戦姫絶唱シンフォギアLBX 作:ドットブレイズ
弦十郎さんの話を聞いて俺は急いでその日のうちに退院を果たした
しかし問題はそのすぐ後でみんなにそれがバレてしまったと言う事だった
「それで?どうしてお兄さんがここにいるんですか?
今日だけは絶対安静にしてくださいって言われてましたよね?」
「お兄さんを退院させたのは師匠だって聞いたんですけど・・・
これは私に対する試練だと受け取った方がいいのでしょうか?」
「あれだけ心配させておいてまだ足りないって言うのか?」
「だとしたら・・・私達もそれ相応の対応をしなくてはいけないな」
「まぁ多少は痛い思いをするかもしれないけど・・・別に構わないよな?」
(・・・なんかめちゃくちゃ怖いんですけどぉぉぉおおお!!??)
何故か目の前には修羅の如く怒っている響達の姿があった
本当ならばこっそりと事を済ませるつもりだったのだが
勘のいい未来が気づいたようでこうして異端審問が開かれてしまった
(ってか俺を強引に退院させたのはアンタなんだからなんとかしろよ!)
(残念だがこうなってしまっては私でも無理だ・・・!
ここは潔く彼女達からのお怒りを受け入れるしかない!)
(それでもOTONAなのか!?最強って言われてるんだろ!?)
残念ながらOTONAでも完全に怒っている奏者の前では無力のようで
俺達は自らの死刑宣告を受け入れようとしていたら未来に肩を掴まれる
「そういえば・・・お兄さんが退院して何をするつもりだったのかまだ聞いてませんでしたね?」
「(ギクッ!)べべべ別に何もするつもりはなかったよ!?ただ今後の戦いに備えて
色々と司令官と一緒に作戦なんかを考えておこうと思っていただけだよ!!」
「そそそその通りだ小日向君!彼を早急に退院させてしまった事は申し訳なかったが
精密検査でも異常はなかったしドクターウェルの事を考えたら早く彼と打ち合わせをしたかったんだ!」
相変わらず未来の勘の良さはずば抜けており俺達がこれから何をしようとしていたのか
その本当の内容にすら勘付いてしまったようで俺達は必死で弁明をするのだが
先ほどの一件があるからなのか信用してもらえず俺は仕方なく覚悟を決める
「・・・本当は宇宙に行こうと思ってたんだよ・・・一人でな」
『っ!?』
そう・・・俺がやろうとしていた事は自分一人だけで宇宙に向かおうと考えていたのだ
いくら奏者といえども宇宙空間で行動する事は出来ないが俺は違う
LBXの体になるが故に呼吸などは必要なくライディングソーサがあれば
真空状態でも行動する事が出来るのでみんなが戦ってしまう前に
どうにかしてドクターナターシャとマリアの妹であるセレナを救出しようと考えていた
そしてもちろん・・・みんながこれに反対する事も分かっていた
「お兄さん・・・!分かっているんですか!?さっき自分がどうして倒れたのかを!?」
「分かってるよ・・・でもだからって二人を放ってなんておけないだろ?」
「それは分かっています!でも何でお兄さん一人で行かないといけないんですか!?」
「シンフォギアだって万能じゃない・・・
前に宇宙空間でも活動が出来たのはエクスドライブに至ったからだ
それに響ちゃん・・・君はもうガングニールを持ってないんだろ?」
「っ!!」
「だからこそ・・・これは俺一人でしか出来ないし俺一人でやらなくちゃいけない事なんだ」
セレナという少女はかつて俺が助けた事のある少女だと調と切歌は話していた
ならばこれは俺が背負わなくてはいけない運命というものなのだろう
何よりも・・・そんな運命がなかったとしても俺は二人を放ってはおけない
そしてもう一つ・・・俺一人で行かなくてはいけない理由がもう一つある
「それに響・・・お前にはマリアさんを止めてもらわなくちゃいけないんだ」
「私が・・・ですか?」
「ああ・・・お前にはシンフォギアとは違う別の力がある
それは目に見えない物であり言葉にするには難しい力だ
だが・・・人の心を動かす力がお前にある・・・!
だから今回だけは俺を・・・自分の可能性を信じてほしい!」
響には俺が転生特典としてもらったLBXの力とは違う人の心を動かすだけの何かを持っている
そしておそらくはその何かがマリアを救う光となってくれるはずだと俺は信じていた
しかしそれも人質という物があってしまってはマリア自身が否定してしまうかもしれない
それだけはたとえどんな事があっても絶対に阻止しなくてはならない
俺はその為に彼女達を救うと決めたのだ
「・・・分かりました・・・!納得はしてませんけど・・・お兄さんを信じます!」
「いやそこは納得して送り出してもらいたかったんだけど・・・まぁいいや
それじゃあ・・・後の事は頼んだよ・・・!みんな!」
「おう!そこまで言うのなら必ず救出してこいよ!」
「ウェルの野郎には一発お見舞いしてやらないとな!」
「こっちの事は私達に任せておけ!」
「私も・・・まだ新米ではありますけど響の手助けをします!」
「・・・本当に・・・頼りになるよ・・・!」
こうして俺は後の全てを響達に任せて一人、宇宙へと向かう事にした