流星のロックマン 水希リスタート   作:アリア・ナイトハルト

28 / 87
アイネクライネって曲聞いた時、EXTRAも含めて四章に合いそうな歌詞だな〜って思った。



閑話 俺が望むのは…

 

ぼやけた視界に映るのは、いつか通い慣れた教室。

ずらりと整列された席に一人。窓の外を眺める影があり、俺の意志とは関係なしに歩み寄ろうとした。

覚えてる限り…そいつは他の生徒と混ざらず、生返事と無口を貫く木偶だったが、俺と一緒のときは変わらず反応を――色んな表情(カオ)を見せてくれるのだ。

 

「どうした? そこで黄昏れてさ。やな事でもあったか?」

「ううん。別に…」

 

今よりも幾分と高い声に懐かしさを覚えさせられる。

 

「…そっか、ならいいけど」

 

人によって態度を変えようとする故…周りは不愉快に感じ、お互い必要以上に関わろうとしなくなったのだ。

親友としても、もっと自分を出して欲しいと切に願うばかりだが、こうも定着してるんじゃどうしようもない。

 

「なぁ…お前って、高校どこ行くか決めてんの?」

「えっ…?」

 

そいつにしては珍しく…困った顔を見せ、考え込むよう俯くが、即座に首を振った。

 

「……俺らまだ中二だけどさ、早くにオープンキャンパスに行ってる奴もいるんだぜ? お前もそんなにグズグズしてられねーだろ?」

「まぁね……」

 

そして、相変わらずの生返事。

どこにいても仮面のように張り付く笑みを見せられる度…息が詰まりそうだった…。

 

 

もう一度だけで良いから、笑ってくれよ。水希…。

 

 

 

 

 

***

 

 

目が覚める……と言っても辺りは暗くなっており、時刻は20時を回っている。

 

――そうか、俺…ここで…。

 

倒すつもりで挑んだ相手に抵抗虚しくやられ、ベンチの上で寝転がらされてたのか…。

何時間も同じ体勢で寝てたせいか体が軋むが、気を振り絞り時間をかけて起き上がると、クラウンが現れた。

 

クラウン『起きたか…』

信武「…敵の癖して、やけに心配そうだな…」

クラウン『悪いか?』

信武「いいや、別に…」

 

あの女と戦う前もそう。俺ら人間を利用しておいて……ましてや、正気を保ったままでだ。

普通、己の保身に走ってもおかしく無いはずだろ…。

 

信武「なぁ…お前って、ただ俺らを利用したいが為に契約を交わしたんじゃないだろ?」

クラウン『なぜそう思う…?』

 

人差し指を立てて言う。

 

信武「理由は一つ。敵同士である以上…用済みにしろ、生存本能が働くにしろ、見捨てるのは容易い。だかそうしなかったのには別の目的や理由があるから。…違うか?」

クラウン『……仮に、知ったところでどうする?』

 

圧をかけるよう問い質したが、変に反論しない辺り…図星らしい。適当にはぐらかされるよりはマシか…。

両手を頭の後ろに回し、仰向けに寝転ぶ。

 

信武「さぁな。ただ…内容次第ではお前を殺すと思う」

クラウン『力を行使できないと知った上でか?』

信武「あぁ。それに…親父が生きてる保証なんて、もう無いだろうしな……」

クラウン『………』

 

無論、生きているのなら嬉しいが、コイツらを信用できないからこそ…過度に期待する気にはなれない。

 

何よりも今、俺が望むのは、水希の……幼い頃から変わらず見せてくれた無垢な笑顔をもう一度見たい。

ただ、それだけなんだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。