波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず

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宗介の考察

 ラフタリア達が戻ってきたので、尚文の提案で一緒に食事をすることになった。

 しかし、尚文たちと出会って3日しか経ってないのにすっかり打ち解けてしまったのは、お互いが復讐者であるからだろうか? 

 それとも、時間軸的にはズレがあるがほぼ同じ世界の出身だからだろうか? 

 

「んー、やっぱりごしゅじんさまのご飯の方がおいしいね」

「フィーロ、気持ちはわかりますが、そう言う事は大声で言うものじゃありません!」

 

 宿屋の飯であるからか、そんな感じであった。

 確かに、尚文の作る飯は串焼きであろうと上手いのは確かである。

 叙々苑の焼肉とかレベルと言った感じ。

 話を聞く限りでは、ごくごく普通の家事が得意な一般男性的なキャラだと思うのだが、あの料理の腕は【才能】以外に例えようがないだろう。

 俺が大抵の武器をそれなりに扱えるのも才能かもしれないが、実は影でこっそり練習をしていたりする。

 それに、俺の戦い方の骨子は合気道なのだ。

 この世界に合気道と言う概念は存在しないので、毎日一人で練習する以外にはないのだ。

 それに、努力をするのは人一倍好きな方だが、ステータス魔法のお陰で努力の効果が数字で一目瞭然な事が大きいだろう。

 勇者モドキにも通用する強さは、日々の努力の差だと思っていた。

 

「それにしても、ソースケ変わったね。かっこよくなった!」

「そうか? ありがとうな」

 

 俺はポンポンと頭を撫でる。

 それに、なぜか羨ましそうな目でラフタリアが見ていた。

 流石に原作を全て読んでいる俺は、理由ははっきりとわかる。

 だけれども、尚文の今の精神状態では難しいだろうこともわかっている。

 

「本当に、ソースケ、盾の勇者様、ラフタリアさんにフィーロちゃん、助けてくれてありがとうございました」

 

 レイファのお礼に、気持ちがほっこりする。

 実際、原作には登場しない完全無欠の村娘キャラである。

 実はラフタリアのように……と言うのはない事は確認済みだ。

 代々あの土地で木こりを続けている家系だそう。

 母親は確か、病気で他界したんだっけな。

 

 夕食の間は、俺は話題には気をつけていた。

 ドラルさんの話は、食卓でする話じゃないからだ。

 

 部屋に戻り、俺はレイファに意を決して、ドラルさんの最後を聞くことにした。

 

「レイファ」

「ん、どうしたの、ソースケ」

「ドラルさんの最後は、確認できたのか?」

 

 ドラルさんは俺にとってのこの世界での父親的存在だ。

 そんな彼の最後を俺は知りたいと思った。

 

「……うん、あの人の一味に捕まった時に、私を守るために冒険者達の剣に貫かれて……」

 

 残酷な事だ。

 あの精神異常者どもはどうかしている。

 なぜ、この世界をゲームと認識して、容易く殺す事ができるのか、理解できなかった。

 まあ、首を刎ねまくっている俺が言えた義理ではないが、少なくとも俺は殺す覚悟を持って刎ねている。

 

「そうか、それは辛いな……」

「ううん、ソースケと会えたんだから、大丈夫だよ! お父さんも、ソースケに守ってもらえって言っていたし」

 

 レイファに細かい話を聞くと、その冒険者達は俺とレイファが依頼を受けている最中にあった冒険者と雰囲気が似ていたそうだ。

 まるで遊び感覚でこっちを追い詰めてくるし、ドラルさんも殺気がないから対処しづらいと言っていたそうだ。

 レイファがほぼ無傷でいた理由も、誰がレイファとヤるかを揉めた挙句に殺し合いになり、そうこうしているうちに迎えが到着してしまったからだそうだ。

 いや、それを本人の前でやらかすのか……。

 頭が腐っているのか、はたまたメガヴィッチによって腐らされたのか。

 一体全体どう言う環境で育てばあんな自分勝手な性格になるのか不思議である。

 

 それに、あの白い奴……尚文曰く昏倒野郎だっけ。

 確かにテイルズシリーズの主人公に見た目は似てたけどさぁ……。

 あいつは、タクトや他のヒキニート転生者とは何かが違う気がした。

 戦っている最中も、動きに無駄がないと言うか……。

 反撃した時に奴が激昂していなければ、確実に死んでいたのは俺だっただろう。

 あれが本当の波の尖兵なのだろうか? 

 勇者武器に頼らなくても恐ろしく強い連中なんて、カルミラ島攻略後の尚文達じゃないととてもではないが倒せないじゃないか。

 まあ、もしかしたら、そう言う連中をタクトが狩って言ったのかもしれないがな。

 コーラ……投擲具の眷属器を持った波の尖兵だって、結局はタクトが狩ったのだろう。

 現時点で生きているのかは知らないがな。

 昏倒野郎との再戦に向けて、俺もまた鍛える必要があるな。

 あの時に掴みかけたあの感覚……ものにできれば、レベル以上の強さを手に入れる事ができそうだ。

 そのためにも、実戦経験をもっと積んで、強くなる必要がある。

 そう考えると、居ても立っても居られなくなった俺は、夜中にこっそりと合気体操を始めるのであった。




クズを早く改心させてほしいとか、より良い結果になるように動いてほしいとかそう言う要望は宗介の方針に反するために聞けませんので悪しからず!
でも、そうしたくなるのはわかる!

キャラクターデザインしてほしいキャラはいる?(100超えたキャラ描きます)

  • 菊池宗介
  • レイファ
  • ドラル
  • ミリティナ=アールシュタッド
  • その他(メールして)

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