やはり超高校級の妹が希望ヶ峰学園に入学するのはまちがっている。   作:おおもり

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 どうも、『田中キングダム!』のポーズをするとテンションが上がるおおもりです。ずっと、ほったらかしにしてすみませんでした。受験とその後の事務手続きで忙しくてあまり書く暇がありませんでした。ようやくCHAPTER1終了です。


非日常編

 殺人が…ついに起きてしまった。

 殺されたのは“超高校級のアイドル”の舞園さやか。

 ついこの前までは、苗木といい感じになっていた彼女が殺されてしまった。

 そして、当の苗木は彼女の死体がよっぽどショックだったのか目撃時に気絶してしまった。それを大神が負ぶって、全員が体育館に集合した。しかし、いまだモノクマが現れない。

 

「くっそ!? にしても、誰が舞園ちゃんをあんなふうにしやがったんだ!?」

 

 桑田が声を荒げる。

 彼のように協調性の低い人間でも、仲間が殺されるのは許せないらしい。

 

「きっと、モノクマの仕業だよ! 私たちに殺し合いをさせるための!」

 

「なるほど。ありそうなことだ…」

 

 朝日奈の言葉に大神が同調する。

 

『モノクマが舞園さやかを自分たちに疑心暗鬼による殺し合いをさせるために殺した』

 

 それはとても理にかなっている。

 だが、小町にはどうしてもそんな気がしない。

 

『殺したのは私たちの中にいる』

 

 そんな気がしてならない。たぶん、それは昨日の夜ぐらいからの小さな違和感によるものだ。

 

「ん……ここは?」

 

 近くの観客席のところに横たえられていた苗木が目を覚ます。

 

「苗木、気がついた?」

 

「大丈夫か? 苗木っち」

 

 朝日奈と葉隠が心配そうに苗木を覗き込む。

 だが、苗木はハッとした顔をする。

 

「そうだ、舞園さんが!」

 

 そう言って苗木が走り出そうとしたところで、十神が呼び止める。

 

「おい、苗木。どこに行くつもりだ?」

 

「だって、舞園さんが!?」

 

「もうあいつは死んでいた。今更行く意味はない」

 

「だけど…!」

 

 それでも、苗木は認められないようでいる。

 

「ジャッジャーン!! ついに起こったねえ! 犯人はいったい誰なのかなぁっと!」

 

 そこに、唐突にモノクマが現れる。

 

「誰がも何も、お前が舞園さんを殺したんだろ!」

 

「えー、違うよー。殺したのはオマエラの内のだれかだよ」

 

「えっ?」

 

 モノクマに食って掛かった苗木の言葉に対するモノクマの反論にほとんど全員が固まる。

 

『自分たちの誰かが舞園さやかを殺した』

 

 その言葉はほとんどの者に重くのしかかった。

 そんな雰囲気にもかまわずモノクマは続ける。

 

「それじゃ、今から『卒業』についての追加説明をしたいと思います!」

 

 その言葉に十神が怪訝そうな顔をする。

 

「追加説明だと?」

 

「そう! まさか、殺しただけで『卒業』できると思った? 甘い、大甘だよ! むしろ、本番はこれからだよ!」

 

「本番…?」

 

 苗木が呆然とモノクマの言葉を繰り返す。

 

「そう。『卒業』のついか説明っていうのは、前に校則をみるように言った時に校則に殺人をする時のルールがあったよね?」

 

 小町は考えて、すぐにそれに思い至る。

 

「『誰にも知られてはいけません』ってところ?」

 

「そう! それこそが追加説明の要なんだ! 今から一定の捜査時間を設けて、その後にオマエラに『誰が犯人か?』について、議論してもらいます」

 

「えっと、つまりは犯人当てをするってこと?」

 

 小町が訊くと、モノクマがにやりと笑ったような気がした。

 

「そういうこと! 題して、『学級裁判』! ま、ようは裁判員制度だよ。ここでは、犯人が『誰にも知られてはいけない』という条件をクリアできているかを調べるためのもので、オマエラがそれを決めるんだよ。そして、正しいクロを指摘できればクロだけがオシオキされ、間違ったクロを指摘した場合は…クロ以外の全員がオシオキされて、クロは晴れて『卒業』となります!」

 

「オシオキって…?」

 

「処刑だよ。ショ・ケ・イ!! 電気椅子でビリビリ! 毒ガスでモクモク! ハリケーンなんちゃらで体がバラったりってヤツだよ!」

 

「そんな…ひどい」

 

 モノクマの言葉に衝撃を受けての小町の発言を聞いたモノクマが彼女のほうを見る。

 

「甘い…甘すぎるっ!! 人を殺しといて自分が殺されるのが嫌だなんて甘っちょろいことは言わせないよ!」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

 

 モノクマの言葉に江ノ島が食って掛かる。

 

「さっきから言ってること無茶苦茶なんだよッ!」

 

「んぁ?」

 

「『んぁ?』じゃねえ!! あたしはそんなのに参加するのはヤだからね!!」

 

 江ノ島のその言葉にモノクマが驚愕する。

 

「何とッ!!? 学級裁判に参加しないですと!? そんなこと言う人には罰が下るよ!!」

 

「うるせーんだよッ!! なんていわれよーが絶対参加しねーからッ!!」

 

 そう言って、江ノ島は体育館を出て行こうとする。

 そんな彼女の前にモノクマが立ちふさがる。

 

「ここは通さないぞ!」

 

「ちょっと、退いてよッ!」

 

「嫌だね! どうしても行きたいなら、この僕を「いい加減にして」へ?」

 

 モノクマと江ノ島の間に割って入った者がいた。

 

「小ま――比企谷…」

 

 それは“超高校級の妹”こと比企谷小町だった。

 小町は悠然と江ノ島を諌める。

 

「いい加減にして、盾子ちゃん」

 

「いい加減にって…だって、参加したら命賭けなきゃなんないんだよ! そんなのやってられないでしょ!」

 

「そんなのは関係ないよ」

 

 江ノ島の言葉に静かに小町は言った。

 そして江ノ島は小町の言葉に目を丸くする。

 

「関係ないって…どういう意味?」

 

「参加してもしなくても、小町たち全員の命が掛かってるってことだよ。モノクマは『オマエラで話し合って決める』って言ってた。つまりそれって、『犯人を多数決で決める』ってことだよね?」

 

 小町は確認するようにモノクマを見る。

 

「うん、そうだよ。犯人は議論の後に多数決の投票できめるんだ。賢いねー比企谷さんは」

 

 上から目線で褒めるように言うモノクマを無視して、小町は再び江ノ島へと向き直る。

 

「今モノクマが言った通り、これは多数決なんだよ。盾子ちゃんが議論に出なくても、私たちが間違えたら盾子ちゃんだって危ないんだよ? だったら、みんなと協力しよう」

 

「……わかったわよ」

 

 小町の言わんとすることがわかったのか、江ノ島は出て行こうとするのをやめる。

 

「あ、やる気になってくれた? よかったぁ。もし、ボクを力づくでどかそうとしたら、校則に則って処刑してたところだからねぇ。それじゃあ、また捜査時間が終わるときにアナウンスするから。精々頑張ってねェ! うぷぷぷぷ…」

 

 そう言って、モノクマは姿を消した。

 モノクマが去った後、捜査と言われても全員どう行動していいかわからず沈黙する。

 そんな空気に耐えられず、小町は口を開く。

 

「と、とにかく、現場に行って手がかりを探し「あ、忘れてたぁ!」あ、また来た…」

 

 小町が提案しようとしたところで、それを邪魔するようにモノクマが現れる。

 

「これを渡すのを忘れてたよ」

 

 そう言って、モノクマはどこからかタブレット端末を取り出す。

 

「チャララチャッチャチャ~“ザ・モノクマファイル1”~」

 

「モノクマファイル?」

 

 小町が訊き返すと、モノクマは『よくぞ訊いてくれました』とばかりに説明を始める。

 

「そ、被害者の状況をわかりやすくデータにしたものなんだ。これで公平に裁判ができるでしょ? 僕って優しいね~。今世紀最大の優しさだよ~」

 

「今世紀って…まだ21世紀はかなりあるべ…」

 

「ま、いいじゃんそんなの! 今からみんなの電子生徒手帳に送るね!」

 

 言うが早いか、モノクマがタブレット端末を操作すると、電子生徒手帳から電子音がする。

 小町は電子生徒手帳を操作し、“モノクマファイル1”を見る。

 

『被害者は舞園さやか。

 死亡したのは昨夜の夜時間の間。

 死体発見現場となったのは、寄宿舎エリアの苗木の部屋。

 

 被害者はシャワールームで死亡。

 腹部に刃物が刺さっている他、右手首を骨折している模様。』

 

(あれ? これって…おかしいな)

 

 “モノクマファイル1”の情報に小町は違和感を覚えた。

 しかし、それを口にする前に別の人物が口を開いた。

 

「あの、みなさん。ちょっと、よろしいですか?」

 

「何、セレスちゃん?」

 

「この“モノクマファイル”によると、舞園さんが死んだのは『苗木の部屋』となっているのですが…」

 

 その言葉に全員が苗木を見る。

 苗木自身も自分が疑われているのがわかったのか動揺する。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!? どうして僕が舞園さんを殺さなくちゃいけないんだよ!?」

 

 慌てる苗木を十神は冷ややかな目で見る。

 

「この状況なら、お前を疑うのが当然だろう?」

 

「本当にそうなのかな?」

 

 そう呟いた小町に全員の視線が集中する。

 

「何ていうか…、誠君が犯人にしては何か腑に落ちない気がするんだ…」

 

 小町の言葉に桑田が呆れたような顔をする。

 

「だけどさぁ、現場は苗木の部屋なんだぜ。これ以上ない証拠じゃんか」

 

「本当にそうかしら? 私は比企谷さんの意見はあながち間違いではないと思うわよ」

 

 全員が声の主、霧切響子のほうを見る。

 

「どういう事、響子ちゃん…」

 

「それは捜査をすればわかるわ。時間が惜しいし、そろそろ動いた方がいいんじゃないかしら?」

 

 そう言って、小町の質問に答えずに、霧切はさっさと体育館を出ていってしまう。霧切の意見を全員正論だと思ったのか、他の者も何も言わず解散する。

 そこで小町は一人の人物を呼び止める。

 

「ねえ、ちょっといいかな?」

 

 

 

          ♦

 

 

 

「ねえ、どうしてまたあたしが呼ばれたわけ?」

 

 体育館で江ノ島を呼び止めた小町は、現在女子トイレに江ノ島を連れてきていた。そして、あからさまに不振に思っている江ノ島に小町は口を開く。

 

「うん。ごめんね盾子ちゃん。ちょっと訊きたいことがあってね…」

 

 小町の言葉に怪訝な顔をする。

 

「訊きたいこと? 何?」

 

 小町は少しどう言うべきか迷ったものの、意を決して一縷の望みに希望を託すことにした。

 

「盾子ちゃんは元気にしてる? むくろちゃん」

 

「え? うん、元気だよ。この間も…あ」

 

 ごく普通の調子でされた、ごく普通の小町の質問に答えた江ノ島…いや、戦刃むくろは『やってしまった…』という顔をする。

 

「バレてたんだ…」

 

「…え? あれで気づかれてないつもりだったの?」

 

 驚いている小町に戦刃は苦笑する。

 

「一応、盾子ちゃんが色々教えてくれたんだけどな…。それに、みんなの記憶もないはずだったし…」

 

 戦刃の言葉に小町は神妙な顔をする。

 

「やっぱり…。どういう理由か知らないけど、私たちの記憶はなくなってるんだね…」

 

「うん。その理由…なんだけど「言わなくていいよ」…え?」

 

 戦刃が小町たちの記憶が奪われている理由を話そうとするのを小町は遮った。

 

「たぶん、ここに盾子ちゃんがいないことが関係してるんだよね?」

 

「それは…」

 

 言いづらそうにする戦刃に小町は優しい笑みを浮かべた。

 

「言わなくていいって。みんなから忘れられちゃって、むくろちゃんもつらかったよね? でも、もう大丈夫だよ。小町も少しだけ思い出したから」

 

 そこで、戦刃は『大事なことを聞き忘れていた』という顔をする。

 

「そ、そもそも何で、小町ちゃんは思い出してるの?」

 

「えっと、たぶんなんだけど…」

 

 小町は苗木がモノモノマシーンで出した『脱出スイッチ』について話した。

 

「それ、聞いたことがある…」

 

「ホ、ホント!?」

 

「うん。確か…「コラ―――――!!!」うわっ!?」

 

「きゃっ!? …ってモノクマ!?」

 

 戦刃が『脱出スイッチ』について知っていることを言おうとしたところで、突如モノクマが現れる。

 

「二人でこそこそしてるから何かと思ったら! 何してるんだよ、この残念が! オマエには誰かを殺してもらわなくっちゃいけないってのにさ!」

 

 モノクマの言葉に小町が息をのむ。

 

「やっぱり、昨日の夜の言葉はそういう意味だったんだ…」

 

 小町の言葉にモノクマが笑う。

 

「うぷぷぷぷ…。大変だよねえ。大切な双子の妹を人質にとられて、誰かを殺さなかいけないなんてさ…」

 

「誰かを…殺す? それに、人質って…まさか」

 

「そう! 戦刃さんともう一人の人には人質をとって、誰かを殺すように言ってるんだ!」

 

「そんなこと…させない」

 

「へっ?」

 

 きょとんとするモノクマを小町は強い意志のこもった目で見る。

 

「むくろちゃんに殺人なんてさせない」

 

 小町の決意にモノクマはにやりと笑う。

 

「うぷぷぷぷ! こいつは臭え!吐き気を催すほど偽善者の匂いが、プンプンするよ! ま、精々頑張ってね! あ、でも、君がこのことを誰かに言ったら、人質がどうなっても知らないから!」

 

 言うだけ言って、モノクマは去っていった。

 モノクマがいなくなったのを確認すると、小町は戦刃のほうを向く。

 

「…むくろちゃんは、殺人なんてしないよね?」

 

「…うん」

 

 戦刃は静かに頷く。

 それを見て、小町は満足したのかトイレの出口に歩いていく。

 

「盾子ちゃんももう一人の脅されている人も、絶対に助け出そうね!」

 

「…うん」

 

「それじゃ、捜査時間ももうそんなにないだろうし、小町は行くね」

 

「私は少し用事を済ませたら行くね…」

 

「うん。じゃあ、頑張ろうね!」

 

「…うん」

 

 自分以外いなくなった女子トイレで戦刃は困ったように俯く。

 

「…どうしよう」

 

 

 

          ♦

 

 

 

「どこから行くべきなんだろ…」

 

 戦刃と別れた小町は残り少ない捜査時間にどこに行くべきか考える。

 

「…とりあえず、誠君の部屋に行ってみよ」

 

 小町がまず舞園さやかの部屋のネームプレートになっている苗木の部屋に行くと、そこには現在周りから疑われている苗木と霧切、大和田、大神がいた。

 

「あれ? もしかして誠君たちも捜査に来てたの?」

 

 小町の質問に大和田が答える。

 

「いや、俺と大神は見張りだ」

 

「見張り?」

 

「俺は考えるのが苦手だからな。それに、犯人が証拠を処分するかもしれねえだろ」

 

「あぁ、なるほど。で、誠君と響子ちゃんは捜査?」

 

「ええ。比企谷さんもよく調べてみるといいわ。この部屋にはあからさまに不審な点が多いわよ」

 

「あからさまに不振な点?」

 

「例えばあそこよ」

 

 そう言って、霧切はバスルームを指差す。小町がバスルームに近づくと、まだ血の匂いがしたが、我慢して扉をちらと見ると、ドアノブが壊されていた。

 

「ねえ、誠君、響子ちゃん。ドアノブが壊れてるんだけど、ここにドアノブを壊せそうなのってあったっけ?」

 

「確か…工具セットがあったはずだよ」

 

 苗木の言葉に小町は首を傾げる。

 

「工具セット…なんてあったっけ?」

 

「男子の部屋には工具セット、女子の部屋には裁縫セットがあると部屋の張り紙になかったか?」

 

 大神の言葉に小町は『あぁ…』と思い出したような顔をする。

 

「そういえばそうだったね。で、それってどこにあるの?」

 

「工具セットなら机の一番下の引き出しじゃねえか? 俺のはそこにあったぜ」

 

 大和田が指差した机の一番下の引き出しを開けると、確かにそこには工具セットが入っていた。

 

「およ? でも、これって全然使われてないみたいだね」

 

「本当だ…」

 

 小町の言葉に苗木や大和田が工具セットを見ると、工具セットはきれいなままで使われた痕跡が全くなかった。

 

「じゃあ、壊すのに使ったのって工具セットじゃないのかな?」

 

「いえ、工具セットのはずよ」

 

「ここの工具セットが使われてないのに、なんでそう思うの?」

 

「苗木君が犯人でない事。部屋のプレートの交換。この二つを前提に考えればわかるはずよ」

 

「…?」

 

 霧切の言葉に首を捻っていると、苗木が部屋を出て行こうとする。

 

「あれ、誠君はどこ行くの?」

 

「僕は他の場所も調べてくるよ。もしかしたら、犯人に繋がる証拠があるかもしれないし…」

 

 そう言って、苗木は部屋を出ていった。それを見送った小町は次にどこを調べるべきか考える。

 

「うーん。時間もないし、他にはどこを見よう…」

 

「それなら、舞園さんの死体とそこに落ちてる模擬刀を調べておくといいわよ」

 

「え…?」

 

 どういうことか訊こうとすると、霧切はすでに部屋を出ていってしまっていた。

 

「えっと…さやかちゃんの死体と模擬刀を調べるといいんだっけ」

 

 小町はすぐ近くの模擬刀を見る。

 

「…鞘が傷だらけだ。しかも、模擬刀の金箔もずいぶん落ちちゃってる」

 

 小町の言うとおり、模擬刀はこれをつかって争ったのか、鞘は傷だらけで金箔も剥がれ落ちていた。

 

「きっと…さやかちゃんがこれで抵抗したんだ」

 

 模擬刀の状態から、小町は舞園がこれで犯人に抵抗したものと推理した。

 

「次は、死体かぁ…。あまり見たくないんだけどな…」

 

 気は進まないが、捜査のためには見ないというわけにもいかず、小町は舞園の死体を調べる。

 

「あ、手首のところ骨折してる…ってあれ?」

(骨折してるってことは、手首を何かで殴られたってことだよね? この部屋で誰かを殴れそうなものっていったら…)

 

「模擬刀だけ?」

 

 『まさか…』と、小町は舞園の両手を見る。

 

(やっぱり…。右手の骨折した所だけで、どっちの手の平にも模擬刀の金箔が付いてない。ってことは…)

 

「模擬刀を使ったのはさやかちゃんじゃない?」

 

 小町は何か重大な事実にあともう少しで手が届きそうな気がした。

 

「ん、何だろこの数字?」

 

 小町は舞園の後ろに『11037』と書かれているのを見つける。

 

「そういえば、さっきさやかちゃんの手を調べた時に左手に血がついてたっけ…。となると、これってさやかちゃんが書いたのかな?」

 

 『どういうことだろう…』と、小町が考えていると、いきなりどこかでテレビがつくような音がする。そして、すぐにモノクマの声が聞こえてくる。

 

『えー、ボクも待っているのに飽きたので、そろそろ学級裁判を始めたいと思います。オマエラは学校エリア一階にある赤い扉の奥のエレベーターに乗ってください! じゃあ、またあとでね!』

 

 言うだけ言うと、モニターが切れる音が聞こえる。

 小町はとりあえず、大和田と大神と共に赤い扉の奥にあるエレベーターの前で他のメンバー待つ。

 すると、他のメンバーも着々と集まり、最後に苗木が入ってくると全員の空気が変わる。ほとんど全員が苗木を疑っているのだ。

 全員がエレベーターに乗り込むと、エレベーターの扉が自動的に閉まり、下降を始める。

 エレベーターの下降は長く、何時間にも感じていると、ようやく下降が止まる。

 エレベーターの扉が開くと、そこには臙脂色のカーテンで周囲が囲まれており、部屋の中心には証言台のようなものが円形に配置されていた。

 モノクマは部屋の奥の木製の大椅子の上でふんぞり返っている。

 

「どう、これ? すごい再現度でしょ!」

 

「悪趣味だね」

 

「何さ、比企谷さん!? この良さがわからないなんて、おっくれてるー!」

 

(ウザい…)

 

「ちょっといいかしら?」

 

 小町がモノクマのウザさにイラッとしていると、霧切がモノクマに声をかける。

 

「ん、なに?」

 

「アレは何?」

 

 そう言って、霧切は円形の証言台の方を指差す。

 そこには、殺された舞園の写真があり、彼女の写真には血のようなもので『×』の印が描かれていた。

 

「死んだからって、仲間外れは可哀想でしょ? 」

 

「じゃあ、私たちが16人なのに、席が17人分あるのはなんで?」

 

「別に深い意味はないよ。ただ、最大17人まで収容できるってだけだよ」

 

「…そう」

 

 霧切は納得していないようだったが、追及はしなかった。

 

「それじゃ、学級裁判を始めようか! みんな、自分の名前が書いてある席に移動してね!」

 

 モノクマに言われた通りに小町たちは移動する。席順は奥のモノクマふんぞり返っている大きな席に一番遠い正面の位置に苗木の席があり、そこから時計回りに殺された舞園、石丸、江ノ島(戦刃)、小町、大神、霧切、大和田、朝日奈、モノクマのすぐ正面の空席、葉隠、不二咲、十神、セレス、桑田、腐川、山田の順だった。

 

「それじゃあ、学級裁判を始めましょう!」

 

 

 

          ♦

 

 

 

『学級裁判 開廷!』

 

モノクマ「まずは、学級裁判の簡単な説明から始めましょう! 学級裁判の結果はオマエラの投票により決定されます。正しいクロを指摘できれば、黒だけがおしおき。だけど…もし間違った人物をクロとした場合は…クロ以外の全員がおしおきされ、みんなを欺いたクロだけが晴れて卒業となりまーす!」

 

小町「本当にこの中に犯人がいるの?」

 

モノクマ「当然です」

 

 モノクマは私の質問に当たり前のことを言うように答える。

 だけど、この『学級裁判』で私たちには命がかかってるんだ。間違えるわけにはいかない。

 

石丸「よし、みんな目を閉じよう! そして、犯人は挙手したまえ!」

 

大和田「アホか、挙げる訳ねーだろ…」

 

 …前々から思ってたけど、清多夏くんって天然?

 

十神「では、まずは被害者の確認からだ」

 

石丸「断言しよう! 殺されたのは舞園さやかだ!」

 

葉隠「…そんなん、わかってんべ」

 

十神「殺害現場は苗木の部屋だったな」

 

朝日奈「そのシャワールームだったよね…」

 

不二咲「きっと、舞園さんは…シャワールームにいる所をいきなり襲われて…、抵抗する間もなく殺されちゃったんだね…」

 

苗木「ちょっと待って、不二咲さん。ボクの部屋の状況を思い出してみてよ…。あの部屋の状況からすると、争いは間違いなくあったはずだよ」

 

不二咲「じゃあ、舞園さんはシャワールームにいた所をいきなり襲われた訳じゃなくて…」

 

セレス「おそらく、最初の部屋で襲われ、その後、シャワールームに逃げ込んだところで…犯人の殺されてしまったのでしょう」

 

十神「現場を見れば、すぐにわかる事だ。わざわざ説明するまでもない…」

 

不二咲「ご、ごめん…なさい……」

 

小町「ま、まぁ、勘違いは誰にでもあるし、気にしなくていいよ」

 

大神「では、次は凶器の話だな…」

 

山田「なんだか…それっぽくなってきましたな…」

 

 凶器っていうと、あれってもしかしてあそこのだったのかな?

 

大神「舞園さやかを殺した凶器とはなんだったのだ?」

 

石丸「舞園くんの腹部に刺さっていた刃物…間違いない! あれが凶器だ!」

 

大和田「犯人が、ナイフでぶっ刺しやがったんだな。クソがぁ…エゲツねえことしやがる…!」

 

苗木「いや、あの刃物はナイフなんかじゃなくて、厨房の包丁だったはずだよ」

 

大和田「あ? 包丁だぁ…?」

 

苗木「厨房にあった包丁が、事件後に1本だけなくなってたんだ」

 

 包丁? それって、昨日の?

 

小町「それなら小町知ってるよ」

 

苗木「知ってるって、どういうこと?」

 

小町「うん。昨日、夜時間の少し前に何も食べてなかったから、食堂に行って何か作って食べようと思ったんだ。それで、食堂に行ったら、葵ちゃんとさくらちゃんがいて、いざ料理しようとしたら包丁が1本なくなってて、3人で探したけど見つからなかったんだ。最初に葵ちゃんが確認した時はあったらしいんだけど…」

 

腐川「ど、どうせ、苗木が比企谷がくる前ににこっそり持ちだしたんでしょ!」

 

 誠君と葵ちゃんたちの共犯かぁ…

 

小町「それはないよ。ね、葵ちゃん」

 

朝日奈「うん! 私とさくらちゃんが厨房にいる時に苗木は来なかったもん!」

 

腐川「じゃ、じゃあ、これならどう? 苗木とそこの水泳馬鹿が共犯関係っていうのは?」

 

朝日奈「水泳馬鹿? 私のこと!?」

 

セレス「そういえば、共犯があった場合は犯人の共犯者もクロということになるんでしょうか?」

 

 たしかに。共犯者がクロになるなら、私たちは共犯者も指摘しなきゃいけなくなる。私も含めたみんなの注目がモノクマに集まる。

 

モノクマ「では、答えましょう! 殺人の際、共犯者を味方につけることは可能ですが、その場合、学級裁判で卒業できるのは、実行犯のクロ1名のみとなります」

 

十神「つまり、共犯者には協力するメリットが全くないということだな」

 

小町「やっぱり、共犯者っていうのはなさそうだね」

 

腐川「でも、犯人がそのルールを知らなかったらどうなるのよ…」

 

モノクマ「もう、めんどくさいなぁ! 今回は共犯者はいません! あ、言ってしまった!」

 

 教えてくれるのはありがたいけど、なんか釈然としないなぁ…。

 

苗木「とにかく、ボクは昨夜は食堂に行ってないし、包丁を持ち出してないんだよ。だから、ボクは犯人なんかじゃないんだ」

 

不二咲「だったら、包丁を持ち出したのって誰なのかなぁ…」

 

セレス「食堂にずっといた朝日奈さんや大神さん、比企谷さんなら可能でしょうが…」

 

小町「それはないんじゃないかなぁ…」

 

セレス「どうしてそういえるんでしょうか?」

 

小町「だって、さくらちゃんは『超高校級の格闘家』だよ。包丁をこっそり持ち出して、すぐ出ていくならともかく、しばらく一緒にいたらバレちゃうんじゃないかなぁ…」

 

葉隠「たしかに…オーガの目をずっと欺き続けんのは難しいべ」

 

セレス「では、大神さんならどうでしょうか?」

 

小町「それもないと思うよ」

 

セレス「だから、どうしてそう言えるんですか?」

 

小町「たしか、葵ちゃんとさくらちゃんって、昨日は同じ部屋で寝てたんだよね?」

 

朝日奈「え? どうして知ってるの!?」

 

 あれー? こっちが忘れてた。

 

大神「朝日奈よ、昨日比企谷にその話を食堂でしたであろう?」

 

 よかったー! こっちは覚えてた!

 

朝日奈「…あ!? そういえば、そうだった!」

 

 あれ? そういえば…食堂に来てたのって…。

 

小町「ねえ、葵ちゃん。たしか、昨日の夜に食堂に来たのって小町たちだけじゃなかったよね?」

 

苗木「え? どういうこと?」

 

小町「私たち以外にもいたんだよ。葵ちゃんとさくらちゃんがいる時で、小町が行く前に食堂に来て、すぐ出ていったって人が」

 

十神「なぜ、それを先に言わん」

 

 答えようとして、私は言葉に詰まる。

 もしかしたら、この真実は誠君や他の人が傷つく結末に繋がっているかもしれない。でも、これはきっと、言わなくちゃダメだ。

 

小町「……さやかちゃん」

 

苗木「え?」

 

小町「だから、小町が食堂に来る前にさやかちゃんが食堂に来たらしいんだ…。そうだよね、葵ちゃん?」

 

朝日奈「…うん、そうだよ。水を飲みに来たらしいんだけど…」

 

大神「そういえば、あの時のあいつの行動は妙だった。我と朝日奈、比企谷で包丁を探したときは、まさかあいつが持ち出すわけはないと思っていたが…ここまでくれば間違いないだろう」

 

小町「持ち出したのは…さやかちゃんってことだよね?」

 

苗木「で、でも、それはきっと、護身用に持ってただけだよ!」

 

 誠君が舞園さんのフォローをしてるけど、誠君…君それどころじゃないんじゃないかなぁ。

 

十神「どっちにしろ、舞園が持ち出してる以上、苗木が昨夜食堂に行っていなかったとしても、苗木が犯人ではない証拠にはならないわけだ」

 

 あ、やっぱり言われた。

 

腐川「や、やっぱり、苗木が犯人なんじゃない」

 

山田「危うくだまされるところでしたぞ! なんと恐ろしいスキルの持ち主よ!」

 

苗木「ち、違うって!」 

 

 あらら…。思った以上に風向きが悪くなってきたなぁ。

 

霧切「待って。苗木君を犯人だと決めつけるのはまだ早いわ」

 

 あ、ついに響子ちゃんが助け船を出し始めた。

 

霧切「今回の犯人は、苗木君じゃありえない行動を取っていたわ。その謎を解明しない限り、彼が犯人だとは言い切れないはずよ」

 

 そういえば、響子ちゃんって捜査時間の時に言ってたっけ。

 

大和田「んで、具体的には何なんだよ」

 

霧切「苗木君の部屋には髪の毛が一本も落ちていないほど入念な掃除が行われていたのよ」

 

小町「なるほど。たしかに、それはおかしいね」

 

石丸「それの何がおかしいというのだね? 素晴らしい事ではないか!」

 

小町「いや、だから、自分の部屋をそこまで掃除する人は中々いないってことだよ」

 

霧切「訊いてみれば、苗木君は潔癖症というわけじゃないみたいだし…。だとしたら、掃除の目的は苗木君の部屋に来たことを隠すためということになるのよ」

 

小町「でも、苗木君はそもそもその部屋の住人なんだからその必要はないってこと!」

 

桑田「じゃあ、舞園ちゃんが来たのを隠すためとか?」

 

霧切「だったら、まずは舞園さんの死体をどうにかしないと意味ないんじゃないかしら?」

 

腐川「じゃ、じゃあ、苗木は犯人じゃないってこと?」

 

苗木「…最初からそう言ってるんだけど」

 

石丸「だが、たかが髪の毛ごときで、苗木君が犯人でないと決めつけていいのか!?」

 

 うわ…。ウザ…いえ、私はクラスメイトにそんなこと言わないよ。ホントだよ。コマチウソツカナイ。

 と、私が言い訳してる間にも議論が進む。

 

苗木「じゃあ、他にもボクが犯人じゃないって証拠があるとしたら?」

 

葉隠「えっ!? そんなもんあるんか!?」

 

苗木「舞園さんは最初、部屋で犯人と争いになって、その後にシャワールームに逃げ込んだ。でも、犯人はすぐにシャワールームに入れたのかな?」

 

不二咲「どういうこと?」

 

苗木「犯人はシャワールームに入るとき、かなり手こずっていたはずなんだ」

 

セレス「なぜ、そう言いきれるのですか?」

 

小町「たぶん、ドアノブが壊されてたからじゃないかな?」

 

石丸「ドアノブが壊されていたとは…どういうことだね?」

 

 清多夏君が首を傾げると、怜恩君が何か思いついたような顔をする。

 

桑田「もしかしてアレか? 自分の部屋だから苗木が自分の部屋のドアノブを壊すはずがねーってしょうもねー理由か? でも、鍵がかかってるなら壊すしかねーだろ? それが苗木の部屋だろうが、そうじゃなかろうが、そんなの証拠にならねえだろ」

 

苗木「でも、現場はボクの部屋なんだよ? シャワールームに鍵がかかるのは、女性の部屋だけのはずでしょ?」

 

桑田「そういや、そうだったな」

 

不二咲「じゃあ、犯人はなんでドアノブを壊したの」

 

苗木「それは…ドアの建付けのせいなんだ」

 

桑田「は…? ドアの建付け?」

 

 何それ…? 私、初耳なんだけど…。

 私の若干の驚きは誰にも気づかれずに議論は進む。

 

苗木「ボクの部屋のシャワールームのドアは建付けが悪くて、コツを知らないと開けられないんだ。それは、そこのモノクマが証人だよ」

 

 言われて、私たちは全員モノクマを見る。

 

モノクマ「はい、その通りでございます!! でも、“超高校級の幸運”の苗木君の部屋だけ、建付けが悪いなんて…。うぷぷ…! 全然、幸運じゃないし…!」

 

 モノクマの言葉の後半は無視して、私たちは議論に戻る。

 

霧切「シャワールームのドアが開かなかったのは、ドアの建付けのせいだった。でも、犯人はそれを知らなかったから、ドアノブごと鍵を壊そうとした」

 

セレス「ですが、犯人はなぜ鍵がかかっているという勘違いをしたのでしょう。男子の部屋のシャワールームに鍵がかからないことは、ここにいる全員が知っているはずですけど…」

 

霧切「犯人が、そう勘違いしたのは、現場に関する“重要な事”を知らなかったから」

 

葉隠「重要な事…ってなんだべ?」

 

 康比呂さんの質問に誠君が少し考えてから口を開く。

 

苗木「もしかしたら、犯人は…現場がボクの部屋だって事を知らなかったのかも…」

 

 ……え? この人今なんて言ったの? 犯人が現場を知らなかったって…ごみいちゃんみたいなわけのわからないことを…。

 

山田「はぁ!? 犯人が現場を知らないなんて、前代未聞ですぞっ! とういうか、比企谷小町殿! 先ほどから、苗木誠殿を見る目が引きこもりにジョブチェンジした兄を見る妹のような目になっておりますぞ!」

 

 おっと、いけない。誠君があまりに変なことを言うものだから、彼を見る目が変わっちゃってた。

 

霧切「比企谷さんのことはともかく、苗木君の言ってることは当たってるわ…」

 

小町「な…何だってー!?」

 

山田「なぬぅぅううッ!?」

 

霧切「正確に言うと、犯人が知らなかったのは、苗木君と舞園さんが、部屋を交換していたという事実…。そのせいで、犯人は勘違いしてしまったのよ。舞園さんがいた部屋を、彼女の部屋だとね…」

 

石丸「だから、シャワールームには鍵があると思い込み、鍵を壊しにかかったのだな…」

 

大神「それが無意味な行動とも知らずに、か…」

 

霧切「最終的には、力ずくであけたのか、何かの拍子に勝手に開いてしまったのかはわからないけど、犯人は相当、混乱したはずよ。結局、ドアが開いた理由もわからず終いでしょうし…」

 

小町「まぁ…。どっちにしろ、ドアが開かない理由を知っていた誠君が犯人だとは考えられないね」

 

十神「…そうなるな」

 

 おおっ!? あの白夜君が珍しく普通に人に賛成した!

 

不二咲「じゃあ、犯人は部屋の交換を知らなかった人なの?」

 

腐川「苗木以外の全員が当てはまるじゃない!?」

 

山田「これは…すまんが拙者はお手上げでござる!」

 

江ノ島「いや、胸張って言わないでよ…」

 

 あ、むくろちゃん珍しく喋った。今までずっと誠君と私の発言の時だけ軽く反応してただけだったのに。

 

石丸「よし、とりあえず多数決で決めよう!」

 

小町「うん。それは小町的にちょっとなしかな」

 

朝日奈「ねえ、みんな。ちょっと、いいかな?」

 

 葵ちゃんに全員の視線が集まる。

 

朝日奈「そもそも、犯人はどうやって、舞園ちゃんのいる苗木の部屋に入ったのかな?」

 

 そういえばそうだ。犯人がさやかちゃんを殺すには、どうにかして彼女のいる部屋に入らないといけない。それは、どうやったんだろ?

 

山田「僕にはわかりましたぞ! ずばり犯人は、来客のフリをして彼女を欺き、舞園さやか殿がいる苗木誠殿の部屋に入ったのであります!」

 

苗木「いや、それはないよ…」

 

山田「むむっ!? どうしてそう言いきれるのですか!」

 

 誠君はつらそうに顔を俯かせる。

 

苗木「だって、昨日舞園さんはとても怯えていたんだ。だから、ボクは部屋を交換したんだ」

 

十神「それがすべて、演技だとしたら?」

 

苗木「なっ…。そ、そんなこと…!?」 

 

 白夜君の言葉に苗木君は動揺する。当然だ。もし、白夜君の言う事が真実なら、さやかちゃんが誠君を陥れようとしたということになる。

 そして、私はその意見をさらに強固にする手がかりを知ってる。

 

小町「私も、その可能性が高いと思う…」

 

葵「えっ!? なんで!?」

 

小町「えっと…。調べた人はわかると思うけど、さやかちゃんって右手を骨折してたよね? だけど、あの現場で人を骨折させられる武器って模擬刀ぐらいだったんだよね。現に、さやかちゃんの骨折した右手のところに金箔がついてたんだ」

 

大神「それだと、舞園が襲われたようにしか思えないが…」

 

 さくらちゃんの疑問ももっともだ。だけど、話はこれで終わりじゃない。

 

小町「そうなんだけど、舞園ちゃんを骨折させたのが模擬刀だってことを前提にしてさ…当然、模擬刀を使ったのは犯人ってことになるよね?」

 

大和田「そりゃ、舞園を骨折させるとしたら、犯人しかいねえだろうな」

 

 うん。ここまでは予想通り。

 

小町「それでね、模擬刀の鞘の方なんだけど、何か刃物で何回も傷つけたような跡があったんだ。でも、鞘に傷がついてたってことは、鞘に模擬刀が刺さった状態で何かを防いだからって考えられるよね。だとしたら、模擬刀を使った人はずいぶん焦ってたんじゃないかな」

 

桑田「焦ってたって…どうしてわかるんだ?」

 

小町「ねえ、紋土君。模擬刀を使うなら、鞘ってどうする?」

 

大和田「あ? んなもん、鞘から模擬刀抜くに決まってんだろ」

 

小町「だよね。なのに、模擬刀を鞘から抜けなかったってことは、抜く暇がなかったってことじゃないかな。そして、その抜く暇もないようなことを鞘の傷から考えるなら…」

 

苗木「犯人の方が先に襲われたから?」

 

 そういうことになっちゃうよね。

 

霧切「つまり、彼女はただの被害者ではなく、最初に殺人を計画したのは彼女…ということでしょうね。その証拠に、苗木君の部屋のメモ帳に彼女が犯人に自分の部屋に来るように伝える内容のメモが筆圧で下のメモ用紙にも写っていたわ。舞園さんの名前も書いてあったし、まず間違いないわね」

 

十神「それで、もし殺人が成功していれば、お人好しの苗木は部屋の交換の件を言い出せず、一人勝ちできると踏んでいたのだろうな」

 

 そこで、セレスちゃんが首を傾げる。

 

セレス「あの、霧切さん。ちょっと、訊いてもいいでしょうか?」

 

霧切「何かしら?」

 

セレス「その舞園さんが犯人にあてた手紙は、具体的にどっちの部屋に来るように書いてあったんですか?」

 

霧切「手紙には『私の部屋』と書いてあったわね」

 

セレス「ですわよね。『苗木君の部屋』と書いたら疑われてしまいますし。だとしたら、なぜ犯人は舞園さんのいる苗木君の部屋に行ったのでしょうか?」

 

小町「それはネームプレートが交換されてたからじゃないかな」

 

セレス「ネームプレートが…交換されてた?」

 

小町「うん。昨日の夜中に気分が悪くなって、水を飲もうと思って食堂に行ったんだ」

 

 私の言葉にセレスちゃんはきょとんとする。まぁ、当然だよね。夜時間に食堂に行っても意味ないんだし。

 

セレス「あの、昨日の夜中ということは、夜時間が過ぎた後という事ですわよね? それだと、食堂が閉まってしまっていたのでは?」

 

小町「うん。それを忘れててね…。それで、結局部屋に戻ったんだけど、その時に誠君と舞園ちゃんの部屋のネームプレートが誰かに入れ替わってたのに気づいたんだ」

 

セレス「なるほど。それで、犯人は苗木君の部屋を舞園さんの部屋だと思ったと…。ところで、昨日比企谷さんは夜時間に食堂に行っただけだと、証明できる人はいますか?」

 

小町「うえっ!?」

 

 まさかの私が疑われてる!? くっ…! 藪蛇だった…。えっと、証人は…そうだ!

 

小町「怜恩君! 昨日、小町って食堂の方から来たよね?」

 

桑田「えっ!? あ、あぁ、何か体調も悪そうだったな…」

 

霧切「…何で桑田君が比企谷さんの昨夜の様子を知ってるの?」

 

小町「え? 昨日食堂から戻る時に会ったからだけど…。たしか、ランドリーにあった康比呂さんの水晶玉を届けようと思ったけど、そもそも夜で寝てるだろうから無理だって…」

 

葉隠「そういや、俺の水晶玉がどこにもなかったんだけど、桑田っちはどこにあるか知らねーか?」

 

苗木「それなら、焼却炉の近くにガラスみたいなのが散らばってたけど、もしかしたらあれがそうなんじゃないかな?」

 

葉隠「いや、水晶玉だったんだけど…」

 

小町「ねえ、誠君。焼却炉の方には、何があったの?」

 

苗木「ガラス玉の他に、ワイシャツの燃えカスが近くに落ちてたんだ」

 

霧切「舞園さんの血はすごい量だったから、きっと犯人が処分しようとしたものが燃え残ってしまったのね」

 

桑田「お、おい!? まさか、オレが犯人とか言う気か!? ふざけんな! 証拠もないのに決めつけんな!」

 

 焦って怜恩君が声を荒げる。それを、セレスちゃんや響子ちゃん、白夜君が冷ややかな目で見る。あ、これはもう完全に犯人確定させてる目だ…。

 

霧切「証拠ならあるわ。舞園さんのダイイングメッセージが」

 

朝日奈「それって…あの、『11037』って書いてある血文字のこと?」

 

霧切「あれは数字の羅列じゃなくて、犯人の名前よ」

 

 …え? 犯人の名前!? え、何言ってんの!?

 

山田「ふむ…。あ、これって、数字じゃないと思ってみると、『11』の部分が『N』に見えませんか?」

 

 あ、たしかに血が掠れてるからそう見えるけど…それでも『N037』にしか見えない…。誠君の方を見ると、彼はハッとしたような顔をしていた。

 

苗木「そうか! これを180度回転させると…『LEON』。君の名前だよね? 桑田怜恩君…」

 

 あ、ホントだ。誠君の言う通り、ひっくり返すとたしかに『LEON』って読める。

 

桑田「んなもん、ただの偶然だって!? たまたまだって!」

 

 怜恩君は必死に弁解しようとするけど、一度湧いた疑念はそう簡単には消えない。

 

苗木「それに、最初にボクが山田君とトラッシュルームに行った時にシャッターが下りたままだったんだ」

 

桑田「だったら、鍵を持ってる掃除当番が怪しいんじゃねえのかよ!」

 

霧切「それはないわ。だって、もしも掃除当番が犯人なら、もっと丁寧に証拠を処分しているはずだもの」

 

小町「だけど、トラッシュルームの雑な証拠の処理方法から、犯人は掃除当番以外の人ってことになるってこと? …でも、だったらシャッターが下りたままで、どうやって血の付いたワイシャツを焼却炉に入れてスイッチを入れるの?」

 

 そこで、白夜君がはぁ…と、ため息をつく。

 

十神「忘れたか? そこにいる桑田の才能を」

 

 怜恩君の才能…って、まさか。

 

苗木「超高校級の野球選手。そんな桑田君なら、ほんの十数メートルなんて大した距離じゃないはずだよ。服は多分丸めて焼却炉に投げ入れて、葉隠君のガラス球をスイッチに投げ当てて、焼却炉のスイッチを押したんだ」

 

霧切「恐らく、昨夜舞園さんを殺した彼は、苗木君の部屋の掃除をして、着替えるか何かした後に服に付いた血をどうにかしようと、まずランドリーに行き、そこで葉隠君のガラス玉を見つけた。そこで彼はそれを使ってトラッシュルームの焼却炉を使う方法を思いついた。だけど、そこで偶然にも、体調が悪くて部屋から出てきていた比企谷さんに遭遇してしまい、葉隠君のガラス球を持っている所を見られてしまった。そこで彼はその場しのぎの嘘で比企谷さんをやりすごし、証拠の処分を行った」

 

苗木「だけど、雑な処分の方法だったから、いくつかの証拠が残ってしまった」

 

霧切「桑田君、何か反論はある?」

 

桑田「反論が…あるかだって? あるよ! あるある! あるに決まってんだろ! 俺は絶対に認めねえ! 今のだって、全部間違ってんだよッ!」

 

苗木「だ、だけど、シャッターが下りたままのトラッシュルームの焼却炉にワイシャツを入れたり、ガラス球でスイッチを入れられる人間なんて、君だけなんだ」

 

桑田「うっせー! んなもん、全部推測じゃねえか! 物的証拠なんて全然ねーだろ! アホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホ!!!」

 

 うわぁ…。もう、聞く耳全然持ってくれない。とんだマシンガントークだよ…。

 

霧切「だったら、言うしかないわね。桑田君が犯人であることを決定づける動かぬ証拠を」

 

 え? そんなのあるの?

 

霧切「犯人と争った舞園さんは、苗木君のシャワールームに逃げ込んだ。それを追った犯人は、ドアの建付けが悪いのを『ドアに鍵がかかっている』と勘違いした。そして、ドアをこじ開ける為、犯人はあるものを使ったはずよ。苗木くん、ここまで言えばわかるわよね?」

 

 いやそこまで言ったなら全部言おうよ…。しかし、苗木君は霧切さんに反論せずに、ハッとしたような顔をする。

 

苗木「鍵をこじ開けるのに使われたのって『工具セット』なんじゃないかな?」

 

小町「『工具セット』って…でも、苗木君の部屋の『工具セット』は未使用のままだったはずだよ。ね、紋土君?」

 

大和田「ん? ああ。そういや、苗木のは全然使ったような感じしなかったな」

 

霧切「それはそうよ。犯人は舞園さんの部屋だと思い込んでいたんだもの。『工具セット』があるなんて、夢にも思っていなかったでしょうね」

 

小町「でも、だとしたら犯人はどこのを…って、もしかして…」

 

苗木「うん。犯人は自分の工具セットを使ったんだ。だから、桑田君が犯人なら、彼の『工具セット』には、使われた形跡があるはずだよ!」

 

桑田「アホアホアホアホアホアホアホ!」

 

十神「もし、使ったというのなら、どこでどんな用途で使ったかも言ってもらうぞ」

 

霧切「ちなみに、なくしたなんていうのはなしよ」

 

桑田「アホアホアホアホアホアホ…アポ?」

 

 どうやら、怜恩君に反論の意思はもうないみたいだ。

 

セレス「これで終わり…のようですわね」

 

モノクマ「うぷぷぷぷ。どうやら、議論の結果が出たみたいですね? それでは、投票タイムといきましょう! オマエラ、自分の席にあるスイッチで誰が犯人か投票てください! ちなみに、無投票の人はおしおきだからね!」

 

 私は、怜恩君の名前とイラストの描かれたスイッチを押す。すると、モノクマの前にいつの間にか現れていたスロットマシーンがぐるぐる回り、怜恩君のイラストが揃うと、モノクマメダルがスロットマシーンから大量に出てきた。

 それが意味するところはすぐわかった。

 今回のクロは超高校級の野球選手桑田怜恩なのだと。

 

『学級裁判 閉廷!』

 

 

 

          ♦

 

 

 

「いやっほー! 大正解! というわけで、今回のクロは、満場一致で桑田怜恩君でした!」

 

「はい?」

 

 モノクマの陽気な宣告と残酷な現実に思考が追いついていないのか、桑田は呆けたような声しか出なかった。

 

「テメェ…なんでこんなことしやがったッ!?」

 

 大和田の怒声に先ほどまで呆けていた桑田の目が現実に引き戻されたかのように、怯えの色を宿した。

 

「し、しかたねーだろ…オレだって、殺されそうになったんだ…。お、おまえらだって、一歩間違えばこうなってたんだ!? たまたま、オレが舞園に狙われただけで…。それとも、なんだ…おとなしく舞園に殺されてればよかったってのかよ……? そ、それに、今回のは正当防衛じゃねーか…! 殺されそうになったから、オレだってしかたなく…!」

 

「どこが、正当防衛だというのですか?」

 

 誰にも打ち明けられなかった心中を吐露する桑田の言葉を途中遮ったのはセレスだった。彼女の瞳には、自分のつらい心中を吐露した桑田への同情ではなく、自分の行動を正当化しようとしたことへの侮蔑しかなかった。

 

「正当防衛と言い張るなら、あなたは舞園さんが右手を負傷し、シャワールームに逃げ込んだ時点で、攻撃の手を止め、見て見ぬふりをする選択肢もあったはずです。ですが、あなたはドアノブを壊すためにわざわざ自分の部屋から工具セットを取りにいった。その時点で、あなたには明確な殺意があった。それなのに自分の行動を正当化しようだなんて、おこがましいですわ」

 

 セレスの言葉を正論だと思ったのか、桑田は何も言えなくなる。

 誰も口を開けない静寂が場を支配したが、そんなものは空気を読まない言葉によって破られる。

 

「ねえねえ、なんか話がややこしくなってるけど、そんなんどうでもいいじゃん。どうせ、桑田君はもう終わりなんだし」

 

「終わ…り?」

 

「最初に言ったでしょ? 投票で正しいクロを指摘できたら、クロだけがおしおきだって」

 

 モノクマの言葉に桑田の目が絶望に染まる。

 

「い、イヤだ! 誰か、誰かここから出してくれ!」

 

 桑田は自分の席から離れ、最初に入って来た扉に駆け寄るも、扉は固く閉ざされている。

 

「今回は“超高校級の野球選手”桑田怜恩君のために、スペシャルなおしおきを用意しました! それでは、張り切っていきましょう! おしおきターイム!!」

 

「イヤだあああああああああああ!!!」

 

 桑田の悲痛な叫びは無視され、モノクマは目の前にいつのまにか出てきていたスイッチを、手元のハンマーで叩く。すると、スイッチ下にゲームのような画面が映り、そこに桑田のイラストのキャラクターがモノクマに連れて行かれる映像と共に『クワタくんがクロにきまりました。おしおきをかいしします』という文字が映っていた。

 そして、怯える桑田の背後のカーテンから、鎖のついた首枷が飛び出してきて、桑田の首を捕えると、桑田をカーテンの奥へと引きずり込んだ。その間、誰も動けず、桑田が連れて行かれるのを呆然と見ていた。

 彼の悲鳴と彼が引きずられていく音が止んだ後、カーテンがスーッと開いた。

 カーテンの奥はフェンスがあり、フェンスの向こう側は野球のマウンドとバッターボックスがあり、バッターボックスにはポールのようなものに拘束された桑田がいた。そして、桑田の正面のフェンスの前のマウンドからピッチングマシーンのようなものがせり出してきた。

 ここまでくれば、小町や他の全員にも、モノクマの言った“桑田のためのスペシャルなおしおき”の意味がわかった。

 ピッチングマシーンからでた剛速球は、最初は桑田に一発一発当たっていくだけだったが、それが徐々に感覚が短くなっていき、ほとんど連続で射出される。さらに、ピッチングマシーンは彼の周囲を半円状に行ったり来たりして、まるで、彼の体に満遍なくボールぶつけるように移動する。いつの間にかあらわれたモノクマもそれに加勢し、バットでボールを打って桑田にぶつけていく。

 それを見ている小町たちは、桑田の骨が折れる音や肉がつぶれる音に目を伏せる者、恐怖で誰かにしがみつく者、歯をカチカチ鳴らし震える者と様々だったが、誰一人その場から動けずにいた。

 テンポアップしたピッチングマシーンから射出されるボールが、桑田の全身を覆いつくした後、ピッチングマシーンが止まり、ようやく見えるようになった桑田怜恩の姿は、顔も体も誰かわからないほどに血まみれになって潰れていた。

 

 

 

          ♦

 

 

 

「いやっほー! エクストリーム! アドレナリンが染み渡るぅ! いや、やっぱり秩序を保つためには、秩序を乱すヤツは排除しないとね!」

 

 桑田の処刑が終わると、モノクマは早朝にジョギングにでも行った後のような爽やかそうな気分で言った。

 

「ふざ…けるな! あんな映像を見せられて、舞園さんがどれだけ苦しんでたか…! おまえがあんなことさえしなければ…! 全部、全部おまえのせいじゃないか!」

 

 怒りが頂点に達し、苗木はモノクマを殴ろうとする。しかし、苗木の腕を霧切が掴み、それを止める。

 

「ダメよ、苗木くん。死んでいった人たちの仇を討ちたいなら、今は抑えて」

 

 霧切に言われて、苗木は悔しそうに腕を下す。

 

「命拾いしたな、オイ! 校則違反で召喚魔法遣ってやろうかと思ってたのに!」

 

 強気に言うモノクマを苗木は睨む。

 

「ボクは…おまえを絶対に許さない!」

 

「うぷぷぷぷ! その心がいつまでもつかな? まぁ、いいや。今日はこれでおしまい! オマエラは自分の部屋に戻っていいよ。あ、ちゃんと苗木君の部屋は掃除してあるからね!」

 

 そう言って、モノクマはあっさり消えてしまった。

 

 

 

          ♦

 

 

 

 部屋に戻った小町はシャワーを浴びた後、ベッドに寝転がりながら、兄のことを考えていた。

(私たちの記憶は少なくても一年は飛んじゃってることになる。それに…あのDVDに映ってた長い髪の人はたぶんお兄ちゃんだ。でも、なんであんなふうに?)

 

 戦刃の妹の事。もう一人の脅されている裏切り者の事。消えている記憶の事。兄の事。問題は山積みだった。

 

(そもそも、なんで小町たちの記憶がないんだろ? 黒幕が消したから? だったら、なんで? もしかして…)

 

「私たちが黒幕を知っているから?」

 

 まさかそんな、と思いつつ、かなり核心に近いような気がする。

 

「…まぁ、悩んでも仕方ないか」

 

 そう思い、小町は眠りに落ちる。

 

(そういえば、今日も昔のことを思い出すのかな?)

 

 そんな考えが脳裏をよぎった。

 この夜からずっと後、彼女は後悔することになる。

 この時もっと考えていれば、もしかしたら気づけたかもしれなかったのに、と。

 そして、親友の思わぬ裏切りに絶望するのも、まだ先の話。




次回からCHAPTER2です。
もう片方の『ぼっちが異世界から来るそうですよ?』も含めて頑張っていきます。
感想、評価、お待ちしております。
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