ジニーの皮を被ったヴォルデモート   作:ヴィヴィオ

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頑張れジニーちゃん!

トム君は黒いですが、まだ憑依したばかりだから仕方ないです。


ジニーとしてマグルのやばさを知るお辞儀様

 

 

 

 

 僕は一度イギリスに戻り、ルシウス・マルフォイからお金を貰ってきた。その後、執事に送ってもらってドイツにあるルサルカ・シュヴェーゲリンの城へと戻ってきた。彼女の両親はすでに亡くなっているらしいので、ここには僕達を除くとメイドと執事しかいない。

 

「お帰りなさい。用事は終わらせたのかしら?」

「ああ、終わった。お金を手に入れてきたよ」

 

 鞄の中から大量のガリオン金貨を取り出してみせると、驚いた表情をしてルサルカが僕の肩を掴んできた。

 

「どうした?」

「どうしたもこうしたもないわよ! もしかして強盗してきたの!」

「違う。これは知り合いから貰ってきたの」

「知り合い?」

「ああ、知り合いだ。僕の将来を考えての援助金だよ」

 

 間違ってはいない。将来の関係者なんだからね。

 

「じゃあ、強盗して手に入れたわけではないのよね」

「ああ、違うよ」

 

 脅したぐらいだ。問題ないだろう。

 

「それで、ジルは何処にいるの?」

「あの子なら、暖炉の前で寝ているわ」

「ふむ」

 

 ルサルカに促されて歩いていくと、暖炉の前にあるソファーで丸まって寝ていた。まるで猫みたいだ。

 

「食事まで時間はあるから、これからどうする?」

 

 ジルの隣に座り、彼女の頭を撫でるルサルカ。僕は近くのテーブルに置いておいた魔法書を取って一人用のソファーに座って本を開く。

 

「魔法の勉強かな。ドイツの術式は大変、興味深い」

「ところどころ間違っているけどね」

「そうみたいだね。なんだか手探り感があるよ」

「そりゃそうよ。今、ジニーが読んでいるのって、ナチスが行った科学と魔法使いが行った人体実験のデータだもの」

 

 ナチスは確か、僕が本の中に閉じ込められた年ぐらいに活動していた連中だったか。1992年の現在からだいたい50年前くらいか。マグルが関わっているなんて馬鹿らしい。そう思ったのだが、魔法書の内容はかなり面白い。連中は魂をエネルギーにする方法や、聖遺物と呼ばれる古代の遺物を利用した方法などを試していた。

 

「……」

「ジニーはマグルが関わっているのって嫌?」

「そうでもない。この魔法書に書かれている内容はとても面白いしね」

「魂に関する人体実験が面白いって、ジニーってスリザリンとか、闇の魔法使いみたいね」

 

 ジルを撫でながら、こちらを見ずに言ってくるルサルカの言葉に僕はどう答えるべきか、考える。下手に答えたら親に連絡され、僕からルサルカが離れるだろう。だが、ルサルカはどちらかというと僕と同じだろう。

 

「否定はしないよ。それにこんな物を残しているということは、ナチスに協力した魔法使いってルサルカの祖父母とかじゃないかな?」

「正解。私の家系もかかわっているわ。だから、両親は殺されて私はドイツの魔法界から拒絶されているの。だから私はホグワーツに行くしかなかった。まあ、名家だし、殺されてはいないだけましだけどね」

「なるほどね。それでルサルカは魔法界を恨んでいるのかな?」

「恨みはあるわ。でも、どうしようもないもの。だから、このまま何処かの次男や三男坊の妻という名の奴隷にされるのは確定ね」

「外聞が悪いから、結婚して奪うのか」

「先祖代々が施してきた守りがあるから、一族の者でないと資産もなにもかも奪えないの。奪おうとした奴等はもれなく死ぬ呪いがこの城には施されているのよ」

「資産を奪うには結婚して血筋に入ることか」

「その通りよ。だから対外的には子供だから許し、その後の生活も支援するって美談にしているの。そもそも使われている資産も私のものなのにね。最後は守りが切れて全部奪われ、玩具になるか、根無し草になるか……」

 

 ルサルカの話を聞く限り、ドイツの魔法界もそうとうやばい状況みたいだ。彼女はもう諦めているのかもしれない。なら、やることは一つだろう。

 

「変な話をしちゃったわね。ごめんなさい」

「そんなくだらない奴に貰われるのなら、私にちょうだい」

「え? ジニー?」

 

 立ち上がってルサルカを抱きしめ、至近距離から彼女の瞳を覗き込み、大きなソファーにそのまま押し倒す。

「ちょっ、ちょっと……まさかジニーって……」

やめてっ! ちがうっ! ちがうのっ! 

「ルサルカ、私が君の全てを守ってみせる。だから、君の全てをボクにくれ」

「え? え? なにを……」

 

 頬を撫でて唇を近づける。

 

「ルサルカに手を出そうとする連中は私が全て始末してあげるよ。だから、ね?」

「な、なに……?」

「私と一緒に魔法界の連中に目にもの見せてやろうじゃないか」

「で、でも……」

「力があればできる。ここに残されている資料と私が持っている知識を合わせれば面白い事ができる。間違いない。それともルサルカは好きでもない男達に身体を開いて嬲られたいのか?」

「……絶対に嫌……」

「だったら、襲ってくるドイツの連中をねじ伏せる力は必要だ。そうだろう?」

「……そうね、うん……でも、ジニー。勝てるの?」

「勝てるよ。なんだったら今から数人殺してきてあげようか?」

 

 ルサルカの上に圧し掛かり、彼女の頭の隣に僕の顔を埋め、耳元に囁いていく。彼女はビクッと身体を震わせて面白い。こういうことに免疫はなさそうだ。

 

「じ、ジニー?」

やめてぇえぇぇぇっ! 

「どうする? 君の願い(欲望)を聞かせてよ」

「そ、それは……」

「ジルも交ぜて~!」

「「ひゃぁっ!?」」

 

 後ろから抱き着かれてそのまま三人でソファーの上から転がり落ちて色々とダメージを受けた。振り向くと、僕達の上にジルが乗っていて楽しそうに笑っている。

 

「ねえねえ、なんの話をしているの? ジルも交ぜてよ~」

「もちろんだよ。一緒にルサルカを悪い人達から守ろうって話だからね」

「任せて! 頑張るよ!」

「ちょ……」

「で、どうするのかな?」

「かな?」

 

 ジルが小首を傾げながら一緒にルサルカに聞いてくれる。ルサルカは──

 

「あはははは、うん、前向きに検討してみるわ」

「よろしい。では、それまでの間に力をつけよう」

「おー!」

 

 ジルの元気な声を聞いてから、立ち上がってルサルカを抱き起し、三人で残された資料を確認していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっ、あぁぁ、二人が悪の道に落ちちゃう……誰か、助けて……お願い……お母さん……お兄ちゃん……ハリー……

 

 

 

 

 

 

 

 

【城の地下工房】

 

 

 

 

 

 

 夜。食事を終えた僕達三人はルサルカの案内で地下施設にやってきた。そこは魔法使いの工房であり、様々な物が置かれている。例えば人を始めとした沢山の標本だったり、拷問器具だったり、マグルの使う道具だったりと多種多様だ。また、乱雑に置かれた複数のダンボールも目に入る。

 

「なんだか凄いね~」

「これはまた……」

「お父さん達の工房よ。家で研究する時はここを使っていたし、向こうが他の国にやられる前に全部移したのを、さらに移してきたみたいよ」

「つまり、これは全部研究資料というわけだ」

「そうよ」

 

 ダンボールを開けてみると、中には英語で書かれた複数の書類や写真が乱雑に置かれている。整理して調べないといけない。その中でふと瓶に入れられた赤い物が見つかった。

 

「ルサルカ、これは?」

「えっと、それは確か……そう、賢者の石ね」

「賢者の石だと? ニコラス・フラメルがダンブルドアと作った奴か?」

「違うわ。それは科学と魔法の融合させた錬金術で作ったのは同じだけれど、なんだったかしら……そう、確か魂の物質化。複数の人間を科学的に融合させ、魔法で魂の境界を……たしか、壊して一つにし、混ぜ合わせた物を引き抜いたようよ?」

「なるほど、なるほど」

 

 とっても僕好みじゃないか。混ぜ合わせた上で意識を殺し、純粋な魔法力として使っているんだろう。これは面白いな。オリジナルは魂を別けることで不死性を得たが、なるほど。その逆もできるんだね。他者の魂を取り入れ、改造してやる。この場合、魂を盾とすることで死の呪文だって防げるだろう。本当に狂気の産物だな! 

 

「他にも何か面白い物はないのかな?」

「えっと、聖遺物に関するレポートもあるはずよ。ただ、どっちも失敗作だったはず。成功していたらドイツは勝っていたから」

「なるほど」

 

 どちらにせよ、この賢者の石の数は沢山ある。資料では310万人ほど使っているらしいし、これは素晴らしい力になりそうだな。

 

「まずはここを使えるように整理しないとね」

「だな。じゃあ、しっかりと整えよう」

「は~い」

 

 執事やメイドをここに投入するわけにはいかないので、私達でやるしかない。そんなわけでまずは長年使われてなかったこの部屋を綺麗にする。未成年者の臭いは解除してあるし、魔法を使ってさっさと綺麗にする。その後、部屋を掃除していくと、当時の実験に使われたと思う聖遺物が色々とみつかった。ただ、そのほとんどは壊れているし、ありそうな場所や隠した場所が記されている資料があった。

 

「これは色々と探さないといけないな。それと実験体も必要だ」

「流石に人はまずいわよ」

「わかっている。まずは動物だな」

「ねえ~ね~」

「どうした?」

「ジル、これもらうね!」

 

 ジルが手に持っているのは血塗られたナイフ。資料によると、1964年から1965年にかけてイングランドのロンドンで起きた連続殺人事件の犯人、ジャック・ザ・リッパーが使用した凶器らしい。それを使っていろんな人を解体したとのことだ。

 

「どう見ても呪いの武器だな」

「魔法の杖にもなりそうね」

「まあ、危険だから今は置いておこう。研究が終わったらあげるから。それでいいよね?」

「いいわよ。ナイフに興味なんてないし」

「は~い。待っていてね~」

 

 徹底的に掃除し、資料を軽く読んで分類分けする。ただ、資料は膨大だからとてもじゃないが簡単には終わらない。だからこそとても楽しい。

 

 

 

 さて、新年が明けて僕達はベルリンの観光をしにきた。流石にずっと地下で作業をしているのは大変だったから、息抜きも兼ねてだ。

 

「これがマグルの世界か……」

「そうよ」

「人がいっぱい~」

 

 ベルリンの中央駅の大きさや人の多さ。また周りの発展した光景をみると、魔法界よりも発展している気がする。

 

「まずはドイツ観光として連邦議会議事堂でもいってみる?」

「任せるよ。ジルは行きたい場所はある?」

「ん~わかんないからおまかせ~」

 

 それから議事堂やブランデンブルク門、ユダ人犠牲者を追悼するために作られた建物などだ。こちらでは彼等の魂を使う予定なので、一応はいってみた。僕が有効活用してやるのだから、感謝してくれるだろう。何せ、消費されたら彼等はようやく解放されるのだから。

 

 

 

絶対にコイツの思い通りになんてさせない……私が、私がやらなくちゃ……

 

 

 

 

 

「ねえねえ、ジェラート食べたい~」

「そうね。じゃあ、みんなで好きなのを買って食べ合いっこしましょう」

「わ~い」

「ジニーもいいわよね?」

「好きにして。私にはわからないから」

「そう。じゃあ、色々と好きにするわね」

 

 この言葉で僕はとっても追い詰められた。迫った仕返しなのか、服屋に連れ込まれて女の子らしい恰好をいっぱいさせられ、沢山の服を買わされた。それに何人かに写真まで撮られてしまい、消させようとしたが、すでにネットとかで拡散されていてどうしようもなかった。なんという進歩だ。情報が世界の裏側まで一瞬でいってしまうなど、恐ろしい。連中は姿現しを超えたのかもしれない。また、ルサルカに買ってもらった本で調べたら、マグルは大量虐殺兵器の水爆などという物を持っていた。これではこちらの位置がある程度でもばれたら結界ごと破壊されかねない。マグルの機器が使用不能になる結界があるが、その外から衝撃だけでも入れられたら被害は甚大だ。ましてや汚染物質のことを考えると、事前に知っていたら防げるだろうが、マグルを警戒していない現状では被害は馬鹿にならないだろう。これはマグルもある程度は認めざるをえない。グリンデルバルドの言葉は間違っていなかったようだ。魔法使いがさっさとマグルを支配しなければ何れ、真の意味で遊びじゃない魔女狩りが始まるかもしれない。備えなければいけないな。

 

 

 

 

 




魔法界のマグルの機器が使えなくなるっていったって、放射能とか、毒ガスとか防げないよね。多少は持ちこたえられるかもしれないけれど、魔法力が切れたら終わりだし、発動して間に合うかと言われたら無理でしょう。かといって、全部を防いでいると空気とかまで調べるには科学的知識がいて、ホグワーツのマグル学を見る限り、そこまでの科学技術はないと思われる。放射能とかわかってなさそう。

追記
毒ガスはあって防げるみたいですね。放射能も防げてしまう? でも、気付かないとやっぱりそれも無理・・・と思ったら普通にマグル出身の魔法使いもいるから、うん。なんとかなりそう? マグルの科学技術が魔法を取り込むまでは大丈夫ですね! つまり時間制限あり。
ケータイ電話も修正しました。
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