四葉の息子は劣等生   作:十六夜翔

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俺に前置きはねぇ…最初から最後までクライマックスだぜ!

という訳でようやく入学編のフィナーレです。

それでは本編どうぞ!


入学編ⅩⅢ

十文字から車の準備ができたと連絡が入り達也、零司、エリカ、レオの4人は車に向かった。十文字は既に乗っているのだろう思い達也は後部座席に乗り込もうとすると助手席にいた男性に声をかけられて少し困惑した

 

 

「よう、司波兄。俺も参加させてもらうぜ。」

 

 

そこに居たのは剣術部の桐原武明だった。最初は何故居るのか分からなかったが十文字が乗せているなら問題は無いだろうと思い、深く考えるのをやめた。車が出て数分車内では…

 

 

「司波、お前が考えた作戦だ。お前が指示を出せ。」

 

「レオ、お前は退路の確保。エリカはそのアシストと逃げ出そうとした奴の始末」

 

「捕まえなくていいの?」

 

「余計なリスクを追う必要は無い。安全確実に始末しろ。」

 

 

そしてメンバーの振り分けを再開する。

 

 

「会頭は桐原先輩と裏口を回ってください。俺と零司はそのまま踏み込みます。」

 

「わかった、任せておけ」

 

 

そして達也を乗せた車はブランシュのアジトに近づいていた。アジトの入口に近づいた時達也がレオに合図を出す

 

 

「今だ、レオ!」

 

「パンツァー!」

 

 

音声認識による逐次展開で車を硬化させ、閉ざされた入口を突き破る。そして達也の言われた通りに別れ、達也と零司は中に入っていった。そしてすぐに開けた場所に到着したと思ったら、目の前からライトを当てられた。

 

 

「ようこそ!」

 

 彼がブランシュのリーダーだと、達也も零司も即座に理解したのだった。

 開けた場所に出た達也と零司を出迎えたのは、十数人の部下を引き連れたリーダーと思しき男だった。

 

 

「君が司波達也君か。そしてそちらの男性が弟の零司君かな?」

 

「お前がブランシュのリーダーか」

 

「おっと、そうだねまずは自己紹介と行こう。私がブランシュ日本支部のリーダー、司一だ」

 

「一応投降の勧告だけはしておいてやる。全員武器を捨て両手を頭の後ろで組め」

 

 

 達也はCAD、シルバーホーンをブランシュのメンバーに向け投降の勧告をする。が司一はそれを見るや大笑いする

 

 

「魔法が絶対的な力だと思っているなら大きな勘違いだよ。」

 

 

司一が手を挙げ合図をすると部下達は銃を構える

 

 

「司波達也君、我々の仲間になりたまえ。アンティナイトを必要としない君のキャストジャミングは非常に興味深い技術だ。」

 

「壬生先輩を使って接触したのも、弟に俺を襲わせたのもそれが狙いか。」

 

「うん、頭のいい子は好ましいね。だがそこまで分かっていてノコノコやってくるとは所詮子供だ。」

 

 

そういい司一はおもむろに右手で眼鏡を取り上に投げる

 

 

「司波達也!我が同士になるがいい!」

 

 

 そう叫んだと同時に、眩い光が達也に放たれた。そしてその光が治まると、達也の顔から表情が抜け落ち、突き出していた右手がダランと床に向けられた。

 

 

「意識干渉型系統外魔法『邪眼(イビルアイ)』……と称してるが、その正体は催眠効果を持つパターンの光信号を明滅させ相手の網膜に投射する光波振動系魔法。単なる催眠術、これで壬生先輩の記憶もすり替えたのか?」

 

「子供騙しだな、つまらん」

 

 

零司は興味無さそうに欠伸をする

 

 

「貴様……何故」

 

「つまらん奴だな、眼鏡を外す右手に注意を引き付けて、CADを操作する左手から目を逸らさせる。そんな小細工が通用すると思うか?起動式が見えていればその一部を抹消するだけでお前のちゃちな魔法などただの光信号だ」

 

 

達也に追い詰められた司一は焦り始める

 

 

「そんな真似が…貴様の対抗魔法はキャストジャミングでは無かったのか?」

 

「二人称は君じゃなかったのか?」

 

 

そういいシルバーホーンを司一に向ける

 

 

「大物ぶっていた化けの皮が剥がれているぞ?」

 

「撃て、撃て!」

 

 

部下達は銃を構え撃とうとすると持っていた銃は分解しバラバラになるその光景に恐怖した司一は奥へ逃げ込む

 

 

「兄さん、追いかけるといいよ…で、こいつらは殺していいの?」

 

「証拠は残すなよ?」

 

「やったぜ」

 

 

そういい達也は司一を追いかける

 

 

side零司

 

 

「さてと、どうやって殺そうかな?引き裂くか?嫌でも、そうすると血の後片付けがめんどくさいな。…なら燃やすか?よしそうしよう」

 

そういい零司は爪型のCAD、シルバークロウを操りテロリストの足元に大きな魔法式を展開する

 

 

「なんだこれは!」

 

「特別に教えてやるよ、振動減速系広域加熱魔法ムスプルヘイム…さぁお前らの悲鳴を聴かせておくれ」

 

 

展開した魔法はテロリスト数十人を一人一人包み燃やしていった。数十人による悲鳴は戦闘中の十文字や桐原には聞こえず、外で待機していたレオとエリカにしか聞こえなかった。1番悲鳴が聞こえる位置からは近いが達也はこうなることを予想していた。

 

 

「おい、これって悲鳴じゃねぇか?」

 

「そんなこと分かってるわよ…レオ、あんたここにいなさい。私は中に入って調べてくるから!」

 

「おい!」

 

 

そういいエリカはレオを置き去りにし悲鳴の聞こえる中に入っていった。一方達也は司一を追い詰めていた

 

 

 

side達也

 

 

「(司一を含め、テロリストが11人。これで全員のようだな。マシンガンは十丁、他に遠距離武器は無しか)」

 

 

 物理的な障害をものともしない達也の魔法の前には、待ち伏せなど意味を成さない。CADの引き金を引き、マシンガンを分解して達也は部屋へとゆっくり進んでいく。マシンガンが分解され驚いていたテロリストたちだったが、その次の行動へ移る際にそれほど怯まなかったのは自分たちの優位を確信していた為なのかもしれない。達也の耳には不快な音が響いていたのだった。

 

 

「如何だ魔法師。これが本物のキャスト・ジャミングだ!」

 

「……(大量のアンティナイト、鉱山型古代文明の栄えた地にのみ産出される軍事物資)、パトロンはウクライナ・ベラルーシ再分離独立派。そのスポンサーは大亜連合か。零司に知られなくてよかった。」

 

 達也が心底つまらなそうにつぶやくと、司は一瞬たじろいだがすぐに笑みを浮かべた。

 

 

「殺れ!」

 

 

 キャスト・ジャミングを発動しながら、テロリスト十人は達也にナイフで襲い掛かる。つまらなそうな目のまま達也はテロリストに向けてCADの引き金を引くと襲いかかってきたテロリストからから血が噴き出す

 

 

「ぎゃぁ!」

 

「グワァ!」

 

「な、何故だ!? 何故このキャスト・ジャミングの中で魔法が使える!?」

 

 

 心底つまらないのを隠そうともしない目を向けられ、司は壁にへばりつき震えだす。

 震えてた一のわきの下辺りから、日本刀のようなものが生えてきた。

 

 

「ヒィッ!?」

 

 

 道を文字通り切り開いてきたのだろう桐原が、この部屋の惨状を眺めて達也に視線を向けた。

 

「やるじゃねぇか司波兄、それで…こいつは?」

 

 

 桐原が達也から視線を一に向け、その視線に司は這いつくばってでも逃げ出そうとしていた。

 

 

「ブランシュのリーダー。司一です」

 

 

 既に興味を失っている達也は、桐原に事実を告げた。

 

 

「コイツが? コイツか!壬生を誑かしやがったのは!」

 

 

「ギャアアアアアアア!?」

 

 

 辺りに不快な音が響く。桐原の得意魔法『高周波ブレード』が一に襲い掛かった。ただでさえ模造刀で壁を切り裂いてきたが桐原が、腕一本を斬り落とすのは容易い。司の腕は何の抵抗も無く切り落とされたのだった。

 

 

「その辺にしておけ!」

 

 

 桐原が切り開いてきた道を通ってきた十文字が、司に止めを刺そうとしていた桐原を止める。そして一瞥して興味を失ったのか、克人は一の切り落とされた腕の先を魔法で燃やした。ブランシュリーダーは意識を失った。

 

 

「司波、コイツらで全員か?」

 

「おそらく」

 

「そうか、では俺の家に電話しよう。後の事は何とかする」

 

「お願いします」

 

 

 十氏族の中でも、十文字家の力は警察庁トップにも負けないくらいの影響力を持つ。これで今回の事が外部に漏れる事も無ければ、達也や深雪の事も世間には知られる事は無くなったのだ。

 

 

 

side零司

 

 

一方その頃悲鳴の聞こえた場所へ走っていた。悲鳴は桐原が達也と合流する時に消えていた。エリカが開けた場所に到着するとそこに居たのは零司だった。

 

 

「零司…君?」

 

「エリカ?なんでここに?」

 

 

エリカが見ていた光景は地面に転がっている黒い物体を零司が踏み砕いてた

 

 

「何を…しているの?」

 

「ダメじゃないか、兄さんの言われた通りにレオと退路を確保していないと…」

 

「何をしてるのって聞いているのよ!」

 

「何って…ゴミ掃除だよ、ただのゴミ掃除」

 

 

ゴミ掃除と言い黒い物体をどんどん踏み砕き塵になったゴミを燃やし灰も残さず消していた。

 

 

「さてと、終わりかな?」

 

「ねぇ零司君…さっき悲鳴が聞こえたんだけど…君が踏み砕いてた黒い物体は人間じゃないよね?」

 

 

エリカは零司がさっきまで砕いてた黒い物体が人間じゃないことを祈り零司に聞いたが零司は肯定とも否定とも取れない返事を返した。

 

 

「さぁ?どうだろうね…」

 

 

エリカに向けられた微笑みはとても不敵に見えた。

 

 

「さてと、俺はこれで…兄さんには先に帰ると伝えておいて」

 

 

エリカは恐怖で返事は出来なかった。零司は返事を待たずにブランシュのアジトから出ていった。そして零司は端末を取り出しどこかに電話をかける

 

 

「もしもし、俺です。零司です」

 

『おや、どうかされましたか零司殿?』

 

「要件は分かってるはずですよね、葉山さん」

 

 

零司は四葉家執事の序列1位、葉山に……つまり四葉家本家に電話を掛けていた

 

 

『分かっております。ブランシュの件ですな?』

 

「はい、その件で本家に出向きます。」

 

『その程度なら電話でもよろしいのでは?』

 

「いえ、母上にそのうち逢いに行くと言っていたので丁度いい機会です。ではまた」

 

『承りました。それではこちらは何時でも出迎えるように準備をしております』

 

「よろしくお願いいたします」

 

 

そんな会話をしながら葉山との電話を切った。後日、壬生紗耶香の退院の日、朝早く起きて達也と話をしていた

 

 

「壬生先輩の退院には出向かないのか?」

 

「ごめん、用事で今日1日いないから」

 

「わかった、深雪には俺から言っておこう」

 

 

達也との会話を終え零司は電動二輪に跨り用事という名目で達也達には内緒で四葉家本家に向かった。

 

 

 

side達也

 

 

達也達は壬生紗耶香の退院のお祝いに達也と深雪はエリカと病院に向かった。そこには壬生と楽しそうに会話する桐原の姿があった

 

 

「桐原先輩、毎日来てたんだって〜」

 

「へぇ〜、それはまた」

 

「ちぇ〜、やっぱ驚かすのは無理か〜」

 

「いや、驚いたぞ。桐原先輩がそんなにマメな性格だったとは」

 

「そっちじゃない!ふんだ、そんなふうに性格悪い事ばかりやってるからさーやにもフラれちゃうのよ!」

 

 

深雪はエリカの言った言葉に違和感をだいた

 

 

「エリカ、さーやってもしかして壬生先輩の事なの?」

 

エリカ「そうだよ?」

 

「随分と仲良くなったんだな」

 

エリカ「任せて」

 

 

エリカは達也に指した指を振りながら答える

 

 

達也「壬生先輩」

 

 

達也に名前を呼ばれて壬生と桐原は達也に気がついた。壬生の所へ行くと壬生紗耶香の父親である壬生勇三と2人で話すことになった。勇三は達也に感謝し、零司によろしく伝えておいてくれと言われ、達也は壬生達の元へ向かう

 

 

「司波君、お父さんと何を話していたの?」

 

「俺が昔お世話になった人がお父上と親しい友人だったと言う話をしていたんですよ。本当、世間は狭いですよ」

 

 

「達也君とさーやってやっぱり深い縁があるのね〜。ねぇさーや、どうして達也君から桐原先輩に、乗り換えたの〜?達也君の事好きだったんでしょ〜?」

 

「ちょっと、エリちゃん!?」

 

 

からかわれるのに慣れてない壬生は顔を赤らめる

 

「ルックスだけなら達也君の方が上だと思うんだけどなぁ」

 

桐原「つくづく失礼な女だなお前…」

 

 

エリカは桐原の肩に手を置く

 

 

「桐原先輩…男は顔じゃないよ」

 

「なっ…マジに泣かせたろかこいつ…」

 

「まぁまぁ、それでさーや決め手はマメな所?不器用な男の優しさにグッときちゃったとか?」

 

 

それを聞き壬生は深雪から貰った花束で顔を隠しながら話し始める

 

 

「うん…多分エリちゃんの言う通り私、司波君に恋してたんだと思う」

 

 

そのセリフにエリカは驚き桐原は驚愕し深雪は顔を顰める

 

 

「私の憧れた揺らぐことの無い強さを持っているから…でも、憧れると同時に怖かったんだと思う…私がどんなに一生懸命走っても司波君にはきっと追いつけない…あんなふうに強くはなれない。桐原君は、多分この人なら喧嘩しながらも同じ速さで歩いてくれると思った…だからかな?」

 

 

それを聞き桐原は恥ずかしそうに頭を搔く

 

 

「ご馳走様。ねぇ桐原先輩はいつからさーやの事好きだったの?」

 

 

「うるせぇ女だな、別にいいだろそんなこと。お前には関係ねぇ」

 

 

達也は何かに気が付きエリカに話しかける

 

「そうだぞエリカ、いつからなんて関係ない。大切なのは桐原先輩が本気で壬生先輩に惚れているという事だ」

 

桐原「なっ!?お前…」

 

「詳しいことはプライバシーにも関わってくるから言えないが、ブランシュのリーダーを前にした時の桐原先輩の勇姿には男として適わないと思ったなぁ」

 

「ねぇ達也君〜」

 

「なんだ?」

 

 

エリカは達也に近づきあえて桐原に聞こえるように耳打ちする

 

 

「後でこっそり教えてね」

 

「千葉てめぇ!司波坊、喋りやがったら承知しねぇぞ」

 

「喋りませんよ」

 

「えぇー、いいじゃない!」

 

「このアマ!」

 

「うわぁ〜怒った〜」

 

 

そうして桐原とエリカの追いかけっこが始まった。そして達也と深雪は病院を出て日常に戻るのであった

 

 

 

〜To Be Continued〜




はい、どうだったかな?この後1話だけ閑話という名の幕間を入れて九校戦編に入ろうと思います。

それではまた次回!!
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