波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず

110 / 152
うーん、尚文の奴どこにいやがる……?

 私達は北東の国境沿いの関所に居た。

 色々な情報から、盾の勇者様がこの近くにいるのは間違いないと言う事から、勇者様方が集められていた。

 

 そんな中、私は剣の勇者様とお話しする機会があった。

 

「レイファ、と言ったな。俺は剣の勇者である天木錬だ」

「は、はあ。剣の勇者様ですね。どうかされましたか?」

「その、宗介について話がしたいんだが、時間あるか?」

 

 剣の勇者様にそう言われて、私はうなづいた。

 

「さて、お前に聞きたいのは、宗介の事についてだ」

 

 案内された天幕で、私は剣の勇者様と向かい合っていた。

 

「そ、そのなんだ。宗介とはどういう関係なんだ?」

「……家族であり、恋人……だったらいいなぁ……。こほん、お互いに大切な人です」

 

 少しだけ私の願望もあるけれど、それでもソースケが私を大切にしてくれているのはわかる。

 

「……そうか。他に何か聞いていないか?」

「他にと言いますと……?」

「アイツが強くなった理由だ。どこでチートを身につけたのか気になってな」

「ちぃと??」

 

 私が疑問に思っていると、剣の勇者様は咳払いをする。

 

「いや、すまない。アイツの強さはそれなりに見てきたし、頼れる奴だとは思っている。だが、波の時にアイツに負けた。俺だって強くなる努力はしてきたつもりだった。だから、宗介の事を一番理解しているアンタに話を聞きたかったんだ!」

「……ソースケは強く無いですよ」

「……?」

 

 そう、宗介は強くなんか無い。

 確かに、鍛え上げてきた実力は折り紙つきだろうけれども……。

 

「たぶん、勇者様の欲している力と、ソースケの力は異なるものだと思います。きっと、ソースケの力は信頼できる人、愛している人がいるから、強いんだと思います!」

 

 いつだって、ソースケは私を守るために一生懸命だった。

 だからこそ、命を狙われても戦ってこれたし、強くなってきたんだと思う。

 だけれども、心は無敵では無いのだ。

 

「……わからないな。一緒に戦ってくれる奴なら俺にだっている。それよりも、あのチート武器をどうやって手に入れたのかが知りたい」

 

 チート武器と言うのは、あの竜を象った恐ろしい呪いの武器の事だろうか? 

 

「……私が入ったほうがよさそうね」

 

 天幕の近くで待機していたリノアさんが話に入ってきた。

 

「お前が知っているのか?」

「ええ、アレは、勇者様の剣よりも弱い七星武器の投擲具よ」

「しちせいぶき?」

 

 どうやら、剣の勇者様は七星武器について知らない様子であった。

 

「そう。外伝の勇者の武器とも呼ばれる、7つの武器を指すわ。異世界から召喚された人や、実力のある冒険者が武器に選ばれるとなることができるの。勇者なのにそんなことも知らないの?」

「ブレイブスターオンラインではあまり人気じゃ無い武器だったな。斧や鞭みたいなわかりやすい武器はそれなりに人気があったはずだ」

 

 私とリノアさんは言っている意味がわからずに首を捻ってしまう。

 

「ぶれいぶすたぁ?」「おんらいん?」

「ああ、と言っても、NPCにはわからないか。仕方ない」

 

 剣の勇者様はそう言うと、ため息をついて自分の推測を語り出した。

 

「つまり、宗介は投擲具の武器を使うプレイヤーだったんだな。しかも、途中から武器を入手したのか? 俺とともに戦っているときは使っていなかったから、強制離脱させられた後に入手したのか? だが、最初から武器を使っていた俺たちに比べて、宗介は圧倒的に強かった。やはりチートか? 宗介に会ったら、直接聞いてみたほうが早いか……」

 

 なんか、勝手に自己完結してしまっている気がする。

 弓の勇者ほどひどくは無いけれども、この勇者様も何か問題を抱えている気がした。

 

「尚文もチートを使っていたし、どこかで入手できるか、チートコードが存在するのか? ……どちらにしても、宗介から直接聞き出したほうが早いな」

 

 剣の勇者様はそう言うと立ちあがり、何も言わずに天幕から出て行ってしまった。

 

「……感じの悪い勇者様ね、剣の勇者様って。一番マシなのが盾の勇者様と槍の勇者様って感じね。まあ、性悪女がいる時点でマトモなのは盾の勇者様だけれど」

「あははー……」

 

 それにしても、剣の勇者様はよくわからないことを話す勇者様だ。

 ただ、剣の勇者様が目指す強さはきっと、今の剣の勇者様ではたどり着けないだろうなと感じた。

 彼にはきっと、信頼できる仲間なんていないのだ。

 きっと、あの呪いの武器を使わなくても、剣の勇者様よりもソースケが強いなと、私は改めて確信したのだった。

 

「なるほどね。こりゃメルロマルクも勇者を外には出せないわよねぇ。さすがにソースケよりも弱いんじゃ、外に出してもどうしようもないわね」

 

 リノアさんは呆れながらそう言った。




次回は原作に一部改変が入る感じかな?
宗介の出番はないです。


各勇者の評価
宗介:尚文>>錬>>>>元康>>>>|超えられない壁|>>>樹
レイファ:尚文>>>元康>錬>>>>|超えられない壁|>>>樹
リノア:尚文>元康>>>錬>>>>|超えられない壁|>>>樹
アーシャ:宗介以外不要
ライシェル:錬>元康=>尚文>>>>>樹

 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。