ハイスクールD×D~二天龍を従えし者~   作:眠らずの夜想曲

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第3話~・・・このくらいにしといてやる~

―――会談部屋。

 

 

扉を開けるとそこには、破壊しつくされた大広間があった。

テーブルも椅子も装飾品も全部破壊しつくされていた。

 

中央には両陣営に分かれた悪魔のガキ共が睨み合っている。

武器まで取り出していやがる。

 

両方とも冷たく殺意に満ちたオーラを放っている。

 

俺の視界に広間の隅でテーブルを武士に保ったまま、優雅にしている悪魔眷属の者たちも映った。

 

優しげな少年……だけど腹黒そうな顔だな。

そいつを中心にフードを被った者がいた。

 

 

「ゼファードル、こんなところで戦いを始めてもしかたなくて?死ぬの?死にたいの?殺しても上に咎められないかしら」

「ハッ!!言ってろよ、クソアマッ!!俺がせっかくそっちの個室で一発しこんでやるって言ってやってんのによ!!アガレスのお姉さんはガードが堅くて嫌だね!!へっ、だからいまだに男も寄ってこずに処女やってんだろう!?ったく、魔王眷属の女どもはどいつもこいつも処女くさくて敵わないぜ!!だからこそ、俺が開通式をしてやろうって言ってんのによ!!」

 

 

……こんなガキの喧嘩のせいで俺のフランが咳をしたのか……

 

 

「そうか……じゃあ俺がおまえの腹を開通させてやろう」

「誰だテメェ!!なんだ、ただの人間じゃねえk」

 

 

そっから先はしゃべれない。

だって俺が魔力で創った刀で男の腹を貫いたから。

 

 

「ハッハッハー!!なんだ?ただの人間に腹を貫かれたザコ悪魔ァ!!」

 

 

俺は殺気を開放しながら言う。

 

 

「おのれ!!」「人間の分際で!!」

 

 

男の眷属らしき悪魔がわめきちらしている。

 

 

「なんだァ?テメェらもこうなりたいのかァ?」

「ゴボォッ」

 

 

俺は腹を貫いている刀をグリグリしながら言う。

 

 

「さァて……俺は優しいからな。おまえの死に方を選ばせてやる。一回しか言わないからよーく聞けよ?」

 

 

俺は一息ついてから言いなおす。

 

 

「『絞首』『斬首』『銃殺』『釜ゆで』『溺死』『電気』『火あぶり』『生き埋め』『薬殺』『石打ち』『鋸』『はりつけ』好きなのを、選んでね♪」

 

 

わぁ~俺って優しいな~。

12個も選択肢をあげるなんて。

 

 

「ざ…ける……なぁ!!」

「わぁ~お!!びっくり、自分から刀を抜くなんて」

 

 

男はもがいて、刀から抜け出した。

 

 

「さて、どれがいい?」

「ハッ!!出たぜ!!答えは……お前を殺してやる!!」

「はぁ……残念だよ」

 

 

俺は『重力を操る程度の能力』を使って、男を地面に押し付ける。

 

 

「苦しまなくて済んだかもしれないのに……じゃあ、バイバ~イ」

 

 

俺が刀を振り下ろした時だった。

 

 

「そのくらいで勘弁してやってくれないだろうか?」

 

 

サイラオーグが割って入ってきた。

 

 

「……いいよ、でも次はないよ」

 

 

俺は大人しく引く。

だってここでまた言い合うのは面倒でしょ?

 

そのあと、サイラオーグが色々と指示を出した。

女には化粧を直して来い。

スタッフを呼んで来い。

 

正直言ってここまで『王』という言葉が似合う悪魔はいないと思う。

 

 

「あ、兵藤!!」

 

 

サジか……

それにソーナも。

 

ようやくソーナたちも到着したらしい。

 

しばらくすると、化粧を直してきた女がきた。

男も治療が終わったのか、帰ってきた。

 

そして、自己紹介が始まる。

 

 

「私はシーグヴァイラ・アガレス。大公、アガレス家の次期当主です」

 

 

さっきの女はシーグヴァイラ・アガレスって名前らしい。

長いからアガレスでいいか。

 

大広間はスタッフが来て修復するのかと思ったら、俺が動いた衝撃で壊れすぎていたらしく、少ししか修復できなかった。

 

仕方ないから、俺が『時間を操る程度の能力』を使って破壊される前まで時間を巻き戻した。

俺がやったからな、仕方ないと言えば仕方ない。

 

改めて若手が集まって、あいさつを交わしていた。

さっきの男とその眷属を抜かした者たちでテーブルを囲んでいる。

 

リアスのグレモリー眷属、ソーナのシトリー眷属、サイラオーグのバアル眷属、男のグラシャラボラス眷属。

言いずれぇ……

 

 

「ごきげんよう、私はリアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主です」

「私はソーナ・シトリー。シトリー家の次期当主です」

 

 

リアスとソーナが続けてあいさつをする。

 

 

「俺はサイラオーグ・バアル。大王、バアル家の次期当主だ」

 

 

堂々としているな。

まさに『王』だ。それでも『王』止まりだけどな。

その先?俺はしらねぇよ。

 

 

「僕はディオドラ・アスタロト。アスタロト家の次期当主です。皆さん、よろしく」

 

 

作り物の笑顔が印象的だ。

 

 

「さて、おまえにも自己紹介してもらおうか」

 

 

サイラオーグが俺に言う。

おまえって言われた。仮にも俺のが年上だぞ!!

まぁ、いいか。

 

 

「どうも初めましてみなさん、万能なだけの人外でーす。よろしく……されたくねぇな。いいか、ひとつ言っておく……俺の家族に手ェ出してみろ、空間ごと破壊し尽くしてやるからな」

「「「「「!?!?!?!?!?」」」」」

 

 

ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!!!!

 

俺の殺気で空気が鳴る。

 

 

「皆様、大変長らくお待ちいただきました。皆様がお待ちでございます」

 

 

この空気をぶち壊した使用人パネェ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――会談場、最高貴賓席。

 

 

俺は途中でリアスたちと別れて、サーゼクスのいる席の方に行った。

高いなぁ……

この席高すぎ。

この下にもまだ段がいくつかあって、そこに上級悪魔のクソ共がいる。

 

俺のいる席の段には四大魔王がいる。

俺の扱いは魔王と同じ程度ですか……いや、いいんですよ?別に。

 

 

「よく、集まってくれた。次世代を担う貴殿らの顔を改めて確認するため、集まってもらった。これは一定周期ごとにおこなう、若き悪魔を見定める会合でもある」

 

 

初老の男の悪魔が手を組みながら、無駄に偉そうに言う。

 

 

「さっそく、やってくれたようだが……」

 

 

あ、それ俺ですね。はい。

 

 

「キミたち六名は家柄、実力共に申し訳のない次世代の悪魔だ。だからこそ、デビュー前にお互い競い合い、力を高めてもらおうと思う」

 

 

競い合う程度で力が高まれば俺の『神使』は今頃ものすごいことになってるぞ。

 

 

「我々もいずれ『渦の団』との戦に投入されるのですね?」

 

 

サイラオーグがいきなり聞いてくる。

 

 

「それはまだわからない。だが、できるだけ若い悪魔たちは投入したくないと思っている」

 

 

サーゼクスはこう答えた。

それに対してサイラオーグは……

 

 

「なぜです?若いとはいえ、我らとて悪魔の一端を担います。この歳になるまで先人の方々からご厚意を受け、なお何もできないとなれば―――」

「サイラオーグ、その勇気は認めよう。しかし、無謀だ。何よりも成長途中のキミたちを戦場に送るのは避けたい。それに次世代の悪魔を失うのはあまりに大きいのだよ。理解してほしい。キミたちはキミたちが思う以上に我々ににとって、宝なのだよ。だからこそ、大事に、段階を踏んで成長してほしいと思っている」

 

 

確かにな。

 

それからサーゼクスが若手悪魔に今後の目標を聞いた。

 

最初に答えたのはサイラオーグだ。

 

 

「俺は魔王になるのが夢です」

「「「「「ほぅ………………」」」」」

 

 

言いきったな。

お偉いのクソ共も反応した。

 

 

「大王家から魔王が出るとしたら前代未聞だな」

「俺が魔王になるしかないと冥界の民が感じれば、そうなるでしょう」

 

 

また言いきった。

なかなか肝っ玉の据わったやつだ。

 

次はリアスか。

 

 

「私はグレモリーの次期当主として生き、そしてレーティングゲームの各大会で優勝することが近い将来の目標ですわ」

 

 

……つまらない。

まるで教科書に載っているような回答だ。

 

そのあとも何人かが目標を言った。

そして、最後のソーナの番になった。

 

 

「冥界にレーティングゲームの学校を建てることです」

「レーティングゲームを学ぶところならば、すでにあるはずだが?」

 

 

お偉いのクズは聞く。

 

 

「それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみしか生きことが許されない学校のことです。私が建てたいのは下級悪魔、転生悪魔も通える分け隔てない学舎です」

 

 

すばらしいッ!!

これが俺の求めていた回答だ!!

教科書……今までの考え方にとらわれない、新たなことに挑戦する!!

その心意気!!いいねぇ。

 

 

「「「「「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!」」」」」

 

 

ピキ……

 

俺の額に青筋が浮かぶ。

クズ共が……

 

 

「それは無理だ!!」

「これは傑作だ!!」

「なるほど!!夢見る乙女というわけですな!!」

「若いと言うのはいい!!しかし、シトリー家の次期当主ともあろう者がそのような夢を語るとは。ここがデビュー前の顔合わせの場所で良かったというものだ」

「私は本気です」

 

 

ソーナも引かない。

 

 

「ソーナ・シトリー殿。下級悪魔、転生悪魔は上級悪魔たる主に仕え、才能を見出されるのが常。そのような養成施設をつくっては伝統と誇りを重んじる旧家の顔を潰すこととなりますぞ?いくら悪魔の世界が変革の時期に入っているとも言っても変えていいものと悪いものがあります。まったく関係のない、たかが下級悪魔に教えるなどと……」

 

 

ブチッ

 

本日二回目の怒りだった。

俺が行動を始めるよりも早く動いた奴がいた。

サジだ。

 

サジはクズ共に食って掛かる。

だがそれをクズ共は良しとしない。

それに対してソーナは頭を下げた。

そこで俺は耐えられなくなった。

 

 

「頭を上げろ、ソーナ。そこにいるクズ共の言うことは気にするな」

 

 

ソーナが勢いよく頭を上げる。

 

 

「な、なんだと!!人間の分際で我ら悪魔をクズだと!!」

「人間人間うるせぇんだよ……テメェらこそ一悪魔の分際で俺に刃向おうなんてナメてんのか?」

「グッ……言わせておけば!!だいたいお前の連れも連れだ、なんだあの品性のなさは!!」

 

 

この野郎今何て言った?

てかいつ見た?

 

 

「さっきチラッとみたが……まったk「黙れ!!」…グアァ!!」

 

 

コイツは言ってはいけないことを言った。

俺の家族をバカにした。

 

俺は『重力を操る程度の能力』を使ってクズを吹き飛ばす。

 

 

「お前は俺の家族をバカにした……ちょうどいい、ここにいる全員に教えておこう。俺の家族をバカにしたり、他人の夢をバカにしたクズがどうなるかをな!!」

 

 

俺はソーナの夢をバカにしたクズ共も引きずり出す。

 

 

「さて、初めましての悪魔もいるだろうから改めて自己紹介をしようか。今回はこっち名を言わせてもらうか。破壊神デストだ」

「「「「「!?!?!?!?!?」」」」」

 

 

四大魔王も驚いている。

そりゃそうだ、俺は創造神としか教えてなかったからな。

 

 

「さて、見てろ……これがお前ら悪魔がバカにした俺の力だ!!」

 

 

俺はネックレスをはずす。

すると俺の周りから漆黒のオーラがもれる。

今の容姿は漆黒の髪に漆黒のシャツ、漆黒のジャケットに漆黒のパンツ。漆黒ネクタイに漆黒のハット。

そして俺の背中からは漆黒の翼が6対12枚生えている。

 

俺は『破壊の刀剣(デストラクション・ブレイド)』を出す。

そしてそれをクズ共に刺す。

 

 

「グァ!!」「アァ!!」「ギャァ!!」

 

 

色々な悲鳴が出る。

だがそれだけでは終わらない。

 

『Destroy!』

 

この音声が響くと同時にクズ共の体の一部が崩れていく。

 

やがて、クズ共の体は破壊しつくされていった。

 

 

 

「今のを見てわかるよに、この刀剣を一刺しするだけで簡単に……すべてのものを破壊しつくせる……これだけは覚えておけよ」

 

 

そう言い放つと、他のクズ共が勢いよく首をたてに振る。

それを確認して、俺はネックレスをつけ直して人間になる。

 

 

「刃くんがいろいろ言ってくれたけど……うちのソーナちゃんがゲームで見事に勝っていけば文句もないでしょう!?ゲームで好成績を残せばかなえられるものも多いのだから!!」

 

 

セラ……もっと早く出てきてもよかったんじゃないか?

 


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