流星のロックマン 水希リスタート   作:アリア・ナイトハルト

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誰かさんが熱弁してくださるおかげか、物語を書く度…スバル愛がより一層…増した気がします。

スバル「キモっ」
アリア「グハッ……?! 何もそんなストレートに言わなくたって良いじゃんかよスバルさぁぁん!!」(;ω;)

追伸。
時任さんが宣伝してくださったことも相まって、UA数も無事4000を突破致しました。
新規の方を含め、ここまでご愛読してくださり本当にありがとうございます。
正直、回を追うごとに、原作で語られてきた設定すら全否定してしまう所はありますが、最後までお付き合いしてくださると幸いです。

それでは、本編の方…お楽しみください!




25話 大好き

水希side

 

水希「―――――、んぅ……」

 

視界が横転してると判るくらい目が冴えてきた頃。

意識は徐々に回復するが、寝起きなせいか…起き上がるには時間がかかってしまう。

 

リヴァイア「……気がついたか?」

水希「あれ…りゔぁいあ? なんで出てきて………ああ、そうか…。思い出した…」

 

原理まではわからないが、ペガサスによって連れ込まれた以上…ここで寝転んでても無理ないわな。と、目を擦りつつ溜息をこぼした。

いくら現実味が無かろうと…精神世界(ゆめのなか)での会話は出来事として刷り込まれてるため、ぶっちゃけ頭から離れないと比喩する方が正しいっちゃ正しい。

 

足を放り投げるよう座り込み、街を見下ろした。

その右隣にリヴァイアが寄り添うと、互いに目を合わせないまま、僕は独りでに語りかけるのだった。

 

水希「いつか…アンタが話してくれた、過去のこと。ホントだったんだね…」

リヴァイア「…あの状況下で、俺がお前らに嘘つけるとでも思ってたのか?」

水希「っ、――自分から聞いておいて、逃げ出すくらいだったしね…」

 

不機嫌な声色に一瞬息を飲むが、言葉は濁さず、思いのまま伝えると、リヴァイアは気怠げに頭を垂らす。

 

リヴァイア「はぁーあ、俺ってそんなに信用されてなかったんだなー」

水希「だからごめんって――ばぁっ!?」

 

棒読みで拗ねだす相棒をなだめようとすると、急に抱きつかれ、声も裏返ってしまっていた。

 

水希「えっ、ちょ…、ど、どしたの……?!」

リヴァイア「いつかお前にされたことへの仕返し。たまにはされる側も悪くねぇだろ? 事あるごとに、抱きつこうとする癖だけは治らねぇからな。お前」

水希「………」

 

不敵にニヤつく姿を見てムキになり、がら空きだった腕を背中に回せばあら不思議。

今度は気恥ずかしそうに頬を真っ赤にさせたではありませんか。

リヴァイアよ、こんなことされて嫌がるとでも思ったのか? 残念だったな!(*´ω`*)

 

鼻歌を口ずさむほど上機嫌になりながら、リヴァイアの首元に頬を寄せる。

 

水希「……あったかい」

リヴァイア「そうか?」

水希「うん…。人間(ひと)と同じように、体温を感じられる気がしてさ。ちゃんと生きてるんだなって判るから。なんか嬉しくてね…」

リヴァイア「……そんなもんかねぇ」

水希「そんなもんなの」

 

………その姿を見て、黙ってられる連中はいないのだろう。

 

「「「どぅえぇきてるうぅ」」」(  ̄ ³ ̄)b

リヴァイア「〜〜っ ///」

 

不意打ちのバックコーラスは異様にハモり、リヴァイアの耳に向かってダイレクトに響き合う。

瞬間。背筋をむず痒そうに震わせ…目をしかめるリヴァイアは未だ、頬を赤らめておったとさ。

 

水希「ふふふ…、可愛い奴め♪」

リヴァイア「うっせ、バカヤロ……ッ///」

 

更に追い打ちをかませば、うわずった声で狼狽え、そっぽを向いてしまったそうな。

やはり相棒をからかうとなると、どうにも反応が面白くて仕方ないから、止めようにも止められない。

それに、何気に相棒から抱きつかれるのは初めてだったが、別に悪い気はしないからこのままでいよう。

 

デンパくん達の煽りじみたバックコーラスを添えて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野次馬どもからの声援がようやく収まった頃。

お互いまだ腕を離さずにいたが、いい加減姿勢がキツくなったので腕をおろし、リヴァイアの肩に体重を預けた。

 

水希「……ごめんね、リヴァイア。いっつも巻き込んでばっかなのに…」

リヴァイア「言うな。過ぎたことを嘆いたところで何も変わりゃしねぇ。――もう同じ後悔を繰り返さないようにって……強くなろうと頑張ってきただろ。俺達…」

水希「――うん…」

 

あまり言い訳にしたくはないが、ここ一番でドジを踏み後々いじけたり、一度の失敗を引きずってしまう性格は、どう足掻いても治りようがなく。今こうして近くに慰めてくれる人がいなければ、より一層…落ち込んでいたと思う。

……それでも

 

――もっと、強くならなきゃ…。

 

単純ながらその強迫観念に気圧されてからは、自らの自我(ほんね)を押し殺すことで、愚直に戦えるほどには虚勢を張っていられたのだ。

 

……それが間違いだと気付けずに。

 

 

 

しばらく感傷に浸っていたが、リヴァイアによって沈黙が破られる。

 

リヴァイア「俺の力を際限なく扱えるだけでも…十分素質はあったんだがな。

でも師匠は、俺達の失態を…見透かしていたんだろうな……」

水希「……そうかもね…」

 

首が長いことを煩わしくさせていたが、片目だけでも…と。リヴァイアは僕と目線が合うよう首をくねらせた。

 

リヴァイア「なぁ、水希。師匠はああ言ったけど……それでもお前は、力が欲しいか?」

水希「…………」

 

思うように口が開かず、即決できない。

本当なら今すぐにでも欲しいが、後のことが気がかりで仕方ないのが理由だった…。

 

力の解放がトリガーとなり、理性も保てないケモノに成り下がるのは嫌だが、今のままでは信武にも……――ましてや、怨敵と相対した所で敵うかどうかもわからない。

 

……矛盾しているが、言い表すならそれが最適解なのだ。

 

しかし。返答するための言葉が見つからず、視線を落とす。

 

水希「……僕は…」

 

正直、迷っていた。

 

それ以上に自分は、何を一番恐れていたのか。

一度見つめ直そうと脳をフル回転させる。

 

――何が怖い?

 

目の前で大切な人が死ぬこと?

縁を切られ、もう二度と…会うことすら許されなくなること?

住処だけでなく、心の在り処を失くしてしまうこと?

 

…………いや、違う。それだけではない。

 

僕が一番恐れているのは……多分、自分が自分で無くなってしまうことだ。

 

明白なはずの答えなのに、今まで知らん顔をしていたから……余計、困惑しだした。

 

 

――――覚えておけ…水希。弱肉強食が世の常である限り、優しさだけでは全てを救うことなど叶わん。

己に刃を向く輩に対し…時に非情にでもならねば、実物なり言葉なり刺されて朽ちるのみ。渡り合う為にも…生涯、闘い続ける他はない。

 

 

 

水希「……ユリウス……」

 

不意にその名を呼んでしまった。

 

実力が及ばなかっただけに、道化へと堕ちた男を救えず……逆に助けてくれた恩を返せずにいたことを、今でも後悔していた。

 

もう一度…過去に戻れるとしたら、自分(おまえ)はいったい何がしたかったんだと……怒鳴り散らして、一発ぶん殴ってやりたいくらいだった。

 

水希「―――――リヴァイア」

 

面を上げる。

 

水希「今…僕が言えるのは、すぐに結論づけるのは、無理なの。不用意に力を解放させたくないから……」

リヴァイア「……あぁ」

水希「――でも、本当に必要だと思った時は……その時はまた、力を…貸して欲しいの……」

 

弱々しく、途切れ途切れになりながらも、なんとか目を向けて伝えられたが、終始心許ない表情を見せたのは、鏡越しでなくともわかっていた。

それでもリヴァイアは、さして気にするどころか……口元を緩ませ、宥めるよう頭を撫で回したのだった。

 

リヴァイア「ようやく素直に言えたな、水希。良く出来ました」

水希「もう、茶化さないでったら…」

リヴァイア「茶化してない。褒めてんの」

 

笑顔のままキッパリ言い捨てられると、余計恥ずかしいのだが…。

何も言い返せずにいると、続けざまに語り始めた。

 

リヴァイア「普通の人間(ヒト)なら(さじ)を投げるはずのことを、お前は逃げずに立ち向かおうとした。

周りの人達はよく理解しているから、お前に力を貸そうとしてくれたんだぜ。――それに、飯島さんも言ったろ? 『人に頼ることも大切だ』って……」

水希「そうだけど…」

 

最後まで言い切ろうとしたが、リヴァイアの腕が背中に回されたことで遮られてしまう。

 

リヴァイア「……元より俺は、お前を置いて逃げるという選択肢はとっくの昔に捨ててきたんだ。だからもう…遠慮なんかすんな。辛くてどうしようもねぇなら、ガキの頃と変わらず…俺に甘えろよ。……いいな?」

 

甘く胸を締めつけるような苦痛に、顔を歪ませてしまう。

 

水希「……めんどくさいよ。結構」

リヴァイア「知ってる。たとえお前が、嫌と言っても……離れねぇからな。俺は…」

水希「――――っ」

 

……あぁ、やっぱダメだ…。

 

 

堪えなきゃ…、ダメなのに……。涙が、止まらない。

 

水希「……そんなこと、言われたら…………そんな風に…っ、言われたら、余計…断れないじゃん……!」

 

……でも、嬉しい。

こんなどうしようもないバカを相手に、一喜一憂して……時に叱ったりして……稽古をつけてもらったりして、嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも一緒だったから、もう知ってるよね。

『誰ひとり欠けることなく、みんなが笑顔でいられる世界を作りたい』って、大吾さんにも負けないくらい…強い理想を抱いていたこと。

 

僕ひとりで愚直に戦い続けていれば、みんな安心して暮らしていけるんだって……ずっと、信じてたの。

その考え自体に、根幹から履き違えているって気づこうとせずにね…。

 

一人ひとりが違う悩みを抱えていて、その人にとっての正解を言い当てられるほど、出来た人間じゃないからさ。

……だから人よりズレてるってバカにされるんだろうね。

 

今までしてきた事は、ただ居心地の良い空間を作ってただけ。

そして……自分にとっての幸せは、自分の手で掴み取るものなんだって……今になってようやく理解したんだ。

 

 

本当、何も知らない他人みたいに…さっさと見捨てておけばよかったのに。それでもまだ、離れずにいてくれる…優しい人だ。

 

その強く逞しい彼に、すがりつくよう抱き返した。

秘めていた想いを一言一句、聞き逃させない為に。

 

水希「…ありがとう、リヴァイア。――大好き」

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