波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず

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一気にハーレムが増えたぜ!

「それじゃ、俺の仲間を紹介するぜ」

 

 そう言って連れてこられたのは、メルロマルクでは高級な部類に入る宿屋であった。

 

「俺に近い方から、マイン。彼女はメルロマルクの第一王女でもあって、マルティ=メルロマルクなんだ。勇者と共に戦う事を選んだステキな女性なんだ」

「よろしくですわ」

 

 はぇぇぇ……なんかすごい人だったんだ。

 私は驚かざるを得なかった。

 王女様という割には気品? みたいなのはカケラも感じられないけれど、言葉遣い確かに偉そうな感じがする人だった。

 

「こっちはレスティ。彼女はマインの友達で風魔法が得意なんだ。同じく貴族出身で、結構物知りなんだぜ。特に国内事情なんかには明るいかな」

「ふふふ、よろしくね」

 

 魔法使いの格好をした女性である。

 彼女の方が若干、気品みたいなのを感じる。

 

「で、彼女はエレナ。ジョブ的にはシーフに該当するのかな。お父さんが商人をやっていて、そこの御令嬢さんだ。結構色々なところに気づいてくれる子で、助かっている」

「……よろしく」

 

 エレナさんは何故か私たちを哀れな目で見てくるのがすごく気になる。

 3人とも高貴な出の人ばかりで、私としては恐るばかりである。

 それに、3人とも美女なのだ。

 ソースケから聞いていたけれど、この槍の勇者様は女好きなのだろう。

 

「私はリノアよ。滅んじゃったけれど、アルマランデ小王国出身の元レジスタンスメンバー。ソースケの仲間よ。特技は、このブーメランで戦う事ね。よろしく」

 

 リノアさんは、ソースケ曰く元ネタと性格が違いすぎると言っていた。

 呟きなので詳しくは聞いていないけれど、どちらかというとキャルって子に似ているらしい。

 ……知り合いなのかな? 

 

「私はアーシャです。ソースケ様のあいじ……こほん、忠実なせいどれ……。痛い、リノアさん! ええ、右腕です。特技は諜報活動です。よろしく」

 

 アーシャさんは不敵に笑う。

 ソースケ曰く、彼女は純粋に性欲丸出しなところが嫌いらしい。

 アーシャさんが何故ソースケを慕うのか聞いたところ、危ないところを助けてもらったとだけしか聞いていない。

 リノアさんと同じレジスタンスの仲間で、収容所の情報を盗んではレジスタンスに流す仕事をしていたらしい。

 

「あ、はい。私はレイファです。ソースケの彼女……えへへ、で良いのかな? です。よろしくお願いします」

 

 自分で【彼女】と言うのはものすごく照れる。

 普段は妹の様にしか接してもらえないけれど、私はソースケが好きであった。

 

「あと一人、菊池宗介って言う俺と同郷の男が居るんだが、彼を留置所から出す交換条件の一つとしてパーティに加わって貰った。みんな、仲良くしてくれよ!」

 

 ニコニコしながら槍の勇者様はそう言った。

 キクチ=ソースケの名前を聞いて、ようやく驚くレスティさんとエレナさん。

 

「ええ?! もしかして、《首刈り》ソースケですか?!」

「ああ、彼女らはその宗介の仲間だよ」

「大丈夫何ですか?」

「俺自身も彼と話して、悪いやつじゃ無い事を確認したしな。それに、仲間である彼女たちを宗介が見捨てるとも思えない。だから、大丈夫さ」

「ええ、奴隷紋が効きませんでしたが、モトヤス様がちゃんと手綱を握っていますわ。それに、ちゃんと首輪はハマっていますしね」

 

 マインさんはそう言って、私を見る。

 え、どう言う事? 

 

「……なるほど。わかりましたわ、モトヤス様。それじゃ、私が彼女らの面倒を見るわね」

 

 エレナさんがニコニコしながらそう進言すると、槍の勇者様はうなづいた。

 

「ああ、それじゃあエレナに任せるよ。よろしく頼むな」

「お任せください」

 

 ど言う事なんだろう? 

 まあ、仲良くできるならば仲良くしておいた方が損はないのは確かである。

 

「それじゃあ、エレナ。後は頼んだわね。私はモトヤス様とのデートの続きをしたいから、これで失礼するわ」

「よろしくね。私はエステの予約が入っているの」

「はいはい、気をつけてくださいね」

 

 マインさんは槍の勇者様の腕を取り、出て行く。

 レスティさんも同様に後に続いた。

 二人が出て行ったのを見送って、エレナさんはため息をついてソファーに座った。

 

「面倒臭いのに目をつけられたわね」

 

 さっきまでの態度とは違うエレナさんがそこにいた。

 

「ふーん、それがアンタに本性ってわけ」

「そうよ。まあ、モトヤス様はおべっか使うだけで良いし、猫被るのは得意だからね。楽で良いわよ」

 

 え、何が起こったんだろう?! 

 

「アンタたち……じゃなくて、おそらくレイファだけね。人質にされたわね」

「それはソースケ様を留置所から出すために仕方の無い事なの」

「ふーん、《首刈り》ソースケがどんな奴か、噂にしか聞いたことがないけれど、アンタたちの様子を見ていると良いやつなのかもね。噂だととんでもない奴だけれど」

 

 エレナさんはゴロンと横になった。

 

「どんな噂なんです?」

「賞金を狙って行って帰ってきたのは首だけだった。一人で50人以上の冒険者を皆殺しにした。出会う=死……まあ色々よね。先日捕まったって話を聞いて安心している冒険者は結構多いんじゃないかしら?」

 

 うーん、大概合っていて私は反論できなかった。

 ソースケと夜営している時も冒険者が襲ってきたことがあったけれど、ソースケは即座に切り捨てていたのを覚えている。

 その時に吹き飛んで私の目の前に落ちてきた生首が一番恐ろしかった。

 それ以来、ソースケは人間と戦う時は私が見えない場所で戦う様になったっけ。

 

「とりあえず、ヒエラルキーは覚えておいた方がいいわ。あのマイン……マルティ様に逆らうのはあまり良くないわね。口答えもしてはダメよ。《首刈り》の人質だから、レイファには何もしないでしょうけれど、リノアは気をつけた方が良いわ。こないだもライノって子が娼館に売られてたもの」

「……き、気をつけるわ」

 

 確かにリノアさんは口答えしそうである。

 それぐらい骨がないとレジスタンスなんてできないだろうけれど。

 

「アーシャは……そもそも、空気を読むのが上手そうだし、大丈夫かもね」

「お褒めにあづかり恐悦至極」

 

 アーシャさんは掴み所のない人である。

 話していても、暖簾に腕押しする様に、のらりくらりと本質から外れてしまうのだ。

 

「で、そこの天然ちゃんは、まあ、マインとレスティの二人に近づかない方が良いわね。リノアといつも一緒にいた方が良いわ」

「は、はい!」

 

 エレナさんはそれだけ言うと、満足した様に目を瞑る。

 

「それじゃ、レスティかモトヤス様が戻ってきたら起こしてね」

 

 エレナさんはそう言うとあっという間に寝てしまった。




キャラクター紹介みたいな。
基本的に槍の勇者編はレイファ視点が多くなる予定です。

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