ジニーの皮を被ったヴォルデモート   作:ヴィヴィオ

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感想をもらったので続きを書きました(ぁ
一年目と違って二年目はとっても平和です。ええ、平和です。



ジニー達の無邪気な実験遊戯

 

 

 

 

 決闘クラブが終わり、やる事が出来た。すぐに秘密の部屋に向かうのではなく、自室に戻ってから窓を閉め切って誰も入ってこれないようにしてから鞄から取り出したのは羊皮紙だ。

 

「何してるのよ?」

 

 僕が机にかじりついて魔法陣を書いていると、後ろからルサルカが覗き込んできたので説明する。

 

「私達が使っている部屋にたどり着かれたら困るんだ。だから、代わりの化物を用意しようと思ってね」

「確かに秘密の部屋と関連付けて探されると大変よね。見つけられる可能性があるのはハリーかしら?」

「そうだな。蛇語が使えるならたどり着かれる可能性も充分にある。それに奴等にはハーマイオニー・グレンジャーが居る。成績と話した限りの事を考えるとね」

「そこまで警戒する必要があるの?」

「少しでもこちらに繋がる道は閉じておきたい」

「大丈夫じゃないかな~」

 

 今まで参加せずにベッドに寝転んで足をバタバタしながら魔導書を読んでいたようだが、ジルがこちらに向きながら答えた。

 

「蛇語だけじゃ開かないようにすればいいんだよ。例えば私達三人が揃ってないと開かないようにするとか?」

「なるほど。そちらの手もあるか。うん。そっちの方がいいかも」

「じゃあ、血液を使った方法があるから、それで個人認証をしましょう」

「ついでだ。徹底的に防御呪文を使うか」

「ナニソレ楽しそう! やるやる!」

「決闘クラブに参加できなかった鬱憤を晴らせそうね。やりましょう」

 

 三人でそれぞが持つオリジナル呪文を用意し、組み合わせてパズルを行う。更に僕達の血液を触媒として賢者の石を所持していないと開かないように識別魔法をかける。これで賢者の石を持つ僕達じゃないと道は進まない。

 

「この識別魔法って大丈夫なの?」

「ああ、これなら絶対に無理だよ」

「なんでなんで~?」

「それは簡単だ。この賢者の石は複数の魂が合成して作り出したものだからだ。つまり、魂の総量を測るようにすれば普通の人じゃ開けない。女子トイレに三十人以上が同時に来る事なんてありえないしね」

「なるほど。確かにその通りね」

 

 魔法を構築して必要の部屋で何度か試してから三人で女子トイレに魔法をかける。ついでに蛇のマークも消してわからないようにしておこう。

 もちろん、魔法生物としての犯人も用意する。そのために必要の部屋で機材を確保し、秘密の部屋へと三人で移動して実験を開始する。

 

巨大化(riesig)

 

 ドイツ語で魔法を唱えると素材である巨大蜘蛛の子供を描いた魔法陣に乗せて巨大化させる。30㎝くらいの蜘蛛が3m程度に成長して破裂した。

 

「汚っ!」

「失敗だね」

「やはり生物の改造は難しいな。まだ圧縮する方が楽だ」

 

 圧縮なら僕の身体で既に試している。有る物を縮めるよりも、無い物を生み出す方が大変だ。ましてやただ巨大化させるわけでもない。肥大化させるだけでは強さはそこまで変わらないし、生物兵器としては欠陥品だ。

 

「ねぇねぇ、これもう要らないの?」

「ああ、要らないが……」

「だったらボクが貰うね」

「何に使うのよ?」

「解体するの♪」

「任せる」

 

 死体の処理をジルに任せてルサルカと共に術式を改造していく。改造して試しては失敗する。何度も失敗して、疲れてきたので別の研究に手を出す。こちらは単純に小型の生物を肥大化させて、圧縮して肥大化させて圧縮する過程を繰り返す。肥大化の割合と圧縮する割合を変える事によって強靭な足が完成した。ただし、動かない。それとモルモットはその辺の虫を捕らえて試している。流石に蜘蛛は貴重な資源なのでそんなに使い潰せない。補充には年単位が必要だし。

 

「失敗ね。何がいけないのかしら?」

「根本的に技術革新が必要だな。マグルの知識から何かないか?」

「調べてみるわね」

 

 ルサルカがマグルの技術書を読みだしたので、僕は逆に図書室の禁書を調べる。このようにしているとすぐに時間が過ぎていき、二月になった。研究は遅々として進まず、イライラしてくる。その発散として二人との戦闘訓練もより激しさがましていく。

 格闘戦では互いに顔や腹、人体の急所を狙った攻撃は当たり前で互いの悲鳴を楽しみにするほどだ。僕もバジリスクとしての力を封印して彼女達と同じ身体能力まで徹底的に下げているので普通に痛いし、泣けてくる。ちなみに参考としてはマグルの体術などを使用している。彼等は魔法が使えない分、そちらの研鑽は凄まじいからだ。僕達、魔法使い対マグルなら要らないが、こと魔法使い対魔法使いになれば必要になる技術だ。

 そもそも目指すのは少数精鋭によるEine Armee(一人軍隊)だ。数が居ればいいというわけではない。

 魔法に関する勉強と研究はもちろん続けているし、磔の呪文を回避する訓練もしている。身体に覚えさせているわけだ。お蔭で僕達は杖が向けられた瞬間に即座に位置をずらせるようになった。実戦で使えるかはわからないが。三人での訓練なら問題はない。

 

「ねえねえ、見て見て~」

「ん?」

「ウサギさん!」

「あら、可愛い黒うさぎちゃんね。どうしたの?」

「作ったの!」

「「はぁ!?」」

 

 ジルの言葉に驚いたけれど、よく見たら身体を覆っている毛はアラゴグの子供の物みたいだ。そのうさぎが、ジルの指示によって的として使っていた鉄の棒を蹴って圧し折った。

 

「……ナニコレ」

「凄いけれど何をやったのかな?」

「エッヘン! まだまだ居るよ! おいで蜘蛛さん!」

 

 ジルがそう呼ぶと彼女のポケットから1cmくらいの蜘蛛が出て来て、呪文をジルが放つ。すると三メートルはあろう蜘蛛が現れた。その蜘蛛の足はどう見ても強靭であり、肥大化させたブヨブヨの物ではなく、筋肉の鎧といった物となっている。

 

「二人が失敗した魔法を完成させたよ! どうどう、悔しい? ねえ、悔しい?」

「「ちっ」」

 

 ルサルカと共に舌打ちする。ルサルカの方はジルの頬っぺたをグニグニと伸ばして怒っていた。僕達が頑張った数ヶ月が無駄になったのだから仕方がない。いや、ジルが使っている魔法自体は僕達が開発して改良していた奴をアレンジした物なのだから無駄ではない。ああ、無駄ではないとも! 

 

「いひゃいいひゃい~!」

「いいから何をしたか吐きなさい」

「ひゃ~い。えっと、二人の失敗は対象の蜘蛛さんをちゃんと理解していないからだよ。魔法はイメージが重要だし、筋肉がどうやって構成されていて、どういう風についてるとか知らないよね? 僕はそれを解体して知っているから出来たの」

「構造を理解できていなければ望んだ強化はできないという事か」

「こればかりは解体ばっかしているジルには負けるわね」

「生物に関してはジルの方が優れているな。よし、それじゃあジルをメインにして改造するよ」

「ほ~い!」

「ええ、そうね」

 

 三人で作った蜘蛛はアラクネという名前を与えた。上半身はルサルカの持ちだしてきたナチスの人体実験データから作成した人型だ。蜘蛛の方はアラゴグと同じ、だが耐久力と頑丈さを倍以上にした。足は鋭くして斬り裂けるように調整し、口や胸から糸を吐き、その糸も粘着性と毒を持たせることに成功。危険度は更に上がった。小さくしてから変身魔法を使って姿を変え、禁じられた森の奥地で巨大化させて放っておく。

 続いて蛇を作る。こちらもその辺の蛇を捕まえてバジリスクの毒と僕の牙を少し削って出来た粉末を混ぜて合成する。その後は巨大化させて圧縮してを繰り返しながら、少しずつ血液も与えて使い魔として作成し、それから命令を刷り込んでから契約を破棄する。調べられたら困るから繋げたままにはしない。こちらも巨大化させて禁じられた森へと放っておく。

 最後に蝙蝠を作る。バジリスクの牙にユニコーンの毛。アラゴグの毒袋。魔法で吸血能力と繁殖能力、超音波を強化し群体としての強さを追求した。こちらももちろん禁じられた森へ放つ。

 

「楽しみだね~!」

「誰が勝つか賭けましょう。勝った人が食事のデザートを総取りね」

「いいだろう。勝つのは僕だ」

 

 さあ、盛大に殺し合うといい。僕達三人の実験体達。彼等のデータは使い魔を作って森に放つ事で観察する。こちらは梟や蝙蝠など鳥類を作成して放っておいた。後は普通に学生として過ごす。もちろん、賢者の石についても実験を行う。生物と賢者の石を融合させる実験だ。失敗して魂と肉体が賢者の石へと変換されてしまうのでなかなか難しい。それでも、これが不老不死へと至る道でもあるので、止めるつもりはない。

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 おかしいのう。ルシウスの行動からして何かしらの事件を起こして儂を追い落とすかと思ったが、クリスマスが終わってから碌に動きがない。それに禁じられた森の異変じゃ。いくらルシウスでもあそこには手を出さんじゃろうしの。ユニコーンなどを殺した犯人は捕まっていない。

 まさか去年に続いてヴォルデモートの仕業とも思えん。逃げていったのじゃから、奴が行動を起こすには時間がかかるはずじゃ。

 ルシウスの奴が行動を起こすと思ったからこそ、ロックハート殿を教授として招き入れたのだが……そちらの動きもないのでどのように対処するか頭の痛い問題となった。決闘クラブの再開も容認はしたが、また禁止せねばならん。

 

「ダンブルドア!」

「ミネルバ。どうしたのじゃ?」

「禁じられた森で動きがありました!」

「あそこはハグリットに任せていたはずじゃが……」

「そのハグリットから救援要請です!」

「何があったのじゃ!?」

「巨大な変異種であろう魔法生物が二匹現れました!」

「なんじゃと!」

「その二匹が争い合っており、別の魔法生物達も争い始めました!」

「その魔法生物の外見はわかるかの?」

「はい。巨大な蛇と同じくらいの人の上半身を持つ蜘蛛です」

「すぐに先生達を集めるのじゃ。それから闇祓い達にも来てもらわねばならんかもしれん」

「生徒達には寮に戻るように通達します」

「うむ。厳戒態勢を敷いて今夜は籠城するのじゃ。明日、魔法省から闇祓い達の応援が来たら鎮圧に移る」

「畏まりました」

 

 先の事件はその二匹が活動していたから起きた事なのかもしれんの。しかし、何か見落としている気がする。ハリーの様子もしっかりと見ておかねばなるまい。なんとしてでもヴォルデモートの復活は防止せねばならぬ。

 

 

 

 

 

 

 




全長50メートルバジリスクモドキVS身長5メートルアラクネVSズバット(蝙蝠群体)。勝つのは三人の魔女のアイデアか! アンケートで決めます(ぇ

ちなみに魔法使いたちにはズバットは見付かっておりません。小さいから仕方がないね。

勝つのはどの魔法生物? ストーリーに対して影響はありません。

  • ジニーのバジリスクモドキ
  • ルサルカの吸血蝙蝠
  • ジルのアラクネ
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