第1話~聖剣?いくらでも創れるけどなにか?~
―――教室。
「え?今日はお前の家で活動する?」
「あぁ……なんでも旧校舎を全体的に掃除するらしい」
てことは今日、木場が聖剣を見つけるのか……
メンドくせぇ……
でもまぁ行くしかないだろ?
そういえば聖剣どうしよ……
まぁ、なるようになるさ。
―――イッセーの家。
「で、こっちが小学生のときのイッセーなのよー」
「あらあら、全裸で海に」
「ちょっと朱乃さん!!って、母さんも見せんなよ!!」
………会議するんじゃなかったのか?
イッセーの家でやるはずだった放課後のオカルト研究部の会議は、イッセーの母さんが持ってきたイッセーのアルバムで簡単に崩壊した。
ははは、おもしろいのは好きだからいいぜ。
「……………小さい頃のイッセーさん小さい頃のイッセーさん小さい頃のイッセーさん小さい頃のイッセーさん小さい頃のイッセーさん小さい頃のイッセーさん小さい頃のイッセーさん小さい頃のイッセーさん小さい頃のイッセーさん小さい頃のイッセーさん……………」
ア、アーシアが病んだ!?
ヤンデレは危ないぞ……いや、マジで。
木場もニコニコしながらアルバムを見ている。
……時々頬を朱に染めているのは気のせいであって欲しい。
「お、おい!!木場!!おまえは見るな!!」
イッセーが木場のてからアルバムをとろうとしている。
でも、ひょいひょいかわされて取れない。
「ハハハ、いいじゃないか。もう少しイッセーくんのアルバムを楽しませてよ」
……どう楽しむのかは聞かないでおこう。
さらに何回も何回もイッセーがアルバムを取り返そうと飛びかかるが、全然相手にされていない。
……?
急にあるページをじ~っと見ている。
もしかしてそのページってさ………
「これ、見覚えは?」
やっぱりな……
木場の声のトーンが低くなっている。
「うーん、いや、何分ガキのころすぎて覚えてないけどな……」
「こんなことがあるんだね。思いかけない場所で見かけるなんて……」
その写真にはイッセーと園児とその親御さん―――親父さんらしき人が写りこんでいた。
イリナだ。
園児とはイリナのことだ。
確かに男の子みたいだな……
親父さんの手には一振りの剣がある。
Oh!!エクスカリバー。
「これは聖剣だよ」
木場の決め台詞。
これは荒れるでぇ~。
―――グランド。
カキーン。
めっさ晴れてる空に甲高い金属音が木霊する。
「ラーイラーイ……ラララライ!!」
俺は飛んできた野球のボール(硬式)をグローブでキャッチしていた。
「なかなかね!!これはどうかしらっ」
何か呟きながら次のボールを打ってくるリアス。
って、鋭すぎ!!
ライナーーーーーーーーーーーーー!!
「クソッタレぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
俺は飛び込む。
ダイビングキャッチってやつだ。
もちろん……
「キャッチマーックス!!」
某アメフト漫画のキャッチ野郎のセリフを吐いてみた。
……な、なかなか気分がいい。
「さすがね!!」
俺たちオカルト研究部の面々は野球の練習をしていた。
悪魔の仕事っていうわけでもない。
「来週は駒王学園球技大会よ。部活対抗戦、負ける訳にはいかないわ」
リアスが活き活きとしながら力強く言う。
……もう少しで学校行事のひとつ、球技大会がある。らしい……
らしいというのは、俺自身が寝まくっていてろくにに先生の話を聞いていないため何も知らないからだ。
話を戻そう。
野球、サッカー、バスケ、テニスなど球技と名の付く協議を一日使って楽しむ行事だ。
種目的にはクラス対抗戦や男女別競技などがあり、そのなかのひとつに部活対抗戦がある。
オカルト研究部の参戦も例外ではなく、文科系の部活、体育会系の部活関係なしに参加しなければならない鬼畜仕様だ。
しかもだ、部活対抗戦の種目は当日発表だ。
何だそれ?
バカじゃないの?
と言いたくなる。てか言った。
人数的に差のある場合は、少ない方の部活に合わせて参加人数を決める。
コレは、当たり前だ。
そんで、人数が多くなる種目は、生徒会公認のリザーバーをメンバーに加入する。
とりあえず、めぼしい球技の練習をする。とのことで、今日は野球だ。
もう夕方だぜぇ……帰らしてよ……
レイナーレとグレイフィアが激おこになったらこってり絞られるんだから……まぁ干からびることはないけど。
さて、バレないうちに逃げますか……
「あらあら、刃くん?どこに行くんですか?」
「げ……もう帰らないと人間の俺にはキツイ。それにうちの同居人に心配かけたくなし」
「………そうですか、ではまた」
「お、おう。また」
やけにあっさり通してくれたな……
まぁ結果オーライだ。
俺は家に帰った。
―――俺の家。
「ただいま~」
「おかえりにゃ!!」
黒歌?めずらしいなお前が起きてるなんて。
いつも俺のベットで寝て、布団に顔うずめてごはんの時か俺に用があるときか甘えに来るときくらいしか顔出さないのに。
なんだかんだ言って結構でてきてるな。
「白音は?」
「にゃ~♡にゃ?白音なら晩御飯をつくってるにゃ」
「大丈夫なのか?」
「大丈夫にゃ、グレイフィアも一緒だったからにゃ」
なら安心だ。
グレイフィアの家事のスキルはハンパなくスゴい。
料理に関しては俺と同じくらいに凄い。
ミシュラン三ツ星は余裕だな。
いいねぇ……家事のできる女の人は。特に料理。
今までは基本俺がつくってたから料理をつくってもらうことがなかったからな。
うれしい。
この一言に尽きる。
「じゃ、俺風呂入るから後でな」
「私も入るにゃ!!」
「いいぞ~、たまには一緒に入るか」
たまには背中を流してもらいたいしな。
―――風呂。
「おいおい、そこのスポンジ使えよ……」
「んん、にゃ♡こっちの、ぁん、方が、ぃい、にゃぁん」///
すさまじい。
爆乳。
こういっても過言ではないほどの胸。おっぱい。パイオツ。母性の象徴。
それを使って俺の体を洗ってくる黒歌。
嫌ではない。むしろうれしい。
役得だ。そんな生易しいモノではないが。
「へっへっへ~、今度はこっちのばんだな」
「にゃ、にゃ~///や、やさしくたのむにゃ///」
俺の、理性がッ!!
まぁ、耐えられましたけど?
―――リビング。
「いただきます」
「「「「「いただきます!!」」」」」
風呂から上がり、今は晩御飯を食べている。
「うまうまだな」
「……ありがとうございます///」
かわいいな~。
赤面白音。
そんなこと考えながら晩御飯を終えた。