―――翌日、イッセーの家、地下一階、大広間。
この大広間には、俺、ゼノヴィア、イリナ、グレモリー眷属、アザゼル、バラキエル、シトリー眷属、そしてヴァーリチームという異様な面々だった。
リアスはヴァーリチームの同席に最後まで反対していたが、俺とアザゼルとサーゼクスの意見を聞いて渋々承諾した。
まったく……わがまま姫様には困ったもんだ。
まぁ、それがいいんだけど。
オーディンのジジイとロスヴァイセは別室で本国と連絡を取り合っている。
どうやら、ロキが日本に来たことは向こうでも大問題になっているようだ。
そんな中でも、俺たちはさっそくロキの対策について、話し合いを始めた。
正直に言うと、俺一人でどうにでもなる。
でもそれだと、イッセーたちが成長できないので黙っておく。
今回の件は悪魔側のサーゼクスも知っている。それどころか、堕天使側にも天界にも情報は伝わっている。
ジジイの会談を成就させるために三大勢力が協力して守ることとなった。
協力と言っても、協力体制の強いここにいるメンバーで力を合わせてなんとかしろ。と言う意味だ。……天界なにもしてねぇ。
つまり、ロキを俺たちで殺せってことだ。
退けるだけ?何言ってんだ、俺の休みを奪っておいて生きて帰れると思うなよ……ククク。
相手は神。
だが、やっかいなのはロキよりフェンリルだ。
俺は余裕だが、他のみんながキツイ。もちろんゼノヴィアもイリナも余裕だ。だって『神使』だもん。
なんか話では、封印される前の二天龍に匹敵する程強いらしい。
ということは……ザコですな(笑)
俺がどうしようか考えていると、アザゼルはヴァーリと何か話している。
協力の理由とかだろう。
そんなの強い奴と戦えるからに決まってんだろ。
ヴァーリは戦闘狂なんだし。
どうやらアザゼルは五大龍王の一匹、『終末の大龍(スリーピング・ドラゴン)』ミドガルズオルムを呼び出して対策を聞き出すらしい。
まぁ、いいんじゃないですかねぇ。
そんな時だった。
「赤龍帝!!」
美猴が手を挙げながらイッセーに声をかける。
「な、なんだよ」
「この下にある屋内プールにい入ってもいいかい?」
予想外の質問に、イッセーは目を丸くしている。
だよな……プールを貸してくれなんて言われないよな、普通。
その質問にリアスが噛みついた。
美猴にキャンキャン文句を言っている。
「まぁ、いいじゃん。俺も入りたいし」
「え!?し、仕方ないわね……」
あれ?あっさりと引いたな。
まぁいいや。
「イリナ、ゼノヴィア。行くぞ」
「うん♪」「あ、あぁ……」
やっと少しだけどリラックスできそうだ。
―――屋内プール。
「勝負よ!!ゼノヴィア!!」
「望むところだ!!」
プールに来たのはいいけどさ……なんだよこれ!?
なに?なんなの?なんでイリナとゼノヴィアは競泳してんの?
リラックスしよ~ぜ~。
これからかったるい戦いが始まるってのに……
俺?俺はプールの横にあるジャグジーで休んでますよ。
もうかれこれ一時間は浸かったな……
そろそろいいか。
「イリナ、ゼノヴィア。そろそろ帰ろうか。そうしないとグレイフィアに晩飯抜かれる」
「は~い」「それはまずい!!」
こうして俺のリラックスタイムは終わりを告げた。
―――翌日、イッセーの家、地下一階、大広間。
昨日の晩飯はギリギリセーフで抜かれなかった。
よかった……
なんか今日はみんな学校を休んでいる。
ロキとの戦いの前だからだと。
そこまで気合入れる相手じゃないだろう。
……イリナとゼノヴィアはものすごく悔しがっていた。
なんか学校に行きたかったらしい。
そんなことを考えていると、アザゼルが小言を呟きながら現れた。
「オーディンの爺さんからのプレゼントだとよ。ミョルニルのレプリカだ。ったく、クソジジイ、マジでこれを隠していやがった。しかし、ミドガルズオルムの野郎、よくこんな細かいことまで知ってたな」
ミョルニルのレプリカ?
なんだよ、頼まれればいくらでもミョルニルなんか創ってやるのに。
レプリカは赤龍帝のイッセーに貸し出された。
あれって確か邪な心があると使えないんじゃなかったっけ?
乳神の出番も今回はなさそうだし……イッセー、ミョルニル使えなくね?
アザゼルは、そのあとみんなに作戦の確認をした。
最後にサジを連れて行ったけど……サジ、無事に帰ってこれるかな?
俺には関係ないか。
とりあえず、話が終わったようなので俺は家に帰った。
―――数日後、夜。
「うし、準備OKか?」
「うん♪」「あぁ」
イリナとゼノヴィアに俺が聞く。
二人とも準備が完了したようだ。
「そんじゃ、あまぁ……殺りに行きますか」
俺はイリナとゼノヴィアごとイッセーたちのもとに転移した。