流星のロックマン 水希リスタート   作:アリア・ナイトハルト

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先にEX-3話が完成してから出す予定でしたが、こっちの完成が早いので出しておきます。

シリアスな場面だと決まって言い回しが下手くそになるから、そこが課題点なんですよね〜(知るか)
ある意味重要な回かもね…今話は。


20話 本音

 

何年も前の話…。

 

僕は…人生で二度、死にかけたことがある。

 

一度目はドジを踏んだことで川に溺れかけた。

今ではなんともないが、当時は軽いトラウマとしてぶり返すことはあった。

 

二度目は―――かつて存在した研究施設にて暴動が起こり、それを止めるべく戦陣に赴いたが、圧倒的な力を前になす術もなく、ただ打ちのめされるだけだった。

 

水希「――がはっ!! …うぅ……」

 

耐え難い激痛に苦悶するなか、不動の如く佇んでいた彼に憐れまれる。

 

??「――お前は弱い。弱いが故に…無謀と知っておきながら挑もうとするから、容易く弄ばれるんだ」

水希「……かぁ…」

 

その時はもう…視界もボヤけてはいたが、淡々と言葉を並べる彼は…声色といい、話し方といい、どこか辛そうに思えてしまった。

あの日、大吾さんから別れを告げられたように…。

 

??「覚えておけ…水希。弱肉強食が世の常である限り、優しさだけでは全てを救うことなど叶わん。

己に刃を向く輩に対し…時に非情にでもならねば、実物なり言葉なり刺されて朽ちるのみ。渡り合う為にも…生涯、闘い続ける他はない。

強くなりたいなら…それを踏まえたうえで、私と対等になれ……」

 

水希「待…、て…。じょぉ……か…ぁ…――」

 

手をのばしても、その手を掴むことは叶わず…彼はどこかへ消え去り、そのまま意識を手放してしまうのだった……。

 

 

 

いくら呼び続けても…()()()()()()は戻らない。

何度願おうと…再会は果たされることはなかった。

 

 

 

 

それでも………願わくば、会いたい。

彼に一言…謝りたい…。

 

 

***

 

 

重たい瞼を開け、時刻を確認すると20時を過ぎている。

どおりで部屋全体が暗闇に包まれていた訳だ。

あの後帰ってからすぐに、ふて寝してたっけな。

しばらくは横に寝そべるままでいた。

 

水希「……あの時も救えたはずなのに…またかよ…」

 

目元を拭い…下へ降りようと起き上がった瞬間、相棒は欠伸(あくび)をかき…後に目を覚ますのだった。

 

リヴァイア『起きたか…。お前、さっきまで魘されてたぞ』

水希「――そうなんだ…」

 

トランサーから飛び出るように現れる。

 

リヴァイア「……今更言うのもあれだけどさ。信武とは、ちゃんと向き合って謝れば許してくれたはずだぜ。俺、今のお前等を見てると…苦しすぎて目も当てられねぇよ…」

水希「……ごめん…リヴァイア」

 

と、他に返せず謝ることしかできなかった…。

 

――お前は昔から、自分のことで精一杯だったもんな? 「終わり良ければ全て良し」って言うように…自分さえ良けりゃ他はどうとでもなると思ってたんだろ!?

 

――お前が生きてると知ってから、どんな思いして過ごしたかも知らねぇ癖に。よくもそんなに、いけしゃあしゃあとしてられるな?!

 

信武の言う通り、昔から周りが見えなくなることはあった。

他人の意見なんか、気にし過ぎても得にはならないし時間の無駄。……って決めつけて、肝心な部分を取り入れようとせず、それどころか開き直ってると自覚はしていた。

やること成すことが偽善であるからこそ……結果を残しても、みんな揃って喜ぶとは限らない。そう理解した上でだ。

 

傍からみりゃ救いようが無いって思われても仕方ないのにね…。

 

 

そうして自己嫌悪に浸っていると扉が開かれた。

 

??「……らしくないわね。いつもの空元気はどこに行ったのよ?」

水希「…お姉ちゃん……」

 

途端に腹の虫が鳴り顔を赤くすると、姉はそれを見越していたのか…片手に抱えたお盆を僕に見せつける。

 

あかね「これ。お腹空いてるだろうから、作っておいたのよ」

 

そう言って部屋に入ると、おにぎりを乗せた皿とお茶がローテーブルに配膳される。

 

水希「ありがと」

 

被せたラップを剥ぎ、おにぎりを一口食べる。

 

――…うん、美味しい…。

 

程よい塩加減にくわえ、米粒もふっくらと立っており……気つけば夢中になって食べすすめていた。

 

(* ̄mm ̄) 〜♪

 

あっという間になくなりもう一つを取ろうとしたら、姉がニコニコとこちらを見ておったとさ。

まだ口に含んでいたので、訴えかけるように半目で睨む。

 

あかね「…なぁにジロジロ見てんの…って?」

 

頷く。

 

あかね「いやぁ…食事をする時のアンタは決まって静かだけど…美味しそうに食べる姿は昔から変わんないなぁと思っただけよ。私も作った甲斐があったもんだわ…」

 

雄弁に語りだすのを見送り、咀嚼したものを嚥下(えんげ)すると、途端に話題を切り替えた。

 

あかね「アンタが帰ってきてから…スバル、ずっと心配してたわよ。「元気ないよね?」って…」

水希「………」

あかね「この際…溜め込まずに、全部ここで話しちゃいなさいよ…。私でよければ相談に乗るから…」

 

一息ついてから事の顛末を語った。

 

あかね「……それで、このザマってわけね…」

水希「……うん」

あかね「はぁぁ…。アンタもつくづく強情よね? 変に意地張ったって、余計拗れるだけなのに…」

水希「…じゃあさ、お姉ちゃんならその時…どう行動したと思う?」

あかね「私? ……多分、焦って…アンタと同じ選択を取ると思う。勇気すら無けりゃ、尚更…」

水希「…やっぱり」

あかね「――でもそれなら、本当のこと話して謝る方がマシよ。それでもし、絶交を言い渡されたなら、信武君とはその程度の仲ってことでしょ?」

水希「……簡単に言ってくれるねぇ…」

あかね「あくまでも『私』としての意見よ。…『アンタ』はどうしたいの?」

水希「…………」

 

…自分の気持ちが、よく分からない。

…自分がどうしたいのか…分からなくなってきた…。

 

頭ではわかってはいるけど、体が言うことを聞かないような…

 

『おこがましくてもいいから仲直りしたい』

『赦してもらえなくてもいいから謝りたい』

『あの日のように一緒にいたい』って結論づいてるのに、自信がなくて……すごくモヤモヤする。

 

――俺、お前と一緒に居られたら、他は何も要らなかったんだぞ。…それでも、何一つ信じてくれないんだな…。…見損なったわ…。

 

水希「……バカだな…。普通に考えりゃわかることなのに…」

 

そう。リヴァイアも言ってたように、ただ一言……絶縁を覚悟で謝ればよかったんだ。

無駄に強がったところで、目の前の事から逃げてんのと変わんないってのに…。

 

水希「……一緒にいたい。あの時、素直に謝れなかった分…赦してもらえるまで…償って、仲直りがしたい……」

あかね「…それでいいじゃない。大丈夫よ、アンタの図太さを理解した上で付き合ってたんだから、信武くんは」

水希「……褒めてんの、それ?」

あかね「事実じゃない。別に褒めるなんて一言も言ってないでしょ?」

 

用事が済んだ途端立ち上がり、部屋を出ようとする。

 

あかね「後は自分でよろしくやりなさいな。どう転んだとしても、絶対に根を曲げちゃダメよ?」

 

そう言い残し、部屋には二人だけになった。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

翌日。河川敷にて…

 

水希「ねぇ、リヴァイア…」

リヴァイア『何だ?』

水希「やっぱウチって、要らなかったんじゃないかな。皆に迷惑かけてばっかで…――」

リヴァイア『お前ほんとウダウダ悩むの好きだよな。普段は無神経貫いてる癖してさぁ。俺、お前のそういうところ嫌いだわ…』

水希「ちょっ! それは関係……」

 

ないでしょ!? と叫ぶより先に現れ、いつになく険しい顔で見交わそうとする。

 

リヴァイア「関係なくないだろ。いくら言い訳したところで、結果を残そうと動かなきゃ誰も目を向かねぇんだよ。お前だってよく解ってんだろ?」

水希「そう……だけど……」

 

事実である以上…何も言い返せず俯くが、リヴァイアは気にも留めるどころか溜息を吐く。

 

リヴァイア「……いいか水希。お前は内心…嫌われるのに怯えても尚戦おうと必死なんだろ? ならもう…甘ったれた考えは捨てろ。それでもまだ泣き言をほざくなら、お前から離れさせてもらう。頭を冷やすにはちょうどいい機会だろうな?」

水希「やだっ! …行かないでリヴァイア…」

リヴァイア「〜っ、あぁもう、鬱陶しいんだよ!!」

 

嫌気がさしたのか、肩を掴んで盛大に怒鳴り散らす。

 

リヴァイア「俺だってなぁ、何も考えずに言ってるんじゃねぇんだぞ! 他人(ヒト)の指図を無視してまで選んだなら、今はひたすら突き進むしか無いんだよ! いい加減はっきりと言え! どうしたいんだお前は!?」

水希「〜〜」

リヴァイア「…泣いても何も変わりゃしねぇぞ。現実から目ぇ反らすな! 男だろ!!」

水希「うっ…、だってぇ……」

 

前を向いて生きようと必死な人達と違って、仮面を被ってるだけなのは自覚してる。

ウジウジ悩んでちゃ、先が思いやられるのはわかってる。

だけど…どっちにしろ、うまく行かなきゃ水の泡なんだよ?

今度こそ失敗したら、もう……居場所すらもなくなるかもしれない……何よりもそれが、怖いんだよ…。

涙を拭おうとしたその時。

 

??「昼間っから喧嘩たぁ、随分呑気だなぁ?」

水希「……しのぶ…」

 

土手から見下ろすように眺めては皮肉じみたコメントをする信武。

薄っすら笑っていても、目元はあからさまに冷めきっていた。

 

リヴァイア「…今はお前に構ってられねぇんだよ。痛い目に遭いたくなきゃ消えろ」

信武「だから何だ? 水希(コイツ)に裏切られるのと比べりゃ…、お前なんざ1ミリも怖くねぇよ」

リヴァイア「――抜かせ、ガキが…」

 

言い争いが終わると無表情になり、今度は僕に視線を向ける。

 

信武「事実とはいえ、昨日は散々言ってくれたな。水希…」

水希「それは、……ごめん。信武のことも考えずに勝手なことばっか言って…」

信武「気にすんなよ。結果的に力さえ手にすりゃ、俺としても張り合いがあるってもんだからな。そうだろ? ――――【リヴァイア・コキュートス】」 

水希「えっ…どういうこと…?」

信武「………電波変換」

 

…刹那。辺り一面が眩しくなり、目を伏せ……ようやく収まった頃に見返し、愕然とした。

 

水希「信武、なんで…!?」

??『ククク……いい表情をしておるな。絶望と焦燥に満ちたその顔。久方ぶりに(たぎ)るわい』

 

陽炎の如く…揺らめくように現れたそれは、どう見てもFM星人の連中と見ていいだろう…。

 

リヴァイア「やっぱり、お前等の仕業か…!」

??「お初にお目にかかる。余の名はクラウン…。FM王より兵役を(たまわ)りし者じゃ。しかと目に焼きつけておけ―――〈海原の悪魔〉よ…」

水希「テメェ…! 信武に何唆した!?」

 

怒りに満ちた僕らを、目の前のクソ野郎は喉を鳴らして嗤う。

 

クラウン「言わずとも知れた事じゃろう。王である余の心が広い故に此奴に力を貸してやったまでよ…。無論、のちに傀儡(くぐつ)として扱われると知った上で…じゃがなぁ?」

水希ゲスがッ…!!

 

変身を済ませ、双方ともにウェーブロードに転移する。

 

クラウン「あれだけ大口叩いたんじゃ。後々、退屈にならねば良いがの?」

水希「安心しろよ、エセ大王…。信武からテメェを引っぺがした後で完膚なきまでに八つ裂いてやる。死ぬまでの間に辞世の句でも考えてろ!」

 

――もう、なんだっていいや。……今は、目の前のクズを………殺す!!

 

思考を放棄し…ブレイクサーベルを構える。

 

同時に信武も、右手を空に掲げ…

 

信武「―――来い…。〈カリブルヌス〉!!」

 

戦火の火蓋を落とすが如く、雷鳴を轟かせた。

 




一部シーンを初期のデアラでいう、狂三を攻略するのに迷いがある士道を十香が説得するシーンを参考にしてみました。

目標はそのままで士道(信武)と立ち位置が逆になった狂三(水希)に対して十香(あかね)が説得するって感じになってます。(一番のパートナーも含めてね)

感情がコロコロ変わる割に、うだうだ悩むとこは善逸と似てるからか「あなた人をイラつかせるの得意ですね」って言われそうな回になってて、作者も辛いわ。ほんと…。
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