波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず

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【高難易度】ポスト・プロセス

「これで、レイシュナッド収容所は攻略完了ですね」

 

 カニを仕留めた俺たちは、騎士団の連中をレジスタンス達と共に締め上げていた。

 収容所に駐在している騎士団や所員の人数と比較すれば、囚人の数が圧倒的に多いのだ。奴隷紋という縛りがなくなった以上、殲滅するのにそう時間がかかることはなかった。

 ちなみに、ガチ犯罪者については牢屋に閉じ込めたままにしてある。

 収容所に侵入してから3時間程度しかかかっていなかったが、あっという間に収容所を占拠出来ていたのが行幸だろう。

 

「わっはっはっは! ワシらに感謝するが良いぞ!」

 

 燻製は得意げに高笑いをしている。

 目の前にはリンチされた騎士団や所員が縛られている。

 まるで自分の手柄みたいに言っているが、今更である。気にしたら負けだろう。

 解放られたレジスタンス達により、収容所の罠とかは解除されたので収容所の中を問題なく探索できるようになった。

 まあ、俺は興味がないから良いけど。

 

「いや、しかし冒険者様達の活躍で、かなり素早く攻略できました」

 

 お腹を削られて重症だったレジスタンスが回復薬のおかげで回復したらしく、朗らかに笑いながら樹に感謝を伝えている。

 ま、さすがは世界を救う勇者様だな。

 

「いえ、僕たちの使命なので、当然のことをしたまでです」

 

 樹本人は影から賞賛されることが好きらしく、嬉しそうに賞賛を受け入れていた。

 

「……ほんと、イツキって何者なのよ?」

「あー、本人は言いたがらないが、アイツ弓の勇者だぞ」

「え?!」

 

 リノアが困惑する。

 

「……確かに強いけれど、なるほどね。でも、勇者様ならあんなに弱いのはおかしいわよ。七星勇者様ですら召喚されてすぐでなければ相当強いのに……」

「あー、樹は正体隠して正義の味方をするのが好きなやつだからな」

「……は? 頭おかしいんじゃないの?」

 

 現地の人……メルロマルクじゃないまともな人から見れば、そうなのだろうな。

 

「確かに、弓の勇者様は正義を司る勇者様だけれど、それはおかしいわ。一体何がしたいのよ!」

 

 リノアは頭を抱える。

 こう言う思考の子が勇者に一人でもついていればまともになったんじゃないだろうか? 

 もう出来上がってるから遅いが。

 

「召喚されたのがメルロマルクだったからな」

「うーん、確かに盾の勇者様が迫害されていると言う話は聞くけれども、弓の勇者様がここまでおかしい思考回路になっているなんて異常よ。それに、メルロマルクで一斉召喚だなんてのもおかしな話だわ」

 

 リノアはため息をつく。

 

「弓を持っているからって勇者様って期待したけれど、あんまり期待できなさそうね。それなら、ソースケの方を期待したほうが良いわ。強いのはわかっているしね」

「あまり期待されてもな。一応アレでも、勇者様だけあって俺よりも強いしな」

 

 しかし、秘密主義も大概にしてほしいものである。

 カニは転移魔法陣のところで倒すと言う話だったのだけれどな。

 どうせ問い詰めても「ネタバレは良くありませんからね」と言われるに決まっているので、樹に展開を聞くのはやめたほうが良いかもしれなかった。

 

「……まあ、戦力になるなら私たちとしては構わないけれどね。ジャンヌさんも助けないといけないし、マリティナも打倒しないといけないし……」

 

 ま、あんまり将軍様を責めても仕方ないだろう。

 俺は話を変えることにした。

 

「で、次はコロシアムだが、ラインハルトさん達と合流してから攻めるんだったよな?」

「ええ、そうよ。ジル中将が戦える人たちを集めて、武器や鎧を配っているところね」

 

 つまり、解放した人たちを戦力としてそのまま加えると言うことである。

 まあ、それが目的の作戦だったわけだし仕方ないだろう。

 コロシアム攻略が完了すれば、いよいよ

 マリティナの攻略である。

 どう考えても、マリティナはメガヴィッチの分霊だ。

 すなわち、波の尖兵共を皆殺しにする必要がある。

 あの白い奴が出て来なければ良いんだがなぁ……。

 ボコボコに叩きのめしたが、生きている筈だ。

 もちろん、タクトに殺されていなければだがな。

 

「ソースケくん、リノアくん!」

 

 と、樹についていたレジスタンスの男性がこちらに走ってきた。

 

「どうしました、レイノルズさん」

「そろそろコロシアムに向かうことになるからね。馬車の準備も出来たから、君たちも準備を完了させてほしいと思ったんだ」

「わかりました。それじゃあ行こうか、ソースケ」

「はいよ」

 

 俺たちは、待たせていたラヴァイトの所に戻ることになったのだった。

 

 コロシアムまでおよそ半日はかかる。

 それに、王都に近いので、コロシアムでジャンヌを奪還したら、すぐに王都に向かうことになる。

 コロシアム攻略までに何時間かかるかわからないが、1日もあれば王都まで報告が行くだろうとの事であった。

 今回重要施設が落とせたのは大きいだろうとレジスタンスの男が興奮気味に言っていたので、果たして成功するやらといった感じである。

 

 そんな感じで、俺たちはすぐにコロシアムに向かって移動を開始したのであった。




アンケ結果で次の話を決めます。

次の話は何を読みたい?

  • このまま宗介の活躍が読みたい。
  • ジャンヌってどんな奴か知りたい。
  • 樹視点での話を読みたい。

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