今にも堕ちてくる空の、奇妙な街で ~ジョジョの奇妙な冒険、異伝~ 作:たんぺい
「何をやっても無駄だ…!俺の『イン・ザ・ネイヴィー』は破れない!」
そう叫ぶ青年のスタンド、『イン・ザ・ネイヴィー』は…確かに無敵な能力である。
条件さえ整えば、100万度の高温も絶対零度の低温も、地震も雷も津波も台風も
仮に、今この場に核ミサイルが雨あられと降ってきて、日本全国の国土はおろか地球の地表すべてすら無くなるとしてもこのスタンドなら生き残る、そういう能力だ。
「あー…確かに、おいちゃんのスタンドはパワーもスピードもからきしだけど、あーんたのスタンドは
対する装着型のスタンドを身に纏う中年の男が軽い口調のまま…
しかし、眼は凍りつくような冷徹な光を讃えたままにこう続ける。
「『青いものに包まれたもの』を『無敵にする』スタンド…
あんたのスタンド、射程は肌に触れてるもの限定ってとこだから超短い代わりに、銃で撃とうがスタンドで殴ろうが火炎放射器で焼こうが無傷ってウワサはおいちゃんも知ってるけど、確かに
今のあんたの見た目は馬鹿馬鹿しいけどめちゃくちゃな能力よねん?」
そう言って…相手の姿をバカにしながらも称賛する。
そう、今の彼は
見た目だけなら馬鹿馬鹿しい、まるで人気ユーチューバー気取りの動画製作者がスベった企画のような姿ではあるが…事実上、こうされると誰も手出し出来なくなる。
彼のスタンド『イン・ザ・ネイヴィー』とは青い染料を発見するとスタンドが半分自動的にその染料に潜行し、そしてスタンド自体が染料に同化する、細菌やウイルスサイズのごくごく微少なサイズな群体型ではあるが数だけなら微少さと引き換えに数億体クラスの大群型スタンドと言うスタンドの特性を持つ。
つまり
そして、その射程距離は50センチどころか1センチにも満たないが、つまりは極小の近接型スタンドの集合体であり、スタンドエネルギーをそのまま身に纏う様にしてパワーやスピードもそのスタンドと同化する様にしてその身体能力が強化されている。
あくまでもスタンド自体は肌に触れたペンキの様な青い染料と同化するだけだから『イン・ザ・ネイヴィー』それそのもの精密性は皆無だ、故に手先や視力は強化されない都合精密動作性は全く強化されないのは難点ではあるが。
つまり、少なくとも彼は『無敵のスタンドをスタンドエネルギーごとダイレクトに装着している』状態に等しく、そのままペンキや絵の具をかぶっている状態ならば敵のスタンドを素手で殴り倒す事すら可能だ。
要は攻防において隙が無い能力と言える。
典型的な『弱点が無い』スタンドとも言えるだろう。
一方…
「おで、おでの『カーペンターズ』、スタ、スタンドも確かに、つう、通用しなかった」
そう言って…中年男性の味方であり『イン・ザ・ネイヴィー』の敵だろう筋骨粒々の渋みがかったがらがら声をあげて第三のスタンド使いが、何度も何度も噛みながらその無敵さを称賛する。
彼もまた、中年男性のスタンドや『イン・ザ・ネイヴィー』と同じように装着型のスタンドで、田舎臭い喋り方とは裏腹に右腕にパイルバンカーを装着しているロボットアニメの主人公ロボットのような見た目をしたヒーロー然とした『カーペンターズ』を装着したままにその筋骨粒々な男が淡々と語る。
「おま、
真っ直ぐに、その『イン・ザ・ネイヴィー』とやらを見据えながら。
「で、でも、やり、
そう言って…筋骨粒々な男は細身の中年の相棒のスタンド使いに目配せする。
そして、まるでコントや劇の台詞を切り替えるタイミングを見計らう相方の様にして、息ぴったりにその細身の中年男性が語りだす。
「おいちゃん達のスタンドは…おいちゃんの『ゴー!ウェスト!』はこーんな特撮ヒーローみたいな見た目なのにパワーもスピードも全然上がらないし、相棒の『カーペンターズ』はヒーローロボットみたいな見た目通りパワーは急上昇するけど『それ自体』は関係無い。
どーせあんたには『攻撃』は一切通用しない、けど
そう言って、『ゴー!ウェスト!』と『カーペンターズ』なるスタンドを同時に起動する。
その無敵のスタンド使いだったハズの青年は、急に苦しみだし…そして、
そんな様を淡々と見下ろしながら、おしゃべりな『ゴー!ウェスト!』の方が目だけ笑ってない冷たい笑顔のままにこう吐き捨てた。
「狭い室内なら、おいちゃん達は最強な訳よ、
今回のお仕事は…お仕事じゃなくて、『お釣り』の徴収だからハナから全力だったもーんね、おいちゃん達。
先に地獄でおいちゃんと相棒の部屋のぶんぐらいは、掃除してちょ」
そう言ってヒラヒラと手を振りながら『仕事』を済ませたホトケさんを背に後にする中年男性と、対して、何らかの信仰なのだろうか…とにかく、手をあわせて拝みながら死体に手をあわせて一礼してから部屋を厳かに出る筋骨粒々の男。
態度がまるで対照的だが、それでも彼等は仲がいい。
正反対だからこそ、尊敬し合える仲と言えるだろうか。
それに…
閑話 『二人のヒーロー』
「すっごい!流石、自分のヒーロー達だ!また、悪いスタンド使いをやっつけたんだな!」
そう言って…『仕事』を終えた二人を出迎えた少女は、だいたい13歳ぐらいの中学生ぐらいだろうか。
彼等をキラキラした瞳で賞賛するのだが、そんな当の彼等は彼女のそんな顔を見るたびに顔をあわせて苦笑いをする。
そして、冷徹に『仕事』を済ませたとは思えない様に筋骨粒々の男の方が優しい顔をしながら、彼女の台詞を訂正する。
「わる、『悪い相手』じゃなくて、ばか、『馬鹿な相手を』、しま、始末しただけなんだな。
おで、おで達には、やく、『約束』は血より重い…あい、アイツは始末しなきゃダメだった」
そう、噛み噛みで語る筋骨粒々な男に同調するかの如く、中年男性が先ほどと同じようにニヤニヤした顔で…しかして眼は冷たい仕事人の顔から優しい見守るような男のものに切り替える様にこう続ける。
「君は、おいちゃん達みたいな
だから、出血大サービスで無料であんたに付き合ってあげる訳よ、おいちゃん達もうちょい誉めてくれてもいいのよ?
…って、それは冗談だけどさ、日本にはそこのカス始末する理由もあったしタイミング的には来日はバッチリ理由はアリアリのアリだしねん」
そう言いながら、目線を少女の高さに合わせながら優しい手つきで頭を撫でる姿には、まるで殺人者らしい狂気は感じられない。
ただの、それこそ姪っこが遊びに来た時のおじさんのような、見た目だけなら温かく優しい光景だ。
一方、彼の手の動きがちょっと鬱陶しかったのか撫でられた頭から手を乱暴にはね除けつつ。
そんな少女は、ちょっと口調を激しいものにしながらこう叫ぶのである。
「もう…とにかく、
だけど、自分は、自分一人じゃアイツに勝てない…
だけど、おっちゃん達と一緒なら、ヒーローと一緒なら…百人力だ!
だからやっつけて!
…そう、『増田エルを倒せ』と、ターゲットを叫びながら…
To be continued
『イン・ザ・ネイヴィー』
破壊力:A
スピード:B
射程距離:E
持続力:A
精密動作性:無し
成長性:B
(A超スゴい、Bスゴい、C普通、D苦手、E超苦手)
簡単に言うと、本体の『表皮常在菌』と同化して本体と共生している半生命体型のスタンド。
「青いもの」を非常に好む性質を持ち、青い染料を見るとそこに潜行し活性化して半自動的に青い染料に本体が触れるとこのスタンドが起動する。
その『スタンド菌』に覆われたスタンド菌の保有者はありとあらゆる『攻撃』を通さなくなる。
打撃や斬撃のような物理的手段や火や電撃といった物理的手段、果ては真空や水圧と言うもの…要は、本体の『ダメージ』と認識する概念を拒絶して無効化する反則的な無敵の防御力を誇る、休眠状態のクマムシも真っ青なまさに弱点の無いタイプのスタンド。
ただし
名前の元ネタはヴィレッジピープルのシングル『イン・ザ・ネイヴィー』