とある飛空士への召喚録   作:創作家ZERO零

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第63話〜罪深き王国リーム〜

「やってくれたな」

「それはこっちの台詞だよ」

 

 

エストシラント占領の三日後、エストシラント港。そこに停泊するレヴァーム空軍パーパルディア攻略艦隊の『エル・バステル』の寵楼艦橋にて、二人の男が睨み合っていた。

 

片方はレヴァーム空軍パーパルディア攻略艦隊艦隊司令官、マルコス・ゲレロ中将。もう片方は帝政天ツ上第7師団長、大内田和樹中将。互いに睨み合い、火花を散らしている。

 

 

「何故我々の支援を待たなかった?」

「悪天候の中進軍すれば敵を混乱させられる、そう考えたからだ」

「その結果がこれですよ」

「確かに慢心はあった、だが無害だった市民を怒らせたのはあなた方空軍だ」

 

 

戦艦エル・バステルは空軍艦隊のアルタラス到着を見計らい、要人を乗せてパーパルディア攻略艦隊に打撃部隊として加わった。ルディアスの救出とカイオス達の蜂起の成功を聞き、壊滅したエストシラントまでやってきたのだ。

 

 

「……勝手な行動をした飛空士達はもちろん処罰する。だがあなた方がこのような勝手な行動をしなければこうはならなかった」

「それはこっちの台詞……」

「二人とも止めろ!!」

 

 

意見をぶつけ合う二人を誰が叱り付ける。その方向に目を向ければ、そこにいたのはレヴァーム軍の総司令官ナミッツだった。

 

 

「今は言い争いをしている場合ではない!戦争中だぞ!」

 

 

そう言うと、彼らはため息をついて言い争いを止めた。

 

 

「今回は陸軍海兵隊と空軍の双方に責任がある! 今はそれよりも戦争だ」

「ですがナミッツ司令殿、空軍のやったことは虐殺ですよ?」

「その件の処罰は必ずする、いやさせる。その件は我々の仕事を終えてからにしよう」

「そうだな……申し訳ない」

 

 

二人が和解した所で、ナミッツは空軍の艦砲射撃によって壊滅したエストシラント港を見据えた。

 

 

「この戦争は、なんとしてでも終わらせなければな……」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「どうぞ、お茶でございます」

「あ、ああ……済まない」

 

 

戦艦エル・バステルの内部、来賓室にて救出された元皇帝ルディアスがお茶を差し出されていた。彼の頭の中にあるのは、協力者であるカイオスとエルトの安否だけだった。

 

空爆と同時に蜂起し、ルディアスの身を隠す。それがカイオスの上げた作戦で、途中でエルトも加わってくれた。

 

彼らは私兵を使ってルディアスを地下室に隠し、そのあとレヴァーム天ツ上軍と合流を果たしたそうだ。だが、その二人が生きているかどうかは分からなかった。それが、ルディアスにとっての懸念だったのだ。

 

 

「どうぞ、こちらでございます」

「ありがとうございます」

 

 

ルディアスが落ち着かない自分を宥めていると、何人かの従者らしき人間がルディアスのいる来賓室に入ってきた。

 

 

「カイオス! エルト!! おお、無事だったか!!」

「陛下こそ、ご無事で何よりです」

 

 

ルディアスは歓喜のあまりに、二人の前へ出て肩を叩く。

 

 

「この戦争の推移を見て、この戦争は負けると思ったのです。いつかは蜂起をしなければと思い立ち、それを見かねたカイオスに声をかけられました」

「エルトははっきり言って私より能力に優れております、彼女は今後の皇国に必要な存在です。ので、今回の蜂起に誘いました」

「そうかそうか……」

 

 

元皇帝という立場だが、陛下と呼ばれたルディアスは思わず涙を流す。助け出された安心感と、カイオスとエルトが無事であった安心感の二つが波となって襲ってきたのだ。

 

 

「ご機嫌よう、ルディアス殿下」

 

 

その時、ルディアス達3人の耳元に凛とした声が響き渡った。その方向に振り返ると、清楚な服に身を包んだファナの姿があった。

 

 

「ふ、ファナ殿下殿!!」

 

 

思わず、ルディアスは片膝をついて跪く。見事なまでの跪きようで、これをレミールが見たらどう思うだろうか。

 

 

「ふふっ、ルディアス陛下、あの時以来ですね」

「え、ええ! もちろん覚えております! あの時は世話になった……」

「それでは皆さま、どうぞお座りください」

 

 

そう言ってファナはカイオス達を座らせるとこを促した。右端からエルト、ルディアス、カイオスの順に来賓室の上質な椅子に座る。ファナは向かい側の席に座り、片側に一緒に連れてきたナミッツを座らせた。

 

 

「まず初めにルディアス陛下、ご無事で何よりです」

「ファナ殿こそ、お変わりなく……」

「いいえ。カイオス殿もありがとうございます、レヴァームと天ツ上との連絡口がなければ、今回の作戦はうまくいかなかったでしょう」

「私も、パーパルディアのために出来る限りの事をしたまでです。ですが……」

 

 

カイオスはそこまで言うと、口を継ぐんだ。

 

 

「レミールの確保には失敗してしまい、申し訳ない……」

 

 

カイオスはそう言って謝罪した。カイオスの計画の中には、クーデターの首謀者レミールの身柄の確保もあったのだが、残念ながら失敗してしまっていた。

 

 

「今回御三方とこうして会談しているのは、その事についてです。レミールの確保は今回の戦争を終わらせる為の重要事項ですので」

 

 

ナミッツが補足をする。

 

 

「はい。それで皇女レミールの逃亡先ですが、候補がいくつかあるのです。そのうちの何処がそうか、分かりませんか?」

「うーむ……」

 

 

ルディアスはそう言って、並べられた地図を見た。

 

 

「あるとしたら、パールネウスか……はたまたデュロ辺りだろう……」

「この一ヶ月間で辿り着けるのですか?」

「逃亡には飛空船を使う手筈になっているのだ、飛空戦列艦を開発した今のパーパルディアなら、それくらい造作もない」

「では……その二つのうちのどちらかだと?」

「ああ、そうだと思う」

 

 

ナミッツはそう言われると、うなだれた。二つのうちのどれか、そうなると確率は二分の一だが、ナミッツとしてはこの馬鹿げた戦争を早く終わらせたかった。

 

 

「大変です陛下! 緊急事態です!」

 

 

と、その時扉を開ける音がして一人の軍人が入ってきた。彼はマクセル、ファナもよく知る顔だった。

 

 

「どういたしましたか?」

「ラジオをお聴きください!」

「ラジオを」

 

 

ファナにそう促されて、従者の一人が部屋のラジオを付ける。

 

 

これには、マグネも首を傾げざるを得なかった。海面への激突を避ける為、練度の高いマグネが必然的に危険な低空飛行を行う。マグネは疑問を持ちながらも、忠実に任務を遂行する。その時だった。

 

 

届いたのは、リーム王国からの魔導波であった。短調としたリーム王国のニュースキャスターが第三文明圏に向けてラジオ放送を読み上げる。

 

 

『リーム王国政府、バンクス国王は正式にパーパルディア皇国の使者の亡命を受け入れたとの表明を出しました。パーパルディア皇帝レミールによる正式演説が届いております』

 

 

衝撃的な一言が、会議室に流れる。その場にいた全員が戦慄した。お互いな顔を見合わせる中、放送が続く。

 

 

『私は、パーパルディア皇国皇帝レミールである! 今、パーパルディアはレヴァームと天ツ上による不当な攻撃を受けている!! 元皇帝ルディアスは唆され、彼はレヴァームと天ツ上に洗脳されている!!

我々を受け入れてくれたリーム王国に感謝の意を示すとともに、私はここに徹底抗戦を宣言する!! 横暴なレヴァームと天ツ上を打ち破り、ルディアスを取り戻す! 皆、手伝ってほしい!!』

 

 

唖然茫然、その場にいた全員がその気持ちであった。

 

 

「……マクセル大臣、リーム王国とは?」

「第三文明圏、パーパルディア皇国の北東部に位置する国です。たしか、国交は開設したばかりのはずです……」

 

 

沈黙が支配する。まさかの方法でレミールの位置が判ったものの、その位置が意外すぎる場所にいたことに衝撃を受けたのだ。

 

 

「なんで事だ……まさかリームの奴らが絡んでいるとは……」

「これはまずいですぞ!レミールがまさかリームに亡命して、レヴァームと天ツ上の連合を貶しているとは!」

「これは……! 早くレミールの確保をしなければこの戦争は泥沼化して……」

「その必要はありません」

 

 

戸惑うルディアスやカイオス、ナミッツ達を、ファナは一声で落ち着かせた。

 

 

「戦略の変更は必要ありません。レ天連合軍は引き続きレミールの確保を目標にしてください」

「で、ですが……」

「大丈夫です、策はあります」

 

 

そう言うと、ファナは扉の近くにいる従者に合図をして扉を開けさせた。そこから、清楚な衣装に身を包んだ一人の女性が現れる。

 

 

「貴方は……」

「お久しぶりです、ルディアス陛下」

 

 

そこから現れたのは、アルタラスの女王となったルミエスであった。

 

 

「ルミエス陛下……?」

「ルディアス陛下、貴方に一芝居打ってもらいたいと思います」

「?」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

第三文明圏国家、リーム王国。その国は第三文明圏の中でも「準列強」と呼ばれるほど軍事力と国力が高く、先進国11カ国会議にも一度呼ばれていた。

 

その王都、ヒキルガでは飛空船が行き交い、魔導港では人々が賑わっていた。そのヒキルガの王城セルコ城にて暗躍する人々がいた。

 

 

「バンクス殿、我々の亡命を受け入れてくださり誠に感謝する」

「いやいや、我が国としても皇国の軍を手に入れられて嬉しい限りだ」

 

 

パーパルディア皇国の皇族レミールは、かつては「小国」と呼んでいたリーム王国へと亡命を果たしていた。そして、それに合わせて政府も移して軍の一部と技術者をリームに移させた。

 

現在は、リーム王国を中心にデュロやパールネウスのあたりにまで軍は撤退している。レミール達はここから軍の指揮を取るのだ。

 

かつて「小国」と呼んでいたリームに亡命したのは、彼らとの取引があった。クーデターを察知したとき、リームは突然亡命先としてリームを選択するように打診してきたのだ。

 

その時は聞く耳持たなかったレミールであったが、後々戦局が悪化してからは使者を送ってやりとりをし、亡命を果たしたのだ。

 

 

「パーパルディアを占拠している国賊は必ずや打ち払い、レミール殿の夫となるルディアス殿も救出する。我が国なら、レヴァームと天ツ上にも負けやしないだろう。ハッハッハッ!!」

 

 

そう言ってバンクス王は自信を表す。

 

 

「それは嬉しいことです、期待しておりますよ」

「分かっておる」

 

 

レミールはバンクスに耳打ちをし、王座の間を去っていった。亡命者の中にはアルデの姿もある。

 

 

「国王陛下、本当によろしかったので?」

 

 

バンクス王に宰相が話しかける、仮想敵国だったパーパルディアの亡命者を受け入れるのはバンクスにとってもあまりいい気分ではないはずだ。

 

 

「分かっておる、良いのだ。パーパルディアからの亡命の願ってもない打診、パーパルディアの軍と技術者を迎え入れておけば、我が国の領土獲得の野望も一歩近づくということだ。どうだ? 良いだろう?」

「しかし、これではレヴァームと天ツ上に宣戦布告をされるのでは?」

「なに、匿っている事はバレているだろうが、それで国全体が宣戦布告をされる事はないだろう。それに相手はたかが文明圏外国、危うくなったらあ奴らをレヴァームと天ツ上へ差し出せばいい」

 

 

そう言って、バンクスは自らの陰謀の素晴らしさを悠々と語った。

 

 

「しかし陛下、もしも……」

「大変です! 陛下!!」

 

 

と、その時。諸侯のキルタナが部屋に飛び込んできた。彼はこの国の外務省を司る外務大臣であり、重要なポジションにいた。

 

 

「これをお読みください!!」

「……これは!?」

 

 

バンクスはそれを読み、顔を青くした。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

第一文明圏の魔導波を拾っている受信機が、何かを通知するような音を鳴らす。

 

 

『……番組の途中ですが、臨時ニュースをお知らせします!先日凱旋式を終えたアルタラス王国のルミエス女王と、パーパルディア皇国のルディアス皇帝が、全世界に向け緊急記者会見を行った演説映像が届きました!』

 

 

映像がどこかの戦艦の上に作られた記者会見場に切り替わり、一時してルミエスが壇上に上がる。ルミエスが姿勢を正して立つ姿は凛として美しく、画面越しに品性が感じられた。

 

 

『みなさん、おはようございます。今から行う発表は、当事国の神聖レヴァーム皇国と帝政天ツ上に了解を得ています』

 

 

透明度があり、高くもなく低くもないような声が、男女問わず聴覚を刺激する。

 

 

『先日18日、アルタラス王国の北方、パーパルディア皇国のエストシラント南方海域で、神聖レヴァーム皇国とパーパルディア皇国の海戦が行われました』

 

 

初の公的機関からの重要発表。記者たちは体を乗り出して聞き耳をたて、一言一言聞き漏らすまいと耳を傾ける。

 

 

『この海戦に、レヴァーム空軍は戦闘艦約38隻を投入、一方パーパルディア皇国は、主力戦列艦等約1000隻を投入いたしました』

 

 

噂では流れていた事象が、政府機関からの正式発表として行われる。彼らの噂は概ね正しかったようだ。記者関係者たちは、必死に記録を行う。

 

 

『本戦いの結果、レヴァーム側の被害はゼロ、1隻たりとも、1人の死者も出ていません。一方、パーパルディア皇国は約990隻が撃沈され、残りの十数隻は敗走、本戦いをもって、パーパルディア皇国主力海軍はほぼ全滅いたしました。

皇国海軍本部も消滅し、バルス海将も死亡。エスシラントはレヴァームと天ツ上の陸軍によって占領されたとの報告を受けました』

 

 

開いた口が塞がらない、記者たちも動揺の表情をしているだろう。戦力比があまりにも桁違いの差を覆す戦闘能力など、尋常ではない。

 

 

『また、これに先立ち、レヴァームはパーパルディア皇国本土の陸軍基地、皇都防衛隊を空から攻撃を行い、これを全滅させました。そして、応援に駆けつけたワイバーン400騎以上は、とある飛空士一人によって全滅させられました』

 

 

その言葉にも、記者達が戦慄する。たった一人でワイバーンを400騎を相手にして、退けたのかと。それがどれだけ凄いことか凄まじいことか、理解したのだ。

 

 

『なお、この攻撃には、我が国の基地が使用されています。これがどういうことが、皆さんにもお分かりかと思います』

 

 

つまりは、アルタラス王国はレヴァーム天ツ上と同盟を結んだ、あるいは庇護下に入ったと見るべきだろう。これで、パーパルディア皇国はアルタラス王国に手出しできなくなったのだ。

 

 

『そして、悪魔の国たる皇国の皇帝レミールは、何処かへ逃げ出しました。エストシラントの市民には武器を持たせておいて、自分だけ逃げ出したのです!!』

 

 

ルミエスの演説はそこで一幕終わり、次に質素なスーツに身を包んだ一人の美しい男性が前に出る。それは、かの皇帝ルディアスであった。

 

 

『パーパルディア皇国元皇帝、ルディアスだ。まず、属領の人々に謝りたいことがある。私の敷いた圧政のせいで、君たちを不幸な目に合わせてしまった……

神聖ミリシアル帝国やムーに対し醜い劣等感を抱き、追い付け追い越せと言わんばかりに拡大政策を行い続ける。そして、属領の人々を搾取する……その惨めさを、これを機に実感できた。私は今、この場を借りて謝罪したい。この通りである』

 

 

ルディアスはそう言って、頭を下げた。誠意のこもった謝罪に、まさかとは思っていた記者達も仰天した。機械式、魔導式の沢山のフラッシュが焚かれる。

 

 

『私が一度クーデターにより失脚した事はもうすでに知っていると思う。私は、レヴァームと天ツ上と接触した時から、彼らと友好的に接する事を目標に掲げていた。しかし、皇女レミールは醜いことに、レヴァームの執政長官であるファナ・レヴァーム殿に多大な嫉妬を抱くようになった。

彼らは軍を唆してクーデターを起こし、私を失脚させ、好き勝手、やりたい放題をしてきた! そして、挙げ句の果てにはエストシラントの市民に武器を持たせ、自分だけ逃げ出した!! 私はその往生際の悪さが許せない!

だからこそ、我々はここに宣言する! 我々ルディアス政権こそがパーパルディア皇国の正統政府であり、彼らは国賊である事を!! そして、新たなる第三文明圏の国家〈自由パールネウス共和国〉を建国する事をここに宣言する!!』

 

 

ルディアスは声を高らかに上げ、そう宣言した。フラッシュが大量に焚かれ、記者達が熱狂する。それを見計らい、ルディアスはルミエスに順番を交代した。

 

 

『ルディアス政権の樹立はご覧になった通りです。彼らは国賊、その逃亡先は第三文明圏の国リーム王国です。そして彼らは愚かにもまだレヴァームと天ツ上に敵対する行動をしています。しかし、彼らでもレヴァームと天ツ上に勝てない!!』

 

 

ルミエスの声に力がこもる。両手を差し出し、声を張り上げた。

 

 

『国賊よりも、レヴァーム天ツ上の方がはるかに強いことは、今回の戦いで明らかとなりました!!

国賊の統治に苦しんで来た人々よ!! 今が動く時です!!! あなた方が自分の国を取り戻すという行為そのものが、この戦いを大きく左右します! 驕り高ぶった巨人の足元を打ち崩す為、戦うのです!! リーム王国は、愚かにも国賊を匿いました!しかし、彼らでもレヴァームと天ツ上には勝てない!!

属領を虐げてきた彼らは、列強の座から転落します。アルタラス王国も、自由パールネウス共和国も、レヴァームと天ツ上を全力で支援することを、ここに宣言します!!』

 

 

記者達が質問を始める、レヴァームと天ツ上がどのような攻撃を行なったのか、どれほどの軍事力を有しているのか、次の作戦についてすぐに動き始めているのか。

 

重要な事項は曖昧にされたが、第三文明圏に興奮と困惑、目まぐるしい情勢の動きを伝える緊急放送は終了した。

 

 

「イキア!!」

「なんだ?」

 

 

ハキは傍の副長のイキア、つまりは右腕に声をかける。彼らはクーズ独立のために仲間を集めて2ヶ月間耐え忍んできた。皇国の統治に反感を持つものは思った以上に多く、ハキ自身信じられないことであるが、協力者は2500人にも登っていた。

 

100人を超えた頃、組織名を『クーズ王国再建軍』と定めた。実質的な戦力は1500人程度だが、大きな戦力といえる。

 

 

「時はきた! クーズ王国再建軍の初陣だ!! 本日午後3時に一斉蜂起!! 統治機構庁舎を打ち破り、クーズ王国を取り戻すぞ!!」

「ああ! 分かった!!」

 

 

第三文明圏の列強パーパルディア皇国との戦いに敗れ、最低な統治を受け続けていたクーズ王国。自分たちの国を取り戻したかったが、パ皇軍はあまりにも強く、絶望的な差が開いていた。

 

しかし、レヴァームと天ツ上という国が現れてからというもの、状況が一変した。彼らは属領になっていたアルタラスを救い、列強が最強ではないことを教えてくれた。

 

そしてレヴァームと天ツ上はついに、皇国にこれまでにない痛手を与えた。属領統治軍を引かせなければならないほどの損害を。

 

その今が好機である、彼らは動き出した。そして裏切り者のリーム王国をも倒して首謀者レミールを捕まえる。戦争はそうやってシフトしていった。




リームなんか大っ嫌いだバァァァァァカ!!!

リームが嫌いな方は挙手を。

と、言うわけでリーム王国には陰謀を噛んでもらいました。相変わらずですね、この国は。

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