波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず@現在新作小説執筆中

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投稿が遅れて申し訳ないです!


【高難易度】ダッシュツカンリョウ

 バババババババババ! 

 ガトリングの発射音が鳴り響き、俺たちは回避しながら脱出経路を進んでいた。

 今は俺が先頭に立ち、逃走経路を走っている。

 そして、カニは壁をかき分けて俺たちを追ってきていた。

 しかし、あのカニ倒せば倒すほど強化されている気がする……。

 今もチラリと見ると、さらに武装が解放されていた。

 なんかやばそうなカマが追加されているし、切り刻まれた囚人が「ぎゃああああ」とか叫びながら吹き飛んでいく。

 致命傷じゃないからか、HPが残っているからか、細切れになっていないのはポイントだろう。そこはステータス魔法様様である。

 俺の世界ならば、あれは輪切りになっている。

 ちなみに、俺が首を切っても切れない場合もある。HPが残る場合である。

 首刈りって多段ヒットするみたいだから、HPが普通だと残らないんだけどね。

 

「おい、樹! いつになったらアレ討伐できるんだ?」

「この城から出たところで仕留めます! 回数も4回目ですし、城から出ることによって再生力が落ちますからね。ここでコアを破壊します!」

「なるほどな! そういうのは先に言ってくれない?」

「いきなりネタバレとか味気ないではないですか」

 

 ああもう! 

 なんでコイツはゲーム脳なんだ! 

 命かかってんのにな! 

 勇者だから死んでも教会で復活できるってか?! 

 樹は楽しそうな表情をしている。

 まるでゲームでも楽しんでいるかのようである。

 

 最後の扉を開けて、俺たちは外に出た。

 ちょうど、侍達も待機していた。

 

「おお、イツキ様!」

「皆さん、敵が来ますので、戦闘準備です!」

「! わかりました!」

 

 侍達が、俺とリーシア以外に装備を渡す。

 燻製はいつもの鎧に着替えた。

 

「チッ!」

 

 俺は詰所に入り、素早く鎧を着替える。腰にクロスボウを装備し、小手を装備した。

 そうしている間にも、城の壁がドン、ドンっと音を立てる。

 その衝撃が伝わってくるので、焦っているわけである。

 俺が、樹達のところに戻ると同時であった。

 壁が破壊され、カニが這い出てきた。

 

「皆さん、全力で行きますよ!」

「「「はい!」」」

 

 樹達のパーティが戦闘態勢に入る。

 燻製、侍、戦士、シーフが前に出て、次に魔法使い、一番後ろに樹の並びだ。

 あれがいつものフォーメーションなのだろう。

 リーシアは……詰所で荷物回収してたっけな。

 まだ、リーシアは俺のパーティである。

 

 フルメンバーになった樹組は確かに連携が取れている。

 燻製、侍、戦士の3人ががむしゃらに責めるのでタゲが分散し、タゲが誰かに寄り過ぎたら樹が狙撃をしてタゲを逸らす。

 シーフはいい感じに撹乱しており、攻撃魔法と支援魔法でバックアップをしている。

 魔法使いは、火力支援と回復魔法で前衛を支援している。

 あー、確かにリーシアの入る隙は無さそうなパーティ構成なんだなと、戦い方を見て思う俺であった。

 

「カニは樹達に任せて良さげかな?」

 

 俺がそう言うと、リノアはうなづいた。

 

「そうね、私たちは収容者たちの誘導をしましょ」

 

 ちなみに、ジル中将は樹の隣にいる。

 あのカニはジル中将を狙っているので、正しい判断だろう。

 独善でもやるべき事はちゃんとやるのが樹なのだろうな。

 燻製は独善でやるべき事はやらないから死ねとしか思わないんだが。

 

「樹! 入り口から誘導できないか?」

「レジスタンス達が出るためですね、わかりました。皆さん、少し移動しますよ」

「「「はい、イツキ様!」」」

 

 樹に指示をすれば、言うことは聞いてくれるので助かる。

 さて、俺たちがレジスタンスの連中を誘導していると、アーシャが居るのを見つけてしまった。

 服装は、前のエロい格好ではなく他の囚人達と同じ普通の格好をしている。

 気づかれないように移動しようとしたら、どうやら気づかれたらしい。

 

「あ、ソースケ様!」

「うげ!」

 

 とっとっとと小走りで俺の所に来る。

 

「この度はありがとうございました」

「気にするな。早く行ったらいい」

「せっかく知り合ったんですし、お供したいです」

「全力でお断りだ!!」

 

 性欲女を近場に置いておくとかそれは嫌である。

 ヴィッチでも無いし、転生者でも無い感じなのになんなんだコイツは! 

 

「実は、私はレジスタンスのスパイなんですよ? この収容所の事について資料をわかりやすい位置に置いたり、色仕掛けで情報を引き出したりしていたんですよ!」

 

 性欲女は俺に褒めて欲しそうに暴露する。

 確かに、リノアに探させた時は重要そうな資料がかなりあっさりと見つかったわけだが、そう言うことだったのか。

 

「いや、そうなんだ、それは助かった」

「あの時はいきなり首が飛んだので、びっくりしましたけれどね」

 

 ピッタリとくっついてくる性欲女。

 ハニトラっぽい感じがして俺は警戒度を上げる。

 

「警戒しなくて良いですよ! 私は味方ですから。あの容赦なく首を綺麗に切りとばす姿と言い、あの暗殺術に惚れただけです!」

「こえーよ! そんなに元気ならレジスタンスの誘導を手伝えよ!」

「えぇー。まあ、仕方ないです。私はソースケ様に嫌われたく無いですしね。ではまた」

 

 渋々と言った感じで離れる性欲女。

 そのまま帰ってくるなよな、ぺっ。

 

「……ソースケも変な奴に目をつけられたものね」

「全くだ」

 

 俺はリノアに同意した。

 結局、樹達がフルメンバーならば、あのカニはちゃんと倒せたようであった。

 トドメは樹が刺したのか、ゴーレムのコアを樹が弓に吸わせていた。

 銃はゴーレム用のせいでウェポンコピーは出来なかったらしいがな。

 なんだかんだで内部の機構を見せてもらったが、やはりと言うか機械工学的な物と魔法のハイブリットで出来た代物であった。

 

 俺たちはラインハルトさん達の合流を待って、ジャンヌの居るコロシアムに向かうことになったのだった。

次の話は何を読みたい?

  • このまま宗介の活躍が読みたい。
  • ジャンヌってどんな奴か知りたい。
  • 樹視点での話を読みたい。

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