流星のロックマン 水希リスタート   作:アリア・ナイトハルト

12 / 87
地の文の文字数が少ないのもあり、結構短めです。



9話 変わらぬ日

〜1

 

水希side

 

 

AM 11:08

 

 

スバルが例の少女に連れ出された後のこと

 

洗濯物を干し、食器を片し、合間にテレビ見ながら掃除したりと、大体は普段通り。

でも今日はいつもより早く、風呂場で汗を流していた。

 

電波体といえど、依然、人としての習慣は抜けることはないし、五感や欲求などは人として生きた頃となんら変わることはなかった。

天地さんから聞いた話『リヴァイア君と同様、生き物であることに変わりないからだろう』と言っていたが、()()()()()()()()()()()()()()

 

ともあれ、日常生活においては当たり前だったことも、生きてくうえで大事なものなんだと改めて実感するようになった。

変に誇張しすぎたかな…まぁいいや。

 

レバーを〘止〙に回し、目元を拭う。

 

水希 (スバルは……帰ってないか)

 

レーダー探知機みたくスバルを探るように念じてみるが…それらしい気配は全く感じない。

本当に学校まで連れて行かれたとしたら、今ごろ…相方はひどく退屈そうにしてるだろう…。

現に()()()()もそうだったし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ぬあぁぁぁあぁぁぁぁもうだりい!

ガッコーだりいよ!帰ろうよ!水希ぃ〜!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とまぁ、当時は僕以外見えないのをいいことに…いつも教室内で喚いていたものだ。

 

今でも頭ん中で木霊するぐらいだしね。

コダマタウンだけに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…湯冷めしそう…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湯煙に曇った鏡を拭き、覗くと……いつかのように目が死んでるようで、隈も薄っすらと浮きでている。

いつにも増して不気味さを感じてしまい

 

水希「……ひっどい顔…」

 

と、憐れむようにほくそ笑み、風呂場を出るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

髪を適当に乾かしたあと、6畳ほどある部屋に戻り、ローテーブルにお茶を置いて胡座をかく。

 

物置として使う予定だったのか…他と比べ狭いが、過ごせなくはないし、使わせてもらってる以上散らかすわけにもいかず、布団と衣服と…あとは家から持ってきたマンガくらいしか物を置いてない。

…とは言ったものの、所々ごちゃごちゃしはじめている。後で掃除すっか…。

 

そう思っていると、テーブルに置いたトランサーからリヴァイアが飛び出てきた。

 

リヴァイア「…やけに長風呂だったな」

水希「考え事。それでちょいと時間食っちったわ…」

 

ひとまずお茶を飲む。

風呂上がりなのもあり、コップ半分ほど飲み干してテーブルに置いた。

 

リヴァイア「…まーだスバルが心配か?」

水希「まぁね」

 

内心、スバルへの行いに対する反省半分

叔父(あに)としての意見で二の舞になって欲しくないという思い半分…複雑に入り混じっていたが

 

リヴァイア「無理すんなっつっても説得力ねーし、あのまま籠もりきりじゃアイツのためにもならん。どっかの誰かさんみたく、自信なくしてりゃなぁ…。だろ?」

水希「…きっびし〜」

リヴァイア「事実だから言ったまでだ」

 

バッサリと切るような辛口評価に苦笑いしていると、急に声のトーンを落としはじめる。

 

リヴァイア「…この先、お前の敵がいつ現れても可笑しくねぇ状況になる…。気ぃ抜くなよ」

水希「……うん」

 

『気を抜くな』……リヴァイアの言い分だと、弟が敵になることもあり得るが、正直…勝ち負け以前に戦える気がしない。雑魚ウイルスを相手にするのと訳が違うのだ。

 

だからといって臆病風を吹かれるままじゃ、先が思いやられるだけ。あの人に笑われるのが目に見える。

 

 

そうして、不安に煽られるまま机に突っ伏し…目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リヴァイア (……いずれ水希を、本気で殺しにかかるやつだっている。…ヤバくなりゃ俺が守ればいいが…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

〜2

 

 

ガチャン!

 

ドタドタドタ……バタン!

 

 

 

水希「……………んあ?」

 

下の階から物音が響きわたり、それに連られて、重くまばたきをしてから大きく欠伸をかく。

 

いつの間に寝ていたのか…。

でも何故かお布団の上で横になってるし、それに…抱き枕にしては大きいような…って、リヴァイア?

なんで横腹に頭置いてんの?

なんで上半身を長い首で囲ってんの?

 

頭がこんがらがる中、おもむろに体を起こすとリヴァイアの片目が開いた。

が、心なしか睨まれてる気がした…。

 

リヴァイア「…漸くお目覚めか。この抱きつき魔め」

水希「…どうしてこうなった」

 

とりあえずリヴァイアから離れると、寝ぼけ気味な頭でも分かるように解説してくれた。

……どうやら布団まで運んでくれた際に無理矢理引っ張ったらしく、気持ち良さそうに寝てたから動けなくて今に至るんだとさ。解説終わり。

 

水希「……その…、なんか、ごめん…」

リヴァイア「…今回限りにしてくれよ? ただでさえ、スバルに見つかったらマズいんだし…」

水希「肝に銘じておきます…」

リヴァイア「せめて寝る時にしてほしかったんだけどな…

水希「なんて?」

リヴァイア「何でもねーよ…///」

 

訊き返したら何故かそっぽ向かれた。

なんか顔赤くなってっけど大丈夫か?

 

リヴァイア「と、とにかく…。もうスバル、帰ってきたんじゃねーのか?」

 

その言葉に( ゚д゚)ハッ!と驚き…時計を見る。

時刻は15時前。4時間も寝てたのか…。

 

体を伸びほぐしてから下の階へ向かう。

 

階段を降りた先の扉に手をかける。

 

水希「…おかえりスバ――うわっ?!」

スバル「に〜い〜さ〜ん…?」

 

呼びかけに反応したスバルは笑っていたが、目が笑っていない…。むしろ声が殺意増し増しになっている。

 

あれぇ…この光景なんか既視感を覚えるなぁ。

体中にドス黒いオーラを纏って……

 

その僅か数秒後。スバルの左拳は顎に狙いをすました。

 

 

 

 

あ、これ死んだわ… ( ╹▽╹ )

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 拝啓、大吾さんへ 〜

 

どうやらスバルは、あなたとお姉様の子であるんだと…

今日、身を持って思い知らされるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水希「ぎょえぇぇええぇぇぇぇ!!!!!」

 

 

アッパーを繰り出され意識が飛びそうになったが、倒れた矢先に背中と腰を強打。激痛のオンパレードに思わず横たわり、顎と腰を押さえる。

 

 

すごく…、痛いです…。

 

水希「お"あ"ぁぁあぁぁ……」

 

 

 

悶えるなか、スバルは知らん顔のままリビングを出て2階に上がった。

 

 

 

 

…解せぬ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《その後の会話》

 

 

 

 

 

 

あかね「……で、ずーっとリビング(そこ)で唸ってた訳ね…」

水希「…はい」

あかね「そりゃさすがに怒るでしょうよ…。慰めてくれた矢先にあんな事されちゃ、たまったもんじゃないわよ…」

 

 

あかね「? 何よ、私の顔になんか付いてんの?」

水希「いや……血は争えないなーってね」

あかね「…思い出に一発貰っとく?」

水希「遠慮しとくわ〜」

あかね「…少しは悪びれなさいよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

Noside

 

場所は変わり、天地研究所。

 

所長の天地が使う研究室にて。

 

 

 

 

??「なぁ、いい加減教えてくれよ深祐(しんすけ)。…本当は生きてんだろ、水希は…」

 

助手改め――研究員として従事する宇田海は、目の前にいる男に問い詰められていた…。

 

宇田海「…お前だって知らないはず無いだろ? 水希君は既に…3年前に交通事故で――ッ!」

 

言葉を遮るように胸倉を掴まれ、怯む間に男は喋りだす。

 

??「…あのなぁ…、諸々の事情で俺には話せないんだろうけどよ。事実を包み隠すための嘘ってことくらい分かんだよ…!」

宇田海「…信武(しのぶ)…」

 

信武は掴んだ手を離し、俯く。

 

信武「確かに俺も…あのニュースを見て、親父のことは諦めようと思ったよ…。…でも、アイツ生きてたんだよ……」

 

涙の滲むような声。悲痛な訴えに、宇田海は申し訳なさそうな表情を浮かべる。

途端に顔を上げる信武の目は…どこか、寂しげだった。

 

信武「この目でアイツを見たんだよっ!! だから――」

 

ピンポンパンポーン

 

《…まもなく、閉館のお時間となります。ご来館のお客様は―――》

 

突如としてアナウンスが響き渡り、信武の言葉を遮る。

 

宇田海「……悪いけど、もう帰ってくれないか? …生きているかはともかく、お前に話せることは何もないんだよ……」

信武「………クソっ!!!」

 

信武は怒りに震えたまま研究室を去る。

 

宇田海「……褒められたことでもないけど、『何も話さないでくれ』って頼まれているんだ。だから…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……力になれなくてごめんね、信武。

 

 

 

 

 

 

 

 




12/2追記。信武に対して「キミ」だと他人行儀っぽいので「お前」へ変更。

最後辺りは久々の三人称視点……割と頑張った方だとは思います。

最近は、物語の結末と信武編をどう作るか悩んでおり、なかなか進まず、続きを待ってくださってる方には申し訳ないと思っております。
…ですが、作者個人のペースで…なるべく上手く物語が繋がるように努力するつもりです。

それでは、次回もお楽しみくださいませ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。