「ソースケ!」
不意にレイファの声が聞こえてそっちの方を見る。
どうやら、無事だったらしい。
リノアも、アーシャも、だいぶボロボロだがライシェルさんも、無事で良かった。
「ひ、酷い! 皮膚が炭化してる!」
「あの霊亀の砲撃をマトモに受けたからな……」
「その状態で、また別の敵と戦ってたみたいね……。ちょっとソースケ、怖いわ」
「流石ソースケ様です」
レイファはツヴァイト・ヒーリングを唱えて回復してくれる。
お陰で先程の限界ギリギリの状態からだいぶ回復する。
「表面が炭化しているなら、ヒーリング軟膏よりもポーションを掛けた方が効果があるだろう。レイファくん、これを使いなさい」
「ありがとうございます!」
レイファはライシェルさんからヒーリングポーションを受け取ると、俺の身体全体にぶっかける。
ジューっと音がして全身に激痛が走る。
「痛い痛い痛い痛い!」
「痛覚が復活しているんだ。我慢してくれ。とりあえず、まだ霊亀はそばにいるんだ。他の勇者様方は戦っているのかわからないし、とにかくこの場所を離れよう!」
ライシェルさんはそう言うと、ラヴァイトの馬車に俺を乗せる。
拍子でボロボロと炭化した皮膚が取れるが、それに対して痛みは感じなかった。
「ソースケ……大丈夫……?」
「ほんと、よく生き残れたわね。それに、あの後誰か強敵と戦ってたんでしょ? よくやるわ」
レイファとリノアは心配そうに俺の顔を覗き込む。
正直、今も意識がはっきりしている方が驚きだろう。
回復の影響で身体中が痛いが、本来であれば皮膚移植しないとどうしようも無い怪我を回復薬ひとつで回復するのだから、世界の法則の違いを実感させられるものである。
「ラヴァイト、メルロマルクまで走れるか?」
「ちょっと遠いけれど、オイラに任せて! シェルシェル!」
そう言って、ラヴァイトは走り出した。
「ソースケ、あんたは寝てなさい。私とアーシャで見張っておくわ。レイファはソースケの回復、任せても良い?」
「はい、大丈夫です!」
「わかりましたわ。ソースケ様、安心してお休みくださいね」
リノアとアーシャは馬車の後部に座る。
休めと言われても、身体中が痛いので、そうそう休めるものではなかった。
だが、たしかに身体を動かさない状況というのは楽ではあったので、身を任せることにしたのだった。
霊亀から離れるように移動していても、あのでかい図体は遠くからでもバッチリ見える。
だが、これだけ霊亀から離れていても、見える範囲であると言うことは、霊亀の攻撃範囲内であると言うことらしい。
所々で使い魔が虐殺していた痕を見かける。
ライシェルさんはそれに目を瞑り、とにかくメルロマルクへの道を急いだのだ。
まだ、メルロマルクへの道中の国で、盾の勇者によって霊亀が倒されたと言う話を聞いたのは、しばらくしてからだった。
今回はちょっと少なめです。
次回から盾の勇者に合流して霊亀2回戦と戦う事になります。
なんか二重投稿になってたっぽい。
ごめんね!