ハイスクールD×D~二天龍を従えし者~   作:眠らずの夜想曲

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第3話~授業参観でございまーす~

―――授業参観日当日、教室。

 

 

今日は授業参観がある。

なにやらイッセーたちは桐生とか言う女子とエロい話で盛り上がっているようだが俺には関係ない。

 

そして、授業が始まった。

開け放たれた後ろの扉からクラスのやつらの親がゾロゾロ入ってくる。

授業の強化は英語。いつもよりかなり気合の入った男の先生が何やら袋に包まれた長方形の物体をみんなに配っていく。

そこにはこう書いてあった。

紙粘土。

ん?たしか英語の授業では紙粘土はいらないはずだよな?な?

 

 

「いいですかー、いま渡した紙粘土ですきなものを作ってみてください。動物でもいい。人でもいい。家でもいい。自分がいま脳に思い描いたありのままの表現を形作ってください。そういう英会話もある」

 

 

ないです。

意味わかんねぇ……コイツ頭イカれてんじゃねぇの?

普通に授業しろよ。マジで。

 

 

「Let's try!!」

 

 

Let's try……じゃねぇよ。無駄に発音がいいなおい。

今までいろんな世界回ってきたけどさ、英語の授業で紙粘土を使うところなんてなかったぞ?あの箱庭学園でさえ使わないからな。

 

む~ん、何を作ろうか……

俺の家族を作るか?

でもそれだと作らなかったやつに俺が殺される。

う~ん、よし。

 

 

「全員作れば問題ない」

 

 

そうと決まれば早速作り始める。

まずは『問題児』のやつらからだ。

 

レティシア、絹のような滑らかで素晴らしい髪。きゅっとしまった腰。程よい大きさの胸。水晶より透き通った瞳。そして……エトセトラエトセトラ……

 

同じようにペストとミツキを作り上げていく。

 

次は仲間をつくりに別世界に行った時のやつら。

 

御神、なじみ。この二人も作り上げる。

 

この二人を作り上げた時に紙粘土が切れる。

先生に余ったのをもらう。

 

そしてまた作り始める。

 

今度は『リリカル』のやつら。

幼少期のなのは、今のなのは、幼少期のフェイト、アリシア。今のフェイト、アリシア。リィーンフォース、すずか。そして俺の娘ヴィヴィオ。

 

最後にこの世界で家族になった者。

黒歌、白音、グレイフィア、イリナそしてゼノヴヴィア。

完成だ………以外に速かったな。

 

まだ紙粘土が余っていたから背景を作り上げていく。

屋敷だ。

『問題児』の世界での初めての家。コミュニティ『ノーネーム』の拠点。

そして、俺は作ったものを置いて行く。

 

今度こそ完成。

その時だった。

 

 

「す、すばらしい……神浄くん、キミにはいろいろな才能があることは知っていたがこのようなすばらしいものも作れるなんて……やはり、この授業は正解だった。兵藤くんも隠されていた才能が引き出されたしな」

 

 

向こうではイッセーが作った裸のリアスの像がせりに出されていた。

おいおいおい……一応授業中だぞ。

まったく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――お昼休み。

 

 

「す、すごいわね……」「あらあら……」

 

 

リアスと朱乃がものすごく驚いている。

俺が作ったのはもはやジオラマだからな。

 

みんながそれぞれ感想を言っていく。

 

 

「あ、部長。それに皆も」

 

 

木場?どうしたんだ?

 

 

「あら、祐斗。お茶?」

 

 

木場にリアスが聞く。

 

 

「いえ、何やら魔女っ子が撮影会をしていると聞いたもので、ちょっと見に行こうかと思いまして」

 

 

魔女っ子?まさか……な。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――廊下。

 

 

カシャカシャ!!

フラッシュがたかれ、カメラを持った男どもが、廊下の一角で何かを撮影していた。

 

ものすごい人だかりだ。

俺たちは人垣をくぐり抜けて、前の方にでる。

 

おっふ……

 

やっぱりか。

 

 

「オラオラ!!天下の往来で撮影会たーいいご身分だぜ!!」

 

 

そんなことを言いながらサジがやってきた。

そのまま生徒会のメンバーの女子がやってきた。

 

 

「ほらほら、解散解散!!今日は公開授業の日なんだぜ!!こんなところで騒ぎを作るな!!」

 

 

サジ……頑張ってんな。

撮影をしていたカメラ男子はシブシブ去っていく。

 

 

「あんたもそんな恰好をしないでくれ。って、、もしかして親御さんですか?そうだとしても場に合う衣装ってものがあるでしょう。困りますよ」

「えー、だって、これが私の正装だもん☆」

 

 

あー……やっぱりセラか。

奥歯をギリギリと鳴らすサジ。気持ちは分からなくもない。

だが、リアスを確認するとリアスに頭を下げた。

 

 

「これはリアス先輩。ちょうど良かった。いま魔王さまと先輩の音緒さんをご案内していたところなんですよ」

 

 

サジが廊下の後方に顔を向けると、ソーナの先導の元、サーゼクスとグレモリー卿がいた。

 

 

「何事ですか?サジ、問題は簡潔に解決しなさいといつも言って―――」

 

 

あーあ、タイミングの悪いことで。

 

 

「ソーナちゃん!!見つけた☆」

 

 

セラはうれしそうにソーナに抱き着いていく。

百合百合だな。

 

 

「あぁ、セラフォルーか。キミもここへ来ていたんだな」

「うん☆そうだよ☆」

 

 

こうしてみるとスゲーかわいいのにな……

 

 

「今日はソーナの授業参観に?」

 

 

リアスがセラに聞く。

 

 

「うん☆ソーナちゃんったら、酷いのよ―――」

 

 

よし、長くなりそうだから今のうちにここから脱出しよう。

気配を消して『暗歩』を使って離れていく。

だがそううまくいくはずがない。

 

 

「あれ?刃くんじゃないか」

「え!?刃くん!?どこどこ?あー!!いたー☆」

 

 

テテテテテテと寄ってきて俺にダイブしてくる。

 

 

「おっと……久しぶり、セラ」

「うんうん☆おひさ~☆よし、さっそく結婚式場の下見に―――」

「ばーたれ、今はそれどころじゃないだろ」

「ぶー」

 

 

相変らずのマイペースだな。

 

そのあとも、セラが俺に抱き着いたままだが話が進んでいった。

途中でセラが暴走してソーナと百合百合になってしまったが何とかできた。

 

まぁ、こんな感じで授業参観日は終わった。

 


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