ライドヘイセイバーに活躍を!   作:無個性のソーイお茶書き

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(足から生える)
タケル!どうして変身しない!


ふっ!はっ!

冒険者ギルドで全員の自己紹介が終了した後、依頼を完遂していた自分とめぐみんさんはもう一度受注しました。

 

カズマさんは

 

「別に疑っているわけじゃないんだけど…この世知辛い世界を生きてるとどうしても用心したくなるようになっちまうもんなんだ。どうか受け入れてくれ」

 

と仰り、面接の形をとりそれぞれカズマさんかアクア様が実力を見せ納得いく成果を出せばパーティを結成する、という流れになりました(アクアに任せるのは不安だけどな…とカズマさんは洩らしてましたけれど)

 

その際にダクネスさんがパーティメンバーになった時のことを考えて一緒に狩りをして見てはどうかという提案をなさったので、くじ引きによる(カズマさんとアクア様は参加せず固定)臨時パーティが決まったのでした。

 

そして現在に至ります。

 

『ヘイ!ダブル!デュアルタイムブレイク!』

 

ライドヘイセイバーでダブルを選択し、ルナ状態に変化させトードを中距離から傷を与えます。

 

「ふっ!はっ!アクア様!どうしてわざわざ突っ込むのですか!」

 

「だって!だって!女神が負けっぱなしなんて、信者に示しがつかないじゃない!!」

 

カズマさんが言っていたとうり無策で突っ込んで行ったアクア様を捕食しようとトードが舌を伸ばしたので切り落としたのですが…。

 

「ゲェゴォ!」

 

あれは完全に怒ってますね!

しかも近くにいるアクア様をターゲットにして押しつぶそうとしてます!

 

「危ない!」

 

『ヘイ!ドラァイブ!デュアルタイムブレイク!』

 

自分はドライブを選び『どんより』を発生させます!

 

……本編では仮面ライダードライブは『どんより』を使用したことは無かった筈ですけど何故か使えてしまいました。

 

ですが流石に広範囲とはいかず、別のトードを相手取っているカズマさんたちまでは届いていないようですね。

 

「おっと、こんなことを考えてる暇はないです!」

 

自分だけが元の走力で走れる世界を疾走し、アクア様を横から失礼して、トードから引き離します。

 

それと同時に効力が切れたので結構危なかったみたいでしたね…。

 

「ちょっと!もっと早く助けなさいよね!すこし、ほんのすこしだけ怖かったんだから!」

 

「すみません…」

 

なら動かないでくださいよ…。

まぁそれはそれとして、早めに退治してしまいましょうか。

 

と、自分がディケイドライドウォッチを懐から取り出した瞬間。

 

「『エクスプロージョン!』」

 

とんでもない爆風と熱量が自分達を襲いました。

 

「ん?…うわぁぁぁあっ!?」

 

「いやぁぁぁぁあ!今度は何よー!」

 

…まさか!めぐみんさん!?あれっ!もしかしてブッチャタディスカァ(撃っちゃったんですか)!?

 

あっ、満足そうに倒れてらっしゃる!

 

「クソぅ!自分も詠唱含めて見てたかったです!」

 

『フィニッシュタァーイム!』

 

自分はヤケクソ気味にライドウォッチをスロットに装填し、時計の針を5回転させました。

 

「ゲゴォッ」

「ゲッゲッ!」

「ゲロッドォ」

 

一度、必殺技の威力も試しておかないといざという時に放つタイミングがわからなくなりますからね。

 

それに、めぐみんさんの爆裂魔法の影響で地面から這い出てきたトード達がちょうどよく的になってくださる様子。

 

ここはありがたーく実験してしまいましょう!

 

『ヘイ!カメーンライダーズ!』

 

『ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘヘヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘヘヘイ!』

 

平成の凹凸成分を固めたようなハイテンションボイスが待機音声として流れ出します。

 

トード達もこちらの方に気づき、ピョンピョン跳ねながら向かってきました。

 

……格好の的!

 

「必殺技、発動します!」

 

『ディディディディケイド!ヘイセイライダー!アルティメットタイムブレイク!』

 

スクランブルトリガーと呼ばれる突起部分を押し込むと、虹色に輝く10枚のカードが横一列に現れます。

 

そこにトード達が重なったタイミングでライドヘイセイバーをカードの軌道に合わせて……

 

「振り、抜く!」

 

「「「「ゲロォォッ!?」」」」

 

「うわぁっ!?」

 

勢いに釣られ、体が半回転しました。

ちょうど必殺技放った仮面ライダーの図みたいになっていますね。

 

最初から狙ってきたトード含め、計4匹の断末魔が背後から聞こえてきます。

 

めぐみんさんの分も含めれば充分クエストの目標値に達していることでしょう。

 

……クレーターが発生してしまったようですが、賠償金とかはどうなるのでしょうかね?

 

 

☆☆☆☆

 

とりあえず、自分は受付の方に相談を持ちかけることにしましょう。

 

そういう訳で昨日と同じ受付(強者)の人の場所へとやってきました。

 

「魔法でクレーターができた場合の賠償金?…ハッ、ないない。そんなことでいちいち請求していたら冒険者なんて職業はあっという間に廃れてるよ。まぁ、民間の畑とかに作ったのなら話は別さね」

 

「中々に豪気ですね…」

 

「そりゃ、冒険者ってのは基本貧乏だからねぇ。ギルドとしては本来なら求めたいもんだが、見逃してやってんのさ」

 

「な、なるほど…参考になりました。貴重なご意見、感謝します。では、自分はこれで」

 

「あいよ。また来な」

 

…つまり、仮に大金を得たとしたらこれまでのクレーター分を求められたりするのでしょうか?

 

やはり無闇に撃つのではなく、

廃棄予定の城だとか、壊そうにも壊せない物とかに放つのが一番の様子。

 

これは要相談になりますね…。

 

「…と、いう訳です。クレーターの賠償金はないみたいですね」

 

「…貧乏だからってのがアレだな。将来、遡って請求されんのが怖い。あ、これ今回の報酬なー」

 

「ありがとうございます」

 

カズマさん達が集まるテーブルへ移動し結果を報告。

既に換金は終わらせたのでしょう。全員分のエリス硬貨が並べられていました。

 

「もー!そんなことで弱気になってちゃ困るわ!そんなんじゃいつ私が帰れるかわかったもんじゃないじゃない!」

 

アクア様からお酒の匂い。

既に出来上がっているようですね…。

 

「こらめぐみん。お前に酒はまだ早いだろう。ほら、こっちを飲め」

 

「いいじゃないですか別に!ダクネスはケチですね。…まぁ、シュワシュワは貰いますが」

 

「ケッ…!?」

 

こちらはこちらでお楽しみになっている模様。

パーティの件は、自分とカズマさんとである程度話しておきましょう。

 

「…カズマさん。パーティの件についてなのですが」

 

「あぁ。アクアの話を聞く限り…というか、最後のやつは俺も見てた。……前例が前例だとはいえ、疑ったりして悪かったな!これからは一緒に頑張っていこうぜ」

 

「……!はい!」

 

がっちり握手を交わす自分達。

…ある程度どころか全部決定してしまいました。

 

「お待たせしましたー!ミカン風味のカエルの唐揚げ定食でーす!」

 

すると、やけにタイミングよく店員さんが二食分料理を運んで下さいました。もしかして話聞かれてましたかね?

 

「腹が減ってると思って、お前の分も注文しといたんだ。…あ、もしかしてカエル苦手だったか?」

 

「あ、いえ、寧ろ鶏肉みたいで美味しいと思ってます。お気遣い感謝、です!」

 

少しの沈黙の後、クスッと互いに笑いが漏れ出しました。…いいですね、こういうものは。

 

なんだかとても心が温かくなります。

 

…さて、この唐揚げ定食。昨日も食べましたが…風味が付いている物なんてメニューにありましたかね?

 

「では、いただきます」

「いただきまーす」

 

▽何から食べる?

 

▼唐揚げ

付け合わせのサラダ

ご飯

 

素材が木でも、プラスチックでもない箸で茶色く輝くカエル肉を挟んで持ち上げます。

 

粉を余分につけたのか、

明らかに肉のない部分まで茶色の衣が飛び出していますが、これもまた美味しい所。

 

溢れる涎を飲み込みつつ、

ガブリと全体の半分ほどを噛みちぎり、咀嚼。

 

カリッカリッ、と衣が潰れる音が口内で響き、

下味に使われた醤油系の調味料の旨味が肉汁となって口の中を蹂躙してきます。

 

「〜〜〜〜〜!」

 

これ!これですよ!唐揚げの旨味が凝縮されているこの感じ!ふわりと香るミカンも食欲をバチバチ刺激してきます!

 

そして嚥下しないうちにご飯を掻き込む!

 

「……!!うんまぁい…!」

 

最っ高…!

最早賛辞の言葉が見つからない…!

 

今の自分にできるのは、二つの食が奏でる味のデュエットをひと噛みひと噛み味わい、幸福になること、ただそれだけ…!

 

「……うまそうに食うなぁ…」

 

「あんれぇ?どうしたのカズマぁ〜。カンタをみてニヤケちゃって〜。あ、もしかしてそっちのケがあるのかしら!」

 

「ちっげーよ!微笑ましく思ってただせだ!酔っ払ってるからって何言ってもいいってわけじゃねーんだぞ!」

 

「あらあら必死になっちゃって〜。逆に怪しくなってるわよ〜?」

 

「お前後で覚えてろよ。泣いて土下座してカズマ様許してくださいって言いたくなるようなことしてやるからな」

 

「……あ、あまりアクアをいじめてやるな。そうだ、罰ならこの私が代わりに受けよう。クルセイダーとして、仲間の身代わりになれるなら本望だ。……こ、ここで実行してくれても構わないっ!さあ!さあ!」

 

「だぁぁぁあ!今度はお前か!ってかお前に関しては却下だ却下!攻撃当てられるようになってから出直してこい!」

 

「あの!他のお客様のご迷惑になりますので!もう少しお控えください!」

 

「「すみませんでした!」」

 

……ふふっ。

どうやら幸せというのは料理だけでなく、周りの環境にも左右されるのですね。

 

「…とても美味しくて、とても幸せです」

 

ギルドのザワザワとした喧騒の中、自分は静かに呟いたのでした。

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