも充分注意して歩ける。一応ライト(スマホ)も持ってるし。

 

「ん…あれでいいのか?」

しばらく坂を登ったところで、今俺達が目指しているものだと思われる木造の建造物が見えてきた。余談だが、黒い鳥…烏の翼をはやした奴らが俺のこと監視するように飛んでたのがあまりにもウザかったんでそこらへんの木の枝折って投げつけたら、そいつの眉間に命中して墜落してった。紫によると、あれは烏天狗って言う妖怪らしい。あと何故か怒られた。

「ええ。あそこが守矢神社、今日の宴会の開催場所よ」

坂から続いた長い石段を登り終えた先にあったのは、実際に神社を見たことがない俺でも一目でデカいとわかる神社だった。建物の中から明かりが漏れている。聞こえてくる音量からして、かなりの人数が騒いでいるようだ。そして何より、俺の鼻をくすぐる食事の匂い。腹が鳴る。口からは涎が垂れているのが自分でもわかる。

「ジュルッ…なあ紫、早く行こうぜ。もう待ちきれねえよ」

「はいはい、わかったから少し落ち着きなさい。あと涎拭いて、みっともない」

垂れ流しになってた涎を手で拭い、建物の方へと足を運ぶ。建物に近づくにつれて強くなる匂いに、俺の食欲はますます刺激される。正面の階段を登り、扉、というか障子に手を掛ける。

(この先に… 桃源郷(美味しい食事)が…ふへへ、想像しただけで涎がでてきますねぇ〜。よ〜しここは輝晶 錬22歳、心火を燃やしてゲートオープン!)

心の中でよくわからないことをのたまいながら、はやる気持ちを抑え障子をゆっくりと開ける。すると、そこには20人以上の女性もしくは少女が酒を酌み交わし、楽しそうに騒いでいた。が、そんなことはどうでもよい。俺の目は長机の上に並ぶ数々の料理に釘付けになっていた。

「旨そうな料理…ジュルッ。早く食べたい…」

「だったら早く中に入りなさい。詰まってるから」

「あ、悪い」

紫に注意されて中に入った俺は、まずその部屋の広さに驚いた。20を超す人数が入っているのに、まだスペースがあるのだ。一体何人入れるのだろうか。あと、

「…紫、どう見たって未成年が酒飲んでんだけど…大丈夫なのか?」

「大丈夫よ。ここに外の常識は通用しないわ」

「…肝機能への影響とかはねーのか」

「多分、ないんじゃない?」

それはいい…のか?まあそれは置いといて、さあ飯の時間だ!と机に駆け寄ろうとした時、

「あら紫、あんたも来てたのね」

俺達、というか紫に誰かが話しかけた。その人物は、赤いワンピースのような服を着た15〜6歳くらいの少女で頭に服と同じ赤いリボンをつけている。しかし、それよりも目がいくのは、肩。少女の着ている服は、肩が丸出しなのだ。いや、それだと語弊がある。正確には肩や腋を含めた、腕の付け根全体というべきだろう。あまりにも奇抜な服装にカルチャーショックを感じ、しばし思考がフリーズを起こしてしまった。が、そんな俺を置いてけぼりに二人は話し始める。

「あら霊夢。私は来ないとは言ってないけれど?」

「宴会が始まってもなかなか来ないから、あんたは参加しないのかと思ってたけど」

「それは、ちょっとした野暮用ね。そこの彼も関係してくるやつ」

「ん?そういえばずっといたわね。なんか固まってるけど、誰なの?」

「それくらいは自分で聞きなさい」

少女の名前は霊夢というようだ。紫が驚いていないようだから、あの格好が普段着なのだろう。フリーズした思考の中でようやく理解できたのはこの2つだけだった。そこから30秒くらいして、

「…ハッ!あぁすまない。少々思考がフリーズしてたんだ。それで、俺になんの用かな?」

「なんでフリーズしてたのかは聞かないでおくわ。それで、あんたは誰?」

「そう言う態度、嫌いじゃないね。さて、自己紹介といこうか。改めてはじめまして。俺の名前は輝晶 錬、22歳だ。よろしく」

「錬ね、よろしく。私は霊夢、博麗 霊夢よ。博麗神社で巫女をやってるの。もし立ち寄ったら、コレ、よろしくね」

そう言って、霊夢は右手の親指と人差し指で円を作った。お賽銭のことだろう。がめつい巫女だ。ん、服のこと?諦めたよ…。

「分かりましたよ。で、そろそろ中に入りたいんだけど」

「あ、ごめんなさい。どうぞ入って。私の神社じゃないけど」

霊夢との話を終え、ようやく机の側に置かれていた座布団の上にあぐらをかき(紫はというと、いつのまにか机の方に動いていた)、さて食うぞと言ったところで、

「おっ、見ない顔だな。外から来たのか?」

誰かに声をかけられた。男っぽい話し方だが、声の高さからして女だろう。だがそんなことは関係ない。俺の楽しみを邪魔したんだ、誰であろうとぶっ飛ばしてやる。そんなことを思いながら振り向くと、そこには金髪の少女がいた。白黒の、魔法使いというのが一番適当な服を着ている。快活そうな少女だ。と、俺の不機嫌そうな雰囲気を察したのか、

「あ、もしかして今から飯食うところだったか?ああ、悪い。あとで返事してくれ」

と謝ってきた。ふむ、ちゃんと謝ってくれるあたり悪いやつではないのだろう。このことに免じてぶっ飛ばすのは勘弁してあげよう。

「いや、大丈夫。話しかけられたら返事をする、人間の基本だからね。外から来たのか、という質問だが、一応YESだ」

「へー。あ、忘れてた。アタシは霧雨 魔理沙だ」

「輝晶 錬という。よろしく、魔理沙」

「魔理沙ー」

互いに軽い挨拶を交わし終えたところで、女性の声が魔理沙を読んだ。見ると、人形が着ているような服の、魔理沙より背の高い女性がこちらに歩いてきた。肌の色や美しいブロンドからして、西洋の人だろうか。

「おぉアリス。お前も来てたんだな」

「まぁ、招待されたからね。ん、その人は?」

ふと女性…アリスが魔理沙に俺のことを聞いてきた。

「こんばんは。俺は輝晶 錬。えっと確か、アリス、だったっけ?」

「ええ。私はアリス・マーガトロイド。よろしくね」

「よろしく、アリス」

アリスと話し終えたところで、自分が置かれている状況に気づく。自分はこの幻想郷では新参者。ならば、元からいる人たちに対して何をするべきだろうか。

(…挨拶回り、だよなあ)

今すぐ飯を食べろと唸る腹を無理やり黙らせて、今までいた机の付近から離れる。

(適当に回ってきますか…)

 

ー紅魔館ー

 

「あら、初めて見る顔ね」

俺が適当にぶらついていると、突然声をかけられた。その声の主は、10歳くらいの少女、というか幼女で、背中からコウモリのような翼を生やしていた。髪は青みがかった銀で、真紅の瞳がこちらを興味深そうに見ている。

「ああ、最近ここに来たばかりだからな。はじめまして」

「はじめまして。私はレミリア・スカーレット。誇り高き吸血鬼よ」

「輝晶 錬だ。にしても、吸血鬼かぁ…紫外線浴びせたら灰になるのかな

「ッ⁈」ビクッ

あれ、なんかまずい事言ったかな…?(無自覚)

「お嬢様、ここに居られたのですか。…お嬢様?どう致しましたか?」

「…ハッ、なんだ咲夜か。なに、どうもしていないよ」

「そうですか…。こちらの方は?」

「はじめまして、メイドさん。俺は輝晶 錬、よろしくね」

「私は十六夜 咲夜と申します。よろしくお願いします、錬さん」

「タメ口でいいよ。敬語なんてかたっ苦しくてしょうがないから」

「分かり…分かった。よろしく、錬」

「おう、よろしく」

 

ー白玉楼ー

 

「あらあらあなた、紫と一緒にいた外来人さんよねぇ?」

「あぅん?」

レミリア、咲夜と別れてぶらぶらと歩いていた俺に、また誰かが話しかけてきた。見ると、水色のゆったりとした和服を着た、桜色の髪をした女性だった。少し浮いている。雰囲気、とかじゃなくて物理的に。まあ、 幻想郷(この世界)ではよくある事らしいから気にはならないが、それとは違うところに違和感を覚え、彼女の胸元を見る。決していやらしい意味ではない。決していやらしい意味ではない。

(この人の服、左側が前になってる。以前資料で読んだような…そうだ、確かこの服って…)

「死人に着せる服、でしょう?」

「⁈」

「ふふっ、私の胸をまじまじ見つめていたから、服のことかな〜、と思って。それとも、違ったかしら?」

「…いや、あってるよ。あんたのその格好って、そういうセンスなのか?それとも…」

「そこは私に言わせてちょうだい。…あなたの予想通り、私は亡霊…本当はちょっと違うけど、まあ幽霊みたいなものね」

「なるほど。ちなみに、自分が死んだ理由は?」

「う〜ん、覚えてないわ」

「そうか」

そこから少し、無言が続いた。

(あーどうしよ、話題が見つからない)

「あ、いた!幽々子さまー」

と、俺の後ろから誰かが小走りで近づいてきた。白いおかっぱ頭に黒いリボン付きカチューシャをつけ、緑のツーピースを着た少女だ。彼女が呼んでいた「幽々子」とは、多分さっきから俺が話してた女性のことだろう。

「あら妖夢。あなたどこに行ってたの?」

「それはこっちの台詞ですよ。目を離すとすぐふら〜っとどこか行っちゃうんですから…」

と、ここで少女…妖夢が俺に気づいた。

「お、どうもはじめまして。輝晶 錬って言います。さっきまでそこの幽々子さん、だっけ?と話してたんだ」

「あ、そうだったんですか。すみません、うちの幽々子様が…」

「いいっていいって。話してる分には楽しかったし」

「そう言ってもらえるなら…申し遅れました、私は魂魄 妖夢です」

「うん、よろしく妖夢」

「よろしくお願いします」

彼女の敬語には何も言わない。なんか敬語がデフォルトみたいな感じだし。

 

ー永遠亭ー

 

妖夢と幽々子の二人と別れ、またぶらりと歩いていると、近くの机で長い銀髪を三つ編みにした 半分が赤、もう半分が青で、上下で赤と青が反転している変わった(ラビットタンクみたいな)服を着た女性…って誰だ変なルビ振った奴。正直に言いなさい、先生怒らないから。さて、少々脱線したが、その女性と長い黒髪をストレートにした、中世日本の貴族が着ていたような服…十二単だったか…をきた女性が談笑していた。その横では、ブレザーを着、頭から兎の耳が生えている少女が同じく兎耳の生えた幼女と揉めていた。どうやら料理の取り分のことらしい。

「ちょっとてゐ!アンタ唐揚げ取りすぎ!もうちょっと減らしなさいよ!」

「まあまあ、子供っていうのはよく食べる生き物だから」

「アンタ子供って歳じゃないだろ」

…うわぁ、すごくくだらない。気持ちは分かるけどくだらない。そう呆れていると、銀髪のラb…変わった服の人が俺に気づいたようだ。

「あら、何か用かしら?」

「いや、そこの二人がなんかくだらない争いやってるから、呆れて見てた。ほら、アホなことやってる奴に『何やってんだアイツ』みたいな視線向けることあるでしょ?それとおんなじだよ」

「…確かにそうね」

そう言って銀髪の人は苦笑いする。隣の黒髪の人は変わらずに微笑んでいる。

「紹介が遅れてごめんなさい、私は八意 永琳。で、こちらが私の主、蓬莱山 輝夜。で、あそこで言い争っているのが、鈴仙・優曇華院・イナバと因幡 てゐ」

「よろしくね、錬くん」

「輝晶 錬だ。よろしく、永琳、輝夜。ん?輝夜、ってことは…」

「ええ。私、蓬莱山 輝夜はみんなご存知『竹取物語』のかぐや姫、その本人よ」

「おおー」

 

ーーーーーーーーー

 

とまあ、こんな感じで挨拶周りを終え、すぐに空いている座布団に座り箸を持つ。これでもう、誰にも邪魔はされない。そんな確信を抱きながら、近くの大皿に持ってある唐揚げをつまみ、口に運ぶ。衣のサクリとした食感ののちに、口の中に肉汁が広がる。肉にも、素材本来の味を殺さない程度に調味されている。美味い。いくらでも箸が進んでゆく。止められない、止まらない。俺の知っている範囲内で、これより美味いのを出した店はなかった。誰が作ったのだろう。

「うわーすごい勢いですねー。そんなにがっつかなくてもまだおかわりはありますよ」

と、そう言いながら現れたのは、緑の髪を長く伸ばし、色や細部の形は違うが、概ね霊夢と似ている服を着た少女だった。両手で食べ物が盛られた大皿を抱えている。

「えっと…君は?」

「あ、すみません。はじめまして。私、東風谷 早苗って言います。最近ここに来たばかりなんです」

「へぇー、俺と同じだねぇ。おっと忘れてた。俺は輝晶 錬。よろしくね」

「よろしくお願いします」

早苗は俺の隣に座り、抱えていた大皿と空になった大皿を交換する。その様子を見ていた俺は、ふと湧き上がった疑問を早苗にぶつけた。

「そういえば、早苗っていつ幻想郷に来たの?」

「ええっと、確か2,3日前ですね」

「へー、俺は数時間前だな」

「す、数時間前…」

「ま、特になんかあった訳じゃないけどね」

もちろん嘘である。不要なことは喋らない、コレ大事。

「アグッ、ムグムグ、ゴクン。いやー、にしても美味いなーこの唐揚げ。誰が作ったんだろ?」

「はい、今持ってきた料理は私が作りましたけど、確か他の料理は咲夜さんとか妖夢さんが作ってました」

へー、咲夜っていうと、あの銀髪のメイドさんか。あの人、かなり実力者みたいだし、周りの他のメイドさんより地位も高い見たいだ。メイド長、って言うんだっけ?それに妖夢も。あのふわふわした人の従者らしいし、やっぱり料理とかよく作ってんのかな?

「後で感想言いにいこ…あ、そうだ。この世界の争いの解決方法ってどんなの?あ、武力行使の時オンリーで」

「んー、私も来たばかりでよく分かって無いんですけど、確か『スペルカードルール』だったかな」

「スペルカード?」

「はい、確か『人間では太刀打ちできない妖怪や神様と対等に戦うために作られたルール』だったはずです。使うカードの数を宣言するとか、意味のない攻撃はしてはいけないとか」

「なるほど」

「0ではないんですけど、あまり誰かが死ぬことはないそうです」

「そうか…」

誰かが死ぬことはない、ルールの決められた戦い。多分、スペルカードルールというのは一種のスポーツのようなものなのだろう。それで争いが解決する、なんとも平和的だ。全世界が全力を持って互いを殺し合い、関係のない場所でおびただしい被害を生みながらいつまで経っても終わらない、あの世界に比べたら、遥かに。

「そうだ、スペルカードルールって、どうやって戦うんだ?」

「弾幕です。互いに弾幕を張って互いに避けあい、どちらが美しく戦ったのかを競い合うんです」

「なるほど、やってみたいな…」

「あ、じゃあやってみます?」

「はい?」

 

この時の俺は知らなかった。まさかこの一言がきっかけで、あんなことになるだなんて。

 

What’s the next episode…?




誰か、私に文才をください…
一体、次回に何が起こるんですかね…

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