波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず

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レイファ視点から開始です。


勇者になったので、女の子を囲ってハーレムしたい!
プロローグ


 ソースケが連行されてから3日、私達はどうしようかと途方に暮れていた。

 私、レイファと、リノアさんとアーシャさんである。

 ソースケはちゃんと関わると魅力的だから仕方がないとはいえ、なんで女の子ばかりなのかとは思う。

 

「どうやってソースケを助ける?」

「……どうしましょう」

 

 私達が面会に行ったところで、無理だと追い出されてしまった。

 アーシャさんも夜中に侵入を試みた所、影に妨害されてしまったらしい。

 

「しかし、どうしてソースケ様は指名手配になっているのかしら? レイファちゃん、教えてもらえない?」

「あ、はい」

 

 私は、ソースケからミリティナと言う女を始末するためと言っていた。

 私が囚われているなんて思っても見なかったみたいだけれど、救出された時に涙を流しながら無事でよかったと言っていたのが印象に残っている。

 ソースケは恥ずかしがりだからあまり言わないけれどね。

 

 で、諜報活動が得意なアーシャさんが色々情報を集めようとしても、影と言う教会の組織に妨害されて手詰まりになっているらしい。

 

「そもそも、なんで勇者達が全員メルロマルクに居るのよ。それに、勇者が滞在しているこの国でも、勇者の評判はあまり良くないし……」

「リノアさんも情報収集していたのですね」

「まあね。アイツ、心配だし、暴走したりするから、お目付役が必要だからね。レイファじゃいい子すぎて、ストッパーになりにくいだろうし」

「ええ、そんな事無いですよ。私だってつまみ食いぐらいならしたことがありますし……」

 

 リノアさんが「え、本気で言っているの?」と呟く。

 でも、悪いことはそれぐらいしかした事がないのは本当だ。

 後は、魔物を駆除したりだろうか? 

 今でもコックローチは苦手な魔物である。

 

「……なんでソースケの側にいるのかわからないぐらいいい子ね。アイツ、平気な顔で人を殺すヤバい奴だと思うんだけど」

「ソースケさんは、そこまで見境がないわけではないです。理由がないとそう言うことはしないですよ」

「まあ、そうなんだけどさ……」

 

 私はソースケを信じている。

 一緒に家で過ごした時から、ソースケは勇者のように輝いて見えたのだから。

 今は少し陰っているけれども、本当はもっと繊細で、だけど決めた事はまっすぐやり遂げる人だと私は知っているのだ。

 

「ソースケ様は素晴らしいですよね。あの容赦のなさ、戦っている時の姿勢と言い、ソースケ様の魅力を語ると1日では終わらなさそうです」

 

 うっとりとそんな事を言うアーシャさん。

 それに呆れた表情をするリノアさん。

 

「……そんな事より、アイツを助ける方法を考えないと! あの賞金額なら、下手すれば死刑なのよ!」

 

 私達がどうやってソースケを助けるか悩んでいる、聞いたことのある声が聞こえてきたのだった。

 

「あれー、レイファちゃんじゃん! 久しぶりだね!」

「ちょっと、モトヤス様!」

 

 彼が槍の勇者のキタムラ=モトヤスである。

 私にナンパをしてきた人で、隣にいるどこかで見た事がある女性に気をつけろと言われた事がある。

 

「お、お久しぶりです」

「久しぶり、久しぶり! 大丈夫だよマイン。困ってそうだったから話しかけただけだってば!」

「ですが、あと2日で波です。モトヤス様も準備をしないと……」

 

 マインさんと呼ばれる冒険者にしては豪華すぎる格好をした人と、キタムラさんが言い争う。

 

「で、君たち何を悩んでいるの? 良かったら教えてもらえないかな?」

 

 私達は顔を見合わせる。

 

「ねぇ、彼が槍の勇者様?」

「はい、そうですよ」

「……結構良い男よね。イツキに比べれば断然いいじゃない!」

 

 確かに顔はいいけれど、私には軽そうな印象しかない。

 でも、ソースケから事前に聞いていなければ、私もリノアさんと同じ反応をしたかも知れない。

 

「まあ、弓の勇者様に比べればですけどね」

「一番魅力的なのは、ソースケ様よ」

 

 アーシャさんは色々と間違っている気がする。

 

「……とりあえず、槍の勇者様に相談してみるのもありじゃないかしら。メルロマルクの王のオルトクレイ王は槍の勇者様の子孫だし、優遇していると思うわ」

「そうなんですね。うーん、わかりました」

 

 私はソースケを助けるためなら、と覚悟を決める。

 

「では、聞いていただけますか、槍の勇者様」

「オッケー」

 

 槍の勇者様はそう言うと、席を2つ準備する。

 先にマインさんを座らせて、隣に自分が座った。

 

「あ、先に自己紹介だな。俺は槍の勇者である北村元康。世界を厄災の波から救うために戦っているんだ。こっちはマイン。俺の仲間だ」

「皆さんよろしくお願いしますね」

 

 ニコニコと挨拶するマインさんは、ソースケの言う嫌な奴のようには思えなかった。

 まあ、ソースケの判断基準はよくわからないけれど、警戒しておくに越したことは無いだろうと私は判断した。

 

「私はレイファです。よろしくお願いします」

「私はリノアよ。ソースケの仲間をやっているわ」

「私はアーシャです。ソースケ様の愛人……候補です」

 

 私はアーシャさんを睨む。

 何というか、私にとって彼女は掴み所がないように感じた。

 そして、ソースケへの好意は本物である。

 

「ふーん、ソースケって確か、錬の仲間だったよな。という事は、錬とは別れたのか」

 

 槍の勇者様はそう言うと、「錬が一番信頼していたアイツだろ?」と考えを巡らせてこう言った。

 

「それじゃあ、君たちが何を悩んでいたのか聞かせてもらえるかな? 波まで時間がないから、そこまで時間がかかるものは出来ないけど、力になれると思うんだ」

 

 自信満々にそう言う槍の勇者様に、私は安心した。

 勇者様の言う事なのだ。

 ならば、出来るのだろう。

 

「その、ソースケが弓の勇者様に捕まえられて、留置所に連行されてしまったんです。ソースケをどうやって助けようかと悩んでいたんです」

「樹が? と言う事は、彼は賞金首にでもなったわけか?」

「はい。ソースケ曰く身に覚えはあんまり無いとか言っていました」

「なるほどねぇ……」

 

 槍の勇者様は渋い顔をする。

 普通に考えれば、犯罪者の脱獄を手助けしてほしいと言っているのだ。

 勇者様でも渋い顔をするのは道理だろう。

 

「その、ソースケは絶対そんな事をする人じゃ無いんです!」

「ええ、私達の故郷を弓の勇者と共に助けてくれたし、満身創痍になっても案じてくれた人よ。指名手配なんて絶対おかしいわ!」

 

 私とリノアさんが力説すると、槍の勇者様は私たちを値踏みするような目で見る。

 

「……君たちがソースケを信頼していると言うのはよくわかった。じゃあ、この元康お兄さんに任せておきなさい! 話してみて、悪い奴じゃなければ、条件付きだけれど解放してあげるよ」

「モトヤス様?!」

「マイン、ソースケは錬が一番信頼している仲間だった。と言う事は、波の戦いに参加させれば、尚文だけに任せる、なんて事にはならないだろう?」

「……」

「そうすれば、俺たちだって安心してボスを攻略できる! 錬が使っていた強いNPCを再利用してやるんだ。いいだろ?」

 

 マインさんはそう言うと、ため息をついてこう言った。

 

「仕方ありませんわ。モトヤス様の頼みですもの。お父様にも掛け合ってみますわ」

「サンキュー、マイン!」

 

 マインさんとの相談が終わったのか、槍の勇者様はこっちを向いてこうノリノリで言った。

 

「それじゃ、面接タイムだな。どう言う奴か見極めさせてもらうよ。本当に悪い奴だったら、申し訳ないけれどそのまま牢屋の中に残ってもらうからな」

 

 槍の勇者様はそう言うと、マインさんに留置所の場所を聞いていた。


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