波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず@現在新作小説執筆中

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霊亀始動

「元康、こいつがボスか?」

「ああ、霊亀が活性化したから、強い魔物が出現するんだぜ」

 

 俺の記憶だと確か、霊亀の使い魔(寄生混合統括型)だったか? 

 ともかく、キメラゾンビが亀の甲羅を背負っている気色の悪い魔物だった。

 漫画とは若干ではあるが、デザインが違っているのは元となった魔物が違うせいなのだろう。

 

「早く行かねぇと被害が拡大しちまうからな! そっこーで蹴りをつけるぜ!」

「確かあれは、切り口から蝙蝠型を噴出するんだったな」

「ああ、だからこそ、俺とは相性がいいのさ!」

 

 元康が槍を構えると、ビッチが魔法を唱える。

 

「ツヴァイト・ファイヤーアロー!」

「ツヴァイト・エアロブラスト!」

「行くぜ! 風炎の流星槍!」

 

 確かに、風炎の流星槍ならば破壊した切り口を焼けば、分裂を防げそうだった。

 

「アーシャ、撃ち漏らしの対応を頼む」

「わかりました。ソースケ様は?」

「俺も試してないが、強力そうなスキルを覚えたんでね。試し打ちさせてもらうのさ」

 

 俺は、新しく覚えたスキルがあった。

『流水気孔波』

『気』を練り込み、相手に直接『気』を流し込んで破壊する技だ。

 この頃ならばラフタリアやフィーロにも、強力な必殺技スキルを習得しているはずだった。

 ならば、そのレベルをさらに超えている俺にも習得できてなきゃ可笑しいだろう。

 

「コォォォォォォォォォォォォ……」

 

 呼吸を整える。

 気を練り込む。

 そして、前へと走り出す。

 俺が気の攻撃を行うには、武器はまだ使えなかった。無手での攻撃が一番気を扱える。

 火と風の雨を体捌きで回避しつつ、霊亀のしもべのキメラゾンビに接近する。

 体を焼かれてもなお、接近する俺に対して攻撃を仕掛けてくるキメラゾンビ。

 

「ソースケ様!」

 

 その攻撃をアーシャが斬り払う。

 が、間に合わない分は俺が全て受け流す。

 

「流水!」

 

 目の前に到達した俺は、スキルの使用を宣言する。

 

「気孔波!」

 

 崩壊の気を込めた両手を、キメラゾンビの体に触れさせる。

 

 ドムォ! 

 

 キメラゾンビの身体が弾けて飛び散る。

 身体に無数に寄生していた蝙蝠型のしもべも、弾けて飛び散る。

 

「ナイスだぜ! 宗介!」

 

 俺の後をついてきていた元康が、槍を残った部分に突き刺した。

 

「バーストランス!」

 

 残った部分はバーストランスで粉々に砕け散った。

 戦いはあっという間だったが、俺たちには急ぐ理由があった。

 

「よし、急ぐぞ! みんな!」

 

 元康を先頭に、ダンジョンから脱出する。

 そして、そこには、あまりにも巨大な、山が動き出しているのが見えた。

 

「ウヒョオ! でっけぇ!」

「……」

「ソ、ソースケ様、あれを倒すんですか……?」

 

 元康以外がその霊亀の巨大さに圧倒されていた。

 すでに勇者でないが故に、ステータスには自分の能力値と、小隊設定しているアーシャやレイファ達のHPとMP、レベル、そして元康達のHP、MP、レベルしか見えないのが残念だが、そんなものを見なくてもわかるぐらいの危機が、目の前に広がっていた。

 

「ソースケ!」

「ソースケくん!」

「ソースケ! あ、あれどうなってるのよ!」

 

 無事だった3人が駆け寄ってくる。

 ここはそれなりに離れているから、幸にして土砂災害の影響は受けなかったようだ。

 

「あれが、霊亀だよ」

「はぁ? なんであんなものの封印を解かなくちゃならないのよ!」

「槍の勇者殿、なんとかできるのか?」

 

 ライシェルさんが聞くと、元康は楽勝な雰囲気を出してうなづいた。

 

「ああ、今の俺のレベルならば、ソロでも余裕だぜ!」

「さ、さすが元康様ですわ!」

 

 さすがのビッチもドン引きしてるが。

 

「で、何か策は……」

 

 俺が言いかけた時、霊亀に対して攻撃が仕掛けられたらしい。

 爪楊枝よりも小さな何かが霊亀に当たるのが見えた。

 

「あ! ちくしょう! あいつら先に攻撃を! おい、宗介! 行くぞ!」

「え、ちょっ! 」

 

 元康は俺の襟首を掴むと、霊亀の元に駆け出す。

 ビッチ達は元康についていくようだった。

 なので、指示を出す。

 

「レイファ達は出来るだけ逃げてくれ! これから霊亀が魔物を出すだろうから、とにかく逃げてくれ!」

 

 伝わったかわからなかった。

 だが、ライシェルさんならば全員を守り抜けると信じることにした。

 霊亀の近くは地獄でしかない。

 だから、そんな場所にレイファ達を近づけたくはなかったのだ。

 

 だが、残念ながら彼らはついてきた。

 

「ソースケだけ行かせるわけにはいかないよ!」

「そうね、できるだけのことはやってやるわ!」

「ソースケくんは安心して前に出るといいさ。槍の勇者殿と協力して、この局面を打開するのだ」

「おいらもがんばるよー!」

「私はソースケ様に付き従うだけです」

 

 心強い仲間だと思う。

 だけれども、その危険性は、さらに跳ね上がることを俺は知っていた。

 だが、みんなの決意を無駄にはできないだろう。

 

「ヘヘッ、いい仲間だな!」

 

 そんな呑気している元康に、イラッと来たことは言うまでもなかった。




若干、ビッチ達が空気なのは仕方がないね。
描写してないだけで、一応何か喋ってますよ。

描写する必要がないだけだけどね!

vs本の勇者は見たい?

  • KO☆RO☆SE☆
  • 決着つかず、取り逃す
  • 戦闘回避!
  • そもそも出会わなかったんや…!
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