ハイスクールロンドKxD~終わりなき日々の物語を刻む為に 作:カオスサイン
EPⅠ「TellerthaOpenWorld PARTⅠ」
Side那鮪土
俺が並行世界の真逆の御先祖様であったタキオンさんから力を受け継いだ翌日
「今の内に力を扱い慣れておきたい所だけど…」
至って平和な日常、そう思っていたのだが
「ン!?アレは!?…」
気分転換で外出した矢先に俺は衝撃的なものを目にしたのだ。
それは付近の森で猟師が仕掛けたであろう罠にかかってしまっていたまだ大人になって間もないであろう馬だった。
これが只の馬だったのなら助けてはいさよなら元気でなで終わっただろう。
その馬は純白で額に鋭い角を有している伝説空想上の存在である筈のユニコーンだったのだ。
驚愕していた俺だったがすぐに気を持ち直してそのユニコーンを助け出す。
「ブルル!」
助け出したユニコーンは御礼を述べているのか雄叫びを上げる。
そして後ろを向いたかと思うと俺に乗れと言わんばかりに待っていた。
ていうか男の俺が乗って大丈夫なのか?
そんな思考を余所にユニコーンを見ると何処か悲しい表情を浮かべていた。
「真逆まだお前みたいに捕まってる仲間でもいるのか?」
「ブル!」
「なら乗るか!はいやっ!」
俺はユニコーンの意図を汲み取り彼の背へと飛び乗り森の中を進む事にした。
しばらくして俺達の目の前に現れたのは…
「研究所?…こんなモノ何時の間に?…ってユニコーン、真逆此処に侵入しろと?!」
「ヒヒーン!」
今迄目にもしなかった中規模な何かの研究所らしき施設が目に入り俺は訝しむと同時にユニコーンに問いた。
彼は肯定といわんばかりに鳴く。
「まあ良いや…こんな所でどう見ても怪しげな匂いを漂わせている謎の研究所…力を試すには絶好の機会だ!いくぞ!」
俺は意を決して謎の研究所へとカチコミをかける事にした。
その頃、研究所内では…
「何!侵入者だと!?
あの連中に我々の計画がバレたのか!?」
「いえ、侵入者は一人の少年です!」
「それでも侵入してきているのであれば敵である可能性が高い!
ええい!早く捕縛もしくは殺せ!」
那鮪士の突然の侵入に所内は慌ただしくなっていた。
研究所所長は余程大事な物があるのか非常に焦っている。
「我々が作り出したユニコーンも行方が分からぬ…なんとかここを乗り切らねば成果が!…」
「成果って何?」
「!?」
この研究所の所長のおっさんと警備の人達は背後に何時の間にか現れた俺に驚きを隠せていないようだ。
あ、今さっき気が付いたんだけど俺は他人の最低限の個人情報が顔を見るだけで分かる様になっていた。
これもタキオンさんの力の一端なのだろうか?
「襲ってきた有象無象の物語しか持ち得ていない人達なら既に無力化したよ」
「なんだと!?何をしている者共!撃て、撃てー!」
「無駄なんだけどな!…」
号令と共に俺へと放たれる散弾の雨…だが今の俺には全く及ばない。
「顕現せよ「主ノ鍵<マスターキー>」!」
俺は力を遂に解放しその手に白金の鍵を出現させる。
「何!?神器だと!?」
所長のおっさんは俺の鍵に驚いてそう零す。
神器…なんじゃそりゃ?
まあ良いや
「「漣の鍵<セイレーン>」解放!いけ!【清き水龍の逆鱗<アクアドラゴンブロー>】!!」
「な、何だ!?…」
「「う、うわあああー!?」」
マスターキーに登録・記録されてあった力の一つを解放し、龍を象った水流を出現させおっさん達に向け放つ。
「人魚姫」がモチーフなのらしいがドラゴンなんていたっけ?…
おっさんはすんでの所で回避するが警備人達は一人残らず沈黙していた。
「く、糞っ!…ならば使える駒は使うだけだ!」
「!」
追い詰められたおっさんは懐から何かのスイッチを取り出し押した。
すると
「…」
今いる部屋から少し離れた鉄格子の扉から薄赤のメイド服を纏い虚ろな目をした少女と彼女を肩に乗せた少しばかり巨大な白銀のロボットがいた。
ってロボットぉー!?
少女の顔を見て情報を確認するもののほとんどがノイズが走っており「せつな」という名前とスリーサ…げふんげふん!…しか分からなかった。
「いけ!我々のこれ迄の成果を披露する時だ!」
「…」
おっさんの命令でせつなとロボットは攻撃を仕掛けてくる。
虚ろといいおっさんの発言といいせつなは何らかの方法で無理矢理従わされているみたいだな…。
「アクアドラゴン!」
ロボットの格闘に対し俺は再度ドラゴンを出し衝突させる。
だがロボットの力が上なのか離散させられる。
「ならば!少しの間我慢してくれよ…「棘の鍵<ブリックルビーン>」!巻き付けぇ!」
「!…」
「ジャックと豆の木」がモチーフである力を解放しせつなとロボットを同時にがんじがらめにする。
俺は急いで巻き付いた木を駆け上りせつなに手刀を喰らわせて気絶させ受け止めて下に降ろす。
するとそれと同時に襲いくるであろうと予想していたロボットも同時に動きを停止させていた。
もしかして一心同体なのか?
「ば、馬鹿な!?…我々が作り出した至高の`絶対天使`がこんなガキに負ける!?ありえん!…」
この様子が予想外なのかおっさんは何やら喚いていた。
「ヒヒヒーン!」
漸く此処に辿り着いてきたユニコーン。
「ユニコーン!…そのガキを早く始末しろ!」
おっさんはユニコーンが自分の味方をしに来たのだろうと思ったのだろうがそれは間違いだ。
「ふははは!ユニコーンの力ならば!…はっ?…」
「ヒヒーン!」
「!ほう…」
おっさんは高笑いしていたが漸く自分の状態に気が付く。
見るとユニコーンはおっさんの腹をその鋭き角、それもせつなが操っていたロボットと酷似した装甲を纏って貫いていた。
ふと見ると先程まで機能停止し鎮座していたロボットの姿が見当たらなかった。
真逆のユニコーンと合体したのか!
「かっは!?…な、何故!?……」
「惨めな最期だな…力で抑えつけているだけじゃ制御しているとは言えないぜ…」
おっさんは訳が分からないといった表情で絶命した。
「ブルル!…」
「分かってる!この子と同じ様な子達がまだ他にも居るんだろ」
未だ気を失っているせつなをユニコーンに乗せて、俺は研究の成果が記されてあるであろう資料を物色し回収した後再び所内を探索し残りの少女+αを保護しユニコーンの力で研究所を跡形も無く破壊させて帰ったのだった。