―――イッセーの家、VIPルーム。
「ほっほっほ、というわけで訪日したぞい」
「ざけんなジジイ。テメェのせいで俺の休日が一日つぶれるとか……マジでざけんな」
「や、刃……」
まったく……いきなり呼び出しやがって。
せっかく白音と一緒に昼寝してたのに……
なんでも日本に用事があって、そのついでにこの町に来たらしい。
下手なところよりも悪魔、天使、堕天使、三大勢力の協力態勢が強いこの町に居たほうが安全みたいだ。
イッセーの家にはグレモリー眷属と俺、イリナとゼノヴィアが集合している。
アザゼルも久しぶりに顔を出していた。
そして何より驚いたのは……
「久しぶりだな、刃くん」
「お?バラキエルか」
「あぁ、昔は世話になった」
「気にするなよ、俺が勝手にやったことだからな」
いやー、本当に久しぶりに会ったな。
元気そうで何よりだ。
「どうぞ、お茶です」
リアスが笑顔でオーディンに応対していた。
「かまわんでいいぞい。しかし、相変らずデカいのぅ。そっちもデカいのぅ」
「おい……あまりふざけてると……」
「すまんすまん」
まったく……このエロジジイが。
「もう!!オーディン様ったら、いやらしい目線を送っちゃダメです!!こちらは魔王ルシファー様の妹君なのですよ!!」
「違うぞ、サーゼクスは魔王ルシファー(笑)だぞ」
「それこそ違うわよ!!」
どうもサーゼクスが魔王って感じがしない。
「まったく、堅いのぉ。サーゼクスの妹といえばべっぴんさんでグラマーじゃからな、そりゃ、わしだって乳ぐらいまた見たくなるわい。と、こやつはわしのお付きヴァルキリー。名は―――」
「ロスヴァイセと申します。日本にいる間、お世話になります。以後、お見知りおきを」
ロスヴァイセ……いいねぇ。
『神使』に誘うか。
「彼氏いない歴=年齢の生娘ヴァルキリーじゃ」
ジジイ……
「そ、そ、それは関係ないじゃないですかぁぁぁぁぁっ!!わ、私だって、好きでいままで彼氏ができなかったわけじゃないんですからね!!好きで処女なわけないじゃなぁぁぁぁぁいっ!!うぅぅっ!!」
その場に崩れて床を叩き始めた。
「まぁ、戦乙女の業界も厳しいんじゃよ。器量よしでもなかなか芽吹かない者も多いからのぉ。最近では英雄や勇者の数も減ったもんでな、経費削減でヴァルキリー部署が縮小傾向での、こやつもわしのお付きになるまで職場の隅にいたのじゃよ」
大変なんだなぁ……
アザゼルがやり取りに苦笑しながら口も開く。
「爺さんが日本にいる間、俺たちで護衛することになっている。バラキエルは堕天使側のバックアップ要員だ。俺も最近忙しくて、ここにいられるのも限られているからな。その間、俺の変わりにバラキエルが見てくれるだろう。まぁ、最悪……刃がいるからな」
「おいおい……」
バラキエルがいれば十分だろう。
何で俺まで……
そのあとも、アザゼルとジジイが話を続けて行った。
そして、なんかおっぱいおっぱい叫びながら、どこかに飲みにいった。
「刃……これから、どうだい?」
バラキエルが飲みにいこうと誘ってくる。
「あぁ、久しぶりだしな。いいぜ、朱乃も連れて行こう。俺の家で飲もう」
「そうだな……朱乃これから刃の家に行くぞ」
バラキエルが朱乃を呼ぶ。
すると朱乃はすぐに来た。
「本当ですか!!」
メッチャ喜んでる。
「んじゃ、行くか」
俺は二人を転移させた。
「と言うわけで、俺はこれで」
最後に俺も転移した。
―――俺の家、リビング。
「いやぁ、本当にあの時は助かったよ!!」
「本当ですわ」
ガハハ
と笑いながらバンバンと俺の方を叩いてくる。
朱乃は目がトロンとしている。
「わかったわかった……わかったからその話はもうおしまいな」
「があぁぁぁぁぁごぉおぉぉぉお……」
「あらあら、お父様ったら……」
バラキエル、爆睡中。
「仕方ない……よっと。ちょっとバラキエルを寝かせてくる」
俺はバラキエルをゲストルームの一室のベットに放り投げた。
「朱乃、今日はおまえも泊まっていけ」
「もちろんそのつもりですわ」
あはは、最初から泊まる気できてたな。