宿屋を出ると、眩しい太陽の光が目に刺さります。
時刻は大体…2時過ぎといったところでしょうか?
町もまだ活気に満ち溢れていて、自然とこちらも頑張らなくては!と思わされます。
…さて、では散策を始めましょう。
武器屋を人に聞くのもいいですが、町の地理を自分の足で把握しておくのもいざという時役に立つかもしれないので、適当に歩きましょう。
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まず武器屋がありそうな場所として考えられるのは、冒険者ギルドの近くです。
特にこれといって根拠はないですが、何となくありそうなイメージが自分の中に強く根付いているので、まずはここを詳しく探索してみることにしました。
この時もヘイセイバーは抜き身のままなので、すれ違う人を斬る事のないように気をつけないといけません。……やはり早急に鞘を手に入れる必要がありますね。結構神経を使いますし。
そんなこんなであたりを見渡していますと…。
「ふええええええ……グスッ……あぐぅ…!」
なんか緑色のベトベトしたものをかぶって泣きじゃくってる青髪の方と。
「おい、いい加減泣き止めって!なんか俺が悪いみたいじゃねぇか……っ!ほら、さっさと大浴場に行って汚れ落とすぞ」
「う"ん"…」
その泣いている方の手を引っ張っているジャージの青年が目に入りました。
……日本人、でしょうか?
やはりジャージ姿というのは目立つものですね…。と、いうかヌメヌメの女の子連れてるとかただのヤバイ人にしか見えないと言いますか…。
あ、目があった。
さっと目をライドヘイセイバーに移してあたかも整備してますよーと言わんばかりに観察します。
刃こぼれが無いかチェックししたり裏側はどうなってるか見てみたり………あれ?電源ボタンらしきものがありますね…。
「……まさか」
自分はその辺に転がっていた石を拾い、ライドヘイセイバーを押し付けます。
するとスパッ、と石が真っ二つに、まるで豆腐でも切っているかのようにあっさり切れました。
あ、案外切れ味いいんですね…。
それはともかく、今度は電源ボタンをOFFにし、半分になった石に再度押し付けますが……今度は全く切れませんでした。
というか、刃の部分が柔らかく、玩具のようになっていますね。玩具基準だとは思ってましたがここまでやるとは…。
「これなら鞘は必要ありませんね」
鞘がいらないなら、新しい服を買った時に何か引っ提げるようなものを買えばいいのですから。
そうでなくとも、買い物袋とかに入れるとか方法はいくらでもありますし。
「な、なあそこのお兄さん?」
「はい?」
あっ、ちょっとやってしまったかもです。
緑のジャージの人が話しかけてきました。
自分もちょっと変質者呼ばわりされて、ただでさえ自分の好感度は今日のうちに下がったのですから、この人たちと会話をすると相乗効果でさらに評価が下がる予感がするのです。
しかし、このまま無視するというのも人として…。
「俺の名前は佐藤カズマ。あんたもしかしてさ、日本の人?ライドヘイセイバー持ってるし」
「これはどうも…自分は斎藤カンタと申します。……って、知っているんですか?ライドヘイセイバー」
「まぁな。仮面ライダーはちょくちょく見てたし、その玩具も強烈な印象を受けたから、だいぶ記憶に残ってるぞ?」
「あー…」
確かに『ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘヘヘイ!セイ!』なんて言う騒がしい玩具はこれくらいですもんね。
「それで、自分になんのご用件が?」
「……どうか、一時的にでいいから俺たちのパーティに入ってくれないか?」
…?
「…あなたも転生者なら特典があるはずですし、自分を誘わなくともやっていけると思うのですが…仲間もいるようですし」
「いやそれがさぁ、こいつなんだよ、転生特典。俺、女神選んだの」
「えっ…?はぁっ!?」
こ、このヌメヌメして泣きじゃくっている青い女の子がですか!?
と言いうか神選べたんですか!?
「そ、そうよ!私は水を司る女神!アクシズ教団が崇拝する女神アクアなのよ!」
あ、急に元気になりましたね。
……そういえば、転生特典を選択する際に『…女神を選択するのは無しでお願いします』と言われたような…。
まさか、この方々がその前例だとは思いもしませんでした。
「…だったら尚更、苦労をしないのでは?神さまなのですから、ステータスも相当高いのでしょう?」
「そーよ!ステータスは最初からカンストしていて、初期スキルポイントも、宴会芸スキルとアークプリーストの全魔法を習得できる程の量を所持。そんじょそこらの一般冒険者と私を一緒にすることが間違っているわ!」
「おい待てなんだ宴会芸スキルって。もっと他に取れる有用なスキルなかったのかよ!」
「あっ!今宴会芸スキルをバカにしたわね!?なら、これを見ても罵れるかしら?『花鳥風月』!」
「「おおっ!?」」
女神アクア様はどこからか扇子を取り出し、バッと開きます。その数瞬後、扇子の内側から水が吹き出してきたのです!
自分は自然と拍手をしていました…!
「…スゲーな。でもさ、なんでそれで稼がなかったんだよ。そしたらあんな土木作業しなくたって武装買えたかもしれねーじゃねーか!」
「あのね、私は芸人じゃないから、芸でお金を取るわけにはいかないの!それに芸は請われてやるものじゃないの。これは芸を嗜む者の最低限の覚悟よ!」
「なんだそのプロ意識は!……あーっもう話が進まん!」
「何言ってんのよ。話を本筋から晒したのはカズマでしょ?もしかしてー数分前のことも忘れちゃうおバカさんだったんですかー!プークスクス!」
「ぐっ、心底腹立つ!言ってることが正論なのがなおのこと腹立つ!」
その後数分に渡って口喧嘩が行われ自分は置いてきぼりです。
最終的に女神アクア様が泣かされていました。
……仲良いですねぇ…。
しかし、なるほど。
やっぱりさっぱりわからないですね。
ステータスカンストしているなら、プリーストとはいえ現段階での自分より筋力が高い可能性がありますし、そこまで苦労する要素があるのでしょうか?
「あぁ、苦労しているのが不思議って顔してんな?…俺とアクアには総合的戦闘力ってものが足りないんだ。さっきジャイアントトードと戦ってきたんだが、俺はアクアが食われて足止めしてなきゃ攻撃を当てられんし、アクアはアクアで打撃が効かないって分かりきっていることを理解せずに突っ込むし…。まぁ、俺は昔(ゲーム時代)から指揮官タイプだし?アクアはプリーストだから回復役…そう、考えれば考えるほど俺らは適材適所がまるでできないし、補えてない!」
(お、おお…ここまでの長文がよく噛まずにスラスラと出てきますね…)
カズマはんはそこで一度言葉を区切り、自分に角度にして約90度の綺麗なおじきをし、
「なのでまともに戦えそうな特典持ってる貴方様に仲間になってほしいですお願いシャァース!」
急に敬語で元気よく懇願してきました。
自分は、そのあまりの勢いに
「ええっと…ちょっと仲間と相談させてください」
思わず、そんな曖昧な返事をしてしまったのでした。
主人公は返信する機会があるなら…
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するべき
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しないべき
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そこは変身だろがボゲェ!変身しろぉ!
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そこは変身だろがホゲェ!変身するなぁ!