とある飛空士への召喚録   作:創作家ZERO零

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後世の教科書、歴史書、Wikipedia風に書きました。
あと、設定資料集をいくつか更新しています。


第三文明圏戦争年表(ネタバレ注意)

第三文明圏戦争

第三文明圏戦争は、1639年から1640年の1年間、パーパルディア皇国を中心とする陣営と、神聖レヴァーム皇国、帝政天ツ上、73カ国連合などの連合国陣営の間で行われた、第3文明圏を戦場とした全面戦争。

 

交戦勢力:

パーパルディア皇国&リーム王国

vs

神聖レヴァーム皇国&帝政天ツ上&73カ国連合軍

 

指導者/指揮官:

パーパルディア皇国

皇帝レミール

総司令官アルデ

 

リーム王国

国王バンクス

王下直轄軍大将軍リバル

 

神聖レヴァーム皇国

執政長官ファナ・レヴァーム

マルコス・ゲレロ中将

 

帝政天ツ上

皇太子聖天ノ宮

大内田中将

 

73カ国連合

アルタラス王女ルミエス

総司令官ミーゴ

司令官ハキ

 

戦力:

パーパルディア皇国

戦列歩兵500万人

戦列艦1200隻以上

 

レヴァーム天ツ上連合

レヴァーム陸軍10個師団

レヴァーム海兵隊10個師団

天ツ上陸軍10個師団

戦艦8隻

空母8隻

軽重巡空艦24隻

飛空駆逐艦168隻

 

73カ国連合軍

兵力30万人

 

損害:

パーパルディア皇国

軍人死者480万名以上

民間人死者55万名以上

 

連合軍

軍人死者1万名以上

民間人死者50名以上

 

結果:

連合国の勝利

パーパルディア皇国の解体

自由パールネウス共和国の誕生

神聖レヴァーム皇国と帝政天ツ上の国際的地位向上

国際戦時協定の締結

第三文明圏共同体の設立

 

 

 

 

 

 

背景

 

パーパルディア皇国の体制

パーパルディア皇国は約10年間に渡って領地拡張政策や対外恐慌政策をとってきた。これは「パーパルディア主義」という思想で、手に入れた属領から富を吸い上げることによって自国を豊かにするやり方であった。

しかし、その長いパーパルディア主義の下、軍や一部の皇族はかなり腐敗が進んでおり、属領からも不満がいつ爆発するか分からない状態になっている事には、パーパルディアは気づかなかった。

 

レヴァームと天ツ上との接触

この世界に転移して間もなかったレヴァームと天ツ上は、この世界の国々との早期接触を図るために飛空艦艇を多数派遣した(後の第一、第二使節団艦隊)。

アルタラスなどを含めた文明圏外の国家や、ミリシアルやムーと言った当時の名だたる列強国まで、当時のレヴァームと天ツ上は接触している国を増やすことによって国際社会に慣れようとしていた。

その接触ラッシュはパーパルディアにも届き、中央暦1639年9月13日に接触を果たした。レヴァームと天ツ上はパーパルディア皇国を警戒しており、交渉のテーブルにつけるか不安であった。そのため、同じ皇族であるファナ・レヴァームが直接出向く事になった。

 

皇女レミールの野望と嫉妬

皇女レミールは熱狂的なパーパルディア主義の発案者であり、当時の皇帝ルディアスにその思想を提案した張本人でもある。幼少期からルディアスと皇族として付き合いがあったレミールは、いつかルディアスを皇帝に立てて世界の太母となる事を夢見ていた。

しかし、中央暦1639年9月13日にレヴァーム天ツ上の使節団としてファナ・レヴァームが皇帝ルディアスと出会うと、ルディアスの態度は一変、ファナに惚れ込んだかのような温厚な態度になった。

レミールはこれを、「将来嫁ぐルディアスを文明圏外の女に奪われた」と嫉妬するようになり、彼女の一連の暴走が始まる原因となった。

 

 

 

 

 

 

経過

 

中央暦1639年9月13日

諸事情で後回しにしていたパーパルディア皇国に接触。そこでファナ皇妃が直接使節団として接触する。

 

 

中央暦1639年9月18日

ルディアスはレヴァーム天ツ上使節団を迎え入れてパーティを開く。文明圏外にしては異例の待遇。そして、帰路についていた各国使節団を招いて本格的なパーティが開かれる。

 

中央暦1639年9月20日

各国使節団、レヴァームと天ツ上の国力を垣間見る。24日まで滞在。

 

 

中央暦1639年9月25日

パーパルディアの条約を破棄したことできな臭いとみなされていたフェン王国と接触、軍祭に天ツ上艦隊が招かれる。しかし、そこでパーパルディア皇国軍の襲撃を受けた為、正当防衛として反撃、結果フェン王国へ向かっていたパーパルディア皇国軍は全滅。

 

 

中央暦1639年9月26日

レミールが帝前会議中にクーデターを起こし、主権を握る。弱腰体制をしていたルディアスに代わり、臨時の皇帝になる。

 

 

中央暦1639年11月25日

アルタラスに対してルディアスによって中止されていた要求が突き付けられる。ターラ14世、在アルタラス、パーパルディア大使のカストに発砲。カスト死亡。

 

 

中央暦1639年11月29日

パーパルディア皇国、アルタラスに対して上陸開始。レヴァームから輸出された装備によりパーパルディア皇国軍苦戦。しかし、上陸を許されてアルタラス軍は壊滅。

 

 

中央暦1639年11月30日

同日、レヴァームと天ツ上の外交官がパーパルディア皇国第三外務局長カイオス達と軍祭の件について会談を行う。しかし、途中で皇帝レミールが乱入、突然レヴァームと天ツ上に対して理不尽極まりない要求を突きつけ、さらにはアルタラスに居たレヴァーム天ツ上の民間人が人質に取られる。交渉は決裂、民間人は全員虐殺されてしまう。

 

 

中央暦1639年12月1日

神聖レヴァーム皇国と帝政天ツ上の代表による、パーパルディア皇国との最後の交渉が行われる。皇女レミールを交えての交渉は決裂し、レミールが無知のまま嫉妬で戦争を仕掛けた事実を知るのみだった。しかし、カイオスからのコンタクトで、パーパルディアとの唯一の接点を作ることに成功する。

 

 

中央暦1639年12月2日

神聖レヴァーム皇国首都エスメラルダにて、戦略会議を開催。今後の方針を決める中、ファナはこの戦争が自分に対する嫉妬で起こったことを初めて知る。

 

 

中央暦1639年12月9日9時55分

レヴァーム天ツ上連合艦隊、アルタラスへ侵攻。9時55分、帝政天ツ上本土へと向かっていたパーパルディア皇国軍艦隊とタイミングが合わさり、アルタラス沖海戦が勃発。連合軍の勝利に終わる。

 

 

中央暦1639年12月9日11時20分

同日11時20分。アルタラスに向けて制空権確保のための艦載機が出撃。アルタラスのパーパルディア皇国基地、ハイペリオン基地のワイバーン部隊と戦闘になるアルタラス空中戦が勃発。連合軍の完勝。

 

 

中央暦1639年12月9日12時35分

同日13時30分。天ツ上の陸軍部隊がアルタラス島に上陸開始。ベルトラン率いる防衛部隊と衝突するアルタラス上陸戦が勃発。包囲殲滅によりベルトラン部隊全滅、連合軍の圧勝。この一連の作戦によりアルタラス島は連合軍の物になる。

 

 

中央暦1639年12月9日15時46分

15時46分、アルタラス島攻撃の一報を受けた演習中だったパーパルディア皇国海軍の竜母「ヴェロニア」からワイバーンオーバーロード20騎が出撃。同空域で訓練飛行を行なっていた狩乃シャルル隊と偶然接触、戦闘勃発。小規模な戦闘だが第二次アルタラス空中戦と記録されている。

 

 

中央暦1640年1月10日

パーパルディア皇国軍によるアルタラス奪還作戦が発動、アルタラスのサン・ヴリエル飛空場の飛空隊と衝突する第二次アルタラス沖海戦が勃発。連合軍は降伏した船や脱出した竜騎士なども狙うなど、容赦のない攻撃を浴びせてパーパルディア皇国軍を撃滅。結果アルタラス島とその制海権を守り切り、連合軍の勝利となった。

 

 

中央暦1640年2月5日10時20分

連合軍、パーパルディア皇国の首都エストシラントへの総攻撃を開始。エストシラント大空中戦が勃発。一部の飛空士が民間人を攻撃したりと、トラブルがあったが、シャルル飛空士の活躍によりエストシラントの制空権を確保、連合軍の勝利となった。

 

 

中央暦1640年2月5日11時30分

北上していた連合軍艦隊はパーパルディア皇国の主力艦隊と戦闘状態に入った。後にエストシラント沖大海戦と呼ばれる戦いである。

パーパルディアは飛空戦列艦を1000隻以上揃えていたにも関わらず、近代飛空戦艦を含む連合軍艦隊には勝てず連合軍の圧勝となった。しかし、エストシラントの海軍本部を砲撃したところで連合軍艦隊はパーパルディア艦隊との戦闘で弾薬が欠乏、撤退させる戦果は挙げた。

 

 

中央暦1640年2月5日13時40分

午後になるとエストシラント上空に雨雲が立ち上り始めた。エストシラントの攻略及びルディアスの救出の為、陸軍及び海兵隊は悪天候の中上陸作戦を決行、エストシラント上陸戦が始まった。

パーパルディア皇国は皇女レミールの命令により、徹底抗戦が叫ばれていた。さらにはエストシラント大空中戦で民間人を虐殺した事により、市民の交戦意識も高まってしまった。

そのため民間人に武装を施す所謂「便意兵」が出現。エストシラントは大規模なゲリラ戦に突入する事になる。結果として、エストシラントの全面制圧には一ヶ月以上かかり、その後の戦略に大きな影響を与えた。

 

 

中央暦1640年3月9日

当初の予定から大幅に遅れてエストシラントを占領した後、レミールがリーム王国へ逃亡した事を掴んだ連合国は、世界に自由パールネウス共和国の樹立とルディアス政権の正当性を語った。結果、ミリシアルやムーが支援する形となり、国際世論はパーパルディアとリームに不利になっていった。

 

 

中央暦1640年3月15日

パーパルディアに残った唯一の工業力であるデュロの能力を撃滅する為、当初の予定から大場に遅れてデュロを航空機で攻撃。デュロ空中戦が起こった。パーパルディア側は密輸されていた対空魔光砲までも投入したが、逆に全て潰されて制空権を奪われ、工業地帯も全滅した。

 

 

中央暦1640年3月16日深夜

デュロ基地から出撃し、レヴァーム本土を狙っていたパーパルディア皇国海軍艦隊であったが、道中のシエラ・カデュス群島にて起こったシエラ・カデュス沖海戦にて、軽巡空艦4隻に全て撃沈された。

 

 

 

中央暦1640年3月30日

戦争に73カ国連合が参戦。連合軍はパーパルディア皇国軍の勢力低下を見込み、アルーニの戦いでパーパルディア皇国軍の三大基地アルーニを殲滅。連合軍はパーパルディア皇国陸軍勢力の大多数を削る事に成功。

 

 

中央暦1640年4月8日

パーパルディア皇国残党軍は亡命先のリーム王国王都ヒキルガに立てこもり、徹底抗戦を続けていた。連合軍はレミールを匿うリーム王国を敵とみなし、ヒキルガに攻め入りヒキルガの戦いが巻き起こった。帝政天ツ上陸軍第一挺身団の活躍もあり、レミールを確保。戦争は終結した。

 

 

 

 

 

 

主な戦役

 

アルタラス沖海戦

日付:中央暦1639年12月9日

 

場所:アルタラス島沖海域

 

交戦勢力:パーパルディア皇国軍vsレヴァーム天ツ上連合艦隊

 

指導者/指揮官:

パーパルディア皇国軍

艦隊司令官シウス

艦隊副司令官アルモス

 

レヴァーム天ツ上連合艦隊

マルコス・ゲレロ中将

八神武親中将

 

戦力:

パーパルディア皇国軍

超フィシャヌス級戦列艦「パール」

100門級飛空戦列艦209隻

飛空竜母「ミール」「ガナム」「マサーラ」他17隻

 

レヴァーム天ツ上連合艦隊

エル・バステル級戦艦2隻

他飛空戦艦2隻

スセソール級飛空母艦4隻

新鶴型航空母艦4隻

重巡空艦4

軽巡空艦6

飛空駆逐艦72隻

揚陸艦あかつき丸10隻

航空機840機

 

損害:

パーパルディア皇国軍

戦列艦200隻撃沈

竜母20隻撃沈

ワイバーンロード400騎撃墜

 

レヴァーム天ツ上連合艦隊

損害無し

 

背景:

神聖レヴァーム皇国と帝政天ツ上の連合軍は、戦争開始直後と共にアルタラス島を解放することを目標にしていた。戦争開始から7日で艦隊をアルタラスに差し向けていた。

同日、パーパルディア皇国海軍は天ツ上本土を攻撃するための艦隊を整え、同日には既に出撃していた。

偶然にもタイミングが重なった形だが、連合軍艦隊は既にその動きを察知しており、アルタラス島を攻略する()()()()この艦隊を撃滅することを決定した。

 

戦闘経過:

9時55分、高度9000メートルを飛行するサンタ・クルス偵察機が、アルタラスを出発したパ皇軍艦隊を発見。艦隊司令官マルコス・ゲレロはまず航空機で竜母を潰し、残りの艦隊はわざと砲撃戦で勝負をつける事を決定した。

10時10分、連合軍艦隊から艦載機が出撃。

10時48分、竜母艦隊を捉えて攻撃を開始、これを短時間で殲滅した。艦載機は帰還を開始。

11時12分、パ皇軍艦隊司令官シウスは竜母艦隊との連絡がつかない事を不審に思いながらも、連合軍艦隊戦艦部隊と接触した為、思考を中断。

11時15分、パ皇軍の期待の新兵器「飛空戦列艦」を離水させ、同じ土俵で戦おうとしたが、アウトレンジから空雷と砲撃で全滅する結果になった。シウスは上空1000メートルから海面に叩きつけられ、死亡した。

 

評価:

パーパルディア皇国の期待の新兵器である「飛空戦列艦」の初戦場となったが、無残にも敗北を期した為、後世の歴史書での飛空戦列艦の評価を乏しくさせる結果となった。

そもそも、この兵器の大部分がパーパルディア皇国の属領から取った技術で作られている為、キメラと化していて非常に不安定だった事。そもそも戦列艦が空を飛んでも、近代戦艦を含む艦隊に対しては無力である事が、この兵器が無駄になる結果となった。「その二つの弱点を見抜けず、無駄な兵器を作ってしまった事は、当時のパーパルディア皇国の愚かさを物語っている」と後世では評価されている。

 

 

 

 

 

アルタラス空中戦

日付:中央暦1639年12月9日

 

場所:アルタラス島上空

 

交戦勢力:パーパルディア皇国軍vsレヴァーム天ツ上連合艦隊

 

指導者/指揮官:

パーパルディア皇国軍

陸軍中将リージャック

 

レヴァーム天ツ上連合艦隊

マルコス・ゲレロ中将

八神武親中将

 

戦力:

パーパルディア皇国軍

飛空戦列艦20隻

ワイバーンロード300騎

ワイバーンオーバーロード3騎

 

レヴァーム天ツ上連合艦隊

航空機840機

 

損害:

パーパルディア皇国軍

飛空戦列艦20隻撃沈

ワイバーンロード300騎撃墜

ワイバーンオーバーロード3騎撃墜

 

レヴァーム天ツ上連合艦隊

損害無し

 

背景:

アルタラス島攻略の第二段階としてアルタラス島の制空権を確保することは、作戦を決める段階から計画されていた。アルタラス沖海戦という予定外の事態こそあったものの、作戦は順調に進んでいた為、予定通り艦載機は出撃した。

 

戦闘経過:

11時20分、連合軍艦隊から艦載機が出撃。一路ピケット艦の支援の下アルタラス島へ一直線に向かった。

11時34分、ピケット駆逐艦がハイペリオン基地にで展開するワイバーン部隊を探知、飛空隊に通達する。

12時04分、両者が接敵して戦闘開始。空戦性能で勝る連合軍飛行隊が優勢であり、物の数分で全滅した。

12時16分、遅れてきた爆攻連合がハイペリオン基地に爆撃を開始、徹底的な攻撃でハイペリオン基地の機能は喪失した。

 

評価:

連合軍の本作戦における投入機数は、ハイペリオン基地の戦力からすると過剰だと評価する歴史学者も多い。が、その分ハイペリオン基地をものの数分で叩きのめし、一切の損害を受けなかったのはマルコス・ゲレロ中将の念に念を押した作戦の賜物だと評価できる。

 

 

 

 

アルタラス上陸戦

日付:中央暦1639年12月9日

 

場所:アルタラス島

 

交戦勢力:パーパルディア皇国陸軍vs天ツ上陸軍天野支隊

 

指導者/指揮官:

パーパルディア皇国軍

陸将ベルトラン

副将ヨウシ

 

天ツ上陸軍天野支隊

天野中佐

 

戦力:

パーパルディア皇国軍

飛空戦列艦20隻

戦列歩兵20万人

リントヴルム32頭

 

天ツ上陸軍天野支隊

一個増強大隊2800名

戦車18台

揚陸艦10隻

 

損害:

パーパルディア皇国軍

飛空戦列艦20隻撃沈

ワイバーンロード300騎撃墜

ワイバーンオーバーロード3騎撃墜

 

天ツ上陸軍天野支隊

損害無し

 

背景:

アルタラス島開放の第三段階として用意されていた作戦。当初の予定通り、天ツ上の揚陸艦が中央海戦争以来初めて投入された。

 

戦闘経過:

13時30分、海岸線に到達した天ツ上陸軍あかつき丸6隻は、ビーチングや飛空大発動艇を用いて戦車や歩兵師団を上陸させる。

同時刻、ベルトラン率いるアルタラス島防衛部隊、戦闘開始。

13時31分、ベルトラン部隊が天ツ上の八式中戦車10台と対峙、リントヴルムの攻撃の前に手法による攻撃を受ける。

13時32分、ベルトラン部隊は戦車に対して牽引式魔導砲を斉射。しかし、効果は無かった。

13時35分、リントヴルム全個体死亡、歩兵部隊は丸裸になった。同時に後方に回り込ませたあかつき丸の部隊が、ベルトラン部隊を包囲。

13時39分、ベルトラン部隊は降伏を決意、第三文明圏での降伏の合図を出す。

13時40分、それを確認した天野中佐、敵将軍と通信を繋ぎ行動の真意を問う。

13時41分、レヴァーム人と天ツ人を虐殺した部隊が、簡単に降伏する事に対して怒りを感じた天野は降伏を無視、攻撃を開始。

13時42分、ベルトラン部隊、支援砲撃により全滅。戦闘終了。

 

評価:

ベルトラン部隊が全滅したのは、天野支隊によるアルタラスの悲劇に対する復讐の意味も多い。天野支隊の隊長である天野中佐はアルタラスの悲劇で孫娘を残忍な方法で殺されており、「そんな事をしでかした部隊が、都合よく降伏することが許せなかった」と後に語っている。

因みに、本戦いは帝政天ツ上の戦史史上初めての包囲殲滅戦であった。今までの歴史の中で包囲殲滅をして来なかった天ツ上であるが、そんな彼らが降伏を無視して殲滅するほど、アルタラスの悲劇の影響は大きかったという事である。

 

 

 

 

第二次アルタラス空中戦

日付:中央暦1639年12月9日15時46分

 

場所:アルタラス沖海域

 

交戦勢力:パーパルディア皇国海軍竜騎士団vs神聖レヴァーム皇国ネクサス飛空隊

 

指導者/指揮官:

パーパルディア皇国軍

不明

 

神聖レヴァーム皇国ネクサス飛空隊

狩乃シャルル大尉

 

戦力:

パーパルディア皇国海軍竜騎士団

ワイバーンオーバーロード20騎

 

神聖レヴァーム皇国ネクサス飛空隊

アイレスV3機

 

損害:

パーパルディア皇国海軍竜騎士団

ワイバーンオーバーロード20騎撃墜全滅

 

神聖レヴァーム皇国ネクサス飛空隊

損害無し

 

背景:

 

戦闘経過:

15時30分、狩乃シャルルは列機のメリエル・アルバスと訓練生ターナケインを誘い、訓練飛行をする事になり、サン・ヴリエル飛空場を飛び立った。

15時46分、飛行開始から16分後、シャルル機が西方向に所属不明のワイバーン部隊を発見。一機のみで戦闘に入る。

16時00分、ワイバーンオーバーロード部隊全滅、戦闘終了。

 

評価:

この戦闘は「海猫」こと狩乃シャルル飛空士が、卓越した操縦技術を持っていると評価されている。彼はアイレスVが空戦性能で勝るとはいえ、20騎のワイバーンオーバーロードを相手にたった1人で殲滅した。そのエースとしての実力は、後のエスシラント大空中戦でも発揮されている。

 

 

 

 

第二次アルタラス沖海戦

日時:中央暦1640年1月10日

 

場所:アルタラス沖海域

 

交戦勢力:パーパルディア皇国軍vsレヴァーム天ツ上連合軍

 

指導者/指揮官:

パーパルディア皇国軍

不明

 

レヴァーム天ツ上連合軍

基地司令アントニオ大佐

 

戦力:

パーパルディア皇国軍

飛空戦列艦200隻

ヴェロニア級飛空竜母40隻

ワイバーンオーバーロード800騎

 

レヴァーム天ツ上連合軍

航空機400機以上

 

損害:

パーパルディア皇国軍

飛空戦列艦200隻

ヴェロニア級飛空竜母40隻

ワイバーンオーバーロード

 

レヴァーム天ツ上連合軍

損害無し

 

背景:

皇女レミールは魔石の生産地としてアルタラスを重視していた。レミールの計画するレヴァーム天ツ上攻略戦争のため、アルタラスへ向けての再侵攻が行われた。

 

 

 

 

 

 

エストシラント大空中戦

日時:中央暦1640年2月5日

 

場所:エストシラント上空

 

交戦勢力:パーパルディア皇国陸軍vsレヴァーム天ツ上連合軍

 

指導者/指揮官:

パーパルディア皇国陸軍

陸将メイガ

 

レヴァーム天ツ上連合軍

マルコス・ゲレロ中将

 

戦力:

パーパルディア皇国陸軍

ワイバーンオーバーロード600騎以上

 

レヴァーム天ツ上連合軍

航空機500機以上

あかつき丸飛行隊100機

 

損害:

パーパルディア皇国海軍

ワイバーンオーバーロード590騎以上

民間人死者1万人以上

 

レヴァーム天ツ上連合軍

損害無し

 

背景:

連合軍はエストシラントへの本格上陸の為、同地にある陸軍基地の撃滅を狙っていた。エストシラント北にある陸軍基地は、パーパルディアの中で三本の指に入る巨大基地であり、ここを攻略することはエストシラント攻略のための最重要要素だった。

 

評価:

当時のレヴァーム空軍の虐殺に関しては、後世の歴史では言うまでもなく非難されている。すぐ後に起こるエストシラント上陸戦に出てきた便衣兵とは違い、完全な私怨による虐殺行為であるからであろう。しかも、その後すぐに出てきたワイバーン400騎に対して、交戦能力を使い果たしてしまっているのも「あまりにも間抜けである」と非難されている。

しかし、虐殺をした飛空士の尻拭いの為殿としてエストシラント上空に残り、400騎のワイバーン相手に奮闘して戦場伝説を作り上げた狩乃シャルル飛空士の実力は、対象的に評価されている。これが、彼の海猫伝説の始まりであった事を考えると、尚更である。

 

 

 

 

エストシラント沖大海戦

日時:中央暦1640年2月5日

 

場所:エストシラント沖

 

交戦勢力:パーパルディア皇国海軍vsレヴァーム空軍艦隊

 

指導者/指揮官:

パーパルディア皇国海軍

海軍総司令官バルス

作戦参謀マタール

艦隊司令官アルカオン

 

レヴァーム天ツ上連合軍

マルコス・ゲレロ中将

 

戦力:

パーパルディア皇国海軍

150門級戦列艦「デュオス」含む、飛空戦列艦1000隻以上

飛空竜母50隻以上

ワイバーンオーバーロード1000騎以上

 

レヴァーム空軍艦隊

エクレウス級飛空戦艦2隻

ボル・デーモン級重巡空艦2隻

アドミラシオン級軽巡空艦4隻

 

損害:

パーパルディア皇国陸軍

飛空戦列艦1000隻以上撃沈

飛空竜母50隻以上撃沈

ワイバーンオーバーロード1000騎以上撃墜

 

レヴァーム天ツ上連合軍

損害無し

 

背景:

エストシラントへの航空攻撃を受けたパーパルディアは、近いうちに海上侵攻があると予測。主力艦隊を全て出撃させて対応した。

一方、レヴァーム空軍艦隊は狩乃シャルル機の収容のために北上しており、パーパルディア艦隊と近い危険な状態であった。

 

評価:

近代戦艦を含む艦隊に対しては、戦列艦では無力だと決定的にした。これにより、各国海軍に衝撃が走り、戦艦の建造競争が起こるまでになった。

しかし一方で、空軍は陸軍海兵隊との連携を疎かにしてしまい、結果としてエストシラントの泥沼化を防げなかった事は陸軍海兵隊から非難された。

 

 

 

 

エストシラント上陸戦

日時:中央暦1640年2月5日〜3月6日

 

場所:皇都エストシラント

 

交戦勢力:パーパルディア皇国陸軍vsレヴァーム天ツ上上陸部隊

 

指導者/指揮官:

パーパルディア皇国陸軍

陸将メイガ

 

レヴァーム天ツ上上陸部隊

大内田和樹中将

 

戦力:

パーパルディア皇国陸軍

戦列歩兵100万人以上

装甲地竜3000以上

民間人多数

 

レヴァーム天ツ上上陸部隊

レヴァーム陸軍10個師団

レヴァーム海兵隊10個師団

天ツ上陸軍10個師団

LST-1級戦車揚陸艦300隻以上

あかつき丸他揚陸艦50隻以上

 

損害:

パーパルディア皇国陸軍

軍人死者80万人以上

民間人死者50万人以上

 

レヴァーム天ツ上上陸部隊

死者800名

重軽傷者8000名

戦車26台

 

背景:

 

戦闘経過:

パーパルディア皇国は皇女レミールの命令により、徹底抗戦が叫ばれていた。そのため民間人に武装を施す所謂「便意兵」を投入した。

結果、エストシラントは大規模なゲリラ戦に突入。レヴァームと天ツ上があまり経験したことの無い市街地戦なのも相まって、混乱と犠牲が相次ぎ、進軍は遅れに遅れた。

パラディス城到達までは8時間以上かかり、途中で夜間戦闘に突入したが、幽閉されていたルディアスの救出には成功した。しかし、その後も戦闘は続く事になる。

パーパルディア軍は下水道などに地下陣地を築いており、艦砲射撃で焼き払ってもなかなか攻略出来なかった。夜中は日中よりも攻撃が激しくなった為夜も眠れず、さらには抵抗もさらに激しくなった。

当初「3日で終わる」とされていた制圧戦は結果として一ヶ月かかり、その後の連合軍の戦略に大きな影響を与える結果となった。又、そのストレスのせいで、PTSDになる兵士も相次いだ。

 

評価:

これは神聖レヴァーム皇国と帝政天ツ上が初めて経験したゲリラ戦として有名である。しかし、便衣兵が出現する原因は、レミールの宣言よりも空軍の虐殺行為によるものも大きく、後に陸軍海兵隊は空軍を非難している。

ここでの戦訓は大きく、後に対ゲリラ戦戦術として「空軍との連携を密にする」「隠れる場所は徹底的に焼き払う」「市街地戦では区画を虱潰しに制圧する」という戦術が生まれた。

 

 

 

 

デュロ空中戦

日時:中央暦1640年3月15日

 

場所:工業都市デュロ

 

交戦勢力:パーパルディア皇国陸軍vs天ツ上海軍

 

指導者/指揮官:

パーパルディア皇国陸軍

デュロ基地司令ストリーム

 

レヴァーム天ツ上上陸部隊

司令官不明

波佐見真一少佐

 

戦力:

パーパルディア皇国陸軍

ワイバーンオーバーロード500騎以上

対空魔光砲20基

その他デュロ防衛隊

 

天ツ上海軍

艦載機360機

陸上攻撃機流水120機

 

損害:

パーパルディア皇国陸軍

ワイバーンオーバーロード500騎以上

対空魔光砲20基

デュロ工業地帯全滅

 

帝政天ツ上海軍

流水1機被弾

 

 

 

 

 

シエラ・カデュス沖海戦

日時:中央暦1640年3月16日

 

場所:シエラ・カデュス群島沖

 

交戦勢力:パーパルディア皇国海軍vs天ツ上海軍第9戦隊

 

指導者/指揮官:

パーパルディア皇国海軍

「ムーライト」艦長サクシード

 

天ツ上海軍第9戦隊

指揮官不明

「井吹」艦長白乃宮イザヤ大佐

 

戦力:

パーパルディア皇国海軍

飛空戦列艦250隻

 

天ツ上海軍第9戦隊

軽巡空艦4隻

 

損害:

パーパルディア皇国海軍

飛空戦列艦250隻

 

帝政天ツ上海軍第9戦隊

損害無し

 

 

 

 

 

アルーニの戦い

日時:中央暦1640年3月30日

 

場所:アルーニ基地

 

交戦勢力:パーパルディア皇国陸軍vsレヴァーム天ツ上連合軍&73カ国連合軍

 

指導者/指揮官:

パーパルディア皇国陸軍

即応隊長リスカ

 

レヴァーム天ツ上連合軍

マルコス・ゲレロ中将

大内田和樹中将

 

73カ国連合軍

司令官ミーゴ

 

戦力:

パーパルディア皇国陸軍残党

戦列歩兵30万人

 

レヴァーム天ツ上連合軍

レヴァーム陸軍10個師団

レヴァーム海兵隊10個師団

天ツ上陸軍10個師団

戦艦4隻

空母4隻

軽重巡空艦14隻

飛空駆逐艦96隻

 

73カ国連合軍

兵力30万人

 

損害:

パーパルディア皇国陸軍残党

死者28万名

 

レヴァーム天ツ上連合軍

損害無し

 

73カ国連合軍

死者65名

負傷者254名

 

 

 

 

 

 

ヒキルガの戦い

日時:中央暦1640年5月1日

 

場所:リーム王国王都ヒキルガ

 

交戦勢力:パーパルディア皇国陸軍残党&リーム王国軍vsレヴァーム天ツ上連合軍&73カ国連合軍

 

指導者/指揮官:

パーパルディア皇国陸軍残党

総司令官アルデ

皇女レミール

 

リーム王国軍

王下直轄軍大将軍リバル

 

レヴァーム天ツ上連合軍

マルコス・ゲレロ中将

大内田和樹中将

 

73カ国連合軍

司令官ミーゴ

 

戦力:

パーパルディア皇国陸軍残党

戦列歩兵10万人

 

リーム王国軍

戦列歩兵8万人

 

レヴァーム天ツ上連合軍

レヴァーム陸軍10師団

レヴァーム海兵隊10個師団

天ツ上陸軍10個師団

天ツ上陸軍第一挺身団

戦艦4隻

空母4隻

軽重巡空艦14隻

飛空駆逐艦96隻

 

73カ国連合軍

兵力30万人

 

損害:

パーパルディア皇国陸軍残党

死者9万名

総司令官アルデ拳銃自殺

皇女レミール確保

 

リーム王国軍

死者6万名

 

レヴァーム天ツ上連合軍

損害無し

 

73カ国連合軍

死者12名

負傷者124名

 

 

 

 


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