今朝の事件のあと俺とリベルテは学校をさぼり、部屋でゴロゴロしていたのだが
さすがに暇だったので遠山の部屋に二人で様子を見に(遊びに)行ったのだが、
「アンタ、私の奴隷になりなさい!!」
どうしてこうなったんだろう
目の前にいるのは今朝のちびっこ、そしてその
こいつにはこんな趣味があったんだろうか、完璧ロリにしか見えない女の子の奴隷になりたいという願望が...
こんな変態野郎の心情とは裏腹にソファの上に立っている少女の太ももの間からわずかに見える東京の綺麗な夜景が俺の心にしみわたる
こんな奴でも、仲間だ、武偵憲章第一条、仲間を信じ仲間を助けよ。
こいつのこんな部分も受け入れようと俺は決意―――
「勝手に変態野郎に仕立て上げて友人の性癖を受け入れる決意をしてんじゃねえ!!」
「まさかそこまで拒絶されたいのか?もうドMだよそれ」
遠山は顔色をどんどん悪化させていき、しまいには死人と間違えそうだ。
俺が言えた義理でもないが、普段から死んだ魚みたいな目をしてる遠山は焦燥感と怒りを帯びた表情のまま、額に手を置いている。
その視線の先には渦中の少女がいた。
「一旦話を聞いてくれないか?お茶出すからさ、コーヒーの方がいいか?」
遠山はふらふらと台所へ行き、茶葉とコーヒー豆がそれぞれ入った容器を手に取った
「それじゃあ、コーヒー二杯で」
「ご主人様、私の分は結構ですが・・・」
俺の後ろからリベルテが遠慮気味に言ってくるが、そうはさせない
こいつにはいい加減俺以外のコーヒーの味を知ってほしいのだ
というのも、今朝のコーヒーはリベルテが淹れてくれたがたまに俺のコーヒーをそのまま二人で飲むことがある、それだけならいいのだがこいつは缶コーヒーや俺以外が淹れたコーヒーは飲まないのだ
以前理由を聞いたがはぐらかされてしまった
「じゃあ、最初から話すぞ」
そこから遠山の話が始まった
まとめるとこういうことだ
・あの爆発のあとちっぱいで覚醒した遠山がセグウェイを撃退
・セクハラで女の子に追われる
・そしてこの女の子の名前は神崎・H・アリア、強襲科の転入生で遠山と同じクラス、そして
いろいろ突っ込みたいけど、これだけは言わせてほしい、その身長で高校生は無理でしょ
「とりあえず、神崎さんだっけ?俺は刃終和正、同じ強襲科だから授業とかで一緒になったときはよろしく」
「私は馴れ合うつもりはないけど、まぁ挨拶だけはしておくわ、よろしく刃終、あとアリアでいいわ」
握手なんてものはしないけれど、一応挨拶はした
「このチビ・・・ご主人様になんて口を・・・」
なんかリベルテが後ろでブツブツ言ってるけど、まぁ放っておこう
「後ろのアンタは?」
とここでアリアが俺の後ろで鎮座していたリベルテを指さす
指名されたリベルテはゆっくりと立ち上がり、いつものクールビューティーな彼女に戻っていた
「私は刃終リベルテ、ご主人様もとい刃終和正様のメイドでございます、学科は狙撃科、ランクはSでございます」
「メイド?貴族でもないのに?なんでよ?」
「私は去年にご主人様に命を救われました、そこから私はご主人様にこの命をささげようと決心したのです、ちなみにメイドはご主人様の趣味です」
「アンタって淡白な顔しておいて意外と変態なのね・・・」
アリアが若干引き気味なのはわかるが・・・
「メイドが変態的・・・だと?」
メイドという存在を変態的と罵られたのは気にくわないなぁ・・・
「何よ?女の子にメイドになれと命令したんでしょ?変態じゃない」
「そもそもメイドが変態的だという概念が間違ってるんだよ、昨今のメイドというのはメイドカフェやらライトノベルのせいでその気品を崩されつつある・・・わかるか?メイドっていうのはそもそも家事や身の回りの世話をしてくれるっていうものだ、それがどうしてわけのわからない呪文をオムライスにかけたりするんだ!?別にメイドの口で冷ますことはないだろう!?自分で冷ませばいいじゃないか!!メイドとは本来気品に溢れ、慎ましやかでなくてはいけないのに、何であんな甘えた声で媚びを売る必要があるんだ!?おかしいだろうに!!」
リベルテ以外のギャラリーは全員お、おう・・・といった風に固まってしまった
「ごめん、熱くなりすぎた・・・確かにアリアの言い分もわかる、思春期真っ盛りの男子高校生が同い年の女の子をメイドにしているとか、変態的だなと俺自身も思う、でも俺は私生活もだらしないし取り柄と言えばコーヒーと料理の腕前くらいだ、だからリベルテには俺の身の回りの世話をしてほしかったんだ、それで大好きなメイドという選択肢が頭に浮かんだんだ」
アリアはあっけにとられたまま、口をあけて俺を見ていた
「じゃあ俺たちはこれでお
あっけにとられた二人を置き去りにしたまま、俺たちは自分のマンションに戻った
ちなみにその後白雪さんが来て修羅場になっていたと聞いて、早めに帰ってよかったと思う俺だった
次の日、昨日のチャリジャックなんてまるでうたかたの幻にでも消えてしまったかのようにいつもどおりの日常は刻々と過ぎている、それはまるで嵐の前の静けさのように、そして夜明け前の暗闇のように何か嫌な予感がするような、しかしそうでもないようなもどかしい日々
その中でも俺はいつもどおり強襲科の授業を受けている、実践的なものから基本的なものまで、ありとあらゆる戦略、戦術がここで学べる、ただ学べばいいというものでもなければ、知識がなくてもいいというわけでもない、チカラとは誤った使い方をすればその身を滅ぼすだけでなく、周りの大事な人までもを失いかねないのだから
「これより、2on2による模擬戦を行う、男女関わらずペアになり、それぞれ戦闘を始めろ」
強襲科実戦実習担当の教師が体育館という音の響きやすい建物の中でも容赦なく大声を上げる。
周りが一斉にペアを探す中、俺一人だけポツンと取り残される、これはもう慣れっこなのだが、去年なら遠山が相手をしてくれたのになと思いつつ、素振りをしてもいいかどうか聞くために担当の教師のところへ行こうとしたとき
「刃終、アタシと勝負しない?」
ピンクの悪魔は現れた
体操服に身を包んでも主張を忘れない長いツインテール、そしておそらく本人はチャームポイントと思っているでろう広くさらされたニキビや肌荒れ一つもない綺麗な
その整った顔に見つめられながら俺は実質勝負を仕掛けられている、売られた喧嘩は買うのが俺の主義なのでこの勝負は成立することとなる
「おい見ろよ、刃終と神崎が戦りあうってよ」
「まじかよ・・・
そう、自慢じゃないがここ東京武偵高強襲科、通称明日なき学科、そこで俺のランクはS、最高ランクである
「さぁ、銃を抜きなさい!!容赦しないわよ!!」
「悪いけど
そういって体育館の端っこに立てかけておいた俺の相棒を小走りで取りに行く
「俺に必要なのは、コイツだけだ」
俺の背丈ぐらいあるんではないだろうかというほどの巨大な大太刀、俺の相棒、血刀『焔』ちなみに血刀と付いているが人を斬ったことはない、
「銃はどうするのよ!?」
「そんなの必要ないだろ?」
俺は何言ってんだ?という風にケロッとしているが対するアリアは意味が分からないという風に口を開けている、おいおい、女の子がそう何回も男の前で口を開けるんじゃないよ全く
ただアリアの言いたいことはわかる、犯罪者の多くは銃を持っていて、こちらも銃火器で応戦しなければハチの巣にされることは明確だ、だが俺の場合本当に銃が必要ないというか、絶望的に銃と体質が合わないのだ、銃を撃とうとして弾詰まりを引き起こしたこと53回、不発になって危うく暴発しそうになったこと12回とこのように全く銃から愛されていないのだ、悲しいことに
「もうどうなっても・・・知らないんだから!!」
アリアは考えるのをやめたのか、二丁のガバメントを俺に向けて連射してくる、それに対して俺は腰を低く低くし、そして―――
全力でアリアに向かって突進した、無論ただの突進ではない、居合の構えでアリアに向かって行っている、つまりこれは
「こ・・・のっ!!」
「どこにしまってた?その刀・・・?」
「武偵は備えてなんぼでしょうがっ!」
バチバチと火花が俺とアリアの間で走っている、それはまるで映画やアニメのワンシーンのようだ
「邪魔だなぁ・・・」
「ヒッ・・・?」
俺がドスの利いた低い声で短く言う、ダメだ・・・また、
俺の声に少しおびえたアリアは腕から少し力が抜け、俺が押し切る形になった、体制の崩れたアリアの小さいからだにすかさず蹴りを入れ、遠くまで蹴り飛ばす、受け身を取ったアリアが俺よりも速く動けるはずもなく、首を落とすわけにもいかないので、すんでのところで刃を止めた
「チェックメイトだ」
「・・・アタシの負けよ」
オオォオォォォォォォ!!!!
その時観戦していたギャラリーから盛大な歓声が体育館中に轟いた、さっきも言ったが体育館はよく音が響くのでこの歓声は耳が痛い
と、こうして二年生になっての初戦とアリアとの一騎打ちを終えた俺だった。