波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず

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突然変異!!

 俺たちは元康に頼んで、ポータルでメルロマルク城下町まで訪れた。

 クソヴィッチは不服そうだが、実際見つけられていないので仕方ないのだろう。

 

「で、足をここで調達って言っていたな」

「ああ、俺とレイファが管理しているフィロリアルを待たせてある」

 

 フィロリアル舎に入ると、騒然としていた。

 何を騒然としているんだ……? 

 

「ソソソソ、ソースケ!!」

 

 先にフィロリアル舎に入っていたレイファが慌てて飛び出してきた。

 

「ラヴァイトが! ラヴァイトが!」

「……ラヴァイトがどうした?」

 

 嫌な予感がする。

 いや、だが、オーナー登録はしていなかったはずだ! 

 そんな事は……。

 

「ラヴァイトがフィーロちゃんみたいになっちゃった!」

 

 ははははは、面白いことになったな血濡れの勇者! ラヴァイトなんてフィロリアルがフィロリアルクイーンあるいはキングになるなんて、物語には出てこないぞ! 

 爆笑している竜帝のカケラは置いておいて、想定外であったのは確かだ。

 

「クエー!」

 

 そこには、まん丸になった……ライトグレーのフィロリアルキングの姿になったラヴァイトがいた。

 

「レイファ、俺、別にオーナー登録してなかったよな……?」

「え、私と一緒にしてたよ!」

「えっ?!」

 

 ステータス魔法で確認すると、使役魔物の項目にラヴァイトの名前が記載されていた。

 

「あの時、ボンヤリしてたから覚えてなかったんだ! ソースケも一緒にって魔物商の人にもお願いしたんだよ!」

「あれ、そうだっけ……?」

「クエークエー!」

「えっ、なんで?!」

 

 一番驚いていたのは、元康だった。

 

「俺のフレオンちゃんはフィロリアルクイーンになれずに死んだのに!」

 

 あー……。

 フレオンちゃんって確か今は鳥臭いから嫌と言って付いてきていない、ヴィッチが殺したんだっけか。

 

「あー、その、ご愁傷様」

「聞いてくれるか! 宗介!」

 

 ガシィっと俺の両手を取って、元康が涙ながらに話し始めた。

 

「つい昨日の事だったんだ。フレオンちゃんを城のフィロリアル舎で育て出してちょうど一週間だったんだ」

 

 あー、うん、やり直しの証言とも合致するな。

 

「尚文が連れている天使ちゃん! フィーロって言うんだけど、尚文曰くフィロリアルを勇者が育てるとあんな可愛い天使ちゃんになるって聞いて、育てていたんだ!」

 

 お前天使萌えだもんなー。

 

「だけど、昨日! 成鳥になったばかりのフレオンちゃんが苦しみ出して……」

 

 逝ってしまったと。

 ふむ、【槍の勇者のやり直し】で語られている通りだな。喜べ血塗れの勇者よ。と、竜帝のカケラがうるさい。

 黙れ! 

 

「そこで、尚文がメルティ王女を騎士たちを殺害して誘拐したと聞いて許せなかったんだ! 俺を騙しやがって……!」

 

 しかし、コイツ感情表現が豊かだな。百面相とはこう言う事か。

 

「……まあ、ラヴァイトはそもそも成鳥だったし、そう言うこともあるんじゃ無いのか? 他のフィロリアルで試してみたら良いんじゃないのか?」

「……そうだな。確かにこう言うのはトライアンドエラーだしな。ありがとう、試してみるよ!」

 

 元康があっという間に元気になった。

 うーん、良かったのか? 

 ははははは、改変するつもりがないと言いつつ改変してしまう血塗れの勇者! やはり面白いな。と竜帝のカケラが笑う。

 ちくしょう! 反論できない! 

 

「とにかく、フィロリアルキングに進化してしまったラヴァイトはどうしようもないか。……はぁ」

「クエー♪」

 

 て言う事は、ラヴァイトも中二病になるのか、と不安に思いつつ、俺は足をゲットしたのだった。

 恐らく、俺が投擲具のカースを発動させたことに伴い、投擲具が俺を所有者と認めてしまったのだろう。

 強化方法はロックされたままだが、勇者のパッシブスキルが使えるし、勇者武器が任意装備となっている点は尖兵の技能だろうけどな。

 基本的に元康のパーティはポータルで移動するらしいので、ここでお別れとなった。

 俺たちはラヴァイトに乗って移動するためだ。

 ちなみに俺の武器であるが、呪いの武器化しているらしく厳重に保管・封印されており、使用は認められないと言う事だった。

 なので、武器屋の親父さんの店に寄り、武器を調達する。

 

「いらっしゃい。あんちゃん。色々大変そうだな」

 

 第一声に察してくれたこの人はやはりいい人である。

 

「いや、まあ、まだ大変な状況は変わらないんだけれどな」

「そうかい。で、今日は何の用だい? 武器をでも没収されたか?」

「その通りだ。とりあえず、剣と弓が欲しい」

「急ぎの用事っぽいからな。出来合いのものだが、あんちゃんが扱えそうな奴を見繕ってやるよ。盾のアンちゃんのおかげで色々とインスピレーションが湧いて色々作ってたしな」

 

 そう言って、剣とクロスボウを取り出す親父さん。

 流石に没収されたものレベルでは無いが、良いものだ。

 兵士用の剣に比べてしっくりくる。

 

「相変わらず良い仕事するなぁ」

「そんなに褒めても何も出ないぞ?」

 

 クロスボウも、カスタマイズした俺のものに比べたら装填速度は若干劣るが扱いやすい。

 俺は早速料金を支払う。防具に関しては、この兵士の鎧で十分かな。

 

「まいど! あんちゃん防具はそのままでいいのかい?」

「ああ、ラヴァイトがえーっと、フィーロ化してしまったんでな。それで結構お金が出て行ったんだよ」

「なるほどねぇ。じゃあ、ツケで良いぜ。その防具、あんちゃんに合ってないだろ。ちょいと調整してやるよ」

「え、良いのか?」

「もちろんだ。その代わり、盾のアンちゃんをよろしくな」

 

 という事で、メルロマルク兵士の鎧はカスタマイズされて帰ってきた。

 元がメルロマルク兵士の鎧であることが辛うじてわかる程度で、大胆なカスタマイズが施されている。

 何というか、RPGに登場する主役級イケメン戦士っぽい感じだ。

 勇者スキルの鑑定で見ると、

 

ライトアーマー

速度上昇 格闘威力上昇

 

 と、接近戦時の俺の戦い方がわかっているかのようなスキルが付与されていた。

 

「え、実施オーダーメイドレベルじゃ無いか!」

「色々作ったって言っただろ? 盾のアンちゃんほどでは無いが、贔屓にしてくれているんだ。それぐらいだったらサービスするぜ」

 

 なんだこの人は、腕がよすぎだろう! 

 

「ま、ツケは早めに返してくれよ。次の武器の新調の時で構わねえからさ」

「ありがとう!」

 

 俺は素直に礼を言う。

 これなら、百人力だ! 

 そんな感じで、新しい武器と鎧を入手した俺は、ライシェルさんとアーシャと、フィロリアルキング化したラヴァイトとともにメルロマルク城下町から北東に向かって出発したのだった。




ラヴァイトが成長を始めた段階は、宗介の想定通り、カースに目覚めた段階です。
また、ソースケはあと3つまでならば通常の武器も使えます。
尖兵特権のチートですね。
あまり、投擲具は使いたがりませんが。

マッスルショタ…やはりビィくん!

ラヴァイトの人化形態はどういう感じになりそう?

  • ショタ!素直!
  • イケメン!厨二!
  • マッスル!豪胆!

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