波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず

49 / 154
盾の戦い方

「俺は何人も殺してきた。お前達も俺の剣で切り刻んでやろう!」

 

 そいつは楽しそうにそう言うと、剣を構える。

 目には、狂気が宿っていた。

 

「ちぇえええい!!」

 

 ガンっと、俺は剣を盾で受け止める。

 

「いつっ……?!」

 

 少し痛かったぞ。

 どうやら、コイツの攻撃力が俺の防御力を若干上回ったらしい。

 と言っても、ダメージ1程度の痛みしかなかったが。

 

「ラフタリア、気をつけろ! コイツ、俺の防御力を超えてきやがったぞ!」

「!! わかりました、ナオフミ様!」

 

 俺とラフタリアは気を引き締める。

 俺でも1程度のダメージを受けると言うことは、ラフタリアが受ければ致命傷と言うことになるからだ。

 

「まあ、盾なら防御力無いと困るよな。試させてもらおう」

 

 ぐ、来る! 

 俺は盾を構える。

 

「ちぇええええええええええええええええええええええええええいいい!!」

 

 男は息もつかせぬ連続の斬撃を仕掛けてきた。

 俺はそれを読み、全てを盾で受け流す。

 この防御法のコツは景虎に教えてもらった。

 剣に合わせて盾で剣筋を逸らす方法だ。

 この方法だとダメージを受けずに捌くことができるみたいであった。

 ギャンギャンギャンと音を立てて、後ろに控えるラフタリアに攻撃が当たらないように防ぐ。

 

「せいやああああ!」

 

 ガキンっと音を立てて、俺は最後の一撃を正面から受け止める。

 キメラヴァイパーシールドの蛇の毒牙(中)と言う反撃スキルを期待しての事だ。

 当然ながら、発動する。

 キメラヴァイパーシールドの蛇の装飾が伸びて、剣士に噛み付いた。

 

「ぐっ! 毒か!」

 

 剣士は後ろに飛ぶ。

 

「ラフタリア!」

「はい!」

 

 俺とラフタリアは剣士との間合いを詰める。

 回復させる気は毛頭なかった。

 ラフタリアの攻撃に、剣士は舌打ちをして受け止める。

 

「ラフタリア、連撃で相手を惑わせ!」

「はあああ!」

 

 ラフタリアの攻撃は、剣士にとっては軽いだろう。

 それはレベルや装備の差もあるからだ。

 どう見ても、剣士のレベルは俺達よりも高いだろう。

 だからこそ、手数を増やして攻撃する必要がある。

 

「邪魔するなあああ!」

「エアストシールド!」

 

 ラフタリアと剣士の間にエアストシールドを設置して、ラフタリアへの攻撃を防ぐ。

 

「チェンジシールド!」

 

 盾は双頭黒犬の盾を選択する。

 盾についた犬の頭が剣士に噛み付く。

 

「チィッ!」

 

 ラフタリアはその隙を上手くついて剣士に攻撃を仕掛ける。

 

「っ! 硬い!」

「オラァ!」

「ふんっ!」

 

 俺は剣士とラフタリアの間に入り、剣を受け止める。

 やはり1ダメージを受ける。

 それほど重い攻撃だと言う事だろう。

 

「盾風情がやるじゃ無いか!」

「お褒めに預かり光栄だ」

 

 俺と剣士は剣と盾で鍔迫り合いをする。

 毒が効いているのか、顔色が若干悪い。

 

「ラフタリア!」

「はああああ!」

 

 ズバッとラフタリアの攻撃が入る。

 

「ぎゃああ! くそっ!」

 

 どうやら、クリティカルヒットだったらしく、ダメージが大きく入ったように見えた。

 

「つらあああああああああああああ!!」

「シールドプリズン!」

 

 耐久力のあるシールドプリズンでラフタリアを守る。

 剣士の攻撃は一撃一撃が重いため、シールドプリズンは徐々にヒビが入っていく。

 チッ、剣士の意識をこっちに向けなければな! 

 俺は石を拾い、複数個を上に大きく放り投げる。

 直接投げようとすると弾かれるが、上に複数個大きく投げるのはランダム性が伴うため、盾の制約に反せずに弾かれはしない。

 どうやら偶然、何個かが剣士に命中したようだった。

 

「邪魔だあああああ!」

 

 剣士の意識は俺に向く。

 どうやらタイマンで相手に集中するタイプのようだ。

 俺は連撃を捌く。

 剣と盾がぶつかるところが火花をあげ、逸らした攻撃の余波で地面が削れる。

 だが、俺はコイツと違い一人で戦っているわけでは無い。

 

「せい!」

 

 ラフタリアは背後から忍び寄ると、剣の腹で思いっきり剣士の頭部を殴り飛ばした。

 ゴイーンッと音がして、剣士は横に吹き飛ぶ。

 あの驚きの表情はなかなか見ものであった。

 剣士はそのまま、気絶したように倒れて動かなくなった。

 脳を揺さぶられたのだろう。

 そう言う軽い脳震盪は、この世界でもある事なのだ。

 

「ふぅ、手強い方でしたね」

「ああ、排除できたのは幸いだった。防具を引っぺがして縄で縛るぞ」

「はい、ナオフミ様」

 

 俺とラフタリアは剣士の装備を引っぺがして、縄で縛る。

 しかし、コイツの装備は非常に重たい。

 ラフタリアに剣を持たせてみたが、とてもじゃ無いけれども重すぎて扱いきれないとのことであった。

 まあいいだろう、とりあえず俺達は景虎と合流することに決めた。

 目的の女の居場所も分かったし、強敵の存在を景虎に知らせておくことも重要だろう。

 

「ラフタリア、一時撤退だ。先ほどの騒ぎを嗅ぎつけられたらまずいからな」

「わかりました。強敵を一人倒せましたし、成果としては十分ですね」

「ああ、一度戻ってフィーロ達と合流するぞ。その後再突入だ」

 

 俺達は、館から撤退した。

 この時、気づいていれば話はもっと簡単になったのだが、俺達に気付く余裕は無かった。

 ある女の子が一人、連行されて来ていることに気づいていれば。

 俺達が撤退できたのも、その女の子が搬送されたからであったらしい。




アンケート結果を反映させました!
尚文の戦い方は色々と考えさせられますね。

レイファの行方は?(お好みの展開で)

  • ミナに囚われの身(貞操は無事)
  • 転生者どもに嬲られた後
  • 既にシルトヴェルト
  • 実はまだ捕まっていない
  • 既に死亡

▲ページの一番上に飛ぶ
Twitterで読了報告する
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。