今にも堕ちてくる空の、奇妙な街で ~ジョジョの奇妙な冒険、異伝~   作:たんぺい

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46話『墓守』その②

『トップ・オブ・ザ・ワールド』

意味は『世界の頂点』、それがアルダーの持つ()()()()()()()()

既に世界を掌握しているという圧倒的で傲慢な自負から生まれたようなこの能力は、()()()()()()()()()()()()()()()性質を持つ。

それはどういうことか…

 

 

 

case46『墓守その②』

 

 

 

「私を呼んだか、アルダー」

 

どこからともなく、とても低くコンサートホールに響き渡るコントラバスのような威容あふれる声がする。

それは、声はアルダーと同質なものだ。

だが()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「声を聞くのは久しいわね、『トップ』」

 

真っ先にその声に反応したのは、ヨーコ。

まるで旧友からの連絡を受けたときに様に気安く声をかけた彼女に対し、『トップ』は淡々とそれに返す。

 

「アルダーの娘か、()()()()()()()

 

そう告げる『トップ』は無機質にヨーコを見続けるが、それを遮る様にアルダーは声をかけた。

曰く…

 

「何…お前の能力対象を()()()()()()()()()()()()()()()()

頼めるか、相棒?そうだな、移行期間は…1分で頼む。

そしたら能力対象はヨーコに戻せ」

 

そう『主人』の声を聴いた『トップ』は、ヨーコの方を見つめなおす。

そして、無機質なその表情を一切崩さない『ソレ』は、無機質に言い放つ。

 

「なるほど…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

有効な対象譲渡と認める。

『今より後の1分間は我が庇護対象を『増田エル』に変更し、更にその後『ヨーコ・リダン』へと戻す』」

 

 

そう、『トップ』は告げるや否や、ビュンという効果音が付きそうな颯爽とした去り方でその場を離れ虚空へ消えていく。

そんな彼らの姿を、守屋は呆然とした顔で見ながら見送りつつTつぶやく。

一体全体、どういうことなのか…と。

アルダーは、淡々と、しかし自信にみちあふれるかの様な表情でそれに返した。

 

「『トップ・オブ・ザ・ワールド』とは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。

世界とは、それすなわち()()()()()()()()()()()()最も美しい。

それに俺は日々感謝を覚え、そしてその感謝する対象を破壊する物を排除する…すくなくとも、俺の手の届く範囲にいる人間は絶対に守り抜く。

それは、つまりこう言う事さ」

 

そう言って、アルダーは窓の方を見やると『トップ』はそれに応じるかのように帰還する。

そして、今度は『トップ』から言葉が返ってくるのだ。

 

「規定通り1分、増田エルの脅威排除完了。()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

そう告げた『トップ・オブ・ザ・ワールド』自身の言う真意。

それすなわちこういうカラクリだ。

『守護範囲内にいる庇護対象に対する攻撃の一切を排除する』完全な自動操縦のスタンドなのである。

  

実はアルダーの能力とは、()()()()()()()()()()()()使()()()()

本体はスタンドをただ出せるか出せないかの操作しかできない。

そもそも『トップ』は直接アルダーを守れないから、スタンドを出せた所でそれ自体にアルダー本人へは意味はない。

また、『トップ』自体も強固な意志を持つ特異な性質上、本体の言う事を聞いて貰えないことも珍しくない。

 

唯一その『トップ』に出来ることは、『本体から見て効果範囲内にいる自分以外の庇護対象に対する攻撃』を無力化し、消滅させる事だ。

そう、このスタンドは一度条件を完全に満たすと、凄まじい能力を発揮する。

射程距離はまさに無限大、地球の裏だろうが護衛対象へ攻撃を仕掛けようとする敵の元へ駆けつける。。

その速度は光よりも早く動き、まるで世界中のあらゆる場所へ分裂するかのように偏在し、撃ち抜いた拳は庇護対象に対する攻撃を『無』に変え消滅させる。

ダメージは無い、だが『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』圧倒的な防衛性能を誇るのだ。

まさに、ボディガードとして最強無敵と言い換えていいだろう。

 

なお普段はその庇護対象をヨーコに設定することで、ヨーコの書面上の義父でありライフラインも守っているアルダーもついでに守ってもらっている。

『ニートで引きこもりの娘を守る父親を攻撃する事が、間接的なヨーコへの攻撃である』と、少なくとも『トップ』は判断しているのだ。

 

無論、そんなインチキは無制限に使えるわけではない。

この能力は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

つまりそれはこう言う事だ、『アルダーの持つ敷地内でのみ、そのスタンドは発動する』。

公道なんかで出しても背中から顔を見せるのが関の山だ、公共の場においてはアルダーが支配できるものはアルダー自身しか持たない。

あくまでも『アルダーが所持する家や彼名義の会社の敷地内』でないと、スタンドは発動しない。

言ってまえば、内弁慶レベル∞の様なピーキ-極まりないスタンドと言っていいだろう。

 

 

さて、そんな『トップ』の告げる様に…エルは、今までずっとあるスタンド攻撃を受けていた。

これは、かつて彼女自身や木藤が語った様に『無条件で国外に勝手に逃亡しない』と言う条件に縛られていること。

それは、ただの監視や口約束の類ではない。

木藤自身が半ば見立てていた様に…エルの心臓へ刻印する形で、神経毒のような能力を半時限式に埋め込むスタンド能力を打たれる事により彼女自身は国家に縛り付けられていた。

 

約定を破り勝手に国外逃亡はおろか行方不明にでもなった瞬間、おそらくエルはその場で心臓麻痺で変死してしまう─

そう言う状況下に長らく追い込まれていた、エルはリー達の襲撃に対し逃げ出したくても逃げられなかったのは責任感もあるが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()からでもあったのだ。

 

しかし、それは紛れも無く本体が生きている状況下で食らっている『攻撃』に違いない。

そして、『トップ』が見逃すはずも無い。

亜光速の自動追尾でその敵本体を見つけ出すと、彼はそのスタンド使い本体に拳を当てる事で増田エルを自由の身にする事に成功したのである。

 

 

「…大方、事情はそんな所だ」

『トップ』は憮然としたとも取れるような、機械的な口調で今まで起きた状況を周囲に説明する。

 

それに対し、守屋は安心した様な声で『トップ』へと質問する。

貴方は、増田さんの味方なのか?と。

立花も追随するかの様に同じ様な質問を投げかけた、自分達の敵ではないのか?と。

その言葉に対し、『トップ』は無機質な口調のままこう続けた。

 

「私は、()()()()()()()()()()()()()

護衛対象が変わるのはヨーコと出会って以来数十年ぶりだが、あの瞬間は増田エルの味方だった。

そして今は増田エルの味方ではなくヨーコの味方だ、恐らく今後も変わらないだろう。

その手の話ならアルダー自身に聞け。

()()()()()()()()()()()()()()、ひいてはお前自身の罪の話だからな」

 

そう言って、話のバトンを引き継いだアルダーは…あえて仰々しい様な口調で口を開いた。

 

「この俺、アルダー・ヴァン・リダンは()()()()()()()()()()2()()()()()()()

一つはコイツ、『トップ・オブ・ザ・ワールド』…偏屈なガードマンで自慢の相棒さ。

そして、もう一つのスタンド能力─名を、『マネー・マネー・マネー!』と言う、コレが全ての発端。

()()()()()()()()に成り果てた理由、その犯した俺の罪の全てだ」

 

そう最初に言ってから、彼は自らの会社の由来から語りだす。

 

「『GYコンチェルン』、表向きには『Good』と『Year』を掛け合わせた造語とした『良き年を創る企業』とした会社として登記されているが…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

俺達リダン家の仕事それそのものが真の意味なのだ、それは『Graveyard(お墓)』。

そう、俺達は『世界の墓守』が真の仕事なのさ」

 

 

そう言うなり、彼は自らの正体と、かつて犯した罪について明かすのであった…

 

 

To be Continued

 




『トップ・オブ・ザ・ワールド(真)』

破壊力なし
スピードA
射程距離A(本体と対象が状況下を満たしている場合に限り、状況下にない場合はなし)
持続力A
精密動作性なし
成長性E

『護衛対象に対してのあらゆる攻撃を排除する』、自動操縦のボディガードを誰か一人につけるスタンド能力。
その『攻撃』の範囲は直接的な銃やパンチなどの暴力のみならず、言葉の暴力や殺意そのものはおろか巻き込まれた事故や範囲攻撃ですら通さず、なんなら『護衛対象のライフラインをサポートしてくれる身内を消す事』と言う間接的な行動ですら探知して『消滅』させてしまう。
単純な暴力等はエネルギーがゼロになり、故意の悪口等を言おうとすれば声が上げられなくなり、殺意等の害意そのものすら雲散霧消する。
光より速いその速度のスピードによる拳、しかしダメージは存在しない性質上、相手が気付く事は非常に困難である性質すら秘めている。

それは本体のアルダーの持っている、『自らの手の届く範囲にある誰かを守りたい』と言う優しさと責任感。
それ自体がヒーローとしての形になっているかの様なスタンド能力である。
それ故にあまりにも強固な意思から生まれたせいか、スタンド自体が自我を持っておりアルダー自身にもほとんど制御が効いておらず『呼び出す』事以外はアルダー自身の意思では操作が出来ない。

その辺りの能力使用の判断は『トップ』自身の匙加減によるものが大きい。
その為、『善意や正義感からズケズケ言ってしまいがちで、結果的に悪気も悪意もなくシンプルに短慮で口が悪いせいで護衛対象が勝手に傷ついてる』という有栖川の発言などは攻撃にはカウントされない。
逆に言うと、『トップ』自身が『攻撃』と判断したものは、『トップ』がどう事情を鑑みたとしても…なんなら『トップ』自身すら自分自身の能力に自動的に従い無力化してしまう。
アルダーが義理の娘に甘い理由の一つは、自堕落な彼女を自分のスタンド能力のせいで諌められないからでもあるのだ。

また、アルダー本体が領土として認めた場所(=自分の名義の土地と家屋)に本体と護衛対象が同時に揃っていないとスタンド能力は発動すらしない。
それは、あくまでも『自分の手の届く範囲』を守る為の能力であり、それ以外は敬意を払い自らの力を封じるべき─と言う、父からの『他者への敬意と尊重』と言う教育を、ある意味歪みきった形で発露しているからでもあるのだ。
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