波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず@現在新作小説執筆中

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同士討ち

 ライシェル達はグリフィンのアシェルと、化け狐のトゥリナと戦闘を行なっていた。

 トゥリナはライシェルとアーシャが、アシェルはラヴァイトとレイファ、リノアが対応していた。

 

「ぐっ!」

「ふふふ、わらわの術が盾如きに防がれる筈がなかろう!」

「行きます!」

「ふふふ、それは幻覚じゃ」

 

 ライシェルとアーシャは苦戦していた。

 トゥリナの幻術は現実と幻の境界をぼやけさせ、アーシャはライシェルを攻撃しようとするし、ライシェルはすかさずそれを防ぐ。

 完全に同士討ち状態に陥っていた。

 どちらもダメージが無いのは、互いの技量が高いため偶然ではあるが噛み合わせよく互いの攻撃を回避できていただけにすぎない。

 アーシャはライシェルを、ライシェルはアーシャをトゥリナと思いこまされていた。

 

 一方、ラヴァイトはグリフィン形態になったアシェルと戦っていた。

 空中戦ができるわけでないラヴァイトはレイファを載せて走り回る。

 レイファは隙を見て、魔法を発動させてアシェルに攻撃するも、ヒラリと回避されてしまう。

 リノアもブーメランを投げて攻撃するが、アシェルは羽ばたいて風を起こしてブーメランの起動を変えてしまう。

 

「ああ、もう! どうやったら倒せるのよ!」

 

 リノアは悪態をつきつつも、ブーメランを投擲する。

 アシェルのターゲットは完全にラヴァイト及びそれに騎乗しているレイファに固定されており、リノアの事は歯牙にもかけていないが、攻撃だけはついでと言わんばかりに余裕で回避する。

 

「チクショウ! オイラの攻撃がかすりもしないなんて……!」

「フィロリアル如きの攻撃をくらってたまるか! 絶滅しろ! フィロリアル!」

 

 執拗に狙ってくるアシェルに、なんとか攻撃を受けないように回避し続けるラヴァイト。

 やはり、圧倒的なのはレベルの差だった。

 詰将棋のようにジリジリと追い詰められるラヴァイト達に、リノアは戦況を見極める。

 

「レイファ!」

「何ですか?」

 

 リノアはラヴァイトを魔法で支援しているレイファに声をかける。

 さすがにレイファが乗ったままの戦いはラヴァイトが難しかったので、どさくさに紛れて降ろしたのだ。

 

「龍脈法の魔法って、結構応用が効くのよね?」

「はい、できますけど……」

「私たちの目的は戦場からの離脱。だからあいつらを倒す必要はないはずよ」

 

 レイファは「確かに」と、リノアの話を聞く。

 

「あのグリフィン、風の魔法でどうにか出来ないかしら? アイツ、空を飛んでるから墜落させることができるんじゃ無いかなって」

「うーん、難しいと思いますけど……。グリフィンって空の王者ですし」

「だからこそよ! このままじゃあ地上から攻撃するしか無いラヴァイトが負けちゃうわ。何かできることやらないと!」

「……わかりました、やってみます」

 

 レイファはうなづくと、魔法を唱え始めた。

 

「我、レイファ=アーティモンドが天に命じ、地に命じ、理を切除し、繋げ、膿みを吐き出させよう。風よ、荒れ狂い空を飛ぶ者から翼を奪え!」

「竜巻・風龍迅!」

 

 レイファの魔力をきっかけにして、空中に風が集いだす。そしてあっという間に空中におおきな空気の渦が発生した。

 

「なっ?! うわあああああぁぁぁぁぁあああぁあぁぁ!!!」

 

 アシェルは突如発生した風の渦に巻き込まれる。

 龍脈法を使った魔法は、レイファの思っていた以上に巨大な竜巻を発生させてしまい、レイファが一番驚きの表情をしていた。

 

「やるじゃ無い! それにしても凄まじい風ね!」

「う、うん。想定以上です……!」

 

 上空まで吹き飛ばされたアシェルは、その乱気流に乗ることができずに舞い上がる。

 

「チッ! アシェルの奴、下手をこいてしまうとは情けないのう!」

 

 トゥリナはそう舌打ちをすると、敵意をレイファ達にも向ける。

 

「ふむ、面倒な魔法使いから無力化するのが一番か」

 

 トゥリナはそう言うと、指を鳴らす。

 すると、今まで同士討ちしていたライシェルとアーシャがレイファ達の方を向いた。

 そして、レイファ達に襲いかかる。

 

「この! 狐め!」

「分身をするとは面妖な!」

 

 二人とも完全に幻術にかかってしまっているようだった。

 

「ちょっと! チッ!」

 

 リノアはレイファに襲いかかる二人相手に前に出る。

 ラヴァイトもレイファを守るためにマッチョになってライシェルを食い止める。

 

「やー!」

「目を覚ましなさいよ!」

「邪魔をするな! グリフィンの女!」

 

 ライシェルとラヴァイト、アーシャとリノアとの戦いが始まってしまう。

 レイファは戦闘自体は魔法以外できないので、戦闘職の二人に近づかれたらアウトだった。

 レイファは少し考えると、覚悟を決めてリノアにこう言った。

 

「リノア! 二人を抑えててください! 私、魔法でなんとかしてみます!」

「レイファ?! ……わかったわ! なんとか抑えてみるわ!」

 

 リノアはレイファの提案にうなづくと、ブーメランを構える。

 

「どうするの?」

「幻術は光と闇の属性の魔法です! 視覚、聴覚が狂わされているから、そこをなんとかします!」

「詳しいわね! わかったわ!」

「解除するには接触した方がいいので、お願いします!」

 

 リノアはうなづくと、アーシャを無力化するために動き出した。




遅くなりました。
新キャラは出さないことにしました。
と言うかこのタイミングで出してもなっと思ったので、先延ばしです。
決着したら霊亀編に入ると思います!

アニメ2期楽しみですね!
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