戦姫絶唱シンフォギアLBX   作:ドットブレイズ

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潰える夢

もはや世界が分解されるのに一刻の猶予もない中

俺はチフォージュ・シャトーを操るキャロルと対峙していた

彼女は自分に残っている全ての力をつもりのようで

体を再構築し大人の姿になると同時にその力も強まる

俺はそれに対してΣオービスで対抗するのだが

彼女の力はその力にすらも劣らぬほど凄まじかった

 

「どうした!?この俺を倒すんじゃなかったのか!?

 それともお前の力はそんなものなのか!?伝説の騎士!!」

 

「言ってくれるな・・・こちとら女性相手に手加減してるのに・・・

 それに・・・後ろにある馬鹿デカい塔も気にしてんだよ・・・!」

 

(本当ならアレも止めに行かなくちゃいけないけど

 コイツの相手を響だけに任せるわけには・・・)

 

俺は必死にどうにかこの状況を打破する術はないかと考えていた

すると何やら塔の方で動きがあったのか動きが鈍くなっていった

しかもそれだけではなくなんと分解したはずの世界が元に戻ろうとしていた

もちろんそれはキャロルの意思ではなく彼女も驚いていたが

すぐにその原因が誰なのかを理解し怒りで顔を歪める

 

「まさか・・・用済みの分際でまだ抵抗するのか・・・!

 いいだろう・・・!ならば貴様らを倒して

 私が直接、破壊すればいいだけの話だ・・・!」

 

「そんな事させるわけねぇだろうが!!」

 

「二人共!待たせてしまってすまない!」

 

「ここからは私らも混ぜてもらうぜ!」

 

「みんな!」

 

そこへタイミングよくクリス、翼、奏の三人もやってきた

彼女の話ではどうやら塔にはマリア達が侵入したようで

彼女らが止めてくれるはずだと信じてこちらに来たらしい

これならば彼女を止められると思ったのだが何故か俺は響に止められた

 

「お兄さんは塔の方に向かってください・・・!

 きっとマリアさん達が力を貸して欲しいと思ってるはずです・・・!」

 

「・・・いいのか?今のコイツはお前らにとって強敵だぞ?」

 

「はい・・・!今の私は大丈夫です!

 それに・・・彼女ともっと話をしてみたいんです」

 

どうやら響はキャロルの心を救いたいと考えているようで

その為には彼女の憎しみと絶望を理解してあげる必要があると

そしてそれに必要なのは拳で分かりあう事だけだと感じていたようだ

 

「・・・分かった・・・それじゃあ俺はマリア達の方に向かう

 後で戻ってくるからちゃんと最後くらいは残しておけよ?」

 

「はい!」

 

俺はその場を響達に任せて塔の方へと向かった

するとそこではマリア達とあのウェル博士の姿があったのだが

なんとそこにはもう一人、怪我をして動けないはずのエルフナインの姿もあった

 

「・・・まさかお前がこの世界を救おうとするとはね・・・」

 

「私は英雄だぞ!?それにアイツの捨て駒になるつもりはない・・・!

 だが・・・思ったよりも演算が複雑で再構築には時間が・・・!」

 

「そういう事なら俺に任せてもらおうか・・・!」

 

俺は二人が操作していた端末に触れるとLBXのCPUをフルに使い

二人が苦戦していた演算を凄まじい速度で終わらせていく

それにより世界は元の状態へと戻りキャロルの野望は潰えた

 

「まだ終わりじゃありません・・・!この塔を破壊しないと・・・!」

 

「だな・・・もう二度と悪用されるわけにはいかねぇもんな・・・!

 それじゃあいくぜ!イカロス・フォース!ウェポンフォーム!」

 

俺はイカロス・フォースを呼び出しそのまま武器へと変形させる

 

『アタックファンクション!メテオブレイカー!』

 

そして渾身の一撃で塔を粉々に破壊した

するとそれを見ていたキャロルは全てに絶望したような顔をしていた

 

「・・・そうか・・・お前らもそうやって・・・俺の邪魔をするのか・・・!

 いいだろう・・・!ならばもう何もいらない・・・!

 命も・・・記憶も・・・思い出も・・・!

 全部、捨てて・・・お前らを殺してやる・・・!」

 

「っ!?なんだこの凄まじい怨念は!?」

 

「ありえねぇ・・・!人が出せるようなフォニックゲインじゃねぇぞ・・・!」

 

「これで・・・終わりだぁぁぁああ!!」

 

キャロルは己の全てをエネルギーに変えたフォニックゲインを響達に向けて放った

しかし彼女は避ける素振りを見せず受け止める覚悟を決めていた

するとそんな彼女を支えるかのように他の奏者達も集まる

 

「うぉぉぉおお!!」

 

「無駄だ!人間であるお前らに受け止められるものか!!」

 

「確かに一人じゃ無理だよ・・・でも私は一人じゃない!

 皆が・・・支えてくれるみんながいるから・・・私達は負けないんだ!!」

 

そんな響の思いに同調したのか彼女の放ったフォニックゲインは

響達の中へと宿り奇跡のエクスドライブを発動させた

 

「馬鹿な・・・!?アイツらが・・・俺のフォニックゲインを取り込んだだと!?」

 

「それだけじゃないよ・・・君はさっき、アレに全てを消費して放っただろ?

 だからこそ・・・君を止めて欲しいと願った人物が響達に力を貸したんだよ」

 

「っ!?」

 

俺の言葉を聞いてキャロルはもう一度だけ響達の方を見ると

その後ろに自分の父親の姿が映ったように見えた

そう・・・彼女を止めようとしているは響だけではなく

彼女の記憶の中で存在していた父親も止めて欲しいと思っていたのだ

 

「・・・たとえそうだったとしても・・・俺はもう止まれない・・・!

 この憎しみを終わらせる事なんて出来やしないんだよ!!」

 

「だったら俺達が断ち切ってやる・・・!お前の憎しみを・・・!」

 

しかし今のキャロルはもはや止まる事は出来ない

彼女は血の涙を流しながら湧き上がる感情を否定し最後の戦いに挑む

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