波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず

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武器の強化??????


『三千大千天魔王』

 翌日、俺は武器屋の親父さんの店に来ていた。

 新しい武器を作ってもらう目的もあるし、この呪具を鑑定してもらうためでもある。

 

「お、あんちゃん、いらっしゃい。色々大変だったな」

 

 どうやら俺の噂は耳にしている様子だった。

 

「ああ、盾の勇者様が目覚めるまでは自由時間だ」

「盾のアンちゃんも大変だな。で、何の用だ? 防具でも新調するか? 勇者様ってのはその武器以外を装備できないんだろ?」

 

 よく知っているなぁ。

 まあ、まだ波の尖兵としての能力は残っているんで、出したり引っ込めたりはできるから俺は装備できるんだがな。

 

「ああ、新しい槍と、この呪具の鑑定をして欲しいんだよね」

 

 俺はそう言って、無骨を机の上に置いた。

 どうやら俺が所持したことによりある程度制御はできるようで、今はその呪いが発動していないらしい。便利なことで。

 

「なんだそりゃ? どれどれ、見てやろうじゃ無いか」

 

 親父さんはそう言うと、鑑定を行う。

 

「ふむふむ、なるほどね。盾のアンちゃんの宝石ほどでは無いが、よくわからない代物だな。オーパーツの塊のように感じる。特定の人物以外が持つと呪われる代物……? っておい、なんでそんな危険なものを持ってるんだよ!」

 

 どんっと呪具を机に置く。

 

「俺が呪う相手自体は制御できるっぽいからな。大丈夫だぞ」

「……まったく、盾のアンちゃんと言いあんちゃんと言い、難題を持ってくる天才だな」

「親父さんの腕を信頼しているからな」

「……そう言われたら、ま、何も言えないんだがよ」

 

 親父さんが鑑定を続行する。

 

「見たこともない材質だが、かすかにうちで扱っている比率の魔法鉄が使われているな。それに、隕鉄も混じっている。あんちゃん、もしかしてこれって……」

「ああ、どうやら俺の人間無骨が元になって出来たものらしい」

 

 それを聞いて驚きの表情をする親父さん。

 

「……どうやったらこんなになるんだよ」

「うーん、それで人間を何百人も斬り殺したからか?」

「……あんちゃん、戦争でもやっているのか? 俺の武器で何百人も斬り殺しただなんて聞きたくなかったよ」

「すまない。一応、止むに止まれぬ事情があるにはある」

 

 主に襲ってくるやつを後腐れなく切り飛ばしていたり、魂の腐った奴の首を刎ねていただけだが。

 

「《首刈り》は嬉々として人の首を刎ねる怪物だと噂されているんだがな。あんちゃんみたいなのがねぇ……」

「今後はもう、そこまで殺すことはないと思うから安心してくれよ」

 

 親父さんはため息をつく。

 

「ま、あんちゃんとは長い付き合いだし、悪い奴じゃない事は分かっている。武器は所詮武器だ。今は平時だから波の魔物に対して使われるが、戦争の時は人を殺すのに使われるからな」

 

 親父さんはそう言って、目の前で工具を出していじり始めた。

 

「あー、こいつは少し改造できそうだな。少し弄らせてもらうから、少し待ってろ」

「お任せするよ」

 

 と、そんな感じで改造された結果、黒い箱に宝石をはめる穴が7個空いたものが完成された。

 

「よしよし。だいたいこんな感じだな。これで呪いとかの制御がしやすくなったはずだぜ。まあ、あまり使わない方がいいのは確かだがな」

 

 渡された呪具は、さっきよりもすっきりとまとまった感じがする。

 鑑定を行うと、見えなかったスキルが見える。

 

特殊技能……防御無視、無敵貫通、一撃必殺、高次予測、因果律攻撃、概念攻撃、並行世界攻撃

専用効果……ブラッドチャージ(0/100)

必殺技能……「傲慢」、「嫉妬」、「憤怒」ラースオブハーム、「怠惰」、「強欲」、「暴食」、「色欲」

この装備は菊池宗介専用です。他の人物が武器として使用した際、複数の呪いが発動します。必殺技能はブラッドチャージが全て溜まっている時に発動するスキルです。

発動呪詛……最大HP1、最大MP1、呪いダメージ、回復効果1%、視界制御、暴走、認識障害、沈黙

 

 魔神パワーかな? 

 グレーアウトしているのは今は使えないという事だろうか? 

 確実に対女神用の殺戮兵器ではないだろうか? 

 てか、なにこれ。

 俺以外が使うと発動する呪いも凶悪なものばかりを併発するようだ。

 なにこれ??? 

 

「……これ、対人用?」

「いや、人間に使っちゃダメだろこれ」

 

 まったくだ。どう考えても、対女神、対波の尖兵用やん。

 金剛寺とかにも使えるかもな。

 

「名前は、三千大千天魔王とかどうかな? 森くんって信長の家臣だし、神を殺しそうだし」

「いいんじゃ無いか? どっちみちお前さん専用だ。好きにするといいさ」

 

 俺が握ると、赤い宝石が穴に出現した。

 憤怒を解放した証だろうか? 

 

「うぅ……こんな禍々しい呪具なんて封印した方がいいだろ……」

 

 俺はそう呟いて、ガックリする。

 いや、なんであれはどうしてこうなったし。

 

「ま、あんちゃんが死ぬ前になんとかすればいいんじゃ無いか? 幸い、それはどう見ても武器には見えないしな」

 

 と言うわけで、俺は新しい槍の発注と、女神を倒すための呪具を手に入れたのだった。




名前の元ネタは魔王信長の宝具です。
能力の元ネタはマジンガーZEROの魔神パワーです。

最凶最悪の呪殺兵器が出現しました。
ちなみに、親父さんの改造のお陰で見やすくなっただけで、改造する前と能力もスキルも変化していないです。
HP1、MP1の効果で血を吸っているように見え、呪詛のスリップダメージで殺す感じです。

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