波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず

79 / 152
【高難易度】ブラック・ウィドウ

 あの性欲女と別れてから、俺は順調に奴隷紋のオーナー連中を殺して回った。

 いやまあ、場所と行動パターンがわかれば、一人になった時にこっそりと殺害するのは難易度が低かったわけだが。

 当然ながら、ここまで殺害すると騒ぎが大きくなる。

 囚人が暴れ出したと大騒ぎになるのだ。

 俺たちはその流れに乗じて、脱出経路の探索を始めた。

 そう、奴隷紋のオーナーを全て殺したので、囚人達が暴れまわっているのだ。

 おそらく、侍達が先導しているのだろう。

 

「C地区、厄介な囚人が武器を持って暴れています!」

「所長はどうした! 何故奴隷紋が発動しないんだ?!」

「おい、誰か指揮が取れる奴はいないのか?!」

「看守は何をしている?!」

 

 と、絶賛大騒ぎ中である。

 大概スニーキングからの首刎ねで俺が殺したからなぁ。

 どったんバッタン大騒ぎである。

 ジャパリパークではなく収容所で、ケダモノは居るし除け者もいるがな。

 

「うまく行っているようね」

「そうだな。そろそろ時間だから移動するぞ」

 

 樹の言っていた例の場所に移動する俺たち。

 これは、転移魔法陣である。

 原作にはこう言うのあったっけか? 

 だが、ダンジョンのトラップなんかではよくある設定なので、存在するのかもしれない。

 この転移魔法陣は緊急脱出用の魔法陣らしく、樹達とここで合流してボスと戦う事になっている。

 

『力の根源たる俺が命ずる。理を今一度読み解き、我らに戦う力を与えよ』

「アル・ツヴァイト・ブースト!」

 

 俺はリノア達にブーストをかける。

 

「ここから敵が出現するのね」

「ああ、もう鎧は脱いで問題ないぞ」

「既に脱いでるわ」

 

 リーシアもリノアも、既に鎧は脱いでいた。

 俺は、鎧を二重に着るのは難しかったので、小手と一緒に小屋に置いたままだ。

 来る敵はゴーレムである。

 要人を連れ出そうとすると、出てくるボスでここにくるまでは何度破壊しても復活すると言う迷惑極まりないゴーレムである。

 いやもう、このイベントってなんかFF8っぽいよなー。

 ちなみに、ここで破壊しないとグッドエンドには行けず、要人が死んでしまうし、ここで出てくるゴーレム再出現してしまうそうである。

 

 と、しばらく待っていると魔法陣が輝いた。

 そして、樹達が現れる。

 燻製の奴ボロボロじゃねぇか。

 

「宗介さん、来ます!」

 

 樹の声で俺は槍を構えると、ドシーンと何かが着地して地響きが起きる。

 それは、カニのようなゴーレムであった。

 そう、FF8の序盤でトラウマになる追っかけてくるカニ型の機械! 

 それに似た姿をしている。

 

「KISHAAAAAAAAAAA!!」

「な、なによコイツ!」

「ふえぇぇぇ!!」

 

 カニが吠える。

 そして、リノアが驚きリーシアがふえぇする。

 しかし、でかいな! 

 

「皆さん、ここからダメージが通ります! 雷系の技が有効ですので、使える方はお願いします!」

 

 うーん、ガンブレード欲しいな。

 カニが爪を振りかぶる。

 リノアの武器はブーメランである。

 流石に、犬はいないみたいだけれど。

 イメージは飛来骨な感じだけれどね。

 

『力の根源たる俺が命ずる。理を今一度読み解き、彼の者に雷の衝撃を与え給え!』

「ツヴァイト・サンダーブリッツ!」

 

 俺は必殺技のために、手に雷を纏う。

 

「ツヴァイト・ウインドショット!」

 

 リーシアが魔法を放つが、あまり聞いていない様子だ。

 俺が槍に雷を纏わせると、赤黒い色に変わる。

 

「必殺! 雷大旋風!」

 

 攻撃が命中すると、バチバチと言う音とともに大ダメージが入る。

 なるほどな、俺なら結構簡単に倒せそうである。

 当然ながらカニの攻撃目標が俺の方に向く。

 ツメの攻撃がくるので、俺は槍で上手く受け流す。

 

「ツヴァイト・ファイアショット!」

「ツヴァイト・ウインドブラスト!」

 

 魔法攻撃も飛んでくるが、カニは俺を攻撃してくる。

 それにしても、燻製と樹は何をしているのだろうか? 

 

 俺は防御無視の十卦モードに変形させる。

 お、必殺技が使えそうである。

 

「必殺! カズィクル・ベイ!」

 

 どうも、必殺技の名称というのは俺の知識から命名されるっぽかった。

 カズィクル・ベイを宣言すると、俺は地面に槍を突き刺していた。

 すると、魔力で構成された槍がカニの足元から生えてきて、突き刺し、多段ヒットのダメージを与える。

 召喚した槍は血濡れの槍であり、形状は異なれど禍々しい槍であった。

 

「何ですか、そのスキルは?!」

 

 それに樹が驚いている。

 うーん、血を吸う事によって発動する必殺技一つかな? 

 槍を見ると、槍の穴に溜まっていた血が消費されているのがわかる。

 なるほど、『ブラッドチャージ』はあの禍々しい必殺技を発動するための血を集めるためのスキルなのだな。

 

「串刺し公の必殺技を再現しただけだ」

 

 俺としては、この技はカーススキルに似て非なるものじゃないかと思うんだよね。

 樹の犯されたカースを元康が発動した場合に発動しそうな感じ。

 俺の場合は代償は槍に溜まった血だろう。

 

 ガズィクル・ベイで負ったダメージで身動きが取れなくなるカニ。

 だが、HPはまだまだ十分に残っている。

 樹と燻製以外のメンバーが総攻撃を仕掛ける。

 前衛は樹に着いていったレジスタンスと俺しかいないのが残念であるが。

 シーフは撹乱しつつ、魔法攻撃をしてくれている。

 あ、リーシアは遠距離で魔法を唱えさせている。

 あいつ、弱いけれど全ての魔法が唱えられるからね。

 しかし、リノアのブーメランでの攻撃ってちゃんと効くんだな。

 当たったら戻ってくるようで、それを受け取りまた投げると言うのを繰り返している。

 総攻撃でだいぶダメージを受けたカニ。

 そろそろトドメを刺そうと俺が構えると、樹達が動き出した。

 

「わはははは! 喰らえ! ワシの斧!」

「サンダーシュート!」

 

 燻製が俺やレジスタンスの人を押しのけて攻撃を始める。

 カニは動けなくなっており、燻製の攻撃は普通に命中する。

 そして、樹の矢の一撃で大ダメージが入り、カニはスクラップになった。

 

「……」

 

 経験値は入らなかった。

 うーん、この。

 ラストアタックだけを綺麗に掻っ攫っていった感。

 リノアは唖然としており、レジスタンスの人も驚いていた。

 これが、勇者様かぁ……。

 何だかなぁと思わずにはいられなかった。




今回のシナリオの大元がFF8のパロです(´^ω^`)

 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。