波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず@現在新作小説執筆中

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元康参上!(惨状)

 俺たちの作戦はこうだ。

 元康達が騒いでいる中を、俺だけ隠れて検問をやり過ごす。

 ライシェルさんならばそもそもメルロマルクの騎士という立場もあるし、正直俺やアーシャについてこなければ普通に国境を抜けられるだろうからだ。

 

「正直、うまくいくなんて思っちゃいないけどね」

 

 俺の提案だけれども、ぶっちゃけ成功率はかなり低いと思っていた。

 大抵の物語に置いて、こういう場面で失敗しないはずがないからだった。

 

「だが、その方法しか無いだろうな。何せ槍の勇者様の来訪と言う、一大イベントだ。悪いが指名手配犯が逃げ出すにはいいタイミングだと思う。やるだけやってみて損はないと思うぞ?」

 

 ライシェルさんはそう言って、同意してくれる。

 まあ、あそこで元康が捕まっているのも、俺たちに対する警戒に元康が引っかかったからだと思われる。

 それに、やってみないことにはわからないだろう。

 

「ラヴァイト。普通のフィロリアルモードに変身できるか?」

「うん、できるよー」

「なら、フィロリアルモードで馬車を引いてもらっていいか?」

「うん、わかったー」

 

 フィロリアルの馬車に偽装した俺たちは、早速国境に向かう。

 俺とアーシャは隠れ、ライシェルさんとレイファとリノアが表に出ていた。

 

「すまないが、通してもらっても構わないかな?」

 

 ライシェルさんが流暢なウォーレン語で見張りの兵士に尋ねる。

 ほとんどの兵士は、元康の説得に当たっているようで、こっちの関所は人数が少なかった。

 

「こんな時によく通ろうと思いますね?」

「こんな時とは?」

「国内で偽勇者が現れたんですよ。それに、今は槍の勇者様がいらしてらっしゃる。それで色々とごたついててですね」

「なるほど。ならば、メルロマルク女王陛下にお伝えせねばなりますまい」

「……ふむ。確かにあんたはメルロマルクの騎士のようだ。こんなウォーレンまで任務で来ていたのか」

「ええ、偽勇者に逃げられたので、追跡をと思いましたが、メルロマルク国民が人質として連れられていたので、そちらの救助を優先したのです」

 

 このライシェルさん、なかなかに口が回る。

 様子は見えないが、うまく抜けられそうだ。

 

「なるほど。じゃあ、とりあえずは荷物を改めさせて貰いますかね」

「ええ、構いませんよ」

 

 兵士たちが馬車の荷台の確認に入った音が聞こえる。

 俺とアーシャは息を潜め、気配を殺した。

 ガタガタと物を移動する音が聞こえ、しばらくすると何もないことを確認した兵士たちが降りていく足音が聞こえた。

 

「よし、怪しいものは特になかった。通ってよし」

「ありがとうございます」

 

 こうして、ライシェルさんが馬車を動かし出すのと同時に、嫌な声が聞こえてきた。

 

「あれ? レイファちゃんじゃん!」

 

 元康の声だった。

 

「げっ! 槍の勇者!」

「な、なんでこっちに……?」

 

 外で一体何が起きているのか、様子をうかがうことができないが、どうやら余計な奴が余計な事に気がついたようだった。

 

「あれ? 宗介は居ないのか?」

「ソースケくんはどこかに逃げてしまってな……」

「逃げた? そこにいるのにか?」

「!」

 

 そして、余計な事に気がついた奴は、俺たちがいる場所を指さしたらしい。

 俺たちは慌てて馬車の床から飛び出ると、すぐさまライシェルさんに指示をする。

 

「急いで出してくれ!」

「了解!」

「いっくよー!」

 

 ラヴァイトはボフンとフィロリアルキングの姿に戻り、駆け始める。

 

「なっ!」

「槍の勇者様! 奴は偽勇者でございます! あの一行を逃してはなりません!」

「急ぎの用事があるが、乗り掛けの船だな、仕方がない!」

「エイミングランサー!」

 

 元康がホームングスキルを放つ。

 絶対必中の槍が、ロックオンをした俺を狙う! 

 

「コォォォォォォォォォォォォ……」

 

 俺は、合気道をするための呼吸を整える。

 そして、飛んでくる槍を手を沿わせる。

 

「!」

 

 違う! この槍は俺を狙っては居ない! 

 触った瞬間に、俺はこのエイミングランサーの標的に気がついた。

 

「ちぃっ!」

 

 俺は軌道を変える。

 だが、しかし、本当の狙いであるライシェルさんに命中するのは逃れたが、それた先にラヴァイトの左足があった! 

 

「痛ああぁい!!」

 

 流石に、ラヴァイトはフィーロほど強くはない。

 盾の勇者の成長補正も無いラヴァイトは、明らかにフィーロよりも弱いのだ! 

 ラヴァイトが盛大に転けると同時に、俺たちの載っている馬車も転倒する。

 

「「きゃああああああ!!」」

「のわぁ!!」

 

 俺は咄嗟に馬車を脱出する。

 リノアとレイファを抱えてだ。

 ライシェルさんは落馬するが、その鎧のおかげか無事なようだった。

 そして、アーシャも普通に脱出していた。

 ズサァ! 

 足元に土煙が上がる。

 

「ラヴァイト!」

 

 レイファはラヴァイトの元に急いで駆け寄る。

 

「少し狙いは逸れたが、ナイスゥ!」

「流石元康様ですわ!」

 

 誇らしげに槍を掲げる元康に、クソビッチどもが追いつく。

 その見た目は、長距離移動のためか若干疲れたように見えた。




とりあえず、結末までお付き合いください!

水曜日更新分なんで、書き上がった今投稿しますね!

最終章は盾の勇者が加勢する?

  • 加勢する!
  • オリキャラだけでやれ
  • 作者に任せる
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