碧色のライバル   作:妖魔夜行@

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レポート:8『ミュウツー』

 二度目となると、案外道のりは楽なもので。スイスイと最下層へ進めた。

 最深部に降りると、グリーンの気配を察知していたのか、既に戦闘状態に入ったミュウツーが襲いかかってきた。

 

「バォオオオオウ!!!」

 

 いけっ、ゲンガー!ストライク!

 

 同時に二匹のポケモンを繰り出す。どちらもゴーストタイプ、むしタイプと、エスパータイプのミュウツーに対して効果抜群をとれるポケモンであり、前回は連れていなかったポケモンでもある。

 ミュウツーはグリーンが繰り出したポケモンを見ると手の平から闇色のエネルギー弾を出現させる。『シャドーボール』だ。

 

 ゲンガー!距離を取ってミュウツーの『シャドーボール』を『シャドーボール』で相殺しろ!ストライクは接近して『れんぞくぎり』!

 

「ゲゲケ!」

「シェアッ!」

 

グリーンの指示を受け、ゲンガーも両手の間に闇色のエネルギー弾を生み出す。ミュウツーが『シャドーボール』を撃ったのと同時に撃ち放ち、ぶつかり合ったエネルギーが炸裂し、爆煙を巻き起こした。

 

 ポケモンが自身のタイプと同じタイプの技を使う時、その技の威力は通常よりも高くなる。それなのにミュウツーの『シャドーボール』はゲンガーのソレに劣らなかった。自分が苦手とするタイプの技なのに、だ。

 つくづく格の違いを思いしらされる。だが諦めるつもりは毛頭もない。

 

 『シャドーボール』が相殺された今、ストライクを遮るものは何もない。刃を鈍色に輝かせながら振り下ろす。

 

「バウ!!」

 

 しかし刃はミュウツーには届かず、透明な壁に阻まれてしまった。

 

 『バリアー』か。構うなストライク!続けて『れんぞくぎり』だ!

 

「シャアア!」

 

 『れんぞくぎり』は使えば使うほど威力が上がっていく技だ。いくらミュウツーとはいえ相性の悪いむしタイプの技を受け続けることは難しい、それが『れんぞくぎり』なら尚更だ。

 

 二撃、三撃、四撃と刃を振るうと流石のミュウツーの『バリアー』にも亀裂が入る。それを見て今の状況が不味いことに気づいたのか、ミュウツーは『バリアー』を解除してストライクから距離を取ろうとする。

 

 逃がすなゲンガー!『シャドーボール』で進路を塞げ!

 

「ゲケッ!」

 

 再び闇色のエネルギー弾を撃ち出す。しかしミュウツーは慌てることなく手を振るう。するとエネルギー弾は空中で静止し、向きを反転してゲンガーに跳ね返された。

 加速したソレを防ぐすべもなく、ゲンガーは顔面で受け止める。効果抜群の技であり、なおかつミュウツーの力が加わった『シャドーボール』に耐えきれず、ゲンガーは気絶した。

 

 ちっ、戻れゲンガー!いけっ、フーディン!ナッシー!

 

「ムウン…」

「ギャオオ!」

 

 気絶したゲンガーをボールに戻して素早く2匹のポケモンを繰り出す。ストライクがミュウツーに攻撃を仕掛け続けているがストライクだけでは攻めきることは厳しいようで、逆にミュウツーに押されていた。

 

 アイツの動きを止めろ、『かなしばり』だ。

 

 エスパータイプ2体がかりで動きを封じる。前回とは違いレベルも上がり、動きを制限することに特化した『かなしばり』だ。いくらミュウツーと言えどもちょっとやそっとでは振り解けないだろう。

 

 そこをストライクが刈り取る。

 

 身動きが取れないミュウツーに『れんぞくぎり』を繰り出し、繰り出し、繰り出す。効果抜群のこの攻撃を何度も喰らえば、ミュウツーの身体にも傷がつく。どうやら痛みで顔を歪ませるくらいにはダメージが与えられているようだ。

 

「グウゥゥ……ォ、ォオオオオオオオ!!!!!」

 

 唸り、咆哮をあげる。一見力任せに念力の拘束を振り解こうとしているように見えるが、フーディンとナッシーの念動力に自身の念動力を通して中和を働きかけている。

 

 マジでバケモンだな…ナッシー、『かなしばり』をやめてミュウツーの足元に『やどりぎのたね』。

 

「ギャオオ!」

 

 ナッシーの体から発射された数発の種がミュウツーの足近くに打ち込まれる。すると種が急激に成長して蔦となり、ミュウツーの身体に巻き付く。

 身体の縛りが軽くなったと思えば蔦に絡め取られる。ミュウツーのストレスは溜まる一方だ。

 

 ストライク!『れんぞくぎり』!

 

 ナッシーが『やどりぎのたね』を打つためにミュウツーから離れていたストライクに三度指示を出す。斬撃を振るい続けたストライクの刃は研ぎ澄まされており、今なら鋼鉄でさえ斬り裂けるだろう。

 ストライクが刃を振り下ろす。ミュウツーはダメージを和らげるために『バリアー』を使い攻撃を阻もうとするが、限界まで強化された『れんぞくぎり』は難なく壁を斬り裂き、ミュウツーに太刀を喰らわせた。

 今の一撃でかなり削れたようで、ミュウツーの顔に疲労が見える。

 しかし『れんぞくぎり』が『やどりぎのたね』の蔦ごと斬ったせいで拘束が弱まり、念力を使われ強引に破られてしまった。

 

 ミュウツーはストライクの首を掴んで身体を持ち上げる。逆の手には漆黒のエネルギーが渦をまいており、ミュウツーを中心にクレーターが出来ていることからその威力が凄まじいものだと分かる。

 

「バオオオオオオォ!!」

 

 空間を圧縮させ生まれた時空の歪みを撃ち放つ超念動力(サイコキネシス)。それを喰らったストライクは身体をくの字に曲げて吹き飛ばされる。隕石のような速さで壁に激突して身体をめり込ませた。

 

 『やどりぎのたね』を使わせたのは失敗だったか、クソ…戻れストライク!

 

 伝説のポケモンの怒りを実感したグリーンは冷や汗を流し、恐怖を覚える。それと同時にこのポケモンを捕まえれば必ずレッドに勝てると期待がうまれる。

 

 何がなんでも捕まえてやる……!いけっ、ウインディ!

 

「ガァウ!」

 

 フーディンとナッシーはもう一度『サイコキネシス』でミュウツーを抑えろ!ウインディは『かえんほうしゃ』で牽制!

 

 再びミュウツーの身体が念力で縛られる。が、パワーが足りていないのか簡単に振りほどかれてしまう。時間をかけて念力を掛け続けない限りミュウツーの動きを封じることは出来なさそうだ。

 ストライクが与えたダメージは『じこさいせい』でもそう簡単に癒しきれないはずだ。付け入る隙はそこにある。

 

 ウインディが火焔を吐き飛びかかる。ミュウツーは火焔を念力で打ち消しながら『バリアー』でウインディをいなす。空いている右手の掌には闇色のエネルギーが渦をまいており、球体に形をなしていく。そしてミュウツーがそれを放とうと右手を掲げる。

 

 もどれウインディ!

 

 ウインディはボールに戻っていく。その瞬間、先程までウインディがいた場所にエネルギー弾が通過していく。あのままボールに戻さずに戦わせようとしていたらウインディは戦闘不能になっていただろう、まさに間一髪だった。

 自分の攻撃が透かされたことに戸惑いながらもミュウツーはグリーンを睨みつける。その視線を受けながらもグリーンは次のボールを手に取る。

 

 次はコイツだ。サイドン!

 

「グルォオオ!!」

 

 重戦車のような巨体が地面を抉りながら現れる。前回ミュウツーにダメージを与えることすら出来なかったからか、その目には闘志が爛々と燃えていた。

 

 さあリベンジマッチだサイドン、『いわなだれ』!

 

「グオオオ!!ルァアッ!!」

 

 拳を振り抜き岩石を砕き飛ばす。飛ばされた烈石はさながら散弾銃のようにミュウツーに降りそそぐ。

 しかしミュウツーも幾つもの『シャドーボール』を出現させて撃ち放つ。烈石に闇色のエネルギー弾がぶつかり爆発と衝撃波がおこる。白煙がもうもうと立ち込めるが、その煙を裂いてミュウツーが攻め込んできた。ミュウツーの周りには星型のエネルギーが漂っている。『スピードスター』だ。

 

「バウアアアァ!!!」

 

 至近距離で放たれるエネルギー弾を、サイドンは最低限の動きで弾き、躱す。ミュウツーがすれ違うその瞬間にサイドンが腕を振るう。

 

「グルォオ!!」

 

 『カウンター』!!

 

 ミュウツーの身体に超重量の拳が突き刺さる。そのまま拳を振り抜いて殴り飛ばした。吹っ飛ばされたミュウツーはダメージを受けすぎたのか、顔を歪ませる。しかしここで回復する隙を与えれば、また振り出しに戻ってしまう。グリーンはすかさずサイドンに指示を出した。

 

 『いわなだれ』で追撃しろ!

 

「グオオ!!」

 

 再度拳を振るい、岩石を飛ばす。ミュウツーは『バリアー』で防いで『いわなだれ』の射程圏から外れる。

 

 そこだ!『じしん』!!

 

「ガォオオ!!」

 

 サイドンが地面を踏み鳴らすと大きな揺れが起こり、振動と衝撃波がミュウツーに襲いかかる。ミュウツーは降りかかってくる岩石に意識を集中させていたようで、衝撃波を防ぐことが出来なかった。

 前回とは違い、着実にダメージを与えていってるバトルを見て、グリーンは拳を握る。

 

 いける……いけるぞ……!

 

 ヨロヨロとミュウツーが立ち上がる。腕を上げて闇色のエネルギーを収縮しようとするが、その身体が突然ワイヤーで縛り付けられたように動かなくなる。

 

 フーディン、ナッシーの『サイコキネシス』だ。そんでもって───

 

 サイドンが駆けてくる。右腕を大きく振りかぶり、ミュウツーの腹部を撃ち抜く。

 

 『メガトンパンチ』だ!!!

 

「グルォオオオオ!!!」

「バ、ォ───」

 

 拳を振り切りミュウツーを吹っ飛ばす。今の一撃でミュウツーの体力はかなり削ったはずだ。砂埃で見えないが、恐らく瀕死に近い体力だと思う。

 

 数秒後、砂埃が吹き飛ばされる。姿を現したのは、疲弊したミュウツーだった。

 

 『じこさいせい』を使われたか…けど、完全に回復は出来なかったようだな。

 

「オオォ…………バオオオオオオォォ!!!」

 

 ミュウツーの咆哮が洞窟内に響き渡る。その目は怒りに染まっており、最早グリーンしか映っていない。ミュウツーが腕を突き出すと、十を超える数の『シャドーボール』が出現する。それらを全て、グリーン(・・・・)に向かって放った。

 

 なっ!?

 

 勿論そんなことポケモン達が許すわけもない。フーディンは同じく『シャドーボール』を撃ち相殺させようと考え、ナッシーとサイドンはグリーンの前に立ちグリーンごと覆うように『まもる』を展開させる。

 これでなんとか防ぎきれるだろう。そう考えていた。

 

 しかし甘かった───怒り狂った伝説のポケモンはこんなことでは止まりはしなかった。

 

 まずグリーンを狙った『シャドーボール』が急激に上昇し、吸い込まれるようにフーディンへ着弾した。残りの『シャドーボール』はそのまま真っ直ぐ『まもる』にぶつかり、内部を衝撃が襲う。

 防ぎきったと思い、『まもる』を解除させたら直ぐにフーディンをボールに戻す。

 

 フーディン、よくやってくれた……すまない。

 

 ボールをしまい、辺りを見回すがミュウツーの姿は見えない。一体どこに───と警戒していると背後から『スピードスター』の強襲にあう。ナッシーが身体を張って防いでくれたが、この一撃で体力がかなり削れてしまったようで膝を着く。

 振り向くと念力で辺りに散らばっていた無数の岩石を持ち上げたミュウツーが空中を浮遊していた。

 

 まずっ、『まもる』だ!!

 

「グオオ!」

 

 大量の瓦礫がまるで滝のように降り注ぐ。いくら『まもる』の障壁が防いでくれているとはいえ、障壁内部の衝撃と振動までは防いでくれない。しかもその中でグリーンとナッシーを守らなければならないサイドンの精神力はガリガリと削れていく。

 一分か、もしかしたら三十秒かもしれない、長く短い攻撃の時間が終わった。ようやく止まったのかとサイドンに『まもる』を解かせグリーンが安堵していると突然ナッシーが『タネばくだん』を撃った。

 するとグリーンのすぐ数メートル後ろで『シャドーボール』とぶつかり爆発した。

 

「ギャオオ!!ギャ───」

 

 助かったナッシー、と言う暇もなくナッシーの胴体に三発の『シャドーボール』が突き刺さる。

 

 ナッシー!?くそっ、ウインディ!頼む!!

 

 戦闘不能になったナッシーをボールに戻してウインディを繰り出す。ウインディは牙を見せてミュウツーを威嚇する。

 

 ウインディ!ミュウツーの視界を隠すように『かえんほうしゃ』!

 

「ガルァアア!!」

 

 扇状に広がる火焔がミュウツーを飲み込む。ミュウツーの姿が見えなくなるが、それはほんの僅かな時間でウインディの炎を切り裂いて姿を現す。

 ミュウツーが腕を掲げると手のひらを中心に空間が渦を巻き圧縮される。『サイコキネシス』の応用だろうか、放たれる圧力(プレッシャー)が桁違いだ。まともに受けては無事ではすまないのは火を見るより明らかである。

 

 サイドン、もう一度『まもる』だ。

 

「グオウ!……ガ、オ?」

 

 サイドンが技を使おうとするが、何度やっても『まもる』は発動しない。

 

 なんで……PP(エネルギー)切れには早いだろ!?

 

 困惑しているグリーンを後目に渦を巻いた漆黒のエネルギーが周囲の空間を歪めながら飛来してくる。それに気づいたサイドンがグリーンを守るために身体を挟み込ませる。

 

「グォオオ!?」

 

 しかしあまりの威力にサイドンが吹っ飛ばされる。その余波も凄まじく、砂塵が巻き起こり、衝撃波と一緒にグリーンを襲う。

 

 サイドン…!うわあっ!?

 

 余波を受け、数メートル転がされ幾つか擦り傷を作る。吹き飛ばされた際に瓦礫にぶつけたのか身体中が痛む。

 

 ぐ………もどれ、サイドン。頼むピジョット。

 

「クルワァ!!」

 

 俺を背中に乗せて、飛んでくれ!

 

「クワァ!」

 

 ピジョットの背に捕まり飛翔する。そろそろミュウツーを捕獲する動きに切り替えないとこちらが全滅してしまいそうだからだ。

 

 ウインディ!『ほのおのうず』でミュウツーの足を止めろ!!

 

「ガウ!ルルォウ!!」

 

 ウインディの口から吐かれた火炎がミュウツーを取り囲み渦と成る。『まきつく』や『しめつける』と同じくバインド効果のある『ほのおのうず』だ。これで少しは時間が稼げるだろう。その隙にとグリーンは残りの2体のポケモンを繰り出す。

 

 あともう少しだ!頼んだ、カメックス!!ライチュウ!!

 

「ガメガメェ!!」

「ヂュヂュイ〜」

 

 残った手持ちを総動員して勝負を決めにかかる。グリーンを乗せているためピジョットは攻撃に参加出来ないがその代わりに身軽なライチュウがいる。

 

 カメックス!渦ごと撃ち抜け!『れいとうビーム』!!

 

「ガァ、メエ!!」

 

 二つの砲身から冷気を纏った光線が射出される。光線は渦を貫いてそのまま壁を穿つ。それと同時に炎が消え右肩の上部が凍りついたミュウツーが姿を現す。ミュウツーが放つプレッシャーは更に激しさを増しており、ここにいる全員を殺さんばかりの目で睨みつけてくる。

 

 スゥ、と息を吸い、止める。

 

「───オオオオオオオ!!!」

 

 ビリビリと鼓膜と身体が打ち震える。そして咆哮とともにミュウツーの傷が癒えていく。『じこさいせい』だ。しかし傷は癒せてもスタミナを回復することは出来ない。『じこさいせい』を使うにはかなりのスタミナも消費する。回復できるのはあと二、三回が限界だろう。

 

 さあ、正念場だ。気張れよ!ライチュウ!『10まんボルト』!!

 

「ヂュッ!ラ〜ヂュ〜!!」

 

ライチュウの頬にある電気袋がバチりと火花を散らし、電撃が放たれる。ミュウツーはその電撃を念力で受け止めこちらに向かってきた。

 そこにウインディが立ち塞がる。

 

 左側から回り込んで『すてみタックル』だ!!

 

「ガァウ!!」

 

 凍りついている右肩では攻撃に対応することが出来ず、念力は今『10まんボルト』を受け止めている。

 完全に入った!グリーンの予想は簡単に覆された。

 

「ガウゥ!?」

 

 ウインディとミュウツーの間に透明な壁が差し込まれており、攻撃が届かなかった。それどころか空中で身動きの取れないウインディに、今まで念力で受け止めていたライチュウの電撃をぶつけた。

 

「グルオォ!!」

「ヂュイ!?」

 

 ウインディ!くっ、『10まんボルト』を止めるんだライチュウ!

 

 指示通り放電を止めるが、ウインディにかなりのダメージが入ってしまった。しかもミュウツーにダメージは与えられていない。

 

 やっぱりあの念力、厄介だな…それに素早い動きも止めたい……ライチュウ、近づいて『でんじは』を当てるんだ!

 

「ヂュイ!」

 

 鳴き声とともに電気袋を鳴らして地を駆ける。ミュウツーは近づかせないために念力で周囲の岩を持ち上げて放り投げてきた。

 

 ウインディはライチュウのカバーだ!『りゅうのいかり』!

 

「ガウ!グルオォ!!」

 

 ウインディの口内から青白い光が溢れ、吐き出される。それは龍の形を模して岩石を噛み砕きながらミュウツーへ迫る。が、ミュウツーはそれを『シャドーボール』で相殺させた。

 

 その間にライチュウが『でんじは』を当てられる距離にたどり着いていた。バチバチと音を鳴らして細い電撃がミュウツーの体に当たる。

 

「ヂュッ!」

「オォ…!?」

 

 まひ状態になったミュウツーは力が入らないのか地面に膝を付いた。それを体力が減っているからと勘違いしたのか『じこさいせい』で身体の傷と痺れを癒そうとするが、傷を治すだけで麻痺は取れない。

 

 まひで自由に動けない今がチャンスだ!カメックス!!最大出力の『ハイドロポンプ』を撃てぇ!!

 

「ガァ…メァア!!」

 

 二つの水の砲撃が放たれる。とてつもない水量はエネルギーと比例し、その威力は最強の技と言わしめた『はかいこうせん』すらも凌駕する。

 飛沫を散らしながらミュウツーに迫り、砲撃が身動きの取れないヤツに直撃───しなかった。

 

「バオォォ……!!!」

 

 ミュウツーは『バリアー』で砲撃を防いでいた。しかし薄い防壁は激しい水の砲撃に耐えられないのかピキ、ピキ、と罅が入っている。

 

 カメックス!もっとだ!もっと力を出せ!!

 

「ガメェ……!!」

 

 グリーンの言葉を聞いて更に出力を上げるカメックス。ミュウツーはその勢いに押され地面を削りながら後退していく。しかしまだ、まだ足りない。もう一押し何かがあれば───

 

「ヂュウゥ〜!!」

「ガルゥオオ!」

 

 近くで待機していたライチュウとウインディが電撃と火炎をミュウツーに放つ。左右それぞれ逆方向から放たれた二つの攻撃がミュウツーを襲う。

 水の砲撃を防御するのに精一杯なミュウツーは二匹の攻撃を防ぐことが出来ず、雷炎を喰らった。そのせいで『バリアー』の力が弱まり、砲撃が防壁ごとミュウツーを貫く。

 

「バオ───」

 

 これでおしまいだ…!吹っ飛べミュウツー!!

 

 三タイプの攻撃をそれぞれ喰らいながら吹き飛ばされたミュウツーは身体が埋まるほどの勢いで壁にぶつかった。

 

 ………終わった、のか?

 

 グリーンは警戒しながらピジョットにミュウツーに近づくよう頼む。

 距離にして5メートル程の位置で確認するが、目は閉じられており意識がないように見える。「今ならいける」と思ったグリーンはピジョットから降りると、バッグからマスターボールを取り出して構える。

 

 これで…おしまい、だっ!!

 

 ボールを振りかぶり、投げる。ポケモンにぶつかるとボールが開き、ミュウツーが収納される。地面に落ちて、一度大きく揺れると「カチッ!」とポケモンを捕まえた時の音が聞こえた。

 そう。あのミュウツーを捕まえたのだ。

 

 あれだけの激戦を繰り広げてきて最後がこんなあっさりしたものなのか、とグリーンは拍子抜けする。

 ボールに近づき中を確認する。そこにはミュウツーが体を丸めて眠っている姿があった。それを見て、やっとミュウツーを捕まえた実感が湧いてきた。

 

 捕まえた……ミュウツーを、捕まえた………!はははっ!!やった!やったぞ!!ミュウツーを捕まえたんだ!!

 

 ボール片手に暫く喜んでいたグリーンは落ち着いたのかジッとボールを見つめる。

 

 これで、レッドに勝てる……。

 

 そう呟くとミュウツーをボールから繰り出した。先程まで寝ていたミュウツーは驚き辺りを見回す。そんなミュウツーをよそにグリーンは話し始める。

 

 これから俺がお前のトレーナーだ。俺の手持ちとして戦ってもらうぜ。

 

 その言葉を聞いてミュウツーはゆっくりと立ち上がる。そしてグリーンに向けて、右手を突き出した。

 瞬間、頭が割れるような痛みがグリーンを襲う。のたうち回る自分のトレーナーを見て、ライチュウとピジョットはグリーンに駆け寄り、カメックスとウインディはミュウツーに攻撃しようとするが、全員金縛りにあったように身体が動かなくなる。

 

 痛む頭の中、グリーンは脳内に送られてくるテレパシーに耳を傾ける。

 

 

 

 

 

『ニンゲンガニクイ』

 

 

 

 

 

『ジブンヲクルシメタニンゲンガニクイ』

 

 

 

 

 

『コロサナケレバ』

 

 

 

 

 

『ニンゲンハコロサナケレバナラナイ』

 

 

 

 

 

『ソノタメニ』

 

 

 

 

 

『オマエハドウグトナレ』

 

 

 

 

 

 その言葉を最後に、グリーンの意識は暗転した。

 

 


 

 

┏━━━▪━━━-━━━━┓

つづ■からぴザジる  ┃

さ縺、かょAじパんズ ┃

ボーて× 9ュツー  ┃

━━━━━━━━━◼━┛

 

━━━━━━━━━━━┓  ┃

┃しゅじ

んこう B■uル ー ┃

┃もってジギズA  5f こ┃

┃イ゛びまギず8Oん ◼き┃

┃ぷれいジカン  00:00┃

┗━━━おわり━━━━━━━━━┛

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