ポケモン研究家助手が往く!   作:l朔l

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小柄少年:リフ
手持ち
レントラー♂ Lv89 NN ミスター
サーナイト♀ Lv87 NN レディ



第一話

「おわぁ、助けてミスターッ!レディーッ!」

どうもこんにちは、年齢の割に小柄なことに定評があるリフです。初めまして。

現在僕は、なんかよくわからん人たちに攫われております。

ちなみにこの僕を誘拐した連中はロケット団という反社会的組織のメンバーで、ポケモンを誘拐して組織に貢献するのが目的だそうです。

で、何故人間である僕が誘拐されてるのかっていうと、まあ簡単に言うとうちのミスターを攫おうとした不届き者が狙いを誤ったからなんだけどね。

そんなわけで何が起きているんだかさっぱりな僕は一瞬フリーズし、数秒後にさっきのセリフを発したわけです。

それにしてもこの網、特殊な素材でできているようで。

ミスターの電撃が一切効かないんだよね。どういうこっちゃ。まあレディのエスパー技は効いてるっぽいから電気に特化した守りなのかな?

ぶんぶん揺られること数分、ロケット団の連中は次なる獲物を見つけたらしく、ようやく連中が停止しました。ちょっと酔ったよ全く…

どうやら因縁がある相手だったらしく、「今度こそ~」とか「またお前たちか!」とか聞こえてくるんだけどもしかして僕のこと忘れてない?

どうやらバトルの邪魔をしてまで赤帽子君のピカチュウをゲットしたかったらしい。僕ね、バトルの邪魔はしないほうがいいと思うよ。流れ弾とか当たったら痛いからね。

おやミラーコート。あれはうざい。でもソーナンスちゃんと褒めるあたり完全な悪人ってわけじゃあ、ない、のかな?

それにしてもあのソーナンスの身のこなし凄いなァ、空中でマッドショット全避けとかなかなかできる芸当じゃないよね。

で、またエレキボール跳ね返されたね…あのピカチュウ大丈夫かな?

「ところでアンタ、何もそんなに大人しくついてくることなかったのよ?普通にポケモン出して反撃したら?」

「いやァ、僕の手持ちってあのレントラーとサーナイトだけなんで…反撃しようにもねェ…」

僕はこれで確信した。この人たちもしアニメだったら劇場版とかでいいやつ扱いされる系の敵役だ。

若干平和な雰囲気が漂いつつバトルに視線を戻したらケロマツがピカチュウを助けていた。いや君水タイプだろ、なんで二倍威力の電気技の前に飛び出してっちゃったんだ…

「悪い奴は許せないって言ってるニャ!」

ああなるほど。正義感強い系の子だったんだね。かなりのダメージを受けてるはずだけど向かってくるあたり、相当意志が強い子らしい。ケロムースをぶっ飛ばしてくる。

「はいはい、あれも跳ね返しちゃって!」

「あ、お姉さん。アレはミラーコートではじけないタイプのやつ…って遅かったか」

ミラーコートも万能じゃあないってことだね。あんまり一つの能力に頼り切るとよくないってことが分かったってことで良しとしようね。

あわわ、僕のほうまで飛んできたよ!

「グァル!」

「あっ、ミスター!レディ!ありがとね!」

追いついた二匹が赤帽子君たちの居るほうまで連れて行ってくれた。やっぱり君たちは最高だね!

その後、戦略が総崩れになったロケット団三人衆は容赦なく赤帽子君たちに吹っ飛ばされていった。

それにしても彼、シトロンはミアレのジムリーダーだったはずだけど…まあいろいろあるんだろうね。個人の事情に首を突っ込みすぎると後で大変なことになるかもしれないからよほど見かねるとき以外は首を突っ込まないようにしよう。リフお兄さんとのお約束だぞ。

 

 

プラターヌ博士の研究所に向かうが、シトロンは体力がないので遅れてくるそうで。

やっぱり体力づくりって大切だよねェ…

「あれだよ!プラターヌ研究所!」

「ああ!」

プラターヌ研究所、何度見てもでっかいね。

「すみませーん!プラターヌ博士!いませんかー!!」

「ふぁ~…い……!」

あくび交じりに出てきた博士はケロマツを見て驚愕している。

ソフィーさんにケロマツを預けて話を聞くと、ケロマツを手放したいという連絡があったとのこと。

と、ようやく疲れ切ったシトロンが研究所に入ってきた。ユリーカが駆け寄って文句を言っている。許してあげなよ。

ケロマツは研究所内の回復カプセルで治療を受けている。

「心配はいらないよ。彼女の腕はピカイチだからね!」

いつもはダメ男らしさが出ているけれど、いざというときには頼りになるのだ。

 

 

「僕はプラターヌ。このカロス地方のポケモン研究家だ」

「オレ、サトシって言います。こっちは相棒のピカチュウ」

「ピカ!」

「あたしはユリーカ!お兄ちゃんのシトロン!」

「シトロンです。初めまして、プラターヌ博士!」

「僕の自己紹介要ります?あんたの弟子ですけど」

「あはは、僕には要らないけどその子たちには必要じゃないかな?」

「ああ、そっか。じゃあ改めまして。僕はリフ。トレーナー兼プラターヌ博士の助手だよ。あ、そういえばうちの相棒たちの紹介もまだだったね。レントラーはミスター。うちの最古参だね。それで、サーナイトはレディ。気高い女王様さ!」

そういうわけで簡単な自己紹介も終わり、サトシ君がカントーから来たことに博士が驚いていた。いや僕も元はカントー出身なんですけどね?

若干もやもやしたが僕はスルースキルをもった人間なのでちゃんと口を慎むべき時には黙ってるよ。

そして話はケロマツのことに移る。

どうやらあの子は少し変わった子のようで、バトル中いうことを聞かなかったりトレーナーを見限って逃げ出したりで、博士のところに直接返しに来たトレーナーも何人かいたらしい。

まあ彼らも初心者用とはいえ生物なわけで、個体差があるのは当たり前だ。あの子はたまたまそういう性格だったんだろう。

「ガブガブ…」

鳴き声が聞こえてそちらを見れば、博士のガブリアス…僕はガブさんって呼んでいるあの子がケロマツを気遣っているようだった。

「!!ガブリアスだ!」

「ピカピカチュウ!」

ガブさんを見たサトシ君はテンションが上がっている。こういうところは年相応で好ましい。

「うちのガブリアスだよ。気のいいやつさ」

「ガブ…」

「ガブさん久しぶり、元気かい?」

「ガブ!」

ガブさんは僕に手を振るがケロマツが心配らしい。ケロマツが目を覚ましたことを察知してすぐ後ろを向いた。

「ガブガブ…」

「ケロマツは大丈夫。サトシ君たちのおかげだよ」

「ガブガブ…」

どうやらサトシ君たちに感謝しているようだ。

「よろしくなガブリアス!」

「ピカピーカ!」

「ガブ…」

ガブさんは優しい子だからどうにも心配が拭えないらしい。

「優しいんだなガブリアス。でももう大丈夫だってさ」

「ガブガブ」

なごみを感じる。ミスターとレディもガブさんに挨拶したがっているようだ。

「あっちょ、ミスター、レディ!勝手に出てくるのはやめて頂いても?」

不満げにボールを揺らしているが納得してくれたようだ。ありがたい。君たちが出てくるにはちょっと狭いからね。

「あたしも撫でていい?本物のガブリアス初めてなの!」

「どうぞ!ガブリアスも喜ぶよ」

「やったあ!」

ユリーカはガブさんを撫でて「いい子だねー」と言っている。将来いい母親になりそう…というのはセクハラになってしまいそうだからやめておこう。

博士がほかのポケモンたちも見せてくれるというので僕もついていくことにした。

サトシ君はケロマツの様子を見てから来るようだ。

庭ではたくさんのポケモンたちが飛び回り走り回り泳ぎ回っている。

ユリーカははしゃいでいる。

博士がメガシンカの説明をしている間に僕はみんなに挨拶して回ることにした。

「やあジグ、変わりはないかい?そうかい、よかった。アメ君も元気そうだね。ヤコちゃんはちょっと調子が悪いのかな?大丈夫かい?」

古参の子たちに挨拶しつつ、新しい子たちにも顔を覚えてもらう。

と、一斉に警戒心の強い子たちが逃げ出した。研究所から遠ざかるように…

ということは、ガブさんかケロマツが危ない?

「ミスター!行くよ!」

研究所に向かうサトシ君たちを追い抜いて研究所内に飛び込む。

「ガブさん!ってさっきの!?」

「グアルルル…」

どうやら首輪のようなものをつけられて暴れているようだ。

「レディ!おいで!」

もう一つのモンスターボールを投げてレディにも臨戦態勢をとってもらう。

ああどうしよう、ガブさんは優しい子だけどすごく、それはもうすごーく強い子でもあるのだ。一時期僕の旅にもついてきてもらっていたし。

つらつら考えていたらいつの間にか話が進んでいた。暴走状態のガブさんがはかいこうせんを放ってロケット団三人衆が吹っ飛んでいく。

ガブさんはこちらに向けてもはかいこうせんを放つ。

「レディ!」

レディがサイコキネシスで軌道を逸らす。

ガブさんは研究所の屋根を突き破って道路に飛び出していく。

「ミスター、乗せて!」

「グァル!」

レディと一緒にミスターに乗ってそれを追う。何とか被害を最小限に抑えなければ。

ガブさんが放つはかいこうせんをレディのサイコキネシスで逸らしつつ並走する。

「あ、すみません上通ります!」

車の屋根を踏み台にしてガブさんを追う。報道陣の声がうるさい。

「ガブリアス!!」

いつの間にかサトシ君たちが到着していた。

「あいつのそばに行けないかな?」

「ええ!?危ないですよ!」

「一番危ないのは、ガブリアスなんだ!あのリングを外してやりたいんだよ!」

何とかしてガブリアスのもとに行きたがるサトシ君にシトロンが提示したのは「非常階段を使って行く」という案。ドアのロックを外してサトシが走っていこうとした矢先にガブさんのはかいこうせんが飛来する。

「レディ!…っと、大丈夫かい?」

「はい!ありがとうございます!」

「うん、どういたしまして。サトシ君はガブさんのところへ行ってあげて。僕はここの野次馬たちと街を守ることに専念するから!」

「わかった!」

ちゃんと先に進んでくれた。よかった。これで街の防衛に専念できる。

…やっぱり僕も行こうかな。博士が来たから街は守られるだろうし。

「ごめんシトロン。やっぱり僕も行くよ」

「えっちょ、リフさん!?」

「大丈夫、サトシ君を守るだけだから!」

レディにサイコキネシスで浮かせてもらい、ガブリアスに近づく。

「リフ!サトシ君!」

博士が呼んでるけど無視だ無視。

サトシ君に迫る破壊光線を直角に折れ曲がらせてごり押し回避する。

「やっほうサトシ君。やっぱり心配だから来ちゃった」

「リフ!」

「あ、待ってガブさん!」

ガブさんがさらに上まで飛んで行ってしまった。

ああいいさそっちがその気なら僕だって、とレディに浮かせてもらう。

「サトシ君、バランスを崩さないように!行くよ!」

「ああ!」

ぎゅん、と天辺まで。

ガブさんは苦しんでいるようだ。早く開放しなければ。

「来たぜ、ガブリアス!」

ガブさんはまたはかいこうせんを撃つが、やはりレディのサイコキネシスで逸らす。

「ごめんガブさん!動きを止めさせてもらうね!ほんとごめん!レディ!」

ガブさんの動きをサイコキネシスで止める。

「サトシ君!できるだけ早くあのリングを壊してほしい!レディもそろそろ限界だ」

「ああ、ピカチュウ、アイアンテール!」

「ピッカァ!」

ピカチュウのアイアンテールがリングを破壊し、正気に戻ったガブさんは膝をついた。

「苦しかったなガブリアス。すぐに助けが来るからな!」

ガブさんを受け止めたサトシ君にピカチュウが駆け寄る。

ばきん、とピカチュウがいた足場が崩れた。レディはすでに疲れ切ってサイコキネシスを出せる状態じゃない。

「ピカチュウー!!!!」

サトシ君がピカチュウを追いかけて落ちていく。ああどうしよう、僕にはもう何もできない。

瞬間、橙色の閃光が掠めた。

そしてサトシ君を地面に下ろしてまた去っていく。

「よかったァ…」

プリズムタワーの天辺で、僕はへなへなとへたり込んだ。

レディはもう疲労困憊だし、僕もここから降りられる気がしない。大人しくジュンサーさんの到着を待つことにして、一件落着、でいいのかな?

 

翌日。

「博士ェ、僕もあの子たちについて行ってもいいですかァ?」

「ん?ああ、いいよ。ところでリフ、サトシ君ってもう図鑑持ってるかな?」

「んー、持ってないんじゃないですかァ?」

「そうだよね!じゃあこれ渡してくるよ!」

「えっちょっと博士!僕も行きます!置いてかれたくないんで!」

そういうわけで、サトシの旅の仲間として僕もついていくことにした。ケロマツもサトシ君についていくことにしたみたいだ。

「そういうわけで、これからよろしくね、サトシ君」

「サトシでいいよ!」

「そう?じゃあ、サトシ。プラターヌ博士の助手として、ポケモンの解説は任せてよね」

「ああ!よろしく!」

「シトロンとユリーカもね。」

「うん!」

「はい!」

 

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