戦姫絶唱シンフォギアLBX 作:ドットブレイズ
あれから俺は響に運ばれて病院の病室で寝かされていた
これまでの戦いの疲労などもあって体力の限界に来ていたのだろう
しかしどうにか回復した現在の俺は・・・
「・・・あの・・・許してもらえないでしょうか?」
「ダメです♪そのまま話を聞かせてもらいます♪」(ゴゴゴゴ!)
「・・・あい・・・」
凄まじい笑顔の響と未来に病室のベッドの上に正座させられて
これまでについての色々を聞かれる羽目になっていた
「いやだからね?前にも言ったと思うけど正体を言わなかったのは
大人の面倒事に巻き込まれたくなかったからで・・・」
「でも私達は大人じゃないですよね?
それなら話しても良かったんじゃないですか?」
「いやいや!二人に話したら必ず危険に巻き込まれるじゃないですか!?」
「話を聞いていなくても危険に巻き込まれています!」
「・・・ですよね・・・」
言い訳を思いついてはそれを凄まじい勢いで論破されて
結局、今の俺は二人に対してひたすらに謝るしかなかった
「はははは!伝説の戦士様も女の子には形無しだな!?」
「笑ってないで助けてもらっていいですかね!?」
「悪いがお前の自業自得だから普通に怒られてろ」
「雪音ちゃんが冷たい!?」
「残念ながら今回は私も雪音の意見に賛成だ」
「翼さんまで!?俺に味方は誰一人としていないのか!?」
あまりにも平和な光景で先ほどまであんな激戦をしていたのがまるで嘘のようだった
そしてそれを最も感じていたのは敵であった調と切歌の二人だろう
「・・・本当に・・・あの人が前にセレナを救ってくれた人なんだよね?」
「その筈デスけど・・・とてもそうは見えないデス・・・」
「あ〜・・・二人とも?出来ればこっちに来て君達の話を聞かせてもらえないか?」
俺に言われて二人はベッドの側まで来ると
自分達がどうしてこんな事をしたのか教えてくれた
どうやらかつて俺がセレナという少女を助けたネフィリムの事件
それは全て何者かによって仕組まれていた事だったそうだ
それを知った彼女達は世界に対して復讐する事を決意したそうなのだが
マリアはそれとは別にセレナを救いたいという気持ちがあったそうだ
セレナはネフィリムとの戦いで絶唱を使わなかったが
それでも途中まで歌ってしまった影響であれからすぐに意識を失ってしまい
今のあのフロンティアの中で眠ったままになっているそうだ
「あのウェルという男はそんなセレナを救う方法があると言っていました・・・
それでマリアは仕方なくあの男の言う事を聞いているのです・・・」
「実質的には人質ってわけか・・・英雄を自称する割には随分と姑息なやり方だな・・・」
「はい・・・ですがマム・・・ナスターシャ博士の病の件もあり
どんなに姑息なやり方であっても・・・従うしかありませんでした・・・」
調はまるで悔しそうに拳を握りしめていたがその手を切歌がそっと包み込んだ
そして俺はそんな調の頭に手を置いて優しく撫でた
「辛かったな・・・家族を人質に取られ自分のやりたくない事をやらされて・・・
でも大丈夫だ・・・もうそんな事はしなくていい・・・
その二人は必ず救ってみせる・・・約束だ・・・!」
「!はい・・・!」
俺の言葉を聞いてようやく調の顔に笑みが戻り俺が一安心していると
「何を一人で背負い込んでいるんですかね?お兄さん?」
「そうですよ?それに今の自分の立場を分かっているんですか?」
「すっ・・・すいません・・・」
こうして俺は再び二人の長い説教を受ける事になってしまい
その後でやってきた彼女らの長官である弦十郎が現れて話を聞きたいからと部屋から出されてしまい
俺は助かったと思いながら真剣な顔で彼と向かう会う
「一応は初めましてだな・・・風鳴弦十郎だ」
「山野ダン・・・それで?話って言うのは俺もあんたらの組織に入らないかって事か?」
「その通りだ・・・だが君は私達の組織に対して何か思うところがあるようだね?」
「ああ・・・確かにあんたらの組織は優秀だし正義感もあると言ってもいいだろう
しかし・・・本当に自分達の思い描いた正義を実行し続けていられるのか?」
「・・・それは・・・」
「それが組織に属したくないって理由だ
俺は自分の正義を貫きたいからこそどこにも属したりはしない
たとえそれで犯罪者と言われようと世界を敵に回そうともな・・・!」
「・・・なるほど・・・どうやら私には君の信念を変える事は出来ないようだ・・・
だが彼女達には協力してもらえる・・・と言う事でいいのだろう?」
「それはもちろんだが・・・響は大丈夫なのか?」
「それなら問題はない。実は・・・」
弦十郎の話ではなんと未来が神獣鏡の力を完全に制御出来るようになったそうで
その力を使い響の体を侵食していた聖遺物を消し去ったらしい
それにより命を助ける事は出来たのだが俺が考えていた一つの問題が出てきてしまった
「えっ!?でもそれじゃあ響ちゃんは!!」
「ああ・・・もう戦う力は残されていない・・・
それでも本人はまだ戦うつもりのようだ・・・」
「はぁ・・・やっぱりか・・・」
俺の予想していた通り戦う力を失っても彼女は戦いを止めるつもりはないようだ
そしてそれがどれだけ危険な事なのかも理解した上での発言なのだから余計にタチが悪い
「まぁ響くんに関してはおそらく他のみんながなんとかしてくれるだろう
そして私達は・・・これより最後の作戦を決行しようと思っている」
「了解・・・!なら俺も寝ている場合じゃないな・・・!」
一方その頃、フロンティアのとある部屋では・・・
「セレナ・・・私は一体・・・どうすればいいの?」
そう言ってマリアは目を閉じて眠っているセレナのそばで泣いていた
それ故に少しだけ指が動いたという事に気が付く事はなかった