―――京都駅、新幹線のホーム。
気づくと、そこは京都駅の新幹線のホームだった。
京都に着いたときに一番初めに来たところだからな、覚えていた。
へぇ?いきなりのご挨拶だな……
「……こ、ここは新幹線のホームか?」
俺の肩の上にいる九重が言う。
どうやら一緒に転移させられたらしい。
「そうだな、昼間の現象をまた食らった」
「じゃ、じゃあ、ここも別の空間に創られた疑似京都なのか?きゃつらの持つ技術は凄まじいのぅ」
ははは、こんな時なのにお気楽だな。
『お兄ちゃん、電話だよ♪お兄ちゃん、電話だよ♪』
俺のスマホの着信音が鳴る。
ちなみにこの声の主はペストだ。
「もすもすひねもす~、はぁ~いみんなの神様、神浄刃さんだよ~」
『な、なかなか個性的な電話の出方だね……』
「なんだ木場か。どうした?」
『いや、どこにいるのかなと思って』
「俺は京都駅の新幹線のホームだ」
『そうかい、こってゃ京都御所なんだ」
「へぇ……こりゃ二条城で落ち合ったほうがいいな」
『そうだね、じゃあ二条城で』
「あぁ」
とりあえず、ここにいるのは俺と九重だけだ。
まぁ『神使』のみんなは二条城に勝手に向かうだろ。
とりあえず……
「白、禁手するぞ」
『は~い』
『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!!』
「うむ。初めて見たが天龍の鎧は白くて美しいな。これが伝説の龍なのだな」
ペチペチと鎧を手で叩いている。
あまりこういうのは見ないんだな。
でも、子供らしくていいんじゃないか?
「九重、絶対に俺から離れるなよ。おまえは俺が守る」
「う、うむ!!よきに計らえじゃ///」
顔を真っ赤にして……かわいいなぁもう。
ピリ
殺気……?なんだこの貧弱な殺気は。
「おい……殺気てのはな、こうやって放つんだよ!!」
俺は先を向こうにいるやつに送る。
「うぐっ……」
あら?倒れちゃった……貧弱過ぎんだろ。
まぁ、いいか。
二条城にでも行くか。
―――二条城。
……結論から言おうか。
始まってるし!!
なに始めちゃってるんだし!!
オオォォォォォォォンッ!!
夜空に向けて咆哮を上げるのは金色の獣。
九尾、八坂か……
大きさは10mくらいか。
瞳にはハイライトがない。
イッセーが曹操になにか吠えている。
曹操はそれに淡々と答える。
「都市の力と九尾の力を使い、この空間にグレードレットを呼び寄せる。本来なら複数の龍王を使ったほうが呼び寄せやすいんだが、龍王を数匹拉致するのは神仏でも難儀するレベルだ。―――都市と九尾の力で代用することにしたのさ」
八坂を使って紅を呼び出す?
何言ってんだ?
「なにバカなこと言ってんだよ……そんなので紅が出てくるわけねェだろ」
「その物言いはグレードレットと交流があるようだね」
「あぁ……俺の義妹だ」
「まったく……あなたの顔の広さには驚くことばかりだ」
曹操は驚いた顔をした。
だがすぐにもどし、淡々と言葉をつなげてきた。
「それで?紅を呼び出して何する気だ?」
「いや、なに……とりあえず、捕えることが出来てから考えようと思っているだけさ。いまだに生態が不明なことだらけだ。調査するだけでも大きな収穫を得ると思わないか?たとえば『龍喰者(ドラゴンイーター)』がどれくらいの影響をあの赤龍神帝に及ぼすのかどうか、とか。まぁ、どちらにしろ、ひとつの実験だ。兄弟なものを呼べるのかどうかのね」
ブチ
あーあ、もう怒ったかんな。
「曹操……貴様が俺の義妹に何かをしようとしている。それを知ったからには……手加減をしてやれそうにないな」
俺は『万華鏡写輪眼』を開眼した。
「須佐能乎!!」
俺は完全体の『須佐能乎』を発動させた。
「曹操、おまえが英雄の魂を継ぎし者なら……このくらい余裕で切り抜けられるよな?」
ゴオォォォォォォォォォォォォォ!!
俺は『八坂ノ勾玉』をあたりにばらまく。
「おい刃!!あぶねーだろ!!」
イッセーがなにかほざいてやがる、が関係ない。
「ほらほらどうしたどうしたァ!!英雄を語ってんのになっさけねぇなァ!!炎遁・加具土命!!風遁・螺旋手裏剣!!」
俺は二つの術を融合させて放つ。
「な、なんだこの炎は!?消えないぞ!!」
ゲオルグが叫んでいる。
曹操も焦っているようだ。
「あっれー?なに焦っているのかなー?英雄さんたち。でもさ……まだまだこれからだぞ。ペスト!!殺っちゃいなよ、You!!」
「はいはーい!!じゃ、くたばっちまいな」
ペストから黒い霧のようなものが出てくる。
そしてそれが英雄派の奴らにあたる。
それと同時にばたばたと倒れていく。
「あーだらしねぇな。でも曹操、おまえは倒れないんだな」
「ま、まぁね……かなりキツイがな。というよりももう無理かな。ゲオルグ、すまない」
「わ、わかっている……」
また『絶霧』か。
本当に神滅具便りだな。
「今回もさ、即死しなかったから逃がしてやるよ。でもな、俺の義妹に手を出してみろ……破壊しつくしてやるからな」
「………………」
無言で転移していく曹操たち幹部。
あとは、八坂だな……
あ、イッセー進化しねぇ……
ま、いっかー。
「さて、ミツキ。ここからはおまえの役目だろ?」
「わかっておる……八坂!!いい加減に目を覚まさんか!!」
九尾の姿のミツキが八坂に声をかける。
どうやら九尾の妖だけのコネクトがあるらしい。
そのコネクトを通じて妖力を流して邪気を祓う。
ほら、もう元に戻った。
「……ここは?」
八坂はふらりふらりと体がおぼついていない。
おぼろげながらも意識が戻りつつあるようだ。
九重が八坂に駆け寄る。
その胸に飛び込み、泣き叫ぶ。
「母上ぇぇぇっ!!母上ぇぇぇっ!!」
八坂はやさしく九重を抱く。そして頭を撫でる。
「……どうしたのじゃ、九重。おまえは、いつまで経っても泣き虫じゃな」
さて、どう言いくるめて八坂と九重を『神使』にしようか。
―――ホテル、屋上。
「刃……おまえ、それ……」
「俺に言われてもなぁ……」
俺は今、九尾の尻尾の中にうもれている。
ミツキのではない。
じゃあ誰?
八坂のだ。
あのあと、ミツキが妖力を分けるとすぐに八坂の体調が良くなった。
すげぇ……九尾、すげぇ……
そして、体調が良くなり話が効けるようになったのですべてを話した。
そう、話してしまったのだ。
そっからだ。
「どうやったらその『神使』とやらになれるのじゃ?」
と聞いてくるようになった。
もちろん、九重もだ。
仕方ないので、すべて言った。
したらさ……
「では、今すぐ床につこう」
って言ってきやがった。
正直言ってどうして俺のことを気に入ったのかが分からない。
でもまぁ、まんざらでもない。
それで流されるようにヤりましたとも。
その時に一緒に『神使』にした。
指輪とネックレスを渡したし。
さすがに九重とはヤっていない。
まぁ、なんだ……その『神使』にはしたけど。
よし、ここまでのことから結論を言おう。
やったぜ!!
この一言だ。
「八坂……そろそろ部屋に行こう。ここじゃ寝れるけどさ、せっかくいい部屋に泊まってるし」
「そうじゃな、続きをヤろうかのぅ」
「それは、また日をあらためよう。今日は寝よう」
この一言で納得してくれた。
だが、俺の部屋で一緒に寝た。
はぁ、最近は寝不足だ。
―――翌日、京都駅、新幹線のホーム。
今日は修学旅行、最終日だ。
昨日、いろいろなことがあり、ゲッソリしていた俺はとりあえずお土産だけ買ってホテルで寝ていた。
そして、京都を離れる時が来た。
ホームには八坂と九重が見送りに来ている。
「それじゃあ、また休日に迎えに来るから」
「わかったのじゃ」
九重が返事をしてくれる。
ピピピピピピピピピ
発車の音がホームに鳴り響く。
「八坂、九重。今度はミツキと四人で京都を見て回ろうな」
「「うむ」」
「じゃあ、な」
こうして、京都での出来事は幕を閉じた。
……イッセー進化できねぇ。
やはりでました、刃無双。
妹がかかわると無双しまくりです。