波の尖兵の意趣返し   作:ちびだいず@現在新作小説執筆中

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マインとのデートは楽しいなぁ!

 リノアさんとアーシャさんは情報収集と買い物に出たため、私はエレナさんと一緒にみんなの帰りを待っていた。

 それにしても、エレナさんはよく眠る。

 普段からちゃんと睡眠は取れているのか心配になってしまう。

 とは言っても、私もリノアさんに心配されてしまったけれど。

 

「レイファはもうちょっと危機感を持った方が良いわよ。自分が人質だってこと、ちゃんと理解してる?」

 

 私もちゃんとしないとソースケの役に立ちそうにないもんね。

 私がそう考えていると、エレナさんがむくりと起き上がった。

 

「あれ、レイファちゃん一人?」

「はい、リノアさんとアーシャさんは情報収集に行きました」

「ふーん、まあ良いけれど」

 

 起き上がったエレナさんはそう言うと、設置されてある水の入った瓶からグラスに水を注いで飲む。

 

「戻ってくるならその間、好きにして良いわよ。私もまだ帰ってこないなら波に備えて色々買い込んでおきたいしね」

「良いんですか?」

「良いわ、気をつけてね。怪しい人に話しかけられてもついていかないようにね」

「わ、私は子供じゃありません!」

「子供よ子供。天然ちゃんもほどほどにね」

「むー……」

 

 私はそんなに天然だろうか? 

 そんなつもりは無いんだけれどなぁ。

 

 私は宿を後にして、ソースケに役に立つ情報を集めるためにうろつくことにした。

 お店でお買い物をしつつ、情報を収集する。

 それにしても、波が近いせいか城下町は物々しかった。

 

「レイファちゃん久しぶりねぇ! 元気にしてたかい?」

「ええ、お陰様で♪」

 

 私は商店を覗きながら挨拶をする。

 こう言う繋がりは、お父さんの得意とするところであった。

 

「カレシ君は今日は居ないのかい?」

「ソースケはちょっと色々あって捕まっちゃってて……」

「あの子がかい? 何かやったのかい?!」

「その、私を助けた結果、指名手配されちゃって、それで最近捕まっちゃったんです」

「ああ、《首刈り》だったね。話したことあるから噂とは違うのは知っていたけど、捕まったんだねぇ……」

「はい、どうにかして助けたいんですけれど……」

「女王様がいれば、嘆願すれば良いけれど、今の王様じゃあねぇ。嘆願書が必要なら、おばさんも協力するよ」

「本当ですか! ありがとうございます!」

「うんうん、レイファちゃんはやっぱり笑顔が似合うからねぇ! そら、これを持って行きな」

「りんご、いいんですか?」

「カレシにも渡してやんな」

「ありがとうございます! なら、これとこれ、買いますね」

「はいよ。サービスして銅貨15枚だよ」

「ありがとうございます!」

 

 と、こんな感じで何故かサービスしてもらいつつ、ソースケへのお土産を購入する。

 そんな感じでうろついていると、知っている人から声をかけられた。

 

「お前は宗介の……。おい、レイファ!」

 

 盾の勇者様だった。

 今は防具は外しているのかマントと、まるで村人のような服を着ている。

 

「盾の勇者様。お久しぶりです」

「ああ、久しぶりだな。宗介は元気か?」

「あはは、今はちょっと、元気じゃ無いかもです」

 

 私がそう言うと、怪訝な顔をする。

 

「もしかして、捕まったか?」

「はい。()()()()に捕まってしまって、今は留置所にいます」

「わかった。すぐに助けに行こう」

「あ、待ってください!」

 

 とても頼もしい盾の勇者様であるが、一応ソースケは保釈されるのだ。

 私はその事を伝える。

 

「ソースケは波の戦いに参加する事を義務付けられますが、保釈されるんです。だから、大丈夫です」

「それが本当かどうかはわからないがな。この国の連中は信用ならない。特に権力者はな……」

 

 盾の勇者様は不機嫌な顔になる。

 よほど辛い目にあったのだろう。

 私は話を変えることにした。

 

「そういえば、ラフタリアさんやフィーロちゃんは?」

「ん? 二人は手分けして物資を集めている最中だ。俺はまあ、二人に渡すアクセサリーの仕上げに必要な道具を探していたところだ」

「そうなんですね。良かったら一緒に探しましょうか?」

「いや、それには及ばない。お前に声をかける前に買えたからな」

「そうですか、それは良かったです」

 

 盾の勇者様は少しだけ微笑むと、私の頭を撫でる。

 

「助けが必要ならいつでも呼んでくれ。宗介やレイファの頼みだったら、すぐにでも駆けつけてやるからな」

「ありがとうございます、盾の勇者様!」

 

 私はお礼を言う。

 やはり、盾の勇者様は優しい方だ。

 正直、弓の勇者にも見習ってほしい。

 ソースケを使うだけ使って、ひどい怪我のところを捕縛してギルドに引き渡すなんて、信じられなかった。

 

「とりあえず、宗介とは波で会えるか……。だが、どうやって行くんだ? 場所はわかるのか?」

「いえ、それは聞いていないです……」

 

 ソースケは知ってそうではあるけれど、私は聞いていなかった。

 そもそも、国外の波に挑む予定だったのだから、仕方ないだろう。

 

「まあいい、編隊機能を送っておくから入れ」

 

 盾の勇者様から編隊の勧誘が来る。

 盾の勇者様と槍の勇者様は不仲であるのは専ら有名なので、正直心苦しかった。

 

「それが、すみません。槍の勇者様と一緒に行くことになっていまして……」

「元康と?」

「はい、今日の昼頃に。それで、ソースケも保釈されることになったんです」

「なるほどな。さすがは女好きらしいな」

 

 盾の勇者様は顔に手を当てて、困ったような顔をする。

 

「レイファも波に参加する予定なのか?」

「はい、その予定です。もちろん、戦いませんし、避難誘導の方をやろうと思っています」

「わかった。なら、転送されたら俺たちの近くに来い。俺たちも波では近くの村を守る予定だしな」

「はい、わかりました!」

 

 私がそう言うと、盾の勇者様は私に忠告をしてくださった。

 

「それじゃあ、くれぐれも元康と、クソビッチのマインには気をつけろよ。レイファは騙されやすそうだからな。特にマインの奴は、人を貶めるのが好きなやつだ。気をつけろよ」

「ソースケにも言われてますので気をつけますね」

「ああ、気をつけろよ」

 

 私と盾の勇者様はこうして別れたのだった。

 やはり、盾の勇者様は優しい人だなと、改めて感じたのだった。




かなり原作とかけ離れてきている!
宗介は捕まっているからね、仕方ないね。

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