響鳴り渡る胸の歌、其ノ哥ヲ束ネルナ   作:ライトニングフルセイバー

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並行世界

【▒▒▒▒▒▒に関する報告書

我々は、ノイズに対抗する手段となり得るであろう▒▒▒▒の研究を引き継ぐことを決定した。

今回の研究には▒▒▒▒の協力もあり、▒▒▒▒▒▒の特徴的部分とも言える歌に大きく関連した宗教を発見することに成功。

▒▒▒を信仰していたとされる村の情報はどこにもなく、地道な作業が求められる。

 

▒▒▒▒の支援もあり、遂に我々は▒▒▒を発見する。

どうやらこの地ではノイズによる被害は全くなかったとされており、この地を徹底的に調べあげれば研究以上のものが完成すると思われる。

 

 

 

 

□ □ □ □

 

 

 

「……なんなのだあれは!!」

 

 ギャラルホルンのアラートで新たな並行世界に向かった立花響と風鳴翼だったが、二人が見たその並行世界は異質だと感じていた。

 情報を得るために二人は二課があるかの確認も兼ねてリディアンへと向かい、結果として二課自体は存在していた。

 

 しかし、二人の知る人間は存在せず、また活動もしていないのかある者はゲームをし、またある者は誰かとの電話に夢中になっていた。

 だが二人が最も気味の悪さを感じたのはその後だった。

 

『師匠……風鳴弦十郎って人を知っていますか?』

『知らない』

『分からない』

 

 考えて分からなかったのではなく、はっきりと明確に拒絶されたような「知らない」という言葉は、二課が人だけでなく、中身まで変わってしまったことを意味していたように感じていた。

 そこから得体の知れない気持ち悪さを感じた二人は急ぎ足で二課から出てしまっていた。

 

 

 

─風鳴翼視点─

 

「どうして師匠の時だけあんな風に……」

「……考えたくはないが、この世界は風鳴一族に大きな異変が起きてしまった世界なのかもしれない。それも、存在まで抹消してしまうぐらいに」

 

 思えばこの世界に来てから一度もノイズは現れていない。

 外のニュースを見てもノイズ被害なんて感じられず、平和で、誰もノイズに困っていないように見える。

 なら、私たちはどうしてこの世界に来たのだろうか?

 

 どうしてギャラルホルンは私たちをこの世界に……

 

「――翼さん」

「……どうかたか?」

「あれを……」

「?ニュース……!?」

 

 たった一つの映像。それだけで次に向かう場所が決まった。

 向かうのは私の家「だった場所」。

 この世界での、「天羽奏邸」だ。

 

 

□ □

 

 

「失礼します!奏さんはいますかー!!」

 

 なんとかして天羽奏邸に辿り着いた私たちは外見だけは何も変わらないあの場所に妙な安心感を覚えつつ、人が出てくるのを待っていた。

 

「……さっきから誰だ?奏って友達みた……い……」

 

 中から現れたのは、私のよく知る奏本人だ。

 少しだけやつれたような顔をしているが昔のような怖い顔をしているのが少しだけ寂しかったが、私を見て驚いた顔をしている。

 つまり奏は私のことを知っている。

 もしかするとこの世界のことを教えてくれるかもしれない。

 

「あ、ああ……」

「奏!私は……」

 

 ――そんな風に考えていた。

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」

 

 突然発狂した奏は私の前で跪くように倒れて、何か念仏のようなものを唱え始める。

 ……その歌は、まるで絶唱のようでそうでない、もっとおぞましい何かを感じさせていた。

 

「…………え?か、奏?」

「許したまえ許したまえ許したまえ許したまえ許したまえ許したまえ許したまえ許したまえ許したまえ許したまえ許したまえ許したまえ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せ赦せユルセユルセユルセユルセユルセユルセユルセユルセユルセユルセユルセユルセユルセユルセユルセユルセユルセユルセ」

「奏さん落ち着いて!」

「どうしたの奏!?何があったの!!」

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

 

 訳が分からないまま、屋敷から現れた黒服の人たちによって私たちは部屋の中に入ることになった。

 連れられて辿り着いたのは、父の部屋。

 ……だが、そこで私たちを待っていたのは緒川さんだった。

 

「……緒川さん、これはどういうことですか?」

「こちらも正直何がどうなっているのか……死人にしては不自然で、祟りでもない……本当にあの時の翼さんみたいだ」

「祟り……?」

「……そこにいる貴方のことやなぜ翼さんがいるのか。

先ずはそちらの話から聞かせて貰えますか?」

 

 そこからは動揺をしつつも、しっかりと話を聞いてくれる緒川さんに私の心も落ち着きを取り戻し、私たちの世界のこと、なぜこの世界に来たのかを一から説明した。

 それを緒川さんは最初から最後までずっと悩んだように、聞いたことを少し後悔しているように、聞いていた。

 

「……シンフォギア、そしてギャラルホルンの起動と調査ですか。その話を信用するなら翼さんと立花響さんは二人ともシンフォギアの装者ということですね」

「この世界は何がどうなっているのですか?なぜ奏がこの場所で……」

 

 そこから先の言葉を止めるかのように、見たことのない緒川さんの形相に言葉を失ってしまう。

 

「全ては奏さんの様態が戻ってからになりますが、これだけは心得ていてください」

「な、何ですか?」

 

 

 

「立花響さんは問題ありません

 

……しかし、この世界であなたの名前はただの翼です。一族の名を口にするのは必要最小限に控えるように」

「私の? それはつまり、かざ」

「――貴方はただの翼さんです。お忘れなく」

「っ……分かり、ました」

 

 それから緒川さんは奏の様子を見に部屋を後にする。

 胸に広がる得体の知れない何かに対する恐怖。

 今思えば、この時に一度元の世界に戻るべきだったのかもしれない。

 

 

〖天羽奏邸 一日目〗

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