戦姫絶唱シンフォギアLBX 作:ドットブレイズ
完全にネフィリムにしてやられてしまった俺は現在、海の底で埋もれていた
(・・・完全にしてやられた・・・これじゃあもう体すら動かせん・・・
救助を待つにしてもここがどこか分からないし・・・てか俺も分からん!)
不意に海へと投げられてしまったのでもはや自分がどの辺りにいるのか
レーダーすらも機能しておらず完全に遭難してしまった状態になっている
そしておそらく響達は今頃、ネフィリムと激闘を繰り広げている頃だろう
(それにしても・・・まさかネフィリムがあんな奇襲をしてくるとはな・・・
今までの戦いで完全に俺が一番の障害だって判断したって事なんだろうな・・・)
流石の俺もまさかネフィリムにあんな奇襲をされるとは思っていなかったが
これまでの戦いを考えるのならば俺が一番の障害だと思われてもおかしくはないだろう
だからこそあんな奇襲を仕掛けてきて真っ先に俺を無力化したのだ
(・・・頼むぞみんな・・・!どうかネフィリムに勝ってくれ・・・!)
その頃、響はマリアからガングニールを貰いみんなでネフィリムと戦っていた
しかしそんな中でたった一人、マリアだけはその戦いを見守るしかなかった
響にガングニールを託した彼女はもう戦う力が残っていないのだ
(・・・私にはもう・・・戦う理由がない・・・守るべきものすらも・・・
マム・・・セレナ・・・!私は一体・・・どうすればよかったの・・・!?)
マリアは後悔していた
自分は守りたいと思っていたものの為に戦っていたはずなのに
いつの間にかそれを自分の手で失う事になってしまった事を・・・
そして同時に彼女は戦う意味も見失ってしまい
何故、自分がここにいるのか分からなくなってしまった
しかしそんな彼女にとってまるで希望とも言えるような声が聞こえてきた
「お姉ちゃん!」
「セレナ!?それにマム!?
どうして・・・ウェルが宇宙に捨ててきたって・・・!」
「うん・・・でもあの人が・・・!あの騎士さんが助けてくれたの!」
「騎士が!?・・・そう・・・私達はまた・・・彼に助けられたのね・・・!」
マリアはいつの間にか涙が溢れて止まらなくなってしまった
かつて助けられた騎士に自分達はもう一度、助けてもらったのだと・・・
しかしそんな中でセレナはもう一つ・・・残酷は真実を告げる事になる
「でも・・・その騎士はネフィリムの襲撃にあって・・・海に・・・」
「そんな・・・!」
「大丈夫よ・・・彼はこんな事で命を落とすような存在ではないわ・・・
それよりもマリア・・・貴方にはまだやるべき事があるのじゃないかしら?」
ナスターシャ博士はそう告げるとセレナが手に持っていた何かをマリアに渡す
それはかつて彼女が身につけていた聖遺物であるアガートラームだった
「今の私はもうこれを使うだけの力はない・・・だからお姉ちゃん・・・
どうかこれを使って・・・お姉ちゃんがやりたいと思った事をして・・・!
私の為でも誰の為でもない・・・自分の為に戦って・・・!」
「セレナ・・・!分かった・・・!私は私の為に戦う!
私は・・・マムとセレナと幸せになる為に・・・その敵を倒す!」
マリアはアガートラームを見に纏い響達を追いかけて行った
その後ろ姿を見て二人は心から安心したような顔をしていた
「なんだ?お前まで来たのか?」
「ええ・・・!これは私の贖罪でもあり・・・私の戦いでもあるから・・・!」
「随分といい顔をするようになったじゃねぇか!そっちの方が歌姫の顔よりもいいぜ!」
「はい!ようやくマリアさんの顔を見れた気がします!」
「皆!そんな悠長な事を話している場合ではないぞ!」
ネフィリムはこれまでとは違いフロンティアを取り込んで
かなり巨大な体に変貌しておりその体はまさしく怪物にふさわしかった
「こんな怪物!どうやって倒せばいいんデスか!?」
「大丈夫です・・・!きっとあの人が助けに来てくれるはずです・・・!」
「・・・そうね・・・!必ず・・・あの騎士は来てくれる・・・!
だからその間、私達でこの怪物と戦うわよ!」
『おお!!』
響達の必死に抗おうとする姿を見てネフィリムは恐怖を覚えていた
それはかつてとある騎士によって初めて覚えた感情であり
同時にどうしても許す事が出来ない醜い感情だとも言えるだろう
そしてネフィリムはそんな恐怖を振り払うかのように叫び響達に攻撃を開始する
響達も全身全霊で攻撃していくがネフィリムの回復力の方が圧倒的に上だった
「くっ・・・!これではどんなに攻撃をしてもキリがない・・・!」
「いや・・・!一つだけあいつを倒す・・・封印する方法があるぜ・・・!」
「もしかして・・・!ソロモンの杖を使うのか!?」
「そうだ・・・!あれでネフィリムをバビロニアの宝物庫に封印する・・・!
でも一つだけ問題がある・・・今のソロモンの杖じゃ宝物庫へのゲートを開けねぇ・・・!」
クリスの作戦はとても良い物だったがソロモンの杖はだいぶ前に機能を停止しており
バビロニアの宝物庫へと繋げるだけの出力を出す事は出来なかった
「・・・ならば絶唱を使うわ・・・!」
「!?ダメですマリアさん!それじゃあマリアさんの命が!」
「言ったでしょ?これは私にとっての贖罪なの・・・
これは私の罪・・・だから使うのならば私の命を使う・・・!」
「・・・いえ・・・もしかしたらその必要はないかもしれません・・・」
「?未来?それってどういう・・・」
響は一体、未来が何を言っているのか分からなかったが
すぐにその理由を彼女達は知る事になった
『!?』
なんと突如としてネフィリムの目の前に炎の渦が発生したのだ
そしてその渦が消し飛ばされるとそこから姿を現したのは
オーディーンに次ぐ次世代機として開発された幻のLBX
イプシロンの姿がそこにはあった