四葉の息子は劣等生   作:十六夜翔

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入学編を終え、幕間でございます。

それでは本編どうぞ!


入学編 幕間

朝早く本家に向かった零司は葉山に電話をかけた

 

 

「もしもし葉山さん」

 

『おはようございます、零司殿。』

 

「おはようございます、葉山さん。昼前にはそちらに到着できるかと」

 

 

軽い挨拶を終え零司は葉山に到着時間を知らせる

 

 

「承りました。それではお待ちしております。」

 

「よろしくお願いします。」

 

 

そう言い休憩していた零司は葉山との電話を切り、再度電動二輪に跨り本家に向かった

 

一方エリカは桐原にヘッドロックをされておどけていた。達也と深雪がいなくなったことを確認し桐原と壬生に話しかける

 

 

「桐原先輩、さーや…ちょっといいかな?」

 

「お、おう」

 

 

急に雰囲気を変えたエリカを離し話し始めるを待つ

 

 

「どうしたの、エリちゃん?」

 

「桐原先輩、さーや…少し付き合ってくれない?」

 

「「???」」

 

 

壬生と桐原は詳しいことは何も聞かずにエリカについて行くことになった。エリカ達が移動している間、零司は四葉家本家に到着していた

 

「お待ちしておりました。零司殿」

 

「葉山さん、お久しぶりです」

 

 

出迎えたのは葉山だった

 

 

「零司殿、真夜様がお待ちしております」

 

「わかりました」

 

 

荷物を女中に預け零司は葉山の後を追い四葉家当主の四葉真夜の所へ向かった

 

 

「真夜様、零司殿をお連れしました。」

 

「おはいりなさい」

 

「失礼します」

 

 

真夜のいる一室に入るとそこには40代とは思えないほどの美貌を持つ1人の女性がいた。その女性こそが四葉家現当主であり、零司の母親である四葉真夜である

 

 

「司波零司…いや、四葉零司只今帰宅致しました。」

 

「おかえりなさい、零司さん」

 

 

零司は違和感を覚えた。真夜は基本零司のことを「れいくん」と呼ぶのだが真夜から出た言葉は「零司さん」であった。この場合の選択肢は2つ、真夜信者の青木さんが近くにいるか、報告を真剣に聞くかのどちらかである。

 

 

「では早速、今回の件での報告を行います」

 

「よろしくてよ」

 

 

そういい真夜は紅茶を啜りながら零司の報告を聞き始める

 

 

「今回の反魔法国際政治団体ブランシュ日本支部の殲滅は予定通り、問題なく実行され無力化に成功しました。

今回の詳細は知っていると思われますが念の為に…今回、ブランシュ日本支部のリーダー、司一は義弟である司甲を使い第一高校に潜入、司波達也のキャストジャミングを応用した魔法を見た司甲は壬生紗耶香を使い剣道部に勧誘するが失敗。

その後エガリテは放送室を占拠し、討論会が行われました、が十師族七草家のご令嬢七草真由美の独壇場になり終わると同時にブランシュによる学校への武力行使を開始、これは生徒と教師による制圧で怪我人は出たものの死人は出ませんでした。

その後ブランシュのアジトへ向かい殲滅、司一を無力化し今回の件に終止符を打ちました。」

 

「成程、だいたいは把握しました。次に達也さんの件について…」

 

「はい、司波達也は今のところ四葉家を裏切る気配は見られません、ですがいつ裏切るか分からないため今のところ経過報告でしかありませんが。司波深雪は四葉家に戻ることを躊躇う節が見られます」

 

「ところで零司さん、本家への報告はしないと達也さんに言ったそうだけど」

 

「よく覚えていますね、そんなものはブラフ、つまり嘘ですよ」

 

「あらあら、人が悪いですね」

 

「今更ですよ、母上」

 

 

零司も真夜も不敵に微笑む。その光景を見た葉山は娘と孫を見ている感覚になった

 

 

「そうですね、とりあえず達也さんと深雪さんに裏切る気配は今のところ無い、それで構いません。最後に次期当主についてなのですが」

 

「そうですね、今のところ俺が次期当主になる方向で構わないのですがそれだと司波達也の手綱を握りきれないのは確かです。司波達也を当主にすると四葉家の反感を買う可能性は大いにあります。」

 

「そうですわね、青木さん辺りは特に気にしそうですしね」

 

「そのため今のところ俺が考えてる案は司波達也を次期当主補佐にする方がいいかと、あの力と頭脳は四葉家には必要不可欠です。」

 

「そうね、その通りだわ…葉山さん」

 

「はい、貰った情報はとても有効なものでした」

 

「これぐらいなら四葉の情報網で直ぐに取れるでしょ」

 

「いえいえ、いくら四葉でも達也殿の視界入る危険性があるので最近は零司殿の情報が頼りなのですよ」

 

「葉山さんに頼りにされるとは嬉しい限りですね」

 

「ほっほっほ、嬉しいお言葉この老体に染みます」

 

「大袈裟ですね」

 

「葉山さん…もういいかしらそろそろ限界だわ」

 

「えぇご存分に母子のお時間を」

 

 

葉山がそう言うと真夜は零司に飛びついて来た

 

 

「れいく〜ん!」

 

「よく我慢できたね母さん、今日1日はここに居るからね」

 

「ところでれいくんの本性を1片でも見た千葉のお嬢さんはどうする?消しとく?」

 

「物騒ですよ、それにエリカはクラスメイトです、俺の本性を知っただけで四葉の関係者、ましてや当主の息子なんて思いもしないよ、大丈夫、仲直りするから」

 

「そう、れいくんがそう言うならそれでいいわ」

 

 

今日1日はずっと真夜と一緒にいた、さすがにお風呂は離れたが夜は一緒に眠った。

 

 

 

零司が本家に到着した頃、桐原と壬生はエリカに連れられある所に来ていた

 

 

「おい、千葉ここは」

 

「ええ、そうよ…ブランシュのアジトがあった廃工場」

 

「エリちゃん、入っていいの?立ち入り禁止って書かれてるけど」

 

「あーそれは大丈夫、うちの知り合いに警察関係の人間がいるからこれくらいなんともないわよ」

 

 

そういい3人は廃工場に入っていた

 

 

「おい千葉、今更なんでこんな所に来たんだ?」

 

「桐原先輩、不思議に思わなかった?救急車で運ばれたいったテロリストの人数に」

 

「あぁ、確かに救急車で搬送された人数を見たがアジトにしては敵の数が少ないとは思ったな」

 

 

そんなことを、話しているとエリカが目指していた目的地に着いた

 

 

「広い場所に着いたね」

 

「ここがなんだって言うんだ?」

 

 

エリカは壬生と桐原にここであった事の顛末を果たし始めた。それを聞いた壬生は手で口を隠し驚きを顕にした

 

 

「なんだ?千葉、お前司波弟のことが気になるのか?」

 

「そ!そんなんじゃないわよ!」

 

「エリちゃん…」

 

「だから違うって!」

 

 

場所に似つかわしくない雰囲気になるが直ぐに無くなる

 

 

「授業中、たまに零司君と目が合うとあの時の光景がフラッシュバックしてどうしても避けちゃうんだ…」

 

「まぁそんなことをしたやつが目の前にいれば俺でも避けてしまうわな。でもよ、来たところで証拠は無いんだここに居るだけ無駄じゃねぇか?」

 

「それもそうね」

 

「まぁ考えても仕方ないよ、大丈夫仲直りできるよきっと」

 

「喧嘩してるつもりは無いんだけど…まぁそうなればいいかな」

 

「それじゃ、帰りましょ?エリちゃんの好きな人も分かったことだし」

 

「だからそんなんじゃないって!」

 

 

顔を真っ赤にしながら廃工場から出てきたエリカと笑いながら出てきた壬生と桐原はそれぞれの家に帰宅したのだった

 

 

 

〜To Be Continued〜




次回から九校戦編に突入します。零司君がどうやって九校戦に関与するのかお楽しみください。

それではまた次回!

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