四葉の息子は劣等生   作:十六夜翔

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なんも言うことないです。はい、書き溜めって楽なんやね‪w

それでは本編どうぞ!


入学編Ⅹ

その日の夜、3人は夕食を取りリビングのソファで寛いでいた。

 

 

「お兄様、お聞きしたいことがあります。」

 

「なんだい?」

 

「お昼に生徒会室でお話されてた……」

 

「あぁ。あれは深雪にも教えておくべきだったね。キャビネット名『ブランシュ』オープン」

 

 

 達也の音声認識でリビングに反魔法国際政治団体の情報が集められたものが映し出された。そして、達也は深雪にブランシュについての説明を始めた。その会話を零司は目を瞑り一言も話さなかった。次の日は実技の授業で美月がエキサイトしてた。放課後は達也は壬生の答えを聞きにカフェに行った。

 

 

「ねぇねぇ、零司君。噂で聞いたんだけど壬生先輩と達也君って付き合ってるの?」

 

「デマだよ、詳しくは言えないけど壬生先輩が兄さんに剣道部に入らないかって言われたらしいよ」

 

「な〜んだ、つまんな〜い」

 

「とりあえず帰ろうか」

 

「そうだな、このままいてもなんにもなんねぇし」

 

 

翌日いつもの様に授業を受ける平穏な日々は直ぐに崩れ去った

 

 

『全校生徒の皆さん!僕達は学内の差別撤廃を目指す有志同盟です!僕達は生徒会と部活連に対し、対等な立場における交渉を要求します!』

 

 

「零司」

 

「俺のところも来たよ、行こうか」

 

「行ってらっしゃい」

 

 

途中で深雪ど合流し、放送室に向かうと既に克人と摩利と鈴音が居た。

 

 

「遅くなりました」

 

「遅いぞ」

 

「すんません」

 

 

 形だけの叱責に形だけの謝罪を返し、達也は状況確認をする事にした。

 とりあえず放送は止まっている。恐らくは電源をカットしたからだろう。放送室の扉は閉ざされており、突入した形跡は無い。如何やら占領した連中は、鍵をマスターキーごと持っていったらしい。

 

 

「明らかに犯罪ですねこれは」

 

「そうです。だから相手を暴走させない為にも此方は慎重に行くべきでしょう」

 

 

 零司の独り言を鈴音が拾い、誰かに言い聞かせるような口調で自身の考えを披露する。誰に言っているのかは考えるまでも無く分かった。

 

 

「聞く耳を持ってる連中とは思えん。此処は多少強引でも短時間で解決を図るべきだ」

 

 

 一人頭に血が上っているように思える摩利は、鈴音の意見を却下しスピード解決を主張しているようだ。

 

「十文字会頭は如何のようにお考えで?」

 

 

 自分を呼びつけておいてこの場に居ない真由美が気になったが、この場にはもう一人考えを聞くに値する人間が居たのだ。

 

 

「俺は交渉に応じても良いと考えてるが、学校施設を破壊してまで早急に解決すべきかは悩みどころだ」

 

「なるほど」

 

 

 克人の考えに一礼して下がった達也は、懐から携帯端末を取り出した。決して摩利の刺々しい視線に負けたわけではない。

 

 

「壬生先輩ですか? 司波です」

 

 

 達也の言葉に周りがざわついた。放送室占領の一人である紗耶香に直接電話を掛けるなど誰も思いつかなかった行動だったし、誰一人中に居る人間のプライベートナンバーを知ってるものは居なかったのだ。

 

 

「それで先輩、今どちらに……はぁ、放送室に居るんですか。それはお気の毒に……いえ、馬鹿にしてる訳ではないです」

 

 

 達也の聞いている紗耶香の声を何とか聞こうと、周りに居る生徒たちは達也の傍に寄って行く。その中には女子も居るので、深雪の機嫌が忽ち悪くなっていくのを感じた達也は、早急に電話を終わらせる事にした。

 

 

「それで、本題に入りたいのですが……十文字会頭は交渉に応じても良いと言ってます。生徒会長の意思は……いえ、会長も応じるそうです」

 

 

 達也が否定しかけたところに鈴音のジェスチャーが視界に入り、この場ではそう言う事にしておいた方が良いと判断した達也は、そう繋げた。

 

「ええ、先輩の自由は保障しますよ。我々は警察ではないので牢屋に閉じ込めるような権限はありませんので……では」

 

「おい達也君、今のは壬生紗耶香か?」

 

「ええ。すぐ出てくるそうです」

 

 

 摩利の質問に簡潔に答えた達也は、鈴音や克人にも視線を向けた。

 

 

「早急に体勢を整えるべきかと」

 

「体勢? 何の体勢だ?」

 

 

 何を言ってるんだと言う表情で、摩利は零司に尋ねた。困惑の表情が浮かんでいたのを確認して質問に答える事にした。

 

 

「何って、中の連中を取り押さえる体勢ですよ。CADは間違い無く持ち込んでるでしょうし、もしかしたら他の武器も持ってるかもしれないんですから」

 

 

「……達也君はさっき、自由を保障すると言ってなかったか?」

 

 

 ポカンと口を開けていた摩利だったが、衝撃よりも疑問が勝った為に発言出来た。鈴音は口を開けたまま固まっているが、摩利の疑問は鈴音も思っていた事のようで、達也の答えを待っている。

 

 

「兄さんが保障したのは、壬生先輩の自由だけですよ。それに兄さんは、学校や風紀委員を代表して交渉してるとは一言も言ってません」

 

 

 あっさりととんでもない事を言い放った零司を、摩利も、鈴音も、克人までもが口を開けて固まってしまった。ただ一人を除いて固まった達也の言葉を聞いて、深雪は笑いながら達也を責める。

 

 

「悪い人ですね、お兄様は」

 

「今更だな」

 

「そうですね。ですが、壬生先輩の番号を登録してた件は、後でゆっくりとお聞きしますので」

 

 

 場違いな怒りをぶつけられ、達也は苦笑いを浮かべた。その光景を零司は声を殺しながら笑った

 

暫くすると壬生が扉を開けた。その瞬間、壬生以外の実行メンバーを取り押さえた

 

 

「どういうことなのこれは!私達を騙したのね!?」

 

 

自分だけの自由が保証されていると気付いていなかった壬生は達也に少々ヒステリックな様子で詰め寄る。そこに深みのある声が聞こえた。

 

 

「司波はお前を騙してなどいない」

 

「十文字会頭……」

 

「交渉には応じよう。だが、お前達の要求を受け入れることと、お前達の取った手段を認める事は別問題だ」

 

 

壬生が悔しそうな表情をする中、その発言に待ったをかける者がいた。

 

「それはその通りなんだけど……」

 

「七草」

 

「彼らを離してあげて貰えないかしら」

 

 

梓を具して現れた真由美は壬生の元へ歩みを進める。

 

 

「だが……!」

 

「分かっているわ摩利。でも壬生さん一人では交渉の段取りも出来ないでしょう?当校の生徒である以上、逃げられるということも無いのだし」

 

「私達は逃げたりしません!」

 

 

声を荒らげる壬生に真由美は彼女を含めた周りの人間にとある決定を伝える。

 

 

「学校側はこの件について、生徒会に委ねるそうです」

 

「壬生さん、これから貴方達との交渉の打ち合わせをしたいのだけど、着いてきてもらえるかしら」

 

「ええ、構いません」

 

 

 放送室をエガリテの数人が占拠した翌日、3人は駅である人物を待っていた。

 

 

「あら? 達也君に零司君に深雪さんじゃない、如何かしたの?」

 

「昨日の一件が如何なったのかきになりまして」

 

 

 この言葉に真由美は驚いた表情を浮かべた。

 

 

「意外ね。達也君がそんな事を気にするなんて。他人に興味の無い人だと思ってたわ」

 

「概ねその通りですが、如何やら他人事では無くなってるようなので」

 

 

 エガリテの目的は知らないが、紗耶香の目的は達也を仲間に入れる事だろうと確信している為にわざわざ駅で真由美を待っていたのだ。

 

 真由美の話では、彼らの目的は一科生と二科生の差別の撤廃だそうだが、具体的な意見は何一つ出てこなかったそうだ。

 

 

「それで、明日講堂で討論会を開く事にしたの」

 

「随分と急ですね」

 

「善は急げってね! 相手の考えを聞くには良い機会だし、単純な論争なら負けないもんね」

 

「(具体的な意見が何一つ出てないのに討論になるんだろうか)何だか会長、楽しそうですね」

 

零司は最初に思ったことは口にせずに別の言葉を発した

 

 

「そうね。もしあの子たちが私を言い負かすだけのしっかりとした根拠を持ってるのなら、これからの学校運営に役立てるじゃない?」

 

 

 討論会が開かれる事は、あっという間に全校に知れ渡り、改革派は仲間を集める為に必死に勧誘をしていた。

 

 

「おい達也」

 

「レオ、如何かしたのか?」

 

「いやな、廊下で美月が上級生に話しかけられてるんだが、助けた方が良いのかと思って」

 

「わかった、行ってみよう」

 

「頼むわ」

 

 

そういい達也は席をたち美月の元へ向かった

 

 

「あれ?零司君は行かないの?」

 

「兄さんだけで大丈夫でしょ、俺が行くと余計にめんどくさくなりそうだし」

 

「確かにそうかも」

 

 

夜になり、3人は八雲の寺を訪れていた。達也と深雪は八雲と会話、どうでもいい零司は八雲の弟子と組手をしている

 

 

「それで、何を聞きたいんだい?」

 

「第一高校三年、剣道部主将司甲の事について」

 

 

八雲は真面目に達也に情報を渡した。司甲はブランシュのリーダー、司一の義弟である事と、再婚当時はあまりなじんでなかったが何時の間にか親しい間柄になっていた事など、プライバシーを完全に無視した情報まで八雲は達也に話したのだった。

 

 

 


 

 

 

 急遽予定された割に、討論会に出席している生徒は全体の半分と言った所だった。講堂を見渡した鈴音がため息交じりに冗談を言うほどに、この参加率は想像してなかったのだ。

 

 

「如何やら皆さんよほど暇なようですね。もう少しカリキュラムを増やすよう進言した方が良いのでしょうか?」

 

「市原、冗談を言ってる余裕があるのは良いが、あまり洒落に聞こえないぞ」

 

 

 鈴音の冗談に苦笑いを浮かべながら摩利が応じた。摩利自身もこれほどまでに参加するとは思って無かったのだ。

 

 

「お兄様、壬生先輩のお姿が見えませんが」

 

「別の場所で待機してるのかもな。それとも……」

 

「達也君?」

 

 

 急に目を細め遠くを睨んだ達也を、摩利は不思議そうに眺めていた。

 

 

「でも確かに、事前に調べ上げたメンバーの半分しか講堂に来てませんね。司波君の思ってる通り、別の場所に控えてるのかもしれません」

 

「実力行使組か……面白い」

 

「渡辺委員長、ご自分のお立場をお忘れなき用に」

 

「……分かってる」

 

 

 鈴音に釘を刺された摩利は、不貞腐れたように短く答えた。

 

 

「此方から打って出るのはマズイよな?」

 

「専守防衛といえば聞こえは良いですが、向こうが仕掛けてこない以上此方からは仕掛けるのは駄目ですよ」

 

「始まります」

 

 

 鈴音の言葉に、摩利も達也も口を閉ざす。真由美が一人で大丈夫と言ったので達也や摩利も舞台袖で見ている。零司に限っては二階席の隅っこで下を見おろすに止まっているが、本音を言えば摩利は壇上に上がりたかったのかもしれない。

 

 

「やはり真由美の独壇場だな」

 

「元々が言いがかりでしか無いですし、改革派メンバーには明確な資料がありませんからね」

 

 

 真由美が予算配分や施設の使用時間などが明確に分かるグラフや表を使っているのに対し、改革派は何一つ明確な資料は無い。これじゃあ討論にすらならないのだが、真由美はこの際に言いたかった事があったようだ。

 

 

「私も今の現状を善しとは思ってません。ご存知のように、生徒会役員は一科生からしか選出する事が出来ず、確かに此処にも差別と言われるものが存在します。ですから私は、私の任期の間にこの差別を撤廃出来る様に務めたいと思ってます」

 

「ふ~ん……」

 

 

 真由美の意思表示に対して、摩利は面白く無さそうに口を開いた。如何やら摩利は、真由美が自分に何も相談してくれたなった事が面白くなかったようなのだ。普段はお互いを悪友だと評しているのに、意外と気にしてるんだなと達也は摩利を眺めていながらそんな事を考えていたのだが、大きな爆発と共にそんな陽気な気分はあっという間に無くなった

 

 

〜To Be Continued〜




あの、書き溜めをそのまま使っとります。初めて書いた小説なんでつたないかと思いますが、暖かい目で見てくれれば嬉しいです(めっちゃ今更)

それではまた次回!
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