波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず@現在新作小説執筆中

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霊亀国:リングィー到着

 ついに霊亀国まで到着してしまった。

 ため息しか出ない。全くもってやれやれって気分だった。道中ビッチに悩まされた点も含めてな! 

 霊亀国はウォーレンと同じ文化圏で、まさに古代中国って感じの国だった。

 霊亀国と言うが、正確に言うならばリングィーと言うのが正しい国名だ。

 勇者武器なら翻訳で『霊亀国』と聞こえるのだろうが、翻訳機能を無くした俺にはそう聞こえる。

 メルロマルクとは完全に言葉が異なるが、人間共通語も使える人は普通にいるので、会話にはそこまで困りはしなかった。

 

 俺たちの扱いは、槍の勇者の仲間一向と言う扱いなおかげで、悪い扱いを受けることはなかった。

 俺としては表に出るべきではないと思い、ほとんど前に出ることはなかったけれどね。

 

「よーい、ようやく着いたぞ」

 

 元康の声が聞こえた。

 俺はラヴァイトが止まってから、馬車から降りる。

 

「ここが、霊亀の封印の一つなのか?」

「ああ、とは言っても、簡単なダンジョンを攻略する必要があるけれどな」

 

 見た感じ、ダンジョンと言うのは森のダンジョンと言う奴だった。

 この奥に、封印の祠があるらしい。というのは元康の言だ。

 

「本当に、あの霊亀のしもべ、だったかしら? あの化け物をなんとかできるの?」

「元康様の言葉を疑うのかしら? 亜人風情が!」

「「そうよそうよ!」」

 

 リノアの疑問に煩い取り巻き。

 道中誰かさんのように売られる可能性もあったので、俺はリノアとレイファから目を離さないようにしていた。

 もちろん、ライシェルさんにも情報は共有済みで、半信半疑だったが、一度リノアが売られかけて抵抗したと言う事件があってから、ライシェルさんと二人係でガッチリガードしている。

 まあ、ビッチはシラを切っていたが。証拠も不十分だったしね。

 なので、リノアもかなり警戒していた。

 

 ちなみに、レイファはラヴァイトがいつもそばにいるのでビッチに近づく隙がないし、アーシャはそもそも論外だったようだ。

 

「黙れクソビッチ!」

「……ッチ」

 

 俺が睨むと、ビッチは舌打ちをする。

 

「まあまあ。とりあえず、この先のダンジョンを攻略するぞ。霊亀のしもべ系統の魔物がかなり出てくるけど、まあ、俺に任せておけば大丈夫さ!」

 

 基本的に、元康は道中のほとんど全ての魔物を一人で倒してしまっていた。

 霊亀のしもべも、基本的に絶対に自分のメンバーはもちろんのことリノアやレイファすら手出しをさせないように上手くタゲを自分に集中させていたし、そう言うところはさすが勇者っぽいなと思うところではあった。

 俺は『気』の使い方の練習で、適当に合気道と併用して敵を撃破していたけれどね。

 

「……まあ良いわ。元康様、ダンジョンは私たちだけで攻略しましょう?」

「それでも余裕だからなぁ。ただまあ、宗介とアーシャちゃんがいれば、もっと楽に攻略できる! ライシェルのおっさんは二人と一緒に馬を見張っておいてもらえないか?」

「私は構わないが、ソースケくん?」

「勇者様に従おう」

 

 俺は元康の提案に乗ることにした。

 逃げるチャンスではあるが、俺も正直力を持て余していたところだった。

 元康のおこぼれの処理だけじゃあ、正直修行にならなかったのは事実だった。

 俺が肩をすくめてそう答えると、ライシェルさんは「わかった」とうなづいてくれる。

 

「わかったわ。正直、あのお姫様と一緒にいるのは嫌だったし、ちょうどよかったわ」

「うん、あまり良い感じがしないものね。ソースケも気をつけてね?」

「ああ、と言っても、これから超危険生物の封印を解くんだ。危険を感じたら俺たちを置いてすぐに逃げてくれよ」

「ソースケくんやアーシャ殿を置いてか?」

 

 俺はうなづく。

 

「俺とアーシャなら、大抵の危険は問題ないからな。レイファとリノアは守りが専門のライシェルさんのそばにいた方がいいだろう。ラヴァイトと一緒に任せた」

「ああ、任された」

 

 ライシェルさんはうなづいてくれた。

 

『おい、俺は知っているが、この世界の連中は霊亀に関して無知なんだな』

 

 我も知らぬからな。

 まあ、魂を集めるための装置だ。

 封印を解こうとしている勇者どもの気がしれんが、少なくともうぇぶ版? だったか? その程度の規模の災厄ならば普通に起きることだろう。

 

『ま、そうだな。とは言っても、勇者でなければ襲われるんだ。俺やアーシャも襲われそうだな』

 

 竜帝のかけらを内包するお前は大丈夫だろうよ。

 竜帝のかけらを狙うのは竜帝のかけらを持つドラゴンだからな。

 ただ、アーシャに関しては、放っておけば間違いなく殺されるだろうな。

 

『……今すぐレイファ達も逃した方が良さそうだが』

 

 お前もわかっているだろう? 

 あの色情狂の勇者はそれを認めないだろう。

 お前を連れて行くと言うのも、ある意味お前を人質にして離れさせないためだろうしな。

 

『……』

 

 俺はオモシロドラゴンとの会話を終えて、元康の所に向かう。

 書籍版でもweb版でも描写されなかったダンジョンを攻略するのだ。

 気合を入れて取り掛かる必要があった。




何というか、霊亀国と呼ばれているってのもなんか変だなと思ったので、『リングィー』って呼ばれていることにしました。
ただ、リングィーは中国語で『霊亀』なので、勇者武器の翻訳で『霊亀国』と呼ばれているように聞こえると言う感じで脳内補完オナシャス!
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