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「ハァッ!!」
「ウッ!……」
無限の闇が広がる暗い空間で全く同じ姿をした青年二人が戦っていた。
片方の青年は火の渦を放ち、片方の青年は雷を落とす……彼らは元々同じ肉体から分離した存在である。
正確にはこの世の森羅万象を司る概念が人間の姿をして対立する概念が戦ってると表現した方がいいかもしれない。
……彼らはこの世界を構築するそのもの、地球を創り、宇宙を創った創世主なのだ。
「どうしたお前の力はそんなもんか?、ディミエイター」
血が着いた拳をブンブン震いながら、同じ肉体から分離した青年(概念)は全ての原典であるディミエイターに挑発気味に語った。
「あなたに倒されるわけにはいきません……。あなたは私が愛するこの世界の生物を全て殺す気ですね。億万もの生命が育むこの宇宙をも……そんなことは断じてさせない!」
「黙れ」
「ぐあっ……ぁぁぁぁ」
腹部に西瓜ぐらいの穴が開き血飛沫が飛び散った。
力なくディミエイターは膝を地面につかせた。
「俺はお前の裏に眠る『憎悪』、『憤怒』、『破壊心』がお前の頭が腐りそうな博愛主義の考えから独立した概念(存在)なんだよ。言わばお前の本心の具現化とも言える」
「わたし、の本心の具現化だと……?」
「あぁ。そうさ。この世を創ったお前ならば人間の心情も当然持ち合わせている。お前は愛すると言うが人間なんざ、本音と建前が酷い動物だ。時にその醜さは見るに耐えなくなるぐらいにな。なぁ、俺はお前なんだ。あるんだろ?お前が作り出した地球を好きなように破壊する人間に憎しみや憤りを抱いたことが。こんな気侭な生き物は排除してしまえって思ったことがあるんだろ?」
「あなたの言うように彼らが自然を破壊し建造物を立てたり、地球を苦しめる行為に私は怒りを感じたことはあります……ですが彼らだって自分達の行いに対策を考案したりして地球を守ろうとしてる者もいるのです。そんな彼らの様子を見ていれば、私は怒るよりは応援したくなる……彼らを信じてみたくもなります。排除なんて考えは私には一切ありませんよ」
激痛に耐えながらディミエイターはもう一人の自分へ否定の意志を告げた。
耐えきれんとばかりに対極の自分は大声で笑いだす。
「ククク……ハーハッハッハッハッ!こりゃあ傑作だ。人間を信じて困った時の神頼みを地で行くとは創世主が聞いて呆れる。力が抜けて傷まで負ったお前に動く力はほとんどないな。この空間から俺の地球での塵掃除を見てろ」
不気味な笑顔を浮かべもう一人の自分……トロイは姿を消した。
このままでは人間狩りを彼が始めるのは確実だが猶予はあった。
ほぼ無傷のトロイもディミエイターとの戦いでエネルギーの大半を使い暫く能力に制限が掛けられた状態となる。
―ですが、それでも奴は私の片割れです。人間に寄生するなりして早く力を取り戻す可能性も考慮すべきだ。
ディミエイターは、自分の胸に手を当てた。
すると、4つの光が外に放出される。
1つ目は自然を司る深い緑の光、2つ目は水を司る淡い青の光、3つ目は雷を司る眩い黄の光、4つ目は氷を司る汚れない白の光。
創造主である自分の使いとして属性の概念を創り、人間の姿へと変えた。
自身の意図により創られた存在だからか、人間の姿になった時皆姿はバラバラだった。
しかし全員同じであれば怪しまれるので見た目や性別が違うのはよいことだ。
「私から生まれし者達よ。私の愛する人間が住む地球へ向かってください……見ての通り私は片割れであるトロイとの死闘で疲弊し力を大分ロストしてしまいました。私が動けない今、あなた方に愛する人間達を守ってほしいのです」
はい、と4人は声を合わせ変事した。
「我らを創りし者ここでゆっくり静養なさってください破壊と憎悪の象徴トロイから人間達を守ってみせます」
雷の概念は頭を垂れる。
「待ちなさい。名が無くては呼びづらいでしょう」
ディミエイターは4つの概念に名を与えた。
雷の概念はレイ。
水の概念はルシェロ。
緑の概念はシアン。
氷の概念はエニエール。
4人は再度深々と頭を下げ、球場態に身体を変え地球へ向かった。
「よろしく頼みますよ。私から生まれし者達」
地球へ向かう4色の光が尾をひき移動する姿は……綺麗で神秘的な光景だ。
舞台はほぼ日本にする予定です。